日々草子 公爵の秘密 3
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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公爵の秘密 3



「皆さんの分まで、先生を幸せにしますから…。」
コトリーナはそう言って、手を合わせ「なむなむ…」と呟いた。ここは例の墓の前。あれからコトリーナは毎朝、あの肖像画のイメージに合った花を探して、墓前に花を供え、手を合わせていた。

今日は墓参りを済ませた後、森で花を摘み、そっとナオキヴィッチの執務室へと入った。
「これでよしと。」
花瓶に花を生けて、見つからないうちに部屋を出る。
「少しでも先生の心が慰められたらいいのだけど…。」
コトリーナはそう思いながら、自室へと戻った。

「それは?」
数時間後、コトリーナが生けた花の入った花瓶を手に、執務室から出ようとしているユウキスキーにナオキヴィッチは声をかけた。
「執務のお邪魔になるかと思いまして。」
そのまま出て行こうとするユウキスキー。
「ユウキスキー。」
その後ろ姿に、ナオキヴィッチは名を呼んだ。
「それはそのままでいい。」
「でも…花瓶が倒れたりして、書類を濡らしてしまったら大変ですから。」
「いや、いいんだ。元の場所へ戻しておいてくれ。」
「では、お部屋に合った花を飾りましょう。」
コトリーナが生けたのは、野に咲く花。重厚な雰囲気の執務室では少々浮いてしまう。
「いい。そのままで。」
それ以上主人に逆らう訳にはいかないので、渋々ユウキスキーは花瓶を元の位置へ戻した。」

その日もナオキヴィッチは、シゲキスキーと二人、執務室へ籠って執務を執っていた。
「お待ち下さい!」
ドアの向こうで、ユウキスキーの声が響き、二人は何事かと顔を上げる。するとドアがノックされた。シゲキスキーがドアを開ける。
「コトリーナ様!」
そこにはワゴンを手にしたコトリーナが立っていた。
「あの…お茶の時間なので、先生と一緒に過ごせたらと思って…。」
ワゴンにはお茶の支度がされている。
執務の邪魔をしてはまずいことは、コトリーナにも分かっている。だけどそろそろナオキヴィッチの顔が見たくて我慢ができなくなっていた。
せめて、お茶の時間だけは一緒に過ごせたら、コトリーナはそう考え、ユウキスキーの制止を振り切り、執務室のドアをノックしたのだった。

「ナオキヴィッチ様の執務の邪魔でございます!」
ユウキスキーがコトリーナを止める。以前、メイドが気を利かせて、コトリーナと同じようにお茶を運んだ時、ナオキヴィッチに邪魔だと叱られたことがあったことをユウキスキーは思い出していた。

「…そこへ支度してくれ。」
しかし、ナオキヴィッチの返事はまたもや、ユウキスキーを驚かせるものだった。その途端、コトリーナの顔がパアッと輝く。
「はい!」
そして嬉々としてワゴンを執務室の中へと入れる。
「それでは、私もお手伝いしましょう。二人でやった方が早いですから。」
シゲキスキーがニコニコと笑い、手伝いを申し出た。
「ありがとう、シゲキスキーさん!」
コトリーナも笑顔で支度を始める。
ユウキスキーはそんな二人が見ていられなくなり、執務室から出て行ってしまった。

「やっと先生と話ができた!」
お茶を注いだティーカップを渡しながら、コトリーナは喜ぶ。
「先生、体大丈夫?ずっとここにいるんだもの…。」
「戻った時はいつもこんな感じだからな。」
コトリーナからお茶を受け取り、ナオキヴィッチは言う。
「そうなの?」
それでよく体を壊さないものだと、コトリーナは驚く。
「…本当は俺は公爵の執務に専念しなければいけないんだ。」
ナオキヴィッチは静かに話し始めた。
「だけど、俺は学者にどうしてもなりたかったからね。学者になることを許してくれ好きに過ごせるのは、俺が留守の間ここを守ってくれている、シゲキスキーを始めとする使用人たちのおかげなんだ。」
「そうなんだ…。」
「だから、ここへ戻って来た時はきちんと与えられた役割を果たさないと。そうすることが彼らへの感謝を示すことだと思ってる。」
ナオキヴィッチの考えに、黙って耳を傾けるコトリーナ。
「お前を1人放っておいているのは、悪いと思ってるけど…ここにいる間はこういう状態だと覚悟してほしい。俺はこの邸にいる間は、教授ではなく公爵だから。」
本当は放っておかれるのは寂しいが、ナオキヴィッチの思いは痛いほど、コトリーナの胸に伝わってきた。
「分かりました、先生。」
コトリーナは笑顔を見せた。
「私のことは気にしないで、公爵のお仕事に専念して。シゲキスキーさんやみんなのためだもの。」
「コトリーナ…。」
ナオキヴィッチもそれを聞き、安堵した。もしかして愛想を尽かされているのではないかと思ったのだが、コトリーナはきちんと理解してくれたらしい。やはりコトリーナを生涯の伴侶と選んで正解だったと、ナオキヴィッチは思った。

「花、ありがとう。」
花瓶の花に目をやりながら、ナオキヴィッチはコトリーナに礼を言った。
「私だって分かってくれたんだ!」
それだけでも嬉しいコトリーナ。
「そりゃ分かるよ。」
「でもこのお部屋、豪華だからちょっと浮いちゃってるわね…。」
ユウキスキーと同じことを、コトリーナは口にした。
「大丈夫。」
そして、ナオキヴィッチは続けた。
「この花を見ていると…コトリーナが傍にいる気がする。」
「先生…。」
そして二人はどちらからともなく、口づけを交わした。


「先生のお仕事、お手伝いできたらと思ったんだけど、本を読んでも難しかったの…。」
コトリーナは正直に白状する。
「そりゃあんな本では無理だろう」と密かに突っ込むナオキヴィッチ。でも、そのコトリーナの優しさが何よりも嬉しい。
「だから…こうしてお茶の時間だけでも一緒に過ごしたかったの。邪魔しないから。」
コトリーナのその様子は、とても可愛らしい。
「明日からお茶の時間はここで過ごすといい…。」
ナオキヴィッチは優しくコトリーナへ言った。コトリーナの顔が見たいと思っていたのは、ナオキヴィッチも同じだった。
「はい…!」
それだけでコトリーナは十分だった。明日からは少しの間でも、こうしてナオキヴィッチと話ができる時間が持てる。それだけで幸せだった。

本当は、あの肖像画と墓について、ナオキヴィッチに訊ねようと思っていたコトリーナ。やはり本人の口から直接事情を知りたい。だけど、そんなことでこの幸せな時間を取るのは嫌だったので、後で落ち着いた時にでもと思い、その日は屋敷を探検した感想や、明日のお茶のデザートは何がいいかとか、ナオキヴィッチには話をしなかった…。



「なぜナオキヴィッチ様はあのようなことを仰ったのでしょうか?」
夫婦に気を遣い執務室を出てきた父を捕まえ、ユウキスキーは訊ねた。
「今朝の花の件もそうです。前にメイドが花を飾った時、邪魔だとお叱りになられました。ですので僕は…。」
「それは飾った方がメイドではないからだよ。」
シゲキスキーは優しく息子へ答える。
「コトリーナ様が飾られた花だとお分かりになったから、ナオキヴィッチ様はそのままにしておくよう、お前に命じたんだ。」
「花など、誰が飾っても同じでしょう?しかもあんなみずぼらしい花。公爵の執務室にはどう見ても合いません、父上。」
ユウキスキーは反論する。
「いやいや。コトリーナ様がナオキヴィッチ様をお慰めするために、心を込めて飾られた花だ。ナオキヴィッチ様はそれが非常に嬉しかったんだろう。」
「お茶の件もそうでしょうか?」
ユウキスキーは先程のナオキヴィッチの態度を思い出す。
「以前ならナオキヴィッチ様はあのような勝手な真似をされると、カンカンにお怒りになりました。なのに…。」
どことなく楽しそうだったナオキヴィッチの様子が、ユウキスキーは不思議でたまらない。
「それだけコトリーナ様を愛しておいでなんだよ。」
「愛する?」
「私は素晴らしいことだと思うけどね。漸くお二人きりの時間を取ることができたことだし。まあ…お前にはまだ分からないかもしれないなあ。」
シゲキスキーは息子の頭をポンポンと叩くと、その場を後にした。

「分からないよ、あんな女のことなんて。分かりたくもないね。」
ユウキスキーは呟く。
「しかし…懲りない女だ。これは最終手段を取らないとだめだな。」
ユウキスキーは二人が楽しい一時を過ごしている執務室を見ながら、密かに決意したのだった…。









♪あとがき

…この『公爵の秘密』はギャグですので!

それは、お、覚えておいて下さい…(汗)
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コメント

おてやわらかに!

コトリーナ、やっとナオキヴィッチと話ができて、よかったわね!
公爵の執務に専念するためとはいえ、ナオキヴィチだって辛いんですよね。でも、これからお茶時間だけでも、一緒に過ごすことができるみたいで、よかった。
シゲキスキーは優しくコトリーナに接してくれるのに、ユウキスキーは...。
ユウキスキーの言ってた「最終手段」て?
ユウキスキー、おてやわらかに!

No title

こんばんは。
やっと新婚らしく二人で過ごす時間が出来ましたね。まだ、お墓に眠る4人の女性の事が聞けないコトリーナだけど、ほんわかムードを楽しんでいるので、あと回しにしちゃいましたね。
この後、ユウキスキーが何か企んでいそうな感じがします。
次回が楽しみです。

前半の

アマアマなお茶の話に気を取られて、すっかりお墓の謎を忘れそうな私。おっとアブナイ!これも水玉マジックのひとつかしら?ユウキスキーの最終手段って?謎が謎を呼ぶ「侯爵の秘密」もしかして、ホラーギャグ?!あ、なんか斬新。

もしかして?もしかする?ユウキスキー?

ギャグですか?

今の所シリアスみたいですが?2時間ドラマみたいな?

小姑みたいですね?ユウキスキー?何をしたいのかな?

?ばっかりですいません!


No title

 終わった―! 試験がようやく終わりましたー!! あとは受験報告書を書いて、国語表現の宿題を終わらせて、梨マフィンの収入出費を纏めて、台本作って、実習ノート、課題研究ノート、ワープロ検定、危険物取扱者試験、毒劇物(山積もりだろう)
 それから、全部すんだら小説を書く予定です。大人の女性向きなので、水玉さんにも差し上げますね。お口に合うかどうかは分かりませんが、お礼です。

 はい^^ では、ギャグ!太字の文として読ませていただきます。

 コトリーナさん……ええ子じゃのう(感涙)私なら嫉妬しちゃうだろうに、本当に、本当に、本当に……。
 ユウキスキーさんや、あまりコトリーナさんを苛めないで下さいね? ていうより、二人の仲を引き裂くことは、いくらユウキスキーさんでも許しませんよ?(にやり)

 ナオキヴィッチさん……直樹さんは、好きなことには凄く熱中するタイプですよね。もともと無関心な人って、一度興味を持つと引き込まれるのでしょうか。
 余談ですが(またかよ)先日、兄に真剣な顔で「恋しているか?」と聞きました。いくら硬派でむしろホモの疑いさえある、可愛い女の子からの告白を(私ならはってでも行く”笑)全力疾走で逃げだした兄でも。
 初恋くらいはしているだろうし、好きな人くらい入るだろうと。すると兄も真剣な顔で。

「ドラムに恋してるよ」

 と。くっ。はぐらかされた! ……いや、案外、本音?
 ちなみに自分は小説に恋していますよー。もう恋し焦がれて朱に染まってます~♪
 水玉さんは、恋されたことは?(笑

 ではでは、そろそろお邪魔しますね。美味しかったです。ご馳走様でした。

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