日々草子 私の美しい貴婦人 3
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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「できた!」
コトリーナは、頭の上に本を一冊置いて階段を下りてきた。これも姿勢をよくする、貴婦人になるためにナオキヴィッチが課した訓練である。
「先生、できたっぺ!」
興奮すると相変わらず訛りが出てしまうが、出会った時に比べてコトリーナは少しはましになってきた。
「じゃ、追加だ。」
階段下で待機していたナオキヴィッチはコトリーナの頭の上に、更に本を二冊加える。
「ようし!」
何とコトリーナは、三冊も難なくクリアしてしまった。

「お前、意外な特技があるんだな。」
さすがに驚きを隠せないナオキヴィッチ。コトリーナは照れたように「エヘヘ…」と笑った。
「上出来だ。」
ナオキヴィッチは何となしに、コトリーナの頭を撫でた。初めて誉められたコトリーナは嬉しくてたまらない。

「ナオキヴィッチ様、そろそろお支度しないと。」
そこへノーリー夫人が現れた。
「あ、そうだな。じゃ今日はここまでだ。」
そう言い残し、ナオキヴィッチはその場を去る。
「先生、どうしたっぺ?」
コトリーナはノーリー夫人に訊ねた。夫人はあまり面白くなさそうに答える。
「マツモー姉妹から、オペラのお誘いで出かけるの。まったくあの厚化粧姉妹ったら、ナオキヴィッチ様を何かというと連れ出して…!」
コトリーナは、以前この家に来た姉妹の顔を思い出した。
「…つまんないの。」
置いて行かれて、面白くないコトリーナ。

「先生!お迎えに上がりましたわ!」
数十分後、派手なドレスに身を包んだマツモー姉妹がやってきた。
「まあ!先生、素敵!」
現れたナオキヴィッチを見て、姉妹は黄色い声を上げる。そして姉妹でナオキヴィッチのエスコートを取り合っている。そしてキャーキャー騒ぎながら、三人で家を出て行った。

「いいなあ…綺麗なドレス。」
物陰からこっそり覗いていたコトリーナは、マツモー姉妹の姿が目に焼き付いていた。
「私もあんなドレス着て、先生と出かけたい…。」
だがドレスで着飾るだけではだめなことに、コトリーナは気づいていた。言葉遣い、そして教養…悔しいがあの姉妹にはそれが備わっている。
「もっと頑張れば…先生は一緒に外出してくれるけろ…?」
そう言いかけて慌てて口を閉じる。訛りが出るようではそれは遠い先のことだと、コトリーナは溜息をついた。

録音機に吹き込まれた、ナオキヴィッチのおとぎ話を聞きながら寝ることがコトリーナの最近の習慣となっていた。
特に今夜は、ナオキヴィッチに置いて行かれた寂しさを紛らわせるためにも聞きたい。コトリーナは録音機のスイッチを入れた…。

帰宅したナオキヴィッチは、玄関にボーッっと亡霊のように立っている物に気がついて、思わず、
「うわっ!」
と声を上げた。
「先生…。」
泣きそうな声を出すその亡霊を凝視して、ナオキヴィッチはそれが亡霊ではなく、夜着を着たコトリーナだと気がついた。
「お前…まだ起きていたのか!」
もう夜中である。
「先生…!」
半泣き状態で、コトリーナはナオキヴィッチにある物を渡した。それは録音機。
「音が出ないっぺ…。先生の声が聞こえないっぺ…。」
「何だ、そんなことか。」
録音機を受け取って、ナオキヴィッチは確かめてみる。故障だった。
「明日にでも直してやるから、さっさと寝ろ。」
ところがコトリーナは首を横に振った。
「…先生の声が聞こえないと眠れないずら。」
「何言ってんだ。」
呆れるナオキヴィッチ。とにかく寝ろと何度もうるさく言うが、コトリーナは動こうとしない。
「先生、お話してけろ!あたしの部屋で!」
とうとうナオキヴィッチに縋りついてきた。これはそうしないと引き下がりそうもない。
「分かった…。じゃあ…。」
と言いかけて、ナオキヴィッチは気がついた。
「お前…俺がお前の部屋に話に行って、“先生が夜這いをかけたずら!”とか“おらの操を汚そうとしたっぺ!”とか、喚かないだろうな…?」
そこを確認しておかねばならない。これまでにもコトリーナは自分の体が目的だの、盗聴しただのと、あらぬ疑いをナオキヴィッチにかけてきた。
が、コトリーナは首を激しく横に振った。それを見て安心したナオキヴィッチは、着替えたら行くから先に部屋に戻るよう、コトリーナへと命じた。

ノーリー夫人は、戸締りが気になってベッドを抜け出した。そこで信じられないものを見る。ナオキヴィッチが、コトリーナの部屋へと入って行くではないか。
「う、嘘!ナオキヴィッチ様が、コトリーナちゃんの元へ?こんな時間に?何をしに?」
しかし考えられることは、ただ一つ。
「夜這いね!」
ノーリー夫人は嬉しさに震えた。自分が育てながら、全く女性に興味を示さなかったナオキヴィッチが夜這いをかけているのだ。
「ナオキヴィッチ様も、男だったのね!」
これは明日、二人の様子を見るのが楽しみだとウキウキしながら、夫人は戸締りの確認をすっかり忘れ、自室へと戻った…。


「先生、何のお話をしてくれるだべさ?」
ベッドの中からコトリーナがワクワクしながら問いかける。
「『蟹工船』だ。」
かにこうせん…カニが船に乗って冒険へ行く話だろうかと、コトリーナは楽しみだった。

『おい地獄さ行ぐんだで! 二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛が背のびをしたように延びて…』

ところが、ナオキヴィッチの口から出てきた話は、カニが冒険するようなファンタジーではなかった。どうも内容が暗い。

「先生…。」
たまりかねて、コトリーナが話しかける。
「その話、どんな話…?」
「蟹工船でこき使われる人々の苦しい話だ。」
「そんな話、寝る前に聞きたくない!」
コトリーナは抗議した。仕方なくナオキヴィッチは次の本を取り出す。

『ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた…。』

どうもまた、あまり明るくなさそうな話である。
「それはどんな話?」
コトリーナはまたもや不安になって、ナオキヴィッチに訊ねた。
「下人が老婆の着物をはぎ取って、逃げる話。」
かいつまんで説明するナオキヴィッチ。

「そんな話、嫌!」
コトリーナはたまりかねて叫んだ。

「ったく、お前は本当に面倒臭い奴だな。読んでくれと言ったり、読むなと言ったり。」
ナオキヴィッチは溜息をついた。

「どんな話だったらいいんだよ?」
「あのね、お姫様と王子様が出てくる話がいい。」
コトリーナは、先程見たナオキヴィッチの正装姿を思い出しながら頼んだ。あの時のナオキヴィッチは王子様のようだったから。
「そんな本、俺は持っていない。」
「暗記してるだべ?先生、頭いいずら。」
ナオキヴィッチは、また溜息をついて話し始めた。

「昔々、あるところにシンデレラという可哀想な女の子がいました…。」
漸くまともな話がナオキヴィッチの口から流れ始め、コトリーナは安心して目を閉じた。
…夢の中でコトリーナは美しいドレスを着て、王子姿のナオキヴィッチと踊る夢が見られますように。そう願いながら。

「ったく、信じられねえな。」
寝たコトリーナを見て、ナオキヴィッチは呆れ果てていた。
「カボチャは…馬車よりも煮物がいいずら。絶対うまいっぺ。」
夢の中でコトリーナは、カボチャを煮物にしたいらしかった。
「こいつは色気より食い気だな。」
ナオキヴィッチはそう呟くと、コトリーナの部屋を後にした。








☆あとがき
皆さまに励ましていただいたので、頑張ることにしました!(超単純)
映画を見たことがないので、映画の名セリフや名場面は出せそうにありませんがお許し下さい。
あと、時代背景も分からないままなので、日本文化(?)を強引に入れ誤魔化します!
そんなチャンポンなひどい話ですが、ご興味のある方、読んでいただけると嬉しいです。
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コメント

負けるなコトリーナ

水玉さん、おはようございます。
コトリーナは必死で頑張っていますね。
ナオキヴィッチもコトリーナの為に頑張っていますね。
ナオキヴィッチがお出かけの時もテープを聞きながら練習です。声が聞けるから。
そのカセットが故障です。
治してとお願いを。それが出きないなら、本を読んでと。コトリーナの部屋に入る姿をみたノーリ夫人嬉しそうですね。変な想像をされていますが。(^^)
でもコトリーナ貴婦人になれるのか心配になります。
まだ方言が残っていますからね。でもそこはナオキヴィッチですから、やり抜いて貴婦人に変身させるのでしょうね。それにしてもナオキ様持てますね。あの姉妹はべったりですから、コトリーナ心配ですね。

頑張れ、コトリーナ

コトリーナ、頑張ってますね。
初めの頃より、少しずついい方向に向かっているみたいですね。ノーリー夫人も応援してくれて...
まだ色気より食い気な所がありますが、ナオキヴィッチの力で立派な貴婦人に育ててくださいね。
頑張れコトリーナ!そしてナオキヴィッチ!

どうもです^^

 お早うございます^^ 暢気猫です。

 亡霊のようなコトリーナさんを想像して、ちょっと笑ってしまいました。きっとずーっとナオキヴィッチさんのことばかり考えていたのでしょうね。
 可愛いですねえ(笑

 コトリーナさんの標準語弁を目ざとく見つけました!
 綺麗なドレスを着て薄化粧をしたコトリーナさんは、凄く美人さんになりそうな気がします。
 マツモー姉妹! ちょ、折角いいところで……コトリーナさん、頑張れ。負けないで下さい!!
 しかし、貴婦人って……やっぱり奥さんのことなんですよねー。未だ出ぬ、渡辺さんに嫁ぐという落ちもちょっと期待してみたり。

 しかし、渡辺さんと直樹さんが正面衝突したら、果たしてどっちが勝つのでしょうか。

 紀子おばさんが勝ちそう(こんなストーリーも面白いですね。


 ではでは。今日もおいしかったです。ご馳走様でした^^

コメントありがとうございます。

tiemさん
どうでしょうね?貴婦人は見た目だけではなく、中身もそれらしくならないといけないでしょうから^^

るんるんさん
そうそう、まだ色気より食い気なコトリーナ(笑)
ただガッツと根性だけは誰にも負けないでしょうから^^

暢気猫さん
厚化粧姉妹に対抗して薄化粧ですね(笑)
そうなる日がいつか来るのか…。
しかし改めてみるとマツモー姉妹(笑)すごい名前!!
恥ずかしいです!!
亡霊コトリーナ、可愛いと言っていただけて嬉しいです。
渡辺vs直樹…やっぱり直樹の勝ちでしょう!!でもあの直樹が友人と認めている人物だから、やっぱり凡人には計り知れない何かを持っているような気もします。
渡辺くんの好みのタイプも、琴子みたいな可愛い感じ(つまり美人さんではない)ではないかと思うのですが…^^

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