日々草子 Daddy Long Legs 15
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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Daddy Long Legs 15





【接吻】
相手の唇や手などに自分の唇をつけること――

「アンタ…何でそんな所に赤線引いてるの?」
幹に言われ、琴子は我に返った。見ると、辞書に赤鉛筆で線を引いている。しかも【接吻】の項目に。
「あ、いや、これは別に…。」
慌てて辞書を閉じる琴子。

―― あれは夢じゃなかったのよねえ…。

あの夜から二週間が経とうとしている今でも、夢の中のような気がする琴子。唇にはまだしっかりと感触も残っている。

―― 何で直樹さん、あんなことしたんだろ?

その答えはまだ出ないまま。あれから直樹とは顔を合わせていない。ゆえに琴子はこの二週間、自問自答を繰り返しているのだった。

そんな落ち着かない日が続いた頃、琴子のポストに一通の手紙が舞い込んだ。宛名はタイプで打たれたもの。差出人は書かれていない。
誰からだろうと思いながら、琴子は封を切った。中から出て来たのは絵葉書が一枚。それは琴子が見たこともない外国の風景。
「あ…。」
絵葉書をひっくり返して、琴子は笑顔になった。そこには“入江直樹”という自筆署名が書かれている。住所は会社のものが書かれていた。
「そっか!あの時の!」
二週間前の夕食の時の会話を思い出す琴子。

―― 直樹さん、外国へ行ったことあるんだ?
―― 何度か。
―― 素敵だった?
―― まあな。
―― いいなあ。どんな景色なんだろ?とっても綺麗なんでしょうね!

直樹はあの時の会話を覚えていて、こうして琴子へ外国の風景を見せるために絵葉書を送ってくれたらしい。絵葉書を手に嬉しさで笑いが止まらない琴子。会社の住所と名前以外は何も書かれていないが、こうして何気ない会話を忘れずにいてくれた直樹の優しさが嬉しい。
そしてその絵葉書を、琴子は宝物箱にしている綺麗なお菓子の空き箱へと大切にしまった。


―― 最近、御機嫌いいなあ。
渡辺は主の様子を見ながら思っていた。別に直樹は踊ったり歌ったりしているわけではないが、でも機嫌がいいことは分かる。これは琴子と仲直りができたに違いない。

そしてそこへ舞い込む琴子からの定期便。

『…私も男性からお手紙を頂けるまでになったんですよ!』

それが自分のことだとすぐに分かり、殊更機嫌を良くする直樹。それを見て嬉しくなる渡辺。

『直樹さんはそれからも色々な国の絵葉書を送って下さいます。私はそれを大切に保管しています。見ているとまるで外国へ旅行した気分になります。寮の部屋が一瞬にして外国になるなんて、素敵でしょ?
勿論、お返事もちゃんと書いています。直樹さんの会社へ宛てるのはちょっと緊張するけれど。』

その通り、琴子からの手紙は会社の会長室へと届けられる。最近届く女の子からの手紙に、秘書室が騒然となっていることに直樹は気が付いているのかいないのか。

そんな直樹の機嫌を良くする琴子からの手紙だったが、後半、とんでもないことが書かれていた。

『…それから、啓太くんからも手紙が届きます。こちらはちょっと元気な字で大学生活のことやお茶のことが書かれています。この手紙も私を楽しませてくれます。勿論、ちゃんとお返事を書いています。

おじさま、私の空っぽだったポストに2通も、それも男性からお手紙が届いているんですよ!凄いと思いません?』

渡辺はそこまで手紙を読むと、そっと直樹の顔を見た。…明らかに不機嫌になっている。

「…渡辺。」
地の底から響く声がした。
「書庫に…“日本の歴史”全135巻があったな?」
渡辺はその本を思い浮かべた。一冊が相当厚く、しかも直樹より遥か昔の入江家の当主が揃えた古い本である。何十年も開かれていないその本は虫食いやカビで大変なことになっていることは間違いない。

「それ、全巻すぐに読めるようにしておいてくれ。」
「全巻…?」
「そう。日が当たる所にでも干して。」

渡辺は大量の本を屋敷の端の書庫の、これまた端にある埃にまみれた書棚から引っ張り出し、何度も外と往復しながら運ぶはめになった…。


直樹からの絵葉書が、琴子の宝物箱の中へどんどん増えていった頃、松本から驚く誘いを受けた。
「年末年始は、私の家に来ない?」
突然の誘いに驚く琴子。
「昨年は桔梗さんの家に遊びに行ったんでしょ?それなら今年は我が家へぜひ。」
松本はなんだかんだ言っても、琴子を気に入っている。なので今度の誘いも琴子への好意から出たものである。

琴子はあしながおじさんへ訊ねた。

『…松本さんはいい人だけど、そのお家はちょっと緊張してしまいます。だってとっても名門のお家だし、何か失敗したら怖いんですもの。
モトちゃんの家からも招待を受けているので、どちらかというとモトちゃんの家の方に今年もお邪魔したいです。…啓太くんもいるから安心だし。』

勿論、松本家の招待を受けるように直樹が指示したことは言うまでもない。
結果、琴子は年末年始を松本家で過ごすことになったのだった。

そして冬休みまであと少しというある日のこと。琴子の元へ渡辺が鈴木太郎の使いとして姿を見せた。

「わあ!すごい!」
この日の渡辺の使いの目的は、琴子への“お年玉”を渡すことだった。そのお年玉というのは…加賀友禅の振袖と帯だった。

「琴子さんも二十歳になられたし、それに今度松本様のお家へ行かれるとのことで、鈴木様がパーティーでぜひ着るようにとの仰せです。」
松本家では毎年、見事なパーティーが開かれる。直樹もそれを知っており、琴子が恥をかかぬように作らせた一級品である。

見事な品に目を輝かせている琴子を見ながら渡辺は、
―― しかし、最初はあんなに服を選ぶことを面倒だと言っていたくせに。
と、女学校へ入学したばかりの時の直樹を思い出す。琴子の世話は一切したくないので、金は出すから後は渡辺に押し付けた直樹。
それが今や…自ら屋敷に呉服屋を呼びつけ、あれがいいかこれがいいかと渡辺と相談しながら、琴子の振袖を選ぶまでになった直樹である。

「あら?これは?」
振袖と共に置かれている小さな箱に気がついた琴子は、中を開けた。それは…直樹が琴子の誕生日に渡しそびれた蒔絵のブローチだった。
「それも鈴木様からのプレゼントです。ブローチにもなるし、帯留めにもなるものですよ。」
実は直樹が捨てた後、渡辺がこっそり拾っておいたものだった。いい機会なので、直樹には何も言わず、渡辺独自の判断で今回琴子へ渡すことにした。

「こんなに頂いて…いいのかしら?」
心配する琴子に渡辺は手を振る。
「全て琴子さんのために作らせたものです。これだけ揃えば、松本様のお家でも堂々と過ごせるでしょう?」
「本当に…あしながおじさまにはお世話になりっぱなしで。何かお礼をしたいなあ…。」
―― あなたがそれらを身に付け、直樹様に見せるのが何よりのお礼です。
渡辺は心の中でそっと呟く。

あしながおじさんへお礼の手紙を書くと張り切る琴子に、ブローチの件だけは内緒にしておくよう言う渡辺。
怪訝に思う琴子に、
「…恥ずかしいのでブローチの件は触れないでほしいと仰っておいでなので。」
と、少々無理な言い訳をして渡辺は誤魔化した。

松本家のパーティーには直樹も招待を受けている。その時、このブローチを琴子が付けて現れたら…直樹はどんな顔をするだろうかと渡辺はそれが楽しみだった。
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コメント

恋する入江君!

こちらも更新していただき、うれしいです。ありがとうございます。

琴子に絵葉書を送り、琴子からの返事をもらい上機嫌の入江君、なんだか可愛いですね。
松本家に招待された琴子プレゼントする振袖を選ぶ姿は、まさしく「恋する青年」そのものみたいですよね。
入江君が捨てたブローチを拾って振袖と一緒に渡すなんて、渡辺君もいいですよね。
振袖を着て、ブローチを付けた琴子を見た入江君は どんな反応をするでしょうか?次回が楽しみです。

恋の進展

更新楽しみにしておりました。
振袖ですか、直樹様はおしゃれですね? さすが、女心が解かってらっしゃる・・・・(笑) 
 
ホントに毎日毎日更新を楽しみにしています。
ブローチを観て直樹は、どんな反応をしめすのでしょうか?
次回楽しみにしています。

新年あけましておめでとうございます。昨年は水玉さんのイリコトがたくさん読めて楽しかったです。今年もよろしくお願いします。

いよいよ松本家に招待された琴子、次回がどの回よりも楽しみに思えてしまいます。

今年もず~っとヨロシク!です

明けましておめでとう御座います~
昨年は楽しいお話を有難うございます!&お疲れ様でした
今年も楽しみにしています!&ヨロシクお願いします♡

直樹に振り回される渡辺くん!ごめんね。・゚・(> x <)・゚・。
チョット愉快かも?
渡辺くん在っての直樹ですから..許してね
さ~て今年もどうなるのかワクワク(*゚▽゚*)ワクワク

あけました

おめでたふございますo(^-^)o


なんだかほほえましい話で始まり、ウキウキです!


んが、

渡辺くんの主人と琴子を思う気持ちが裏目に出ないかとハラハラしてるのは私だけでせうか( ̄▽ ̄;)

入江くんの態度ににんまり!!

入江くんの琴子に対する態度を読んで思わずにんまりしちゃいました。
やっぱり琴子に恋する入江くんはこうでなくちゃ!!
でも、入江くんは琴子の手紙に躍らされているように感じるのは私だけでしょうか?
でも、原作の直樹は琴子に対してツンデレだったので、
こちらでは琴子に心乱されていく直樹がとても可愛くなってきました。後は、あの憎まれ口をなんとかするだけですね。

しかし、直樹の機嫌が悪くなるたびに振り回されている渡辺さんはとても可哀そうです。
でも、直樹の成長を見守り続けて下さいね。
そして恋愛成就も温かい目で見守って下さい。(もちろんフォローもよろしく!!)

直樹のオモイヤリ!!

水玉さん、おはようございます。
あけましておめでとうございます。
今年も水玉ワールドを思いっきり展開して行って下さい。
楽しみにしています。
琴子、直樹との接吻が忘れられないようですね。
そんな琴子へ直樹から絵葉書が、すごく嬉しそうです。
宝箱には直樹からの絵葉書が増えていっていますね。
でも啓太からも手紙が来ていることを聞いて、直樹が不機嫌に。
冬休みを松本宅と啓太の所からお誘いが、直樹はもちろん松本宅へ行くようにと。
そして琴子に着物を渡辺氏から届けさせましたね。
直樹が自ら選んだ琴子への着物です。
渡辺氏その着物に直樹が琴子へプレゼントしょうとしていたブローチも添えて。
やりますね、渡辺氏。
それを身につけた琴子を見たら驚くでしょうね直樹。
楽しみにしています、続き。

粋な計らいをした渡辺さんにあっぱれを!

琴子はあんなことが突然起こってよくわからないままで
夢としか思えないけど、でも唇には確かに感触が・・・^^*)
そりゃ辞書で接吻、のところに線ひきたくなりますよ!

一方で最近はおだやかな優しい直樹ばかりですが、
やっぱり”啓太”の名前がでてくると変わらず
嫉妬全開ですね。
そしてとばっちりをうける執事渡辺さん・・。
頑張ってくださいとしかいえません(笑)

そして次回年末年始の松本家でなにかが起こるのか???
もう今からドキドキわくわくです。

大好きなお話♪更新有難うございます。
確かに昔の書物は重い!!カビ臭い!!黄ばんでいる!!
それを135巻・・・・がんばれ渡辺さん!!!

早く、直樹と琴子ちゃんの恋が成就しないと
渡辺氏の体が・・・・・

これからどう進展されるのかとっても楽しみです♪


コメントありがとうございます

こちらにも続いてのコメント、ありがとうございます♪

るんるんさん
まさしく「尽くす男」の一言ですよね(笑)
そういえば昔「めっしーくん」やら「あっしーくん」というのがいたなあと思い出してました(笑)
恋する青年…いい響きです(笑)モテモテの琴子ちゃん、書いていて気分最高です!!

rinさん
久しぶりの更新(といっても一週間たっていなかった(笑))で、こちらも楽しませていただきました。
振袖…二十歳は振袖でしょう!!
日本人はパーティーで振袖着る機会が多いですし。
直樹さんはきっとセンスもよかろう…、うん(笑)

若草智紀さん
あけましておめでとうございます。
新年早々のお運び、ありがとうございます。そしてコメントもありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いいたします。
というわけで(どんなわけ?)松本家パーティーの巻をUPしてみました。お楽しみいただけたらいいなと思ってます♪

美優さん
あけましておめでとうございます。
昨年は花粉症の話といい、くだらない私の日常話にもコメントをたくさん、ありがとうございました!!
いえいえ、直樹に振り回される執事渡辺の姿も、この話の大事な要素なのです(笑)
でも本当、よく転職を考えないなあ(笑)私ならとっくに愛想尽かすけど。入江家のお給料、いいのかしら?
今年もよろしくお願いします。

まごみさん
あけましておめでとうございます。
新年ですので、そんなしょっぱなからは…と今だから言えるって感じなのですが(笑)
この辺までは直樹さん、いい感じなんですよねえ…
今年もよろしくお願いします♪

りきまるさん
原作のあしながおじさんも、主人公の手紙で振り回されているんですよ(笑)だからこちらも…天才なのに(笑)
でも恋する入江くんがかなりツボに入っております。
「こんなの入江くんじゃない!」ってお叱りも受けそうではありますが、我らが可愛い琴子ちゃんに幸せになってもらいたいんだもーん♪
渡辺執事…なんて立派な恋のキュービッドなんだろうとつくづく思います。


tiemさん
ありがとうございます!
お言葉に甘えて、おもいっきり暴走していきます(笑)
優秀な執事は、完璧なのです。
いやあ…こんな執事がいて恋が成就しなかったら相当主がアホな証拠でしょうね(笑)

藤夏さん
ある意味自覚のない小悪魔琴子ちゃん(笑)
可愛いわあ♪
本当に頑張ってくださいとしか言えないですよね、執事さん。
わがまま坊ちゃんと振り回される執事…組み合わせは非常に気に入っております。

ゆみのすけさん
しかし135巻の日本の歴史…相当詳細な記述がされているんだろうなあ(笑)
その内容、すでに頭に入っているのじゃないのかい?天才さんと突っ込んでいたのはここだけの話です(笑)
本当に、渡辺氏が倒れるのが先か、この二人がうまくいくのが先か…(笑)

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