日々草子 二人は知らない
FC2ブログ

プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

現在の御訪問者

現在の閲覧者数:

御訪問ありがとうございます

このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

二人は知らない

「なぜ、ファミレス…?しかも激安で有名な…。」
真里奈は席に着くなり、冷たい視線で目の前の男を見つめた。
「私も安く見られたもんね。」
「ここ、おいしいんですよ。最近僕、常連なんです。ぜひここのステーキを真里奈さんにも味わって頂きたいと…。」
船津は笑顔で言いながら、メニューを真里奈の前に広げた。
「ステーキがお嫌なら、ハンバーグも、トンカツもありますよ。」
「ステーキでいいわよ。」
ろくにメニューにも目を通さず、真里奈は冷たい声で返事をした。
「じゃ、ステーキセット2つですね!」
船津はそう言うと、嬉しそうに店員を呼び出すブザーを押した。

「船津さんって親の跡を継ぐために、医者になったの?」
不満そうにステーキを食べながら、真里奈が訊いた。一緒に過ごす時間が増えてきたにも関わらず、真里奈は船津のプライベート(趣味・嗜好以外で)をあまり知らなかった。
「いいえ。うちの親、医者じゃありません。」
「違うんだ。」
「親はただの公務員です。」
真里奈はがっかりした。せめて、開業医の息子なら、将来も開けていると思ったのだが…。
「じゃ、何で医者になったの?」
「入江が医者になったから。」
船津の答えを聞いて、真里奈は「それじゃ琴子と同じじゃない」と思った。
船津は高校時代から現在に到るまでの入江直樹を追いかけた日々を真里奈に語った。
それを聞き、真里奈は一言、
「あなたの好きな人って、私じゃなくて入江さんじゃないの?」
と言い放った。
「気色の悪いこと言わないで下さい。僕の好きな人は真里奈さんだけです。」
船津はステーキを次々と口に運びながら、言った。

「真里奈さんは…。」
船津が今度は口を開いた。
「なぜ、看護師になろうと思ったのですか?」
「そりゃ、イケメンで優秀な医者をゲットするためよ。」
今更何を聞くのかと言った調子で、真里奈が答えた。
「…嘘だ。」
船津の言葉に、真里奈はナイフとフォークを持つ手が止まった。
「そんな理由で、看護師みたいな大変な仕事、選ぶ人なんていませんよ。」
意外と相手の心理を読むことに長けている船津に、真里奈は少々驚いた。
「真里奈さんって世話好きですもんね。僕知ってます。」
「…兄弟の世話してたからね。」
真里奈もつい、本音を言った。
「真里奈さん、ご兄弟何人なんですか?」
船津が真里奈に尋ねた。船津も真里奈同様、あまり相手のことを知らないことが気になっていた。
「…人。」
真里奈がか細い声でポツリと言った。
「え?すみません、よく聞こえなかったんですけど…。」
船津は真里奈に聞き返した。
「…6人よ!私を入れて!」
「ろ、6人…!?」
気まずい沈黙が、二人の間に流れた…。

「でも、賑やかで楽しいでしょうね!6人兄弟なんて。僕は一人っ子だから…。」
何とか、雰囲気を変えようと、船津が口を開いた。
「うるさいだけよ!下なんて、7歳の小学生よ!」
「それで人の世話をするのがお好きで、看護師になったのですね。」
当たらからずも、遠からず。確かに、世話好きな面があるのは本当である。その延長線上で看護師になったとも言える。
「すごいなあ!真里奈さん。本当に白衣の天使ですね!」
船津は満面の笑顔で、真里奈を見つめた。真里奈は気恥ずかしくなった。

「ただいま…と言っても、誰もいないのよね。」
真里奈は一人暮らしのアパートの部屋に入って、独り言を呟いた。
手には郵便ポストから出してきた郵便物がある。それをテーブルの上に置き、ダイレクトメールとそうでないものを、手際よく分けていく。
「あ…。」
それは、実家の兄弟たちからの手紙だった。幼い、下手くそな大きな字で、住所と“品川真里奈さま”と中央に書かれている。
真里奈は封を開けた。

“まりなおねえちゃんへ おげんきですか?かんごしのおしごとはたいへんですか?うちはみんな、げんきでいっぱいです。このあいだも、たかしが…”

このような書き出しで、実家の家族全員のことが書かれている。読んでいくうちに、真里奈の顔が笑顔になってくる。

“…で、おねえちゃん、かおがよくて、うでがよくて、おかねもちのおいしゃさんはげっとできましたか?ぼくたち、みんなまっています。おかあさんが、にんげんはみためじゃない、なかみだとかいておけといったので、さいごにかいておきますね”
最後の一文を読んで、真里奈は溜息をついた。

「見た目はともかく、腕は永遠に二番手で、出世の見込みもない、金もない医者を連れてきたら、うちの家族はどう思うかしらね…?家族全員の前で、最高の医者を連れて帰ると言って、大学に入ったからなあ…。」

「ただいま。」
船津は玄関に入った。
「お帰りなさいませ。坊ちゃま。」
「まだ起きてたの?ばあや。」
船津は驚いた。真里奈を送ってきたので、もう12時を回っている。
「はい。坊ちゃまがお帰りにならないのに、先に休んでなどおられません。」
「もう年なんだから…。」
船津はそう言いながら、広い玄関ホールを通り抜け、リビングという言葉があまりにも合わない、これまた、広すぎる居間へと歩いていった。
「そうそう。旦那様と奥様からお電話が先程ございましたよ。」
「父さんたちから?」
船津はソファーに座った。
「はい。日本と外国ではなかなか時差の関係上、坊ちゃまとお話ができないとおっしゃっておいでで…。」
「…大使も大変だよ。いつ日本に戻ってこれるんだか…。」
忙しい両親は家を空けることが多く、船津は家でばあやと二人だけの生活を送ってきた。
だから大家族の真里奈が羨ましい。

「坊ちゃまも旦那様と同じ、外交官になられるものだと思ってましたのにね。T大の法学部にせっかく入られたのに、突然、違う大学の理工学部へ編入なさって、そして、今度はお医者さまに…。」
ばあやがお茶を運びながら、言った。
「でも、お医者様もご立派なお仕事でございますものね。ばあやはそんな坊ちゃまを誇りに思います。」
「よしてくれよ。」
船津は照れながら、お茶を口に運んだ。

「ところで、真里奈さんとは楽しいお時間をお過ごしになられましたか?」
ばあやの言葉に、船津はお茶を噴き出した。
「な、何でばあやが真里奈さんの名前を…。」
「坊ちゃま、寝言で“真里奈さーん”と何度も口にしておいでですから。」
ばあやはそう言うと、クスクスと笑った。
「ばあやの目の黒いうちに、真里奈さんをお連れ下さいませね。」
「…早いよ。まだ。」
船津は真っ赤になって答えた。

「…ねえ、ばあや。」
「はい?」
「…僕は6人兄弟のお兄さんとして、やっていけるかな?」
船津の疑問に、ばあやは笑顔で答えた。

「大丈夫でございますよ。坊ちゃまは大層お優しい性格でございますもの。」


☆あとがき
いくら頭が良くても、それなりの金銭的余裕がなければ、簡単に私大の医学部へは編入できないと思ったんですよね(笑)。しかも、ライバルを追いかけるためだけに…。

真里奈は、不純な動機を口にしているけれど、本当は真剣な気持ちで看護師になったのでは…?
実は相当な世話好きなのではと思いました。だって何だかんだ言っても、船津と一緒にいてあげているから。
世話好きを表現するには、やはり大家族設定かなと(笑)

ちなみに、この設定は、この話だけですので、すぐに忘れて下さいね!
関連記事

コメント

鋭い[i:63730][i:63913]

目のつけどころが流石です!直樹といい、船津といい、頭がいいばかりじゃ簡単に医学部に編入なんて出来ないよね~!
船津くんが外交官(確に公務員)のバアヤ付きのおぼっちゃまだと知った時のまりなもみてみたいな♪かなり格上げ間違いないでしょ(笑)

はじめまして。
ものすごく頷きながら、ほほえましく思いながら読ませていただきました。
何気に船津大好きです。
大学での船津と家での船津のギャップがいいですね!
確かに、公務員といっても色々で、お父さんが外交官、何となく分かる気がしました。
もっと水玉さんの船津と真里奈の話を読みたいと思いました。
初めてで長々とスミマセン。
それでは。

忘れろって?

だめです!忘れません!!そして断固続きを要求します!!!

…て、チョーしつれーなコメですね、すみませんデス~。水ちゃんたら、ほんとスピンオフの天才!おねがぁい、これもシリーズ化してぇぇ~~ねっ?ねっ?

船津くんのお父様が外交官でお金持ちと知ったら、
真里菜は今までの態度を改めること間違いなし!

待ってましたぁ^^
水ちゃんの書く、マリフナ話♪
船津の素性を知って行く真里奈の変化話が
よみたわぁ^^
アリエルちゃん同様に、いや皆様同様に
シリーズ化希望です^^

コメントありがとうございます。
船津ファン…何気に多かったんですね(笑)
甘く見てました(^_^;)

ヒロイブさん、はぎさん、chieさん
外交官設定、受け入れられてよかったです^^
きっとばあやと二人暮らしで、さびしい幼少時代を過ごしたため、屈折?した性格になったと勝手に妄想してます。直樹にまとわりつくのも、構ってほしいからだったりして…。

アリエルさん、さあやさん
スピンオフとか言ってもらえるとまた、舞い上がって調子に乗っちゃう~。
でも、あと一作くらいなら何とか書けるかも…。
妄想の神が舞い降りてきたらね♪

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://suisen61.blog77.fc2.com/tb.php/68-0af0b90f

 BLOG TOP