日々草子 打ち上げ花火
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

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打ち上げ花火

明日は東京へ帰るという日の夜は、花火大会が行われた夜だった。
「下駄で歩くのって…難しいなあ。」
慣れない下駄は、なかなかカランコロンと涼しげな音を出してくれない。
「お前は靴だって歩くのが下手だろうが。」
そう言う夫は平然と下駄で歩いて行く。…涼しげな音を立てながら。そんな後ろ姿を見ながら、
「入江くんは浴衣姿も決まっているなあ。」
と一人ムフフと笑いが止まらない。

「琴子さん、すっ転びそうたい。」
「とろかねえ。」
「直樹兄ちゃんに置いてかれとるし。」
ご機嫌な琴子に水を差すかのように、生意気ないとこたちがケタケタ笑いながら追い越していく。見ると直樹はすっかり前を歩いている。

「…少しは待っていてくれても。」
そう思いながら少し歩く速度を速めようと頑張る。が、みんなとの差はどんどん広がるばかり。
「このままじゃ…会場に着くまでに一人ぼっちになっちゃう。」
角を曲がった時、
「…本当に遅いな、お前は。」
どうやら待っていてくれたらしい。そういえば山で迷った時も汗かきながら迎えに来てくれたことを琴子は思い出した。あの時の直樹の顔は…普段のクールな表情からは想像もつかない、焦った顔。それだけ心配してくれたんだと思い、胸が熱くなったことを琴子は再び思い出した。
「…何だかんだ言っても、優しいよね。」
思わず呟く。
「何か言ったか?」
「ううん、何も。」
そんなこと言うと、また意地悪に戻りそうなので黙ることにする。

「あれ?こっちなの?」
どう見ても会場は右なのに、なぜか左へと進んでいく直樹。
「こっち…あんまり人がいないよ?」
「だからいいんだよ。」
もしかして…人気のないところで…などと不埒なことをつい考えてしまう琴子。ドキドキしつつ後を付いて行く。

「ま、まだ…?」
九州に来たばかりの頃を思い出すくらい、歩いている気がする。最も夜なので暑さはましだが。
「鼻緒のところも痛い…。」
慣れない下駄で足を痛めている気がする。
もうこれ以上歩けないと琴子が思った時…色鮮やかな花火が上がった。

「うわ…。」
そこは人が誰もいない、穴場の観覧席。二人は並んで石段に腰掛ける。
「きれいだね。」
そう言いながら花火をずっと見上げている自分に、隣で直樹が見とれていることなど琴子は気付かない。
次々と上げられていく打ち上げ花火に夢中になっているうちに、肩を引き寄せられる。そして直樹の顔を見る琴子。見つめ合う二人…。

「星空の下の入江くんも素敵だったけど…花火の下も素敵…。」
そして自然と顔が近付いた時…。

「ちょっと待って!」
突然琴子がキョロキョロしだしだ。ムードを壊され直樹は不機嫌になる。
「何だよ…。」
「また…またあのチビッコギャングたちがどこかで…。」
この間、邪魔されたことを琴子は思い出した。この付近はいとこたちのテリトリー。どこに隠れていてもおかしくない。
「大丈夫だよ。ここはあいつらも気づいていない場所だから。」
「そうなの?」
それを聞き安心して…あの夜の分もキスをする二人。その間、何度花火が打ちあがっただろうか…。

「入江くん、田舎に連れてきてくれてありがとうね。」
肩にもたれたまま、琴子が呟いた。
「いつか…いつか私の田舎にも…。」
そこまで言った時、琴子は思い出した。自分の田舎…母の田舎に直樹を連れていくわけにはいかない。
「いつか…お、お父さんの田舎にも来てね。」
「…お義父さんの田舎は親父の田舎と同じだろ?」
「そ、そうだっけ?」
「今更行っても…。」
「そうよね…。やっぱり入江くんの田舎が最高だわ!」
「…おかしな奴。」
そう言ってクスリと笑うと、また直樹は琴子に顔を近づけた。

どうやら花火は全て打ち上げられたらしい。
「帰るか。」
直樹は一旦立ち上がったが、すぐに琴子に背を向けてしゃがんだ。どうしたのかと琴子が思っていると、
「ほら。乗れよ。」
と言った。
「え?」
驚く琴子に、
「足、痛めただろ?」
と言う直樹。
「い、いや…そんなことないよ?」
慌てて琴子は手を振るが、本当は慣れない下駄の鼻緒で足の指の間が擦れてしまっていた。
「何で分かったの?」
「見てりゃ分かる。」
どうやら今日の夫はかなり優しい。琴子はここは素直に甘えることにして、直樹の背中に飛びついた。

「こんなとこ見られたら…また冷やかされちゃうね。」
直樹の背中に揺られながら、琴子が言った。
「構わないよ。…夫婦なんだから。」
その一言がやっぱり嬉しい。色々大変だったけど、ここに来て良かったと琴子は思った。
「それに…。」
「それに?」
直樹は少し笑って、言った。
「…見せつけるために来たんだしな。」



★あとがき
九州に行った時のスキマなお話です。
普通のイリコトはもう書けないと正直思っていたので、「こんな感じでいいかなあ」と思いながら書きました。
星空の下でのキスは邪魔されたけど、花火の下では成功させてみました♪
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コメント

今回はKiss出来たのね~よかったわ!なんだかんだ言っても琴子にはデレな直樹…良いわ~!!
デレ直樹切望です。

NoTitle

恋人時代が短かったイリコト!
こんな甘いヒトトキが・・・
いいな~熱いわ~w love♡

甘甘ですね~

甘甘大歓迎です!!
いいですねぇ。(//▽//)
夏らしい花火大会&九州編でとても楽しかったです!

なんだかお宝秘蔵映像を見たかのようです。
水玉さんらしい甘さで、まだ新婚のふたりが
初々しく可愛らしい。

NoTitle

甘甘直樹も好き♪
九州での直樹!
ツンデレ要素がいっぱいで!!
何だか得した気分になりました。

LoveLove

こんにちは。
LoveLoveな二人、いいですね。
九州に来てから、二人だけの時間って、なかった
ものね。いつも従兄弟達が一緒だったもの。
その従兄弟達ともすっかり打ち解けて、最終日には、
二人でデート、二人には忘れられない夏の思い出が出来ましたね。

うわぉ
本当はね、花火大会をイメージしてたお願いだったのでも、あれこれ言っては申し訳ないと思ってたので、スッゴク感激してます!いや、どビックリしてます(*^_^*)
言葉にしなくても通じてくれる水ちゃん(惚れなおしてまうやろぉ~)

大好きな甘甘をありがとうね
そして、キスをバックに『ヒューン、ドーン』って聞こえてきそうです

こんな素敵なシーン
画力があれば描いてみたいですぅ
絵日記レベルになりそうだけど(o>ω<o)

お、久々に

イリコト隙間ストーリーね♪ うん!素敵素敵!!

「見せつけるため」

うんうん、原作の直樹、そんな感じだよね。
縁側のキス(未遂)も、じいちゃんに認められた後の抱擁も、かなりご機嫌な顔してるもんね、入江くん。集合写真みたいなイラストは、たしか琴子にひっつく従兄(←名前は失念:くぅぅっ)に指ピストルしてた気が・・・。
見せびらかしたいけど、やきもち妬いちゃう入江くんがかわいいやね~。

それにしても、人気のないところで浴衣姿のいとしい妻とKISS・・・だけで止められるその強靭な理性は、見上げたもんです!ハイ!!

それにしても、琴子に見とれる入江くん。それに気づかない琴子。その描写がまた何とも原作そのもの感を醸し出していて、改めて水ちゃんの腕前に脱帽!!
琴子を見つめる入江くんの視線が見えてくるよ。

ちなみにアタシは、琴子のうなじを想像してニマニマしちゃいますわ。原作の、縁側に座っていた琴子もサイコーキュートだったもんね!!!!!!!!

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