日々草子 別冊ペンペン草 22
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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「はじめまして。別冊ペンペン草編集部の入江です!」
「鴨狩です。」
まずは自己紹介をする二人である。琴子は手土産の柿ピーを渡す。
「…柿ピー。」
変わった手土産だと思う鴨狩啓太。
「これから、鴨狩先生と一緒に頑張りますので!」
琴子の言葉に、啓太が驚いた顔を見せた。
「何か?」
何かまずいことでも口にしたかと焦る琴子に、
「あ、いえ。」
と手を振り、
「…先生って呼ばれたの、初めてだったから。」
と。少し照れたように啓太は答えた。
「だって先生でしょう?」
一体どこがおかしいのかと琴子が今度は不思議がる。
「でも、まだ俺、デビューして1年くらいだし。」
「だけどこうやって素敵なお話を沢山書いていらっしゃるのですから、先生には違いないです!」
琴子は明るく啓太に言った。

「いかがですか?この柿ピー。」
柿ピーを食べる啓太に感想を求める琴子。
「…うまいです。」
「よかった!」
今度はまた違う柿ピーを持って来ますと言いながら、琴子はポリポリと頬張った。

「あの…入江さんって入江先生と結婚してるんですよね?」
啓太は琴子へ訊ねた。
「はい。」
「そっか…。」
そして琴子は啓太が直樹のファンだということを思い出した。
「先生っていつもどんな風に創作されてるんですか?」
「どんな風…。」
思い出す琴子。
「普通に、机で…。」
「机…俺と変わらないんだ。」
上気した顔で啓太は呟いた。
「俺、入江先生に憧れて憧れて。先生が本名で作品を発表しているから、俺も本名で発表したんです。」
「そうなんですか!」
前もって松本から啓太が直樹のファンだということは聞かされていたが、こうして本人から聞かされるとまた嬉しさが込み上げてくる。
「あのギャグセンス、誰も真似できない絵柄、洗練されたストーリー…もう本当、入江先生は俺の神です!」
「先生にお伝えしておきますね!」
琴子は啓太が好きになる。
「…だけど心配だな。」
啓太は真顔になって口にした。
「先生、もう相当…お年でしょう?お体とか。あ、入江さん、ちゃんと気を付けてあげて下さいね。睡眠時間とかもたっぷり取るように。」
「…本当、もっと寝てほしいし、寝かせてほしい。」
思わず本音が出た琴子は慌てて口をつぐむと、
「それじゃ、先生。ネームを…。」
と、打ち合わせを始めた。

「でね、本当に入江くんの大ファンなのよ!!入江くんのこと、神様ですって!」
帰宅後、琴子は直樹へ報告する。
「入江くんの体、すごく心配してたよ?」
「あ、そ。」
直樹の返事は素っ気ない。そして今夜も、
「俺、仕事するから。」
とさっさと部屋へと引き上げようとしてしまう。またコーヒーを持って行くと言った琴子に、
「今日はいい。」
と短く答える直樹。それだけではなかった。
「悪いけど…今日はここで寝てくれないか?」
直樹は琴子にそう頼んだのだった。驚く琴子。それもそのはず、今までいくら琴子が邪魔するからとリビングへ寝ようとしてもそれを許さなかったのは直樹本人である。
「あ、うん…それはいいけど…。」
「悪いな。」
「…体、大丈夫?」
まさか本当に具合が悪いのだろうかと心配になる琴子。
「いや。」
「そう…?」
まだ心配する琴子に、
「じゃあな。」
とだけ言い残し、直樹は部屋へと入ってしまった。



数週間後。
「…はい、お疲れ様でした!」
啓太の家で、完成した原稿を確認し、琴子は頷いた。ふと見ると、目の前にいる啓太が笑みを浮かべている。
「えと、何か?」
顔に何かついているかと思って慌てる琴子に啓太は、
「すごく面白そうに読んでくれたなって。」
と答えた。原稿を読んでいる時の琴子は本当にくるくると表情が変わった。笑ったり泣きそうになったり…。
「だって…とっても素敵でしたもん。この最後、主人公が好きな女の子のために身を引く場面とか…とってもせつなくなっちゃった。」
「そう?」
打ち合わせを重ねるうち、年齢も近い二人は敬語で話す機会が少なくなっていた。
「はい。きっと読者も感動すると思います!」
琴子は太鼓判を押す。

「あんたさあ。」
啓太は笑顔のまま、琴子に話す。
「ネームとか技術とか、編集としてはいまいちだけど。」
「いまいち…。」
はっきりとした啓太の言葉にショックを受ける琴子。だがそう言われるのも仕方がない。打ち合わせは正直、ひどい有様だった。
「…頑張ります。」
琴子はそれだけ言うのが精一杯だった。

「だけど、読み手としては悪くないと思う。」
啓太の言葉に琴子は顔を上げた。
「俺さ、まだコミックスとか出してもらってないだろ?」
新人の啓太は、まだコミックスを出すほどの作品の数がない。
「だから、読者の反応ってよくわからないんだよね。そりゃ、アンケートを通しては伝わるけど…俺の作品をどんな顔して読んでくれるのかとか分からないし。」
書店に単行本が並べば、その場に立てば、自分の本を手に取る人間の様子が分かるんだけどと啓太は続ける。
「でも、今回、あんたが俺の目の前で読んでくれて、ちょっと自信がついたかも。」
「そう…ですか?」
喜んでいいのかまだ迷う琴子を、啓太はおかしそうに見る。
「松本さんは、クールに読んで的確なアドバイスをくれたけど。あんたにアドバイスは期待できないから正直、不安だったけど、でも…顔が全て物語っているからいいかもな。」
「…喜んでいいんですか?」
とうとう、琴子は訊ねた。
「一応。」
「よかった。」
パッと顔を輝かせる琴子。それを見て、啓太は何か不思議な感情を覚えた…。

「きっとすぐにコミックスも出ますよ!」
琴子は啓太を励ました。
「コミックスかあ…。」
啓太は『別冊ペンペン草』の目次を開いた。
「コミックスよりも、ここに名前を載せられたらな。」
目次をトントンと叩く啓太。増刊号である程度人気が出てきたら、本誌である別ぺに作品を描ける可能性が出てくる。
「この端っこでいいから…入江先生と名前を並べることができたら。」
啓太が指した場所を琴子は覗く。目次の最初には『それいけ!ナオキン 入江直樹』の文字が大きく書かれている。
「…大丈夫ですよ。先生ならすぐに別ぺに!」
「そうかな?」
「はい!」
琴子の励ましを受けながら啓太は、
―― こいつって、漫画家をやる気にさせるのうまいよな。
と、琴子の妙な才能に気がついた。琴子に言われると、本当に実現する気がしてくる。

「それじゃ、また次回。」
帰る琴子に啓太は、
「あ、もしアシスタントが必要だったらいつでも声をかけて。」
と言った。
「入江先生の仕事ぶりを傍で見るだけでも勉強になるし。」
「…伝えておきますね。」
そう言って琴子は啓太の家を後にした。

「さて、と。」
琴子に励まされたためか、もう次の作品の構想を練り始める啓太。

「これは…少女マンガ向けじゃないよな。」
最初に浮かんだアイディアのメモを見て、啓太は溜息をついた。
それは、親子ほど年齢差のある男と結婚した妻と若い男の許されざる恋愛…。
「何でこんなのが浮かんだんだ?」
啓太は首を傾げ、ノートのページをめくり、違う話を考え始めた ――。

「入江くん。」
編集部に戻った琴子の肩を編集長が叩いた。
「あ、鴨狩先生の原稿ならこちらです。」
啓太の原稿を渡す琴子。それを受け取る編集長。
「これはいいんだけど…。」
編集長の様子がおかしい。
「…入江先生はどうなってる?」
「え?」
「いつもなら締め切りに余裕があるうちに原稿が届くんだけど、何も来てないよ?」
「ええ!?」
目を見開き、琴子は叫んだ。
「先生はネームの打ち合わせもしないし…。」
直樹の原稿はネームの打ち合わせもない。せずとも完璧な作品が出来上がるため、編集長は100%信頼しているのだった。

その時、琴子は初めて気がついた。
―― 私…入江くんの原稿、全然見てなかった…。
複数の作家を担当する難しさを、この時初めて琴子は知ったのだった ――。
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コメント

なにこれー!!

別ペでこの展開は聞いてないよ~!!
いつものノリで読んでたら…へっ!?って。
いつものトーンとあまりに差がありすぎて、
他のお話のすれ違いシーンよりもなんかドキドキしちゃってます。
こんな入江くんはじめて見たし。しんぱい。。。

入江君ピンチ!!

こんばんは、水玉さま。

琴子と入江君との関係が段々おかしくなってきちゃいましたね。

嫉妬している入江君をみていると琴子が本当に可哀想になってく

るので、早く琴子に迫っている入江先生が見たいよ!!

続けて更新

ありがとうございます。

直樹は、心配でしょうがないんでしょうか?

初、スランプ?

これから、啓太と琴子と直樹の関係が楽しみでーす!

やっぱり直樹は、やきもちやくんですかね?

コメントありがとうございます。

rinnnさん
私も思いました!書いていて、「あれれ?」って感じに(笑)
でも最後はいつものペンペン風になってますから、そちらもお楽しみいただけたらなと思ってます♪

りきまるさん
大丈夫!最後は元の入江先生に戻ってますから!
嫉妬も愛情の裏返しなんですよね♪ただ入江くんはそれがブレーキ利かないだけで^^

kobutaさん
一応、今回は啓太くんは顔見せということで(笑)
今後の活躍を祈りつつ…てとこでしょうか?
後は後半をどうぞ!

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