日々草子 秘密 第2話
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

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秘密 第2話

「あ、あれ…?入江くん?」
琴子は自分がベッドから落ちて、体を床に打ちつけたこと、そして今までのことが夢だったことをようやく理解した。
「夢か…、良かった。」
深い安堵の息をついて、琴子は起き上った。

「お前さあ…。」
ベッドから下りつつ、あきれた顔で琴子を見ながら、直樹は言った。
「夢の中に俺を出すのはお前の勝手だけれど、俺の名前を叫びながら、ベッドからものすごい勢いで落ちるのはやめてくれ。心臓に悪い。」
どうやら琴子は直樹の名前をおもいっきり叫びながら、ベッドから落ちたらしい。
「ごめん…。」
カーテンの隙間から光がもれている。もう朝だった。
「それにしても、何ていうリアルさ…。まさか、正夢になるとか…?」
今日から新生活が始まるというのに、何という不吉な夢をと、琴子が考えていると、
「おい、今日中に荷物全部片付けるからな。俺はお前みたいに段ボールが積み重なった部屋で暮らすのはごめんだ。」
と、直樹が声をかけてきた。
「だから、あれは片付ける暇がなかったというか、片付ける気力もなかったというか…。」
琴子は弁明しようとすると、
「どっちにしろ、今日はテキパキやってくれよな。」
そう言って、直樹はさっさと洗面所へ行ってしまった。

昨日、琴子は直樹が見つけてきたマンションへと引っ越してきた。琴子は数か月前から一人で神戸で研修を受けていた。そして、数日前に同じ病院でしばらく働くことになった直樹と合流したのだった。直樹の神戸での初出勤は数日後、琴子も引っ越しの片づけの為に数日休みを取っており、久し振りの夫婦二人で一緒に過ごす休日だった。

琴子はキッチンを整理したり、直樹の服を出してクローゼットに吊り下げたりと甲斐甲斐しく働いた。結婚以来二人きりで生活するのは初めてなので、琴子はこうした準備から楽しくて仕方がない。
一方、直樹は段ボールから持ってきた本などを出して、本棚へ並べたり、テレビの配線をしたりしている。そんな直樹の後ろ姿を見て琴子は、すっかり新婚気分になって浮かれている。

琴子が一休みしようと、コーヒーを淹れて二人分のカップをリビングへ運んだ。直樹は、琴子に背を向けた形で段ボールの荷物を整理していた。コーヒーが入ったことを告げようとしたとき、琴子は直樹の荷物を出す手が止まっていることに気がついた。
「入江くん?コーヒー淹れたから一休み…。」
そう言いながら、直樹の方へ近づいた琴子の耳に、
「琴子…。」
直樹の静かな声が聞こえてきた。
「これは何だ…?」
琴子は直樹が手にしている物を見て、思わず「あっ!」と声にならない悲鳴を上げた。
「何で、こんな物がここに入っているんだ?」
直樹が手にしていた物は、可愛らしく着飾った美少女の写真の入った写真立てだった。
「あ、それ、それは…。」
その美少女は幼い頃の直樹だった。幼い頃女の子として育てられた経験は、直樹のトラウマとなっている。

「ほら、私、最初ここへ来た時、入江くんから離れるために来たじゃない?」
琴子はか細い声で説明を始めた。琴子は直樹の足を引っ張ることが嫌で、直樹の邪魔をしないために離婚する覚悟で神戸に来たのだった。
「だから、未練がましいことはしたくないと思って、入江くんの写真は全部東京に置いてきたんだよね。でも、向こうを発つ直前に、やっぱり何か入江くんの温もりのある物を持って行きたいなと思って…。」
「で?」
「小さい頃の入江くんの写真を1枚だけ持ってきたの。その写真から入江くんの面影を感じようと思って…。」
琴子の説明に、直樹は冷たい一言を放った。
「捨てるぞ。」
「えっ、だめ!捨てないで!」
「燃えないゴミはちょうど明日だ。」
「何でもうゴミの日が頭に入ってるの!?っていうか、絶対だめ!捨てない!」
二人は写真立てを引っ張り合う。

「こんなもん、二度と俺は見たくねえんだよ!」
「だめよ!私の宝物なんだから!」
「こんなもん、宝なんかになるか!」
「とにかくだめ!絶対だめ!」
結局、写真立ては二人の目の届かない、クローゼットの奥深くにしまうということに直樹が妥協するということで、この騒動の決着は着いた。直樹はかなり不満だったが。
「あーあ。可愛いのにな…。」
琴子は渋々写真立てをしまいながら、呟いた。その時、
「今の俺が傍にいるんだから、そんな物なくたっていいだろうが。」
直樹が言った。その言葉を聞いた琴子は、嬉しくなり直樹に抱きついた。
「うっとうしい。」
「そうだよね!ずっと入江くんとこれから一緒なんだもんね!今の入江くんがいるんだもんね!」
琴子が嬉しそうに言った。

「何か新婚に戻った気がしない?私たちずっと大勢で暮らしてたものね。それはそれで賑やかで楽しいけれど、でも二人だけで暮らすなんて本当に楽しみ!ワクワクしちゃう!」
「新婚ねえ…。結婚して何年立つんだか。それにしても、お前との付き合いがこんなに長くなるとはな。」
直樹は溜息をついて言った。その言葉を聞いて、琴子の脳裏に、今朝の夢がリアルに蘇ってきた。
「付き合いが長い…、まさか、私と一緒にいるのが飽きてきたってこと…?やっぱり私たち、マンネリ化しているの…?」
琴子は急に不安になって、直樹から離れた。
「何だ、お前?」
どうせくだらない妄想を浮かべてるんだろう、急にはしゃいだり、青ざめたりと忙しい奴だと直樹はいつものことだと、大して気にしなかった。
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