日々草子 別冊ペンペン草 17
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プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

インターフォンが鳴り、直樹は玄関のドアを開ける。
「はじめまして。私、別冊ペンペン草編集部の松本と申します。入江先生の原稿を受け取りに参りました。」
立っていた美女は礼儀正しく名刺を差し出す。
「相原…じゃなかった、入江さんの具合はいかがですか?」
「まだ熱が下がらなくて。」
そう。琴子は数日前から熱を出して寝込んでいる。
大好物の柿ピーに全く手を出そうとしなかったので、直樹が不審に思い熱を測らせたらかなりの高熱。そのままダウンしてしまったのだった。

玄関先で立ったまま待たせられながら、裕子は思っていた。
―― あのメタボ…結構いい男をアシスタントにしてるのね。生意気!
裕子はマンションを見回す。
―― なかなかいい所に住んでいるわね…メタボのくせに!もう若くないんだからちょっとは貯金しておかないと、まずいんじゃないの?
そんなことを思っていると、アシスタント…直樹が原稿を手に戻って来た。
「確かに。先生と入江さんによろしくお伝えください。」
裕子が原稿を受け取ると、直樹は「どうもお疲れ様」と素っ気なく言い、玄関のドアを閉めた。
「ちょっと素っ気ないけれど…かなりの上物よね、あのアシスタント!」
原稿を手に裕子は満足して会社へと戻ったのだった。

「松本さん…?」
ベッドの中から弱弱しく琴子が呟く。
「ばれちゃったの…?入江くんの正体…。」
「さあ…大丈夫だとは思うけど?」
直樹は琴子の額に貼られた冷却シートを取り替える。そして測らせていた体温計を見る。まだ熱は下がらない。
「汗かいただろ?着替えた方がいいな。」
「…せんとくんのTシャツがいい…。」
琴子は自分が来ているせんとくんTシャツを見ながら、駄々をこねる。
「ったく、しょうがねえな。」
直樹は引き出しから別のせんとくんのTシャツを出し、琴子へ渡した。
「あ…せんとくんも横になってる…あたしと一緒…。」
嬉しそうにTシャツを見て笑う琴子。どうやら熱に完全に浮かされているらしい。

    ※参考資料
              sentokun2


「ねえ、入江くん…。」
着替えた後、琴子が言った。
「あのね…あたしにもしものことがあったら…柿ピー、全部食べていいからね…。」
普段熱を出さない人間が寝込むと、どうも弱気になるらしい。
「どうせなら、もっとましな遺産を残してくれ。」
呆れる直樹。
「あとね…棺には…あの、入江くんの実家へお土産に持って行った高級有田焼柿ピーを入れてほしいの…。」
―― 普通、俺の写真とか言うところじゃないのか?
そんなことを思う直樹。
「馬鹿なことを言っている暇があったら、眠れ!」
「あと…。」
直樹の言葉は全く耳に入っていないらしい。まだ何かを言おうとする琴子。
「松本さん…美人だったでしょ?」
「松本…?ああ、そうだな。美人な方じゃない?」
先程会った裕子の顔を思い出す直樹。
ところが直樹の返事を聞いた途端、琴子は目から涙を零し始める。
「入江くん…松本さんを後妻にするの…?」
グスングスンと泣き出す琴子を見て直樹は、
「そうだな。美人だし目の保養になる。」
と、ちょっとからかってしまった。
「嫌だ…入江くん、再婚しないで…あ、でも老後は寂しいだろうからしても…でも嫌…。」
更に泣き出す琴子。直樹は、
「しねえよ!俺の老後はお前がいるから寂しくない!」
とイライラしながら叫んだ。
「うん…。」
「もういいから、黙って寝てろ!」
「はあい…。」

琴子を寝かしつけた後、疲れを感じた直樹はリビングのソファへ座りこんだ。
ピンポーン。
今度は誰だと、玄関のドアを開ける。
「やあ!」
そこには片手を上げ、能天気な笑顔を浮かべて立っている西垣マドレーヌが…。
すぐにドアを閉めようとする直樹。足を挟んで阻止する西垣。
「うちは新聞は日経なので間に合ってます。」
「うちは読売…って、新聞の勧誘じゃないよ、お見舞い!琴子ちゃんのお見舞い!」

攻防の末、何とか家の中に上がり込むことができた西垣。
「あ、これお見舞い。いつも同じで悪いんだけど、マドレーヌ。」
「熱で寝込んでいる人間がこんなもん、食べられる訳ないでしょう。」
マドレーヌの箱をテーブルへ放り投げる直樹。

その時、カチャリとドアが開く音がした。寝室のドアが少し開く。慌てて直樹は寝室へと向かう。

「何やってんだ、大人しく寝てろ!」
寝室に入った直樹は、琴子の姿を見てギョッと目を見張る。
「お前…下…ズボンはどうした!?」
琴子はせんとくんTシャツしか着ていない。ズボンは履いていなかった。
「暑くて…ベッドの中で脱いだらどこか行っちゃったの…。」
それより、と琴子は続ける。
「西垣先生の声がしたんだけど…来てるんでしょ?」
「ああ。」
「それじゃあ、ご挨拶しないと…失礼になっちゃう…出版社の社員として…。」
意識朦朧としながら、寝室を出ようとする琴子。それを強い力で押しとどめる直樹。
「いいから!お前は病人なんだから出なくていい!」
「でも…。」
冗談ではない。そんな格好で前に出られたら…西垣を大喜びさせるだけである。

ベッドの中からズボンを探し出し、琴子へ履かせ、寝かせて直樹はリビングへと戻った。
「琴子ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫です。」
「よかったら、僕…熱を測ろうか?結構上手だよ。」
「どうやって?」
熱の測り方が上手な人間なんているのだろうかと不審がる直樹。
「うん。あのさ、琴子ちゃんの首筋にこう…僕の口をつけて…。」

「冗談だってば!」
「どうもありがとうございました!」
「せめて一目琴子ちゃんに…。」
「うつると申し訳ないんで!」
そう言って、直樹は西垣を強引に玄関から追い出し、鍵をかけチェーンまでしっかりと閉めたのだった…。

「西垣先生…帰ったの?」
ベッドの中から顔を少し覗かせ、琴子が訊ねる。
「ああ、帰った。」
ひどい疲れを感じる直樹。ふと見ると、飲むように言っておいた薬が手つかずのまま。
「お前、薬飲んでないだろ?」
「…錠剤って飲むの苦手なんだもん。」
「飲まないといつまで経っても治らねえぞ!」
「嫌…。」
「飲め!」
「嫌!」
直樹は嫌がる琴子の鼻をつまみ、薬を口へ押し込む。そして自分の口に水を含み…口移しで琴子へ飲ませた。
「…よし!」
ゴクリと飲み込んだことを確認し、直樹は頷く。
「入江くん…。」
琴子が恥ずかしそうに名前を呼ぶ。
「何だよ?」
「あの…こうやって飲ませてくれるなら、あたし錠剤頑張って飲むんだけどな…。」
「甘えるな!」
直樹は拳を琴子の頭上へ落とした。

その後、直樹の手厚い看護の甲斐があったのか琴子は数日後には出勤できるようになった。

「ねえ、入江さん!」
いつもは相原と呼んで琴子から抗議される裕子が、珍しく入江と呼んだ。しかも何やら機嫌がよさそうである。
「あなたの…メタボ親父のアシスタントくんなんだけど。」
「アシスタント?」
「私が原稿受け取りに行った時に応対してくれた、あの素敵な人!」
―― もしかして、入江くんのこと?
裕子が直樹をアシスタントと思い込んでいることに、琴子は気がついた。
「で、彼が何か?」
「紹介して!この私がお世話して立派な漫画家にしてあげるから!」
「でも…松本さん、将来性のある男性しか興味ないって言ってたよね?」
琴子の言葉に裕子は首を振る。
「だから先行投資よ!先物買い!あんないい男、セレブにもいないわ!」
すっかり直樹に夢中になってしまった裕子を見て、複雑な心境の琴子。
「あの、松本さん。実は…。」
「…嘘!!」
裕子の悲鳴が響き渡った…。

自動販売機から缶コーヒーを取り出し、裕子は溜息をつく。
「まさか…あんなに素敵な人が…そういうマンガを描くとは…。」
琴子の話によると、あのアシスタントは…猫耳をつけた女の子がパンツ丸出しで笑うような漫画を描くという(勿論、直樹に近付けないための琴子の嘘である)。
―― そういうマンガ、松本さん、指導できる?
琴子に問われ、「無理!」と即答した裕子。
「…やっぱりメタボのバーコード親父のアシスタントは…まともじゃないってことか。あのルックスでその趣味…惜しいわ…。」
裕子は一人呟くと、缶コーヒーを口にした。

琴子の出社後、直樹はリビングのソファでうたた寝していた。ふと目を覚ます。どうも疲れが取れていない気がする。直樹は伸びを一つした。
―― あいつの看病は疲れる…。でも…。
一人微笑む直樹。
―― 今夜、看病疲れを癒してくれるだろうからな。
琴子が帰宅する夜が来るのが待ち遠しい…そう思いながら直樹は再び目を閉じた。













☆あとがき
首筋に唇当てて熱を測る方法は…とある漫画に出てきたものを拝借しちゃいました(笑)
これで書きたかったものは、すべて書けた感じがします!!
連休の私の、それこそ熱におぼれたかのような更新にお付き合い下さり、ありがとうございました!
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コメント

私は今のところ風邪とは無縁です^^;)

水玉さん、怒涛の更新
本当におつかれさまでした。

この話を読んで琴子は看病してくれる人がいていいなあと
本気で思った次第です、ハイ(笑)
でも直樹に看病されたらかえって熱があがる?・・かも。

パスワードの方はじっくり時間をかけて解いていこうと思います。
前回、パスワードが解けた瞬間ってものすごく嬉しかったんですよ!
その高揚感をまた味わいたいので長期戦でも頑張る覚悟です^^)

沢山の更新お疲れ様です。

改めて水玉様の作風が多岐にわたる事に感心しました!

別ペ、松本が直樹に出会ったらどんな反応を示すのだろう?と前々から思っていたので話を読んで食いついてしまいましたっ。
でも、バレなかったですねww
琴子の嘘、可愛い!
信じてしまう松本も可愛い!!

バレてしまうお話もいつか読みたいです~!

新婚時代~

口移しで薬だなんて・・・ムフッ
看病って結構大変なんだよねぇ。たっぷりと看病疲れを琴子にとってもらわないとね!
我が家もインフルエンザの第1号が連休にでて、隔離だ!マスクだ!と大騒ぎでした。
水玉さんも気をつけてくださいね!

何枚?

せんとくんTシャツ何枚あるの?そんなに着やすいなら欲しいかも?(パジャマ代わりに)

やさしい直樹、看病してくれるんだいいな!うらやましいな琴子!

イリコトディーありがとうございました。

秋はイタキスファンには、メモリアルがいっぱいですもんね。

入江くんお疲れ様でした。

こんばんは、水玉さま。
イリコトデーお疲れ様でした。秋はイタキスファンにとってはイベントが沢山あり嬉しかったです。
でも、作家側の水玉さまは大変でしたよね。
本当にありがとうございました。

今回もせんとくん登場でほんわかさせて頂きました。

風邪を引いた琴子。
わがままな琴子を叱りながらも気遣う入江くん。
言葉はキツイけど琴子を労わっているのが良くわかりました。
琴子の我儘で口移しで薬を飲ましている入江くん本当にやさしいですね。
羨まし~い。

次は、入江くんに風邪を引いてもらい琴子に看病させてみては如何でしょう?
でも、きっと家の中はめちゃめちゃになって落ち着いて寝れないとはおもいますが・・・

お付き合い下さり、ありがとうございました!

コメントありがとうございます。
しつこく、せんとくんネタすみません…

藤夏さん
風邪と無縁!それは何よりです^^私もまだ大丈夫です…でもいつうつる!?とかビクビクしてますが(笑)
本当、妙にテンションが高い三日間でした(笑)やっぱり結婚記念日だから?←わたしのでもないのに…
イリコト強化月間とかとんでもないこと口にしたから、ちょっと必死になりました(笑)でも楽しかったです。

ぴくもんさん
いや~ばれたら話がもう終わりそうで。かなり無理を承知でまだばれるのは先にしてみました(笑)
こちらこそ、勝手気ままに更新しているものに、素敵なコメント、ありがとうございます♪
…正直、ついてきてくださってとても嬉しいです♪

くみくみママさん
うわ~大変でしたね!!!そういえば…人間、なぜか熱を出すときって…休日のような(笑)私もそのタイプです。
本当、看病って大変ですよね…こまめに様子を見に行ったり…くみくみママさんも看病疲れから倒れないよう、気をつけて下さいね!

kobutaさん
本当、何枚あるんだろ?せんとくんTシャツ。この話を書くにあたって、せんとくんのオフィシャルサイトに行ったら…あまりの充実っぷりに笑ってしまいました。奈良に行けば買えるのだろうか…?
こちらこそ、読んで下さりありがとうございました♪

りきまるさん
いえいえ!こちらが勝手に書いているだけですから!こちらこそそんな勝手に付き合って頂き、本当にありがとうございます!とても嬉しかったです!
ちょっと…わがまま琴子ちゃんが書いてみたくなったんですよね♪可愛いだろうなあと。
入江くんが風邪をひいたら…きっと激マズなおかゆを食べさせられるんでしょうねえ…

拍手コメントありがとうございました!

拍手コメントありがとうございます。

さくやさん
え!大変!!それで現在は回復されたんでしょうか?
インフルエンザじゃなくても熱が高いと辛いですよね…
お大事になさってくださいね!!

るんるんさん
本当、琴子、病み上がりなのにね(笑)
しかし…1LDKで片方が風邪をひいたら…はっきり言ってすぐにうつってしまうだろうなあ…その間、入江くんはソファで寝てたのかしら?

haruruさん
あ~確かに、別ぺ、入江くんの独占欲すごいですよね!!自分で書いておいてなんですが…(笑)
私も鈍い琴子ちゃん、可愛くて大好きです。
こちらこそ、お付き合いくださりありがとうございました!!

佑さん
うらやましいくらい、原作で琴子ちゃん病気も怪我もしませんでしたよね!あのポジティブパワーはそういった類も跳ね返すのでしょうか(笑)
せんとくんTシャツ…原作の琴子ちゃんはオシャレさんなのに(笑)

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