日々草子 Daddy Long Legs 18
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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Daddy Long Legs 18

「け、結婚!?」
一部始終を聞いた渡辺はまたもや驚いた。
「だって、琴子さん…そんなこと何も言ってないですよ?」
「別に言う必要ないし。」
結局、琴子に会わずにそのまま帰って来た直樹は機嫌が悪い。
「そんな!もし本当に結婚するつもりなら、後見人の鈴木太郎様に何か言ってくるでしょう?」
「後見人は後見人。親ではない。」
直樹は冷たく言い放つ。
「学費を出しているだけだからな。」
「だけど…。」
「それに二十歳になって親の許可なんていらないと思ってるのかもしれないし。」
少し考えた後、渡辺は直樹に訊ねた。
「…それ、本人に確認してないでしょう?」
「あれだけの噂になっているんだから事実も同然だろう。」
そう言ったら、自分のことはそんなことないって否定したくせにと思う渡辺。実のところ、本人に確認してそれが事実だったら怖いと直樹が思っていることも感じているので、それ以上は何も訊ねようとしない。

「なんとかならないだろうか…。」
直樹の部屋を出た後、そんなことを思いながら歩いていると電話が鳴る。
電話は大泉家の執事だった。間の悪いことに、直樹を大泉家の夕食に招待したいという。
―― おいでなすった。
そう思いながら、主人に予定を確認する。
「…別にいいけど。」
気が乗らない感じではあるが、本人がそう言う以上、招待を受ける。

そして三日後。
「今度は家が招待しなければいけないだろうな。」
と渡辺に言いながら支度をする直樹。
「そうですねえ…。」
どことなく重い空気が流れる二人の間。
「…準備だけはしておいてくれ。」
「かしこまりました。メニュー等は?」
「…何でもいい。」
それだけ言うと、直樹はさっさと車に乗り込み大泉邸へと向かった。

「この間…呉服屋を相手にしていた時はあんなに楽しそうだったのに…。」
それだけではない。初めて琴子を那須へと行かせる時も、化粧品を選ぶ時も、女学校の催しへ出かける時も、とても楽しそうだった。それが今はまるで義務であるかのように無表情。

「…どっちかが意思表示をしてくれないと、取り返しのつかないことになりそうだな。」
かと言って、どっちも何か大きな勘違いをしている気がする渡辺。でもこういったデリケートな問題は他人が簡単に口出しできることでもない。
「寒いな…。」
今にも雪が降りそうな空を見上げ、渡辺は呟いた。


啓太と一緒に店を回った甲斐があり、琴子は満足できる和菓子を手に入れることができた。望み通りの紅白饅頭。
『御祝』 と熨斗をかけてもらい、後は渡すだけである。

「大きな会社だなあ…。」
数日後、琴子は直樹の会社のビルの前にいた。会社へ送ろうかとも思ったのだが、自分の気持ちにケリをつけるためにも、直接、本人に手渡した方がいいと考えやってきたのだった。

最初は受付へ名乗ろうかと思ったのだが、仕事の邪魔をするわけにはいかない。
「ここで待っていれば…出てくるよね?」
玄関の脇に目立たぬよう立って待つことにする。社内にいれば仕事が終わったら出てくるだろうし、外出中であっても戻ってきたら姿が分かる。
「…寒いなあ。」
琴子は空を見上げた。灰色の空。
「手袋忘れてきちゃった。」
両手にハアと息をかけて、琴子はしっかりと饅頭の箱を抱えた。

「あ、降って来た…。」
白い物が落ちて来たのを見て呟く琴子。こうして立ち尽くすこと数時間。
「…そろそろ、仕事が終わる時間かな?」
そんなことを考えてふと気がつく。
「もしかして…ここには寄らずに真っ直ぐ帰っちゃうとか…?」
だが琴子には、直樹とここで会える予感がしていた。根拠は全くないがもう少し待ってみることにする。

やがて会社の前に黒塗りの高級車が止まった。中から運転手が出てきて後部座席のドアの傍に立つ。
「直樹さんが乗るにちがいないわ!」
琴子の考えたとおり、直樹がビルの玄関から姿を見せた。

「直樹さん!」
名前を呼ばれ、車に乗ろうとした直樹は振り返った。そこに白い息を吐きながら小走りで琴子が近寄ってくる。
「よかった、会えて!」
そう言いながら、琴子は饅頭の箱を差し出した。
「何、これ?」
なぜこんな所に琴子がいるのかと驚きつつ、見ると“御祝”の熨斗がかけられている。それを見てハッとする直樹。
「…あの、御祝の品なんだけど。どうしても直接会って渡したくて…。」
御祝…琴子と啓太の結婚が決まったことの挨拶の品と完全に誤解する直樹。
「わざわざ…?」
「だって直樹さんにはお世話になったんだもの!」
本当はお幸せにと言いたいのだが、それを言うと涙があふれそうになるので言えない。
「世話に…ね。」
―― “お世話になりました。私は幸せになります!”とでも言いたかったってことか。
直樹は琴子に冷たい視線を送る。

「受け取ってもらえたら嬉しいです。」
饅頭の箱を直樹へと再び差し出す琴子。笑顔を無理に作っているのだが、直樹は気がつかない。
「…いらない。」
直樹は拒否した。
「あの、中はね、お饅頭なの。紅白饅頭。食べたらすぐになくなるから、残らないから…。」
遠慮しているのか、それとも形に残る物だから嫌なのかと琴子は気を遣って説明する。だが直樹は、
「いらない。」
の一点張り。
「味は保証する!だって…。」
「…誰かさんと一緒に楽しく選んだんだろ?」
琴子の言葉を冷たく遮る直樹。
「いらないと言ったら、いらない。」
直樹は箱を押し返そうとした。が、思いの他強く力が入ったらしく、箱が琴子の手から落ちてしまった。
「あ…!」
路面に落ちた、つぶれかけた箱を見て声を上げる琴子。直樹も一瞬表情を変えたが、そのまま何もせず車へ乗り込んでしまった。

「あの…!」
そんな直樹に琴子は声をかけた。
「悪いけど、これから予定があるから。」
車の中から直樹は話す。
「大事な人との夕食が待っているんでね。」
「大事な人…。」
それはあの美しい人のことだとすぐに分かる琴子。
このまま出発していいのか戸惑っている運転手に、車を出すよう命じる直樹。

去っていく車を見て、琴子は落ちた箱を拾い上げ、中身を確認する。
「よかった…中は無事だった。」
饅頭は中から飛び出すことなく無事だった。その饅頭の上にポツリポツリと涙を落とす琴子。
「…会社まで図々しく押しかけたから、嫌がられちゃったのかな?」
ビルの前で泣く女の子を珍しそうに見る周囲の視線に気がつき、琴子は慌ててその場を後にした。


―― あいつの手…氷みたいだったな。
夕食会で、先程触れた琴子の手の冷たさを思い出す直樹。一体何時間あそこで待っていたのか…それも自分の幸福を伝えるために…。

渡辺は執事としてテーブルの傍に立っている。ふと直樹を見て目を見張った。それは同席している大泉会長と沙穂子も同じだった。二人とも自分の手を止めて、直樹の手元を見ている。

―― あの茶坊主にでも温めてもらうんだろう。

直樹はひたすら、皿の上の肉を細かく切っているだけだった――。




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コメント

えー

またまた、誤解が誤解を招いてややこしくなってしまいましたね!

素直に慣れれば、二人共仲良くなれるのにね!

両思いなのに、もったいないよー!

誰かどうにかしてください。

直樹、目覚めなさいよ。

水玉さん、おはようございます
更新ありがとうございます。
琴子も直樹も好きな思いは一緒なのに。
琴子は寒い中お祝いの品を持参したのに。
直樹はその菓子折りに対して、啓太と選んだという想いが。
だから要らないと付き帰しましたね。
おまけに琴子へこれから大事な人との夕食が待っていると言って
その場を車で去って行きましたね
琴子はすぐにあの綺麗な女性だと
その後涙を流す琴子です
直樹は食事をしながら琴子のあの手の冷たさを思い出しています。
あの寒い場所で何時間待っていてくれたのかを。
沙穂子さん、大泉会長と食事をしていても、想うのは琴子の事。
もう琴子が可愛そうです。
直樹の事が大好きな、琴子なのに。
直樹も琴子が気になって仕方が無いのに。
歯車が狂っています。

はぅ~っ(>_<)

渡辺くん、堪えてますねー

無理だってわかってるけど、はやくどっちか意志表示してほしい気持ち…

ちょっと…

台湾版イタキスの直樹と沙穂子さんのデートシーンが…頭の中にぽわんと浮かんでしまいました。。
原作では、デート中あんまりぼんやりしてない直樹ですが、、ドラマでは沙穂子さんとのデート中結構ぼんやりまさに手つかずみたいなシーンがあって。。まさに頭と手が連動してないこちらの直樹とみごとにシンクロ…^^;
それにしても、、この見事なまでの誤解…。どうやって解かれるのか、、それが気になって、、夜も眠れません;;もう、、塩味にどっぷりハマってしまった私です。

あらら...

こんばんは~♪

あらら、こんがらがっちゃいましたね。
どちらかが確かめれば分かることなのに、それができないから、こうなっちゃう。いっそ私が二人の前にしゃしゃり出て真実を話したいくらいだわ(笑)

それにしても入江君、折角琴子が泣きたいのを我慢してお祝いのお饅頭を渡そうと寒い中を待っていたのに、気持ちは分かるけど、そんなに冷たい態度はないんじゃないの!
琴子の気持ちを思うと、つい腹を立ててしまう私でした。

琴子ちゃん~~
紀子ママに変身して琴子ちゃんを抱きしめたあげたい(涙)
入江君も、気持ちを抑えるのに必死ですね。
渡辺君と一緒に私も耐えます。

うっ、この展開って・・・

こんばんは!!
今回のお話の展開はとてもまずい状態ではないですか。
お互いに大きな勘違いをしていて、このままじゃ、二人は幸せになれないと思います。
こうなったら、渡辺くんに頑張ってもらって、二人の仲を取り持つ役になってほしいです。

頑張れ、渡辺。
二人の気持ちを唯一知っているのは、あなただけなのだから。
ご主人様の幸せのためにもひと肌でも二肌でもぬいでくれ~!!

まるでプラレール

水玉さん、こんばんは。
我が家の直希(小1)の趣味はプラレール。複雑にレールを組んで電車を走らせて遊んでいます。
直樹さんと琴子の距離はまるでレールの様。近づいたり離れたり擦れ違ったり・・・。なかなか一緒になりませんねぇ。
”入江直樹”さんは、切羽詰まってギリギリの、もう後には引けないっ!!って所まで追い込まれないと、自分の気持ちに気付かないと言うか、認めないと言うか。
まっ、あと少しの我慢でしょうか。

余談その1:水玉さんにブロとも申請を試みていますが、どうも上手くいきません。パソコンって苦手・・・(T T)

余談その2:この場をお借りして、ゆみのすけさん&kobutaさん。私の様な新参者のコメントまで読んでいただき、その上、更にコメントをいただき、とっても嬉しいです(><)ありがとうございます。

ありがとうございます

コメントありがとうございます☆

kobutaさん
本当に、はたから見ると立派な両想い同士なのですが…
こうなってしまうと、誰か第三者が間に入らないと難しいかもしれませんね。

tiemさん
琴子はひたすら直樹を想っているだけなのですが…
それにしても、思い込みの激しい直樹です(笑)
一言確認すれば済む問題なのですが。

まごみさん
黙って見ていなければいけない渡辺君も辛いでしょうが、それ以上に辛いのは当事者二人なんですよね…

なおき&まーママさん
そうなんですか?1は見てないんです~><
私もここまで誤解させちゃって、どう解けばいいのか頭を悩ませ始めました(笑)
書いている時は夢中なのですが、最後苦しくなる…何度繰り返したら気が済むのか(笑)

るんるんさん
本当!!
「違うのよ、あんたたちは誤解しているだけなのよ!!」って出て行って二人の前で暴露したい気分(笑)
しかし…何を書いても私が書く琴子ちゃんは食べ物が絡む気が(笑)
おまんじゅう…一生懸命選んだだろうに(涙)
本当に可哀想…

あおさん
耐えて下さい!!(笑)私も書きながら耐えています。
私もその場に行って、琴子ちゃんの冷えた体を温めてあげたくなりました。

りきまるさん
結局こんな展開に…
それにしても、本当、渡辺君に対する期待が大きいです(笑)
渡辺君…一応愛のキュービッドになるのかな???
主人には忠実な執事ですものね。

nmママさん
プラレール!!懐かしいです!!うちにもあります!家族みんな好きなので!橋とか作ったり、どんどん線路や電車が増えて行って楽しいんですよね!!
まさしく、今の二人の関係はグルグルと回っているだけですねえ…
ところでブロともの件、ありがとうございます。
ただ申し訳ないのですが…ブロとも関係?を結んでしまうと、我が家のパスワード記事が丸見えになってしまうんですね。あまり多くないのですがパスワードをかけている記事が少しありまして、それはヒントを元に見つけていただくことにしています。なので…ブロともは今はどなたとも結んでおりません。
ごめんなさい!!!

拍手コメントありがとうございます
さくやさん
いえいえ、孤島にはかわりないです~
でも本当にありがたいことです。
いつまでも初心忘れず、おごることのないように気をつけなければと思っているのですが、時々調子に乗りそうで怖い時があります…。
そんな時は御遠慮なく「ちょっと図に乗ってない?」と注意していただけると嬉しいです。

いたさん
ちなみに、続編もありますよ。私もよくは読んだことないのですが、『あしながおじさん』の主人公の友達が主人公になります(いわゆるスピンオフ?)
でも本当に面白い話なので、楽しんで頂けたらいいなと思います。

佑さん
やっぱり執事に期待されているんですね(笑)
確かに、このままでは琴子ちゃんがかわいそうですよね…

foxさん
しょっぱくできるだけ、しておけば、この後の大したことのない甘さもかなり甘く感じることができるかなあと…そんな企みも含まれています(笑)

気になります~(>_<)

この続きがすっごく気になります(>_<)
昨日一日、仕事が休みなのでずっと妄想してました(笑)

渡辺さんか啓太くんが鍵になるのか、また寄席が鍵になるのか、意外なところでモトちゃんか松本さんか…。

キーマンが誰であれ、早くお互いの誤解が解けて幸せになってほしいです!はぁと

愛結美さん

キャー、妄想してくださったんですか!!ありがとうございます!!
やっぱりキーマンの登場が気になりますよね…。
それにしても、寄席にまでお心を寄せて下さり(あ、シャレじゃないです(笑))ありがとうございます!!

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