日々草子 君と交わした約束 3
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事



「どうして、姉ちゃんは看護婦さんになろうと思ったの?」
昼休み、子供たちとバレーボールをしていた琴子。休憩していたら、そんな質問を投げかけられた。
そして、その声は窓の向こうにいる直樹にも聞こえていた。

「まず、最初の理由はこれ。」
琴子は白衣のスカートをつまんで見せる。
「この制服が着たくて。」
そう言って琴子は笑った。

―― 何て単純な。
聞きたくなくとも声が入ってきてしまう。直樹は溜息をついた。

「似合うでしょ?」
琴子は子供たちの顔を見回す。
「うーん…まあまあ。」
正直な子供たちの返事に、肩を落とす琴子。

「あとは?」
「あのね…お姉ちゃんがみんなくらいの時にね、本を読んだの。」
「本?」
「そう。」
「何の本?」
「外国の看護婦さんのお話よ。」
ナイチンゲールのことかと直樹は思った。
「その看護婦さんね、毎晩、毎晩、ランプを手に、患者さんのお部屋を見て回ったの。」
琴子は話を続ける。
「その看護婦さんを“白衣の天使”って、患者さんは呼んで、とても感謝したんですって。」
「もしかして…姉ちゃんも白衣の天使になりたいの…?」
勇が恐る恐る琴子に訊ねる。
「そう!勇、よく分かったわね!!」
琴子は勇の手を取り、ブンブンと振った。

―― 白衣の天使…だあ?
思わずペンが止まる直樹。一体どの面下げてそんなこと口にするのかと呆れ果てた。


ある日の深夜。
「さ、見回りに行ってきましょう。」
琴子は憧れのナイチンゲールに一歩近づいた気分になる、この深夜の見回りが好きだった。

―― 皆さん、寝ているかしら?
明かりを手に、病室へと入る。
―― 何か、今の私…もうどこから見てもナイチンゲール、白衣の天使って感じ?
そんなことを思いつつ、ベッドに近寄る琴子。

悲劇はその時、起きた――。

「うわあ!!」
「爆撃だ!!」
「防空壕、防空壕!!」
一斉に悲鳴が上がり、深夜の病室内に響き渡った。
その声を聞きつけ、当直だった直樹が駆け付けた。

「一体…何だ、これは!!」
直樹も思わず声を上げた。
そして、床に転がっている琴子に気がつく。
「い、痛い…。」
琴子は膝を擦りながら、起き上がった。そして…目の前に怒りの表情で自分を見つける直樹の姿を見つけ、真っ青になったのだった。

翌日、琴子は医局に直樹を訪ねた。
「あ、あの…昨夜はお疲れ様でした。」
琴子が頭を下げる。その琴子を直樹は睨む。
「そりゃあ、疲れるね。あの部屋だけじゃなく、隣の部屋の患者まで爆撃かと思って目を覚まして。」
原因は、琴子が自分の白衣の裾を踏みつけ、転んだことだった。思わず何かに掴まろうとした琴子。しかし琴子は…鳥目だったため、よく見えていなかった。それは眠りこんでいた患者の腕。掴まれた患者は悲鳴を上げる。その悲鳴に更に琴子は驚き、近寄ろうとする。そして鳥目のため、またつまづき、物を蹴飛ばし…大騒動となったのだった。
患者たちはほぼ全員、脈拍、血圧が急上昇。直樹が全員の診察を終えた時はもう空は明るくなっていた。

「お前、白衣の天使とか二度と口にするなよ。」
直樹は琴子に冷たく言い放った。
「え、どうしてそれを…あっ!」
話を聞かれていたことに気がつく琴子。
「はっきり言って、お前みたいな役立たず、今すぐ辞めてほしいね。」
カルテに向かいながら、直樹は続けた。何も言えずにうなだれる琴子。
「疎開で看護婦の人数が足りないからって、お前みたいなのを雇わなきゃならないなんて、悲劇だな。」
「…すみません。」
すっかりしょげ返っている琴子。直樹の視線は相変わらず冷たいままだった。

その時、窓から小石が飛んできて、直樹の腕に当たった。
「何だ?」
大して痛くはないが、驚く直樹。窓に近寄ると、勇たち男の子が石を手に直樹を睨んでいた。
「姉ちゃんをいじめるな!!」
そしてまた小石が直樹に投げつけられる。
「いじめてなんてない!」
小石を避けながら、直樹は言い返した。慌てて琴子が窓に近寄る。
「こら!やめなさい、あんたたち!!」
琴子に叱られ、子供たちは投げる手を止めた。
「これはね、お姉ちゃんが悪いの。入江先生は間違ってないの。」
「だけど…姉ちゃん、泣きそうになってたじゃん。」
「ううん。これは自分に悔しいだけ。」
琴子は笑顔を作る。その言葉に少し驚く直樹。てっきり、叱られて泣きそうになっているだけだと思っていたのだった。
「患者さんを大変な目に遭わせちゃって、看護婦さん、失格だなって。」
「…本当にそれで泣いているの?」
進という男の子が、まだ心配な顔をして琴子に訊ねた。
「うん!だから、もう先生をいじめちゃだめよ?さ、向こうで遊んでらっしゃい!」
琴子の声に、子供たちはまだ心配そうな顔をしつつ、遊び場へと戻って行く。

「入江先生。」
琴子はくるっと振り返り、直樹を真っ直ぐに見つめた。
「昨夜は本当に申し訳ありませんでした!今後はこのようなことがないよう、気をつけます!」
きっぱりと琴子は告げ、頭を下げた。
「では、持ち場に戻ります!」
そして医局を後にした。
「…打たれ強い奴なんだな。」
琴子が出て行った後、直樹はそんな独り言を口にする。直樹は琴子をほんの少しだけ、見直したのだった。

そして、直樹はもう一つの驚くべきことを知る。
患者たちは誰も琴子を恨んでいなかった。
「琴子ちゃんなら、しょうがないよ。」
「ああ。おっちょこちょいだもんね。」
「でも、明るいし。」
「どんなことでも真剣に耳を傾けてくれるから。」
直樹の目からはどう見ても、看護婦失格の琴子が、患者たちからは一番信頼されていることだった。
そして患者たちは全員、
「琴子ちゃんって、いるだけで安心する。」
と、口を揃えた。

―― 一体、どんな奴なんだ、あいつは…。
ますます、相原琴子という人間が分からなくなる直樹だった。









☆あとがき
3話続けることができたので、最後まで書ける自信が出てきました♪
よし、これでカテゴリ作れる(笑)
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コメント

こんばんは。


連続更新ありがとうございます。

自信出てきました?
私も楽しくなってきましたよ~。
カテゴリーもできた!!
応援してます☆

それにしても…この時代とこのタイトルから想像するイメージが
心配です。。。

コメントありがとうございます

コメントありがとうございます♪

rinnnさん
ありがとうございます~!!
1話が一番緊張するのです、実は(笑)それを乗り越え(?)、3話くらいまで勧められたら、最後まで書けそうだなあという気分に毎回なります。
カテゴリーもちゃっかり作ったし(笑)
タイトル…そうですねえ、勢いに乗ってつけてしまいました(笑)
それにしても、新緑の季節に、なんか暗い話を書いてしまって…ごめんなさい。

佑さん
ありがとうございます♪
流れが考えられたので、あとは沿って書くのみ!!
そう、あまり長くならず、さっぱりと(笑)
でも二人のからみがないと、書いていてものらないので、ほどよくからませて…と、何だか料理みたいですが。

まあちさん
負けちゃだめです!!(笑)
文具コレクター、そのセリフに負けちゃだめ(笑)私なんて何度それと同じセリフを母に言われたか…「そんなに集めてどうするの?」「使わないノート、こんなにあるんですけど」etc…。更にシャープペンがそれを上回っているという(笑)だって~つい新商品見ると…食指が動くんですもの~♪春は本当に新製品のシーズンですよね♪

RuRuさん
ありがとうございます♪
いえいえ、看護師さんがキビキビと働いている姿を見ると、この年になっても「看護師さんって…素敵」とあこがれてしまいますよ♪
RuRuさんのような看護師さんにお世話してもらえる患者さんは、本当に幸せでしょうね。ご自分のお仕事が大好きという看護師さんのケアは最高だと思います^^
そしてこんな私の文章をそこまで言って下さりありがとうございます。
励みになります♪

ふーちかさん
ありがとうございます♪
パスは…気長に考えていただけると嬉しいです^^しばらくはパス記事の予定はないですから^^
ちょっと二人の関係も勧めてみました^^

chan-BBさん
もちろん、ちゃんと分かっております!!でもそれは私も考えました…そんな軽い気持ちで書いちゃっていいのだろうかって。
そう考えると、何だか内容が暗くなってしまいました…。
私は少女漫画ではちょっとこの時代は読んだことがないのですが、確かに、琴子ちゃんは強い感じに仕上がっているような気がします^^
色々、制約があったからこそ、ドラマにもなるのでしょうね。そんな気がします。

新しいお話はじまりましたね。
私はまだ生まれていなかった頃のお話ですが、やはり直樹がお医者さんで、琴子が看護婦さんなんですね。
沙穂子さんと先知り合っていても、直樹と琴子は惹かれあう運命にあった様で、安心しました。今後、どのような展開になるのかすごーく楽しみです。

ありがとうございます

yasukoさん
コメントありがとうございます♪
私も生まれていない時代ですが、学校で習ったなあと…思いだしつつ。
時代変えて医者と看護婦というのは初めての挑戦ですが、妙に琴子ちゃんがしっかりしているのが(笑)
どの時代になっても、誰がいようとも、二人は惹かれあうのかなあと思っちゃいますよね♪あのアツアツぶりは♪

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