日々草子 My Dear Wife 3
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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My Dear Wife 3



オーイズミ伯爵家は爵位はイーリエ公爵家より下ではあるが、由緒正しき名門の家柄である。
屋敷もイーリエ家のカントリーハウスとほぼ同程度の広さを誇る。

「いつになったら先生に会えるんだろう…。」
広大な屋敷の中では、新人メイドが主人一家やそのゲストと顔を合わせる機会は皆無であり、コトリーナはほうきを手に溜息をつく。

そこへピアノの音が聞こえてきた。
「サヴォンヌ様が弾かれているんだわ!」
コトリーナと共に庭の掃除をしていたメイドたちが屋敷を見る。コトリーナはサヴォンヌがピアノの名手であるということを思い出した。

「きっと公爵様にお聞かせになってるのね!」
メイド達はサヴォンヌとナオキヴィッチが二人で過ごす様子を想像してはうっとりとする。

(先生、この間、私が歌を歌っていた時、あんパンを口の中へ放り込んだくせに。)
ナオキヴィッチがサヴォンヌの見事なピアノの音色に夢中になっている様子を想像し、コトリーナは自分との扱いの格差に肩を落とす。

(しかも、あのあんパンはこしあんだったわ。私はつぶあんが好きなのに!)
段々と怒る部分がずれていっていることに、コトリーナは気が付かない。

ピアノの音が流れる中、コトリーナ達は次の仕事へと向かった。



「はあ…。」
休憩時間、庭の一角、色とりどりの花が咲いている場所でコトリーナは溜息をついた。
いつまで経ってもナオキヴィッチと会うことはできない。
「一体、いつまでこんなことを…。」
先に帰ろうかとも思うのだが、このままナオキヴィッチが戻って来なかったらという不安が大きくそれもできずにいる。

戻ろうかと思って立ち上がろうとした時である。

「…動かないで。」
綺麗な声がコトリーナの背後から聞こえた。
「え?」
「帽子のリボンがほどけているわ。今結んでいるから…。」
綺麗な声と同時に、上品な香りが漂う。どうやらメイドの帽子のリボンが解けてしまっていたらしい。

(もしかしたら?)
コトリーナの胸がドキドキと鳴る。

「はい、結べてよ。」
コトリーナは振り返った。

そこには美しい女性が微笑みを浮かべて立っていた ――。

「ありがとうございます。」
コトリーナは頭を下げた。
間違いない。
この美しい女性は…サヴォンヌだ。



「見慣れない顔だけど、新しいメイドかしら?」
微笑みを絶やさず、サヴォンヌはコトリーナに訊ねる。
「は、はい。」
思わず返事をしてしまったコトリーナ。
「そう。お仕事に慣れるまで大変でしょうけれど、頑張ってね。」
サヴォンヌはニッコリと笑い、花を摘み始めた。

「お客様のお部屋に飾るのよ。」
コトリーナの視線を感じたのか、サヴォンヌが口を開いた。
「大事なお客様だと…。」
「ええ、そうなの。」
サヴォンヌは頬を染めた。それを見てコトリーナの胸が痛む。
「とっても大事な大事なお客様なの。だから一番見事に咲いているお花をお部屋に飾りたくて。」

大事なお客様。
その言葉はナイフとなり、コトリーナの胸を突き差した。
間違いない。ナオキヴィッチの部屋に飾るにちがいない。

「棘があるわね…。」
サヴォンヌが指を棘で傷つけないよう、注意深く花を摘んでいる。
「サヴォンヌ様!」
その様子を見ていたコトリーナは、ついその名前を呼んでしまった。
サヴォンヌがコトリーナを見た。やはり、この女性はサヴォンヌだった。

「あの、よろしかったら、棘を切ってお持ちしますが。」
「え?でも…。」
「綺麗な手を傷つけてしまったら大変ですから。」
コトリーナはサヴォンヌに笑いかけた。
そう。それは本心だった。
白い美しい手を棘で傷つけるのを見ることは辛い。それに…ナオキヴィッチが聞き惚れているあのピアノの音色にも影響が出るかもしれない。
だからつい、そのような申し出をしてしまったのだった。

「では、お願いできるかしら?」
サヴォンヌはせっかくの新人メイドの心遣いを無にするのは悪いと思ったのだろう。コトリーナに摘んだ花束を渡したのだった。



「何やってるんだろ、私。」
花バサミを手に、一人寂しく棘を切るコトリーナ。
プチ、プチという音だけが空しくその場に響く。

「先生のお部屋に飾るのかあ。」
プチ、プチと棘を切りながら先程のサヴォンヌとのやり取りを思い出す。
メイドの服装の乱れも、そっと直すその優しさ。そして見下すこともしなかった。
「本当の貴婦人って、あの方のことをいうのね。」
即席貴婦人の自分とはやはり元が違うのだと見せつけられた気分でもあった。

そして、コトリーナは花バサミを持つ手を止める。

「先生のお部屋にお花を飾るのは、私の役目なのに…。」

まるで二人にとっては、自分など存在していないかのようだった ――。

もしサヴォンヌの元へ花を届けたら、仲睦まじく過ごす二人の様子を目にすることになってしまうかもしれない。
そしてそうなったら…。
「やはり、自分と育ちも趣味も合う女性と一緒にいたい。」
と言い出され、そのまま…。
それを考えると怖くてたまらなくなる。

なので花束は先輩メイドに頼んで届けてもらった。




それから数日後。
庭にメイド達がわんさかと集まっていた。
一体何が起きたのかと訊ねると、
「しっ!」
と、うるさそうに追い払われてしまう。それでも気になるコトリーナは背伸びをして、人だかりの向こうを見ようとした。

「あ!」
思わず声を上げてしまったコトリーナ。

そこには、庭を散歩するナオキヴィッチがいた。そしてその隣にはサヴォンヌが寄り添っていた ――。



「なんて素敵なお二人なんでしょう!」
「本当!ナオキヴィッチ様はますます男っぷりを上げられて!」
「どこから見てもお似合いだわ。」

メイド達は二人に聞こえないよう、ひそひそと噂をする。
そしてその噂を耳にしながら、コトリーナも同じことを思っていた。

(本当にお似合い…。)
サヴォンヌの美しさに息をのむ。あんなに美しい女性がこの世にいるのかと思い、そしてつい自分と比べてしまう。
確かに、コトリーナとサヴォンヌ、どちらがナオキヴィッチにふさわしいかと訊ねたら、100人中100人がサヴォンヌだと答えるだろう。



「見て!」
メイド達の声に、コトリーナは再び二人を見た。

すると、ナオキヴィッチが庭に咲いている花を摘み、それを何と…サヴォンヌの髪に挿したのである。
ナオキヴィッチに花を挿してもらい、サヴォンヌは頬を染め、はにかんだ。



「素敵!」
「やっぱりナオキヴィッチ様はサヴォンヌ様に求婚に見えたのね!」
キャーキャーと騒ぐメイド達。その背後でコトリーナは俯いた。

「でも、あの猿はどうされるのかしら?」
誰かが呟いた。
「猿は大丈夫よ!今頃、高崎山でボス猿とよろしくやってるって!」
「そうよね!」
そしてメイド達はまた、ナオキヴィッチとサヴォンヌの姿に夢中になる。

「この間、旦那様のお部屋に行ったら、公爵様が詩を朗読されてたのよ!勿論、サヴォンヌ様もご一緒だったわ。」
「ずるい!私も公爵様の朗読を聞きたかった!」
「もう、素敵な声で…旦那様もサヴォンヌ様もうっとりされていて。」
「ああ、いいな、いいな!」

(先生が本を読み聞かせをするのは、私だけだと思ってたのに。)

コトリーナは自分とナオキヴィッチの間に、距離を覚えた。

(こんなに近くにいるのに遠い。先生は私がここにいることなんて気付きもしない。)

きっとナオキヴィッチにはサヴォンヌしか見えていないに違いない。

とても二人をこのまま正視することはできず、コトリーナはその場から走り去った ――。












☆あとがき
コメントのお返事が遅くなってしまい、申し訳ございません!!
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コメント

こんばんは

琴子は二人の姿のまの当たりになってしまって耐えられなくなりついに逃げ出してしまいましてね・・・・。


さぞかし・・・・かなりショックですね・・・。


沙穂子は直樹がもうすでに結婚していて奥さんがいることを知っていていいよっているのでは・・・?


(奥さんよりも私のほうが魅力的よ・・・・とか色気むんむんで近寄ってたりして・・・?)

知っててやっているのなら・・・・沙穂子は悪女だね


このまま直樹と琴子は別れて・・・沙穂子とくっついてしまうのかしら・・・?


直樹はもう・・・琴子の事を飽きてしまったの・・・・?


これから・・・琴子はどうなってしまうの・・・?


直樹・・・?琴子を捨てて沙穂子と一緒になるつもりいるの・・・?

今後のこの三人の運命が気になります・・・?

琴子を捨てる様な事があるのならば・・・・この私が許さないからね・・・。

直樹は器の小さい人間だったのかと・・・心の狭い人間だったのかと・・・
琴子の事いったいなんだと思っているのだ・・・と一発お見舞いしてあげるからねぇ・・・。

続き楽しみにしています・・・・。

タイトル

いつも丁寧なお返事ありがとうございます!!今日もとっても嬉しかったです!!~♪

読めば読むほど味が出る、コトリーナとナオキヴィッチのお話の続き楽しみにしていました!!~♪

コトリーナの暴走という事は重々承知しています。が。。。
部屋にお花を飾る事が出来なかったコトリーナ。。。
オーイズミ伯爵家でのナオキヴィッチの詩の朗読。。。
コトリーナの気持ちを考えると辛いです。。。

”高崎山のボス猿”(笑)・・・辛い気持ちに急停車!!
水玉さんの演出にナイスと笑えました!!~(笑)

自分が一番辛い時にはいつも相手を思いやる優しいコトリーナ(琴子ちゃん)。
そんなコトリーナの笑顔が早く戻りますように。。。

おはようございます

水玉さん、おはようございます

何故、一緒に庭を散策し、さらにサヴォンヌさんの髪に花を。
コトリーナと言う妻が有るのに
その姿をコトリーナが見ているのも、知らないで。
コトリーナ、落ち込んじゃいましたよ。
コトリーナにしていたことも、あのサヴォンヌさんにも。
一体何を考えているのかしら。
コトリーナを、辛い気持ちにさせて。

元気だして

先生に会えなくていつもの元気がないコトリーナ。読んでて辛いです。シップさん、コトリーナが先生に会いに行ったって連絡してないの!?完璧なサヴォンヌに自信喪失しちゃったコトリーナ。追い討ちをかけるようにサヴォンヌに紳士的に優しく接する先生。でも、花を髪にさしてあげるのはやり過ぎ!何考えてるの!?メイド達が誤解しても責められないですよ。山猿扱いされるし、コトリーナ、ガンバレ!!P.S私もつぶあん派です。

タイトル

水玉さん!!
琴子ちゃんどうなっちゃうの!!
自信喪失で可哀想ね。
直樹も何、のほほ~んと沙穂子嬢と談笑しているのよ!!←勝手に解釈。
早く琴子ちゃんのもとにお戻り!!そして抱きしめてあげてね♪
あっドナドナ琴子ちゃん、高崎山には行かないでね!!

壁紙が、また、元に戻っていて、またまた、びっくりしました!

コトリーナが何日も行方不明なはずですが
当然、ナオキビッチは、コトリーナも屋敷に来ているとわかって、
自分も屋敷に滞在しているのでしょうか?
当然、メイドになって潜んでいると思っているのでしょうか?
自分の奥さんがメイドになっていても、気にならないんですかね?
奧さんがいるのに、花を飾るなんて、
コトリーナが見ていると分って、わざとやっているのですかね?

コトリーナ、可哀想、、、。がんばれ!

はよぉ~抜けて・・・。

   こんにちは
お花の棘を取るそのはしから・・・コトリーナの心に突き刺さって、傷が癒えないのに、追い討ちをかけるようなぁ、先輩達からも、容赦なく棘が刺さりまくって・・・痛々しそうで、ダッシュで一本一本棘を取ってやりたいです。
  抜けるのは、ただ一人・・・気づいてない一人だもんなぁ~。

男は影で・・・なぁんて言われたりするけど、サウ``ォンヌに優しすぎませんか? 棘抜けるお方殿・・・
バカたれがぁ~。
 

ゆうさん、ありがとうございます。

大丈夫です!!
そんな沙穂子さんはひどい女性じゃないから!!←それだけは自信を持って言えます(笑)
入江くんもそんなにひどい人ではないかと…。
このお話は本当にくだらないストーリーなので、安心して下さいね♪
ゆうさんに一発お見舞いされないうちに、入江くんも動いてくれるといいのですが…。

あおさん、ありがとうございます。

こちらこそ、素敵なコメントにいつも下手なお返事で申し訳ありません!
ありがとうございます♪

それにしても、私はなぜそこまで「高崎山」にこだわるのでしょうか???
自分で書いていておかしくなってきちゃいました(笑)
行ったことないんですけどね^^

本当に琴子ちゃんはライバルとはいえ、相手のいいところをきちんと見てますもんね♪
決してけなさないし。
本当にいい子♪
早く笑顔を見せてほしいです~私も琴子ちゃんの笑顔がそろそろ恋しいです。

tiemさん、ありがとうございます。

お久しぶりです♪
コメントありがとうございます^^

本当にどっちの女性にもいい顔をしているようにしか見えないナオキヴィッチ(笑)
これじゃコトリーナちゃんが傷つくのももっともですよね!

祐樹'Sママさん、ありがとうございます。

シップさん、気が利かないから←だからいつまでも二番手の執事なんです(笑)
次を読んで頂けると分かるのですが、シップさんなんかよりずっと頼りになる最強の味方が登場してますので!!
私もつぶあん派です(笑)
祐樹'Sママさんと一緒で嬉しいです♪

ゆみのすけさん、ありがとうございます。

ドナドナ琴子ちゃん(笑)
これは本当に大ヒットワードですよね!!ありがとう、ゆみのすけさんが言ってくれたからよ♪
やだなあ…
高崎山の琴子ちゃんなんて、想像したら…あっ涙が(涙)

そしてゆみのすけさんの解釈は間違っていないです!!
本当に何をのほほんと会話をしているんだか、アホ公爵は!!

花子さん、ありがとうございます。

そうなんですよ~^^;
なんだかやっぱりしっくりするのはこちらだったみたいで。
本当にくるくる変わってごめんなさい!!

ナオキヴィッチはあの性格だから、家に連絡なんてしてないんでしょうね。
そして留守番中の執事たちも「放っておけ」って感じだから、未だに気が付いていないのか…な?

コトリーナちゃんの受難はいつまで続くのか?
本当にがんばれの一言です♪

吉キチさん、ありがとうございます。

本当に棘だらけのコトリーナちゃんですよね。
夫はほかの女性と親しくして、先輩たちからは自分に直接じゃないにせよ猿扱い…。
それでも頑張るコトリーナちゃんには、本当に心からエールを送ります。

吉キチさんのおっしゃる通り、この棘を抜くことができるのはたった一人、ナオキヴィッチだけなのに。
私も吉キチさんと一緒になって棘を抜いてあげたいです!!

ナオキヴィッチのばかたれ~!

拍手コメントありがとうございます。

紀子ママさん
本当に天敵かも!!
また憎めない性格だから余計辛いですよね~。
もうちょっと我慢して待っていて下さいね。コトリーナちゃんの笑顔が見られる日が来ますから^^

佑さん
心配はしてないけど心配って!!(笑)
さすが佑さん、このシリーズの根底にあるものをよくご理解されておいでで!!
そうなんですよね。ある意味先が読めちゃうんですが、それはそれでいいかなと思える唯一のシリーズなんです、これ!

まあちさん
関係ないんですけど…またバービーちゃんの歌を聞いてました(笑)
これがまた、うまいんだ。
すみません、どうもバービーちゃんを見るとまあちさんが…!
コトリーナちゃん、そりゃあそんな夫の様子を見たらマイナス思考になっちゃいますよ!ったく、ナオキヴィッチは何をしているのかしらね?

Foxさん
いえいえ、どうぞ存分にお仕置きを!!
イメージとしては30センチから1メートルの物差しでお尻ペンペンなんていかがでしょうか?←なぜゆえ物差し?
私もこのすれ違いがくせになって書くのに夢中になってしまっております。
本当に昨日から寒い日が!!
この間まで長袖一枚でも平気だったのに、昨日はとうとうヒートテックデビューでした!
どうぞFoxさんも体に気をつけて下さいね♪

meganeさん
異国物、お好きなんですか?うわ~ありがとうございます!!
こんなくだらないシリーズにありがとうございます!!
本当にとことん嫌な人だったら嫌いになれるのに、沙穂子さん…。
コトリーナのメイド姿は確かに可愛いでしょうね♪私もそれが見たくてこの話を書いちゃいました^^

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