日々草子 秘密 第20話
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

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秘密 第20話

琴子の熱は幸いにも一晩で下がり、病院を一日休んだだけで済んだ。
そして、数日後、直樹と水沢は病院のカンファレンス室で打ち合わせをしていた。

結局琴子が倒れた日、水沢はあの後、何も言わずに買ってきた水を直樹へ渡して立ち去ってしまっていた。
そのことに直樹も水沢も一切触れないまま、打ち合わせも終了した。その場をさっさと立ち去りたかった直樹が挨拶をした後、席を立とうとしたその時、
「…入江先生と相原さんって、本当はどういう御関係なんですか?」
水沢がとうとう口を開いた。
「ただの同級生じゃないですよね?」
結婚していることを告げようかどうしようか直樹が一瞬迷った時、水沢が話を続けた。
「この間の様子からすると、二人は付き合っているんですか?」
どうやら結婚しているとまでは思っていないらしい。この分だと一応、今後も琴子の望み通りに過ごせるかと少し直樹は安堵した。
「…ご想像に任せます。」
それだけ返事をした。

「…僕、相原さんは先生みたいな人が遊びで付き合うような人じゃないと思いますけど。」
水沢の言葉に、直樹は話の方向が違う方向へ行っている事に気がついた。
「相原さんって、すごく頑張り屋でけなげで純粋だと思うんです。」
そんなこと、お前に言われなくても知っていると直樹は言いたかった。
「先生はきっと女性にも困ったことはないでしょうけれど、彼女を弄ぶのだけはやめてほしいんです。」

どうやら、水沢は直樹が琴子と一時の関係を結んでいると思っているらしい。ある意味、水沢という男も純粋と言えば、純粋である。その上、水沢は直樹を相当な遊び人だと思い込んでいる。
「先生は別居中とはいえ、東京に奥さんがいらっしゃるんでしょう?本気ならきちんと奥さんとの関係を清算することが先じゃないですか?」
病棟では“離婚歴あり”、そして薬剤師の間では“別居中の妻あり”という噂になっているのかと、直樹は今更ながら噂のいい加減さにあきれ果てていた。
「すみません、こんな生意気なことを言って。みすみす相原さんが不幸になるのが可哀想なんです。」

水沢は琴子にかなり本気になっている上、しかも直樹が琴子を愛人にしていると完全に誤解していることを知り、直樹は怒りを通り越して、笑ってしまいそうになっていた。どれだけひどい男に思われているんだとおかしさが込み上げてくる。
しかし、釘をさすなら今かもしれないと直樹は思った。

「それじゃ、失礼します。」
水沢が席を立ち、ドアに手をかけた時、
「ちょっと待て。」
今まで水沢が聞いたことのない冷たい声が部屋に響いた。
「自分一人だけペラペラ喋って出て行くというのは、都合が良すぎないか?」
水沢が振り向くと、声だけでなく、更に見たことのない冷たい表情をした直樹がいた。
「はい?」
「せっかくのご心配はありがたいけれど、妻との関係を清算するつもりなんて毛頭ないから。」
「…じゃ、あくまで相原さんとは遊びとして付き合うという訳ですか…。見損ないました。」
水沢は怒りに震えた。
「…本気だけど。」

そこまで話した時に、突然ドアが開いた。
「あっ、ごめんなさい。まだ使用中だったんですね。」
開けたのは琴子だった。
「先生たちの後に、別の先生と患者さんがカンファレンスをここで行うので、準備を頼まれたんですけれど…。」
琴子の手には、ファイルが数冊あった。
「まだお話が終わってないみたいですね。センターで待っていますから、終わったら声かけて下さいね。」
そう言って、琴子は外に出ようとした。その時、
「…琴子。」
直樹が声をかけた。突然、名前で呼ばれた琴子は慌てて開けかけたドアを閉め、中の二人の方向へ向いた。
「あ、あの、い、入江先生…。」
水沢の前で何を言い出すのかと、琴子はハラハラしている。

「…もういいよ。ゲームオーバー。」
直樹は琴子の狼狽など眼中にないかのように、言った。
「…ゲームオーバー?」
水沢は直樹の言葉の意味が分からない。
「俺たちは結婚してるんだよ。正真正銘の夫婦。」
「夫婦!?」
水沢は目の前にいる琴子と直樹の顔を見比べた。
「…本当?」
水沢の問いに、琴子は一瞬直樹の顔を見て、そして頷いた。
「嘘…?だって、苗字だって別々…。」
水沢は未だに直樹の言葉が信じられない。
「夫婦別姓なんて、今時珍しくないだろう?それに…。」
そう言いながら、直樹は胸元から何かを引き出した。
「これ、証拠。」
直樹の指先にあるのは、チェーンを通してネックレスにした結婚指輪だった。神戸で働く前日に、琴子が二人の指輪を細工したものだった。
「それでも信じられないのなら、琴子も今、同じ物を付けているから見せてもらえば?もっとも琴子の指輪は俺からのメッセージ入りだけれど。」
琴子はもはや目の前で繰り広げられていることに付いていくことがやっとの状態だった。
「じゃ、話はこれで終わったよな。俺たち先に行くから。琴子、行くぞ。」
直樹は琴子を促して、水沢を置いて部屋を出て行った。

「…何で水沢くんにバラしちゃったの?」
その夜、琴子は家で直樹に訊いた。
「何も、言わなくてもいいと思うんだけど…。」
琴子はかなり不満そうだった。楽しんでいた“秘密の院内恋愛”が終わってしまうのだ。しかも直樹も一緒に楽しんでいたと思っていたのに。

「…元々無理だったんだよ。秘密にするなんてさ。」
琴子の不満など事も無げに、直樹は答えた。
「今日はさすがにあいつも驚きのあまり、周りに言いふらす気も起きなかったみたいだけどな。」
「…言いふらすような人じゃないでしょう。水沢君は。」
琴子はカンファレンス室で、直樹と水沢が何を話していたのか知らない。だからなぜ自分たちの話題になったのかが分からなかった。
「もういいじゃないか。お前も明日から覚悟しておけよ。ま、働き始める時に、上の人間に説明したことと同じことを言えば、みんな納得するよ。」
そんな簡単に行くのかと琴子は不安で、その晩一睡もできなかった。
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