日々草子 続・君と綴る文字 4
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事



まず最初に、琴子は西垣医院の二階、西垣の私宅部分の掃除にとりかかった。
といっても、男性の一人暮らし、しかも西垣は綺麗好きらしく、さっとほうきをかけるだけで済んだ。
「本当に楽そう。」
そんなことを思いつつ、一階の医院へと移動する。

「ああ、悪いね。」
机に向かって医学書を読んでいた西垣が入って来た琴子に気がつき、掃除をしやすいようにどいてくれた。
琴子は西垣の邪魔をしないよう、手早く机の周りを拭いて行く。

「いいねえ、姉さまかむりの琴子ちゃん。可愛い。」
一生懸命掃除をする琴子を見ながらご満悦の西垣。そんなこと、夫の直樹にも言われたことがないので琴子は照れてしまう。



琴子が待合室をせっせと掃除をしていた時、
「おはようございます。」
という声が医院側の玄関から聞こえた。

「あら…可愛らしい女中さんだこと。」
患者は女性だった。しかもかなりの美人で琴子に笑いかけたその姿は恐ろしいほど色っぽかった。
「偉いわね、こんなに頑張って。」
そしてその患者はパチンと持っていたバッグを開け、中から飴を取り出し、
「はい、ご褒美よ。」
と、琴子に渡した。
「あ、あの…。」
戸惑う琴子。
「いいのよ、遠慮しないで。」
患者はフフフと笑う。

「やあ、西条さん。」
そこへ診察室から西垣が姿を見せた。
「あん、センセ。」
西条と呼ばれた患者は、西垣を見て一層色気を出した。
「もう…女中さんを変えなすったのね。」
西条は人差し指を西垣の胸に当て、ぐりぐりとしながら流し目を西垣へ送る。

―― す、すごい…。

目の前で繰り広げられている光景に琴子は言葉を失ったまま、飴を握って立ち尽くしている。

「違うよ。彼女は女中じゃなくて、僕の知り合いの奥さんなんだ。」
「んま!人妻!こんな可愛らしいのに?」
西条は琴子に微笑みかけた。琴子もぎこちない笑みを返す。
「ちょっと女中が出て行ったからね、代わりに手伝いに来てもらっているんだ。」
「そうねえ…センセの所は女中さんが必須ですものね。」
相変わらず西垣の胸をいじりながら、西条は真っ赤に塗られた唇を突き出した。

―― う、嘘!!

驚くことに、その突き出された西条の唇に、西垣が唇を重ねた。琴子は思わず顔を赤らめる。

「あら…?」
琴子の視線に気がついた西条が、顔を琴子へと向けた。
「…いけない。ついいつもの調子で。」
―― い、いつも…。
いつもこのようなことを、このような場所でやっているのかと驚き呆れる琴子。

「それじゃ、診察を始めようか。」
唇についた真っ赤な口紅を拭うこともせず、西垣は西条を診察室へと促した。
「はい、センセ。」
西条は西垣の腕に自分の腕を組み、診察室へと入って行った。



「いやあ…すごいなあ。」
掃除を終え、琴子は西垣の家の居間に場所を移して溜息をついていた。口の中には西条からもらった飴が転がっている。
「あの患者さん、西垣先生のいい人なのかなあ?」
コロコロと飴を転がしながらそんなことを考える琴子。あんなに情熱的な口づけを交わすのだからきっとそうに違いない。
「飴くれたし、いい人よね。」
琴子は一人合点すると、いつもの字の練習にとりかかった。



「琴子ちゃんは働き者だね。」
その日の夕方、医院の玄関を清掃する琴子を見て西垣は感心した。
「もっと休み休みでいいんだからね?」
「でも、きちんとお給金も頂いていますし。」
その分はきちんと仕事をしないと申し訳ない。琴子はせっせとちりとりでゴミを集めながら西垣に返事をした。
「本当に…いい子だね、琴子ちゃんは。」
そんなことを話していた時、医院の玄関の扉が開いた。

「旦那様…!」
そこに現れたのは直樹だった。手には往診用の鞄を持っている。どうやら往診の帰りらしい。
「この近くを通りかかったら、お前も帰る時間だろうと思って。」
琴子は時計を見た。確かにそろそろ上がる時間である。
「もしかして、迎えに来て下さったんですか?」
ちょっと胸をときめかせ、琴子は直樹を期待を込めた眼差しで見つめた。
「お前が何かしでかしてないかと思って来ただけだ。何か壊したり失敗したりしたら、俺もこの人に頭を下げないとならなくなるからな。そんな屈辱的な真似はごめんだ。」
「あ、そうですか…そうですよね。」
琴子はしょんぼりと肩を落とした。自分にも他人にも厳しい直樹である。琴子を迎えに来るなんて甘いことをするわけがない。

「ほら、支度しろ。」
「でも、あと少しここを…。」
まだ働きたがる琴子に、西垣が優しく話しかける。
「いいよ、いいよ。今日は初日なのに十分働いてもらったから。ほら、旦那様と一緒にお帰り。」
「それじゃあ…。」
西垣の好意に甘え、琴子は帰宅の支度をするために二階へと上がった。



「…こき使ってないでしょうね?」
琴子がいなくなった後、直樹は西垣をジロリと睨む。
「まさか!って、お前やっぱり琴子ちゃんを迎えに来たんじゃないか。」
素直じゃないと笑う西垣に、直樹は続ける。
「…一時間働いたら、二時間休ませて下さいね。」
「はあ!?」
直樹の申し出に、西垣は大声を上げた。
「おい…それじゃ、総計すると休憩の方が長くなるだろうが!」
「どうせ患者もいないし、することもないんですから。」
「お前は奥さんの爪の垢でも煎じて飲みやがれ!!」
西垣は心底呆れ果てた。本人の前では厳しいことを口にしておきながら、いなくなるとこの甘さ。
「お前って奴は…。」
そこへ琴子が戻ってきた。
「お待たせしました、旦那様!」
急いで仕度をしてきたのだろう。琴子は息を切らしている。
「いつまで待たせる。遅い。」
「申し訳ございません。」
急いで琴子は草履に足を突っ込む。その様子を呆れて見ている西垣。

―― とんだ亭主関白ぶりだな。

「西垣先生、それでは失礼いたします。」
来た時と同様、琴子は礼儀正しく挨拶をした。
「うん、それじゃまた明日ね。」
「はい。明日もお願いいたします。」
きちんと挨拶をしている二人に、
「ほら、行くぞ。」
と冷たい直樹の声が飛ぶ。
「はい、ただいま!」
琴子はもう歩き出した直樹の後を慌てて追いかけた。



「それで、西垣先生の大学時代のお話がとても面白くて…。」
道を歩きながら、琴子の口から出るのは西垣の話題ばかりであった。
「…旦那様、聞いて下さっていますか?」
「適当に聞いている。」
他の男の話題ばかりで直樹にはまこと、面白くない。だが琴子はそんな直樹の小さなヤキモチに気がつくことなく、西垣の話を続ける。

「旦那様、何かありましたか?」
あまりに話に乗って来ない夫が心配になり、琴子は不安な表情を見せた。
「何かって?」
「患者さんに何かあったとか…。」
「へえ、お前、俺の病院に興味、まだ残ってたんだ。」
ついそんな嫌味が口をついて出てしまう。
「また意地悪を仰る…。」
琴子は困り果てる。いくら他人の家に手伝いに行っているとはいえ、直樹のことが一番心配で大切なのは変わりない。どうしたら直樹にその気もちを分かってもらえるのだろうか?

「あ!」
何かを見つけた琴子が、「ちょっと待っていて下さい」と言い残し、直樹から離れた。
「魚屋?」
そこは魚屋の前だった。

「お待たせしました!」
琴子は魚を抱えて戻ってきた。
「いいお魚が買えました。旦那様のお好きな煮つけにしましょうね。」
ニコニコと魚を掲げて見せる琴子。直樹の心が少し緩んだ。
「…お前、煮崩れさせるくせに。」
「煮つけは難しいんですもの。今日はとびきりおいしい煮つけを旦那様に召し上がっていただけたらいいんだけど。」
食べ物で直樹を釣ったつもりは琴子にはなかった。だが、琴子が自分のことを忘れておらず、自分の喜ぶことをしてくれようとするその姿に、直樹は満足する。

「ほら、貸せ。」
直樹は琴子の手から魚をひったくるように受け取る。
「大丈夫です。旦那様は鞄もお持ちですし。」
「男だからそれくらい平気だよ。」
そして、
「ほら。」
と、直樹は腕を出した。両手に鞄と魚を下げているので手を出すことはできない。
「今日は疲れただろ。つかまっていいぞ。」
「え、え、え!?」
突然の直樹の優しさに戸惑う琴子。
「ほら、早くしないと腕を引っ込めるぞ。」
「いやです!」
琴子は慌ててその腕につかまった。
「あー重いなあ。」
自分から誘っておきながら、そんなことを口にする直樹。
「ひどい!」
琴子は頬を膨らませ直樹に抗議するが、でも嬉しくてたまらなかった。











☆あとがき
と、まあ…のどかに進んでおりますこの話。
この先もこんな感じでほのぼの~と進む予定です。
なんだか少しずつ、調子を取り戻しつつあるような気がします♪
これも励まして下さる皆様のおかげです。
ありがとうございます。
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コメント

わーい!

続きを楽しみに待ってました!


ったく。直樹は素直じゃないなぁ~w

琴子ちゃんがいじらしくて可愛いーっ(≧ε≦)

茄子の煮浸しもぜひ作って!(笑)

気になるんだね、琴子の事・・

水玉さん、こんばんは
更新ありがとうございます

直樹、矢っ張り琴子の事が気になって仕方が無いから、迎えに。

もう素直じゃないのだから

琴子、西垣先生の話ばっかりするので、少しご機嫌斜め(^^)

でもそれって、琴子の事を気にしてくれているんだと、言うことに気が付く

琴子です。(可愛い)

わ~、続きだ♪

待っておりました、こちらの続き!更新ありがとうございます!

本当に素直じゃない旦那様で・・・(笑)頭打ったって素直になんてなりそうもないお人ですもんね。琴子がんばれ!と思わず応援してしまいます。
でも、好物でつられる直樹可愛いかも…。

笑☆^^☆

水玉さん、こんばんは♪

・・・直樹さん!正直に言えば「帰る時間に合わせて往診をしてきた。」でしょ!(爆笑)
みえみえですよ~(爆笑)
本当正直じゃない~(笑~ほのぼの)
その上「…一時間働いたら、二時間休ませて下さいね。」。。。(爆笑)

そんな直樹さんの帰り道での優しさ。。♪(ほのぼの♪)

『君と綴る文字』の琴子ちゃんの言葉遣い。。。
純朴で謙虚、でも心の強さを感じます。
そして、読んでいて癒されるような感じです!!

さて、飴をくれたいい人らしい西が付く西条さんどんな人???

“ほのぼの”路線で楽しみにしています~♪

女落としKING

          おはようございます。  
 周りに感化されやすい琴子だから、西垣先生のやり方にはショックのようなぁ。 琴子には、大丈夫と思いつつも、居ない時に、直樹からでなく患者からの 熱いkissを妄想しそうなぁ
女外せない西垣先生・・・自然であって、周りに琴子がいようがぁ・・・おかまいなし。 
          さすがぁ女落としKING西垣先生です。

 直樹も心配で、休憩を増やせ要求して、僅かでも接触を減らしたいんだろうなぁ。 琴子に見せない優しさ・・・ちぃっと見せてあげれば良いのに・・・琴子には厳しく、陰で厳しさをカバー・・・素直でないんだから・・・

コメントありがとうございます。

コメントありがとうございます!!

scorさん
こちらこそ、続きを読んで下さりありがとうございます!!
茄子の煮びたし…私の好物だったりします(笑)だから書いてみたという(笑)
素直じゃない旦那様と、それに気がつかないでせっせと尽くす琴子ちゃん…その辺を楽しんで頂けたらいいなと思ってます♪

tiemさん
お久しぶりです!!
素直じゃなんですよね、本当に。
琴子ちゃんが他の男の人の噂すると、不機嫌になるし。
でもそんな所が可愛いんですけどね、入江くんは^^

miyacoさん
わ、来て下さりありがとうございます!!
頭を打っても素直になりそうもない…確かに!!
頭を打って記憶を失うことはあっても、素直にはなりそうもないですよね!
琴子ちゃんの些細な気遣いで機嫌を直すところが可愛いといえば可愛いかもしれません^^

あおさん
ほのぼの路線、楽しんで頂けているようでホッとしております~♪
琴子ちゃんの帰宅時間に合わせて往診…だとしたら、なんて、なんて可愛いの、入江くん!!(笑)
下手すれば、琴子ちゃん以上に可愛い!!
そしてそんなことに気がつかない、可愛い琴子ちゃん!
琴子ちゃんは元は女中さんなので、結婚しても丁寧な言葉遣いのままなのですが、こういう言葉遣いを書くと、不思議なことに書いている私の背筋までシャンとなります!

吉キチさん
女落としKING(笑)
まさしくそうですよね。もう女性との接触も日常茶飯事だから、誰が見ていようがお構いなしなんでしょうね。
琴子ちゃん、やや感化されつつありますが…でもそれが入江くんに向けば問題はないですしね。むしろ入江くんは喜びそうです♪

紀子ママさん
そうなんです、少しずつ調子が戻ってきたのかも…
皆様が優しく見守って下さることと、ちょっと考えが浮かんだからでしょうか?
紀子ママさんのコメントもとても楽しくて!
いつもありがとうございます!

Foxさん
そう言われてみると、なんだかそっち系の話も恋しくなってきました(笑)
ほのぼの~とわめきつつも、物語って紆余曲折は必要ですもんね。
話を広げることができないのが、私の最大の欠点なんでお恥ずかしいです。

TOMさん
いやいや、それだけじゃないんです、一応(笑)
でもあおった割には大したことがないかも…と、またもやドキドキ。
でもこのような世界を、きっと琴子ちゃんは見たことがないだろうからそれはそれで大事件ですよね。
そして今回…なぜかどんどん入江くんが可愛くなっております(笑)
どうせならかっこよく書きたいのに…琴子ちゃんより可愛いかも。
そんなうちの入江くんを楽しんで頂けてホッとしております♪

佑さん
西垣先生の治療(笑)
確かに、何をしているんだか。予約制だから…心療内科(メインは恋愛相談)とか?
優雅な医者ですね~。

まあちさん
いやいや。
私だって迎えに来てくれて、甘えてくれるかっこいい旦那様がいたら命をかけて煮魚作りますとも!!
ちょっと反省会をしているまあちさんが可愛いと思ってしまいました(笑)
…時々は、ガッキーも思い出してあげて下さいね(笑)

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