日々草子 円舞曲 1
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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円舞曲 1

重樹の会社も落ち着き、直樹も学校へ戻り、いつもの日々が戻ってきた。
“入江家の若奥様”となった琴子だったが、何一つ結婚前とは変わっていない。
髪の毛は邪魔にならないよう、相変わらずお下げだったし、和服に身を包むところも変わっていなかった。
勿論、絵を描く直樹に得意料理(?)の蒸かし芋を差し入れすることにも熱心だった。
そんな穏やかな日々を過ごしつつ、琴子は少々退屈さを感じ始めていた。
家のことは使用人たちがやるし、特に琴子がやることもない。
直樹が学校から帰ってくるまで、とにかく時間を持て余し始めていた。

そんな琴子の元へ、ある日一通の招待状が届いた。それはとある華族の邸にて令嬢が開くお茶会の招待状。
琴子は見るなり、これは友達を作るいい機会だと喜び、まずは家にいた紀子へと了解を求めた。
「そうね…。直樹さんに聞いてごらんなさいな。」
いつもなら、直樹の了解を得るようになど、一言も言わない紀子が、この時は言葉を濁した。琴子はちょっと不思議に思ったが、確かに夫に了解を得ることが一番重要だと思い、直樹の帰りを待つことにした。

直樹が帰宅し、琴子は招待状を手に話をした。
「…一人で?」
「だって、私宛に来たのよ?」
どうも直樹の様子もおかしい。
「新しい友達ができる絶好の機会でしょう?だめ?」
「…別にいいけど。」
夫の了解も得ることができ、琴子は大喜びで当日に着ていく衣装を選びに、自室へと走っていく。
その様子を直樹は見つつ、
「…母上はご一緒できないのですか?」
と紀子へと訊ねた。
「琴子さんへのご招待だし…。私もその日はちょっと用事があって…。大丈夫かしら?あんなに喜んでいるから止めるのも…。」
紀子もいつもの朗らかな表情をやや曇らせている。
「まあ…。本人が行きたいって言っていることだし。何もないことを祈るしかないでしょうね。」
二人のそんな思いに気づくことなく、琴子は自室にて衣装選びに夢中になっていた。


「どう?おかしくない?」
お茶会当日、学校へ行く直樹を捕まえて、琴子はこの日初めて袖を通す洋装姿で、何度も直樹の前でクルクルと回ってみせる。
「別に。」
直樹の言葉に安心して笑顔を見せる琴子。
「ちょっと緊張するけど…。でも楽しい時間を過ごせるといいな。」
琴子はそう言って、学校へ向かう直樹に手を振り、お茶会へと出発した。
その様子を紀子は心配そうに見つめていた。

今日行われるお茶会は、とある伯爵家で行われるもので、他にも華族の令嬢たちが招かれているとのことだった。
邸に到着した琴子は、案内されるまま、緊張した面持ちにて会場へと足を運ぶ。
扉を開けると、既に琴子以外の令嬢たちは集まっていた。一斉に自分に注がれる視線に琴子は一瞬たじろいでしまう。皆、それぞれ高価な衣装や髪飾りで頭の先からつま先まで着飾っている。

「ようこそ。おいでいただけて嬉しいですわ。入江琴子様でしょう?」
今日のお茶会の主催者である令嬢が、琴子の元へと歩み寄った。
「あ…こんにちは。今日はありがとうございます。」
まだ挨拶になれない琴子だが、それでも招かれた御礼を述べた。そして勧められるまま、席に着く。

お茶会はやれどこの仕立屋が上手だとか、宝飾品はどの店がいいとか、どこぞの夜会は見事だったとか、そんな会話ばかりだった。贅沢もしないし、あまり外出もしない琴子には何も分からない話ばかりで、黙って周りの会話に耳を傾けるだけだった。

「琴子様は…どちらのお菓子がお好きかしら?」
突然自分に話を向けられ、琴子は慌てた。
「特に…決まったお店のお菓子はないですけど。」
「あら?ご主人様はお好みはないのかしら?」
「…別に。あ、お芋は好きみたいだけど。」
緊張していた琴子は自分の発言がおかしいことにすぐに気がついたが、遅かった。

「お、お芋!?」
周りの令嬢たちは目を見張った。
「お芋って…あのお芋かしら?」
「入江家のあの直樹様がお芋を!?」
不思議そうに目を交し合う令嬢たちを前に、琴子は今すぐ帰りたい気分で一杯になった。やはりこの世界ではあまりふさわしくない食べ物なのだとつくづく感じる。そんな食べ物を直樹に紹介したことすら、後悔し始める。

「そういえば…お二人はどちらで披露宴を?」
「あの…自宅で…。」
今度は何を聞かれるのだろうと琴子は少し緊張しながら答える。
「あら?そうでしたの?」
どうやらそれだけで満足したらしい。それから、また雑談に興じ始めた周りの人間に琴子は安堵しつつ、お茶を静かに飲んでいた。

その後、邸の庭を皆でぞろぞろと散歩する。見事に手入れされた庭園に琴子は見とれてしまい、一人遅れを取ってしまった。
どうやら皆、邸へ戻ってしまったらしく、琴子は慌てて中へ入る。広い邸の中、応接間へと何とか到着し、扉に手をかけた琴子の耳に、令嬢たちの声が飛び込んできた。

「がっかりだわ。直樹様が大泉家の沙穂子様とのお話をお断りされて選ばれた方が、あんな方だったなんて。」
「華族じゃないなら、さぞや資産家のご令嬢かと思ったけれど、披露宴がご自宅で、お身内だけだったということは、大したお家の出じゃないってことでしょう?」
次から次へと繰り出される自分への冷たい評価に、琴子は凍りつく。

「それから…お芋って!あの直樹様に何を一体…!」
「そうそう!入江家の直樹様といったら、私たちの憧れの的だったのに…。あんな素敵な方に一体何を差し上げているのかしら?」

「いつぞやの夜会に直樹様と沙穂子様がお二人でいらしてたわよね?」
「そうそう。絶対お二人はご結婚されると思っていたわ!とてもお似合いで!」

「あんな人のどこが直樹様は良かったのかしら?」
「物珍しさでしょうよ、きっと。すぐにご自分の過ちに気づかれるわよ。」

すっかり部屋へ入るタイミングを失った琴子だったが、丁度使用人がお茶を運んできたので、それに伴って自分も一緒に入った。令嬢たちは琴子に聞かれていたとは微塵も思っていなく、打って変わった笑顔で琴子を迎え、その態度の豹変振りに、琴子は寒さを覚えたのだった…。

自宅へ戻った琴子は、真っ直ぐ自室へと向かい、ベッドの傍にしゃがみこんでしまった。急に疲れが出た気分である。
何よりショックだったのは、自分と結婚したために、直樹が恥をかいているように言われたことだった。

「…私と結婚したことで、あんなに直樹さんが恥をかいているなんて知らなかった。私が華族の出でも、資産家の出でもないから。」
初めて経験した直樹が生きてきた世界に、琴子はすっかり打ちのめされており、日が暮れたことにも気づかず、ずっと座り込んでいた。

「おい!」
琴子が現実に戻ったのは、頭上に降り注いだ直樹の声だった。
「あ…。」
慌てて外を見ると、すっかり暗くなっている。直樹が帰ったことにも気づかないでいたらしい。
「お帰りなさい。ごめんね、出迎えないで。」
立ち上がる琴子を、
「…何かあったのか?」
と直樹は気遣う。
「ううん。何もないよ。お茶会も楽しかったし。綺麗なお庭も散歩させてもらったし。」
琴子は気づかれないように、明るく答えた。

「…着替えてないみたいだけど。」
琴子は外出したままの格好でいることに、今頃になって気がついた。
「あ、これは…余韻に浸っていたの。着替えてくるね!」
そう言って、飛び出していく琴子を見ながら、
「絶対何かあったな。」
と直樹は呟いた。

直樹と紀子が琴子を行かせたくなかった理由は、招待の目的が琴子を色々と見定めることだとすぐに気がついたからだった。あまりこの世界が好きではない紀子と直樹は、琴子が傷つかないようにと、そういった集まりへは出ないでいたのだが、今回は琴子がその気になっていたので止めることができず、黙って行かせるしかなかったのだが、やはり琴子はすっかり打ちのめされて帰ってきた。

恐らく直樹が無理矢理琴子を問い詰めても、琴子は決して言わないだろうし、そんな性格の琴子だからこそ、直樹は愛しているわけである。
なので、黙って傍にいることくらいしかできないと直樹には分かっていた。



☆あとがき
『万華鏡』のその後の二人の話です^^
ごめんなさい。好きな世界に走ることにしました。
こういう話を書く変わった人間が…一人くらいいてもいいですよね?と自己弁護(^^ゞ
そして…相変わらずタイトル未定ではじめてる、学習しない私ですが、今後ともよろしくお願いします。
これで調子が戻ったら…また何か別の話が書けたらいいのですが。
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コメント

「万華鏡・その後」これこそ水玉流イタキスワールドじゃないですか!
どんどん好きな世界に走ってください。老骨に鞭打って追いかけますから。
今夜は夜更かししていてよかったぁ!

心配ない!

水玉さん~いやいや、またまたワールド突入です
切ない琴子も、琴子を想う直樹も・・楽しみです どんな万華鏡が拝見できるの!!!

健気だねぇ~

万華鏡シリーズの琴子ちゃんは、相変わらず健気ですねぇ~。
入江くんがこの後どう動くのか?楽しみです。

初めまして

水玉さん、こんにちは。

『万華鏡』のお話好きなので、続編が始まって嬉しいです!!
これから、どんなストーリー展開になっていくのか、とっても楽しみです!

私はパラレルストーリー(特に時代物)大好きなんで、これからも水玉さんの新作楽しみに待ってます!

負けるな琴子

水玉さん、こんにちは。

もう水玉ワールド全開ですね。
万華鏡シリーズお待ちしていました。
健気な琴子ですね。
直樹も紀子ママも落ち込むだろうからと
そういうところには琴子を出させたくなかったのですね。
でも出席してかなり凹んでいます。
直樹どうして琴子を立ち直させるのでしょう。

つ、続きなのね~~~!!!

とてつもなく嬉しいですぅ!また、健気な琴子が見れるなんて…。次回、楽しみにしてます!

もうもうもう~(*^_^*)牛さんになっちゃうくらい、水ちゃん、モ~最高だよ(*^_^*)

水ちゃんのお話で、お墓参りシーンが読めるなんて
しかも、駅に着いた二人の瞬間、キョロキョロが目に浮かぶわ(*^_^*)

直樹のさり気ない優しさと心くばりにホロっとキュン萌え愛があるからこそ、生まれるものよねん

ありがとうございます

皆さま、いまさらですがパラレルな世界を受け入れてくださってありがとうございます。

さくやさん
老骨…(笑)いやいやそんな!!
そうですか?それならどんどん好きな世界に入っていきますね(笑)←単純
ありがとうございます!

美優さん
ありがとうございます。心配ないっておっしゃっていただいて、とてもうれしかったです!
あ~あんまり期待しないでくださいね^^;
でも一度始めたからには完結はさせますが^^

KEIKOさん
そうなんですよね。この話の琴子ちゃん、妙に健気になるんですよね(^^ゞ
時代背景のせいかな?
始めちゃったよ、とうとう…という緊張でいっぱいですが^^;

眞悠さん
はじめまして!コメントありがとうございます!
パラレル好き!嬉しいです!受け入れて下さる方がいらっしゃるというのは、本当に安心します!!
気軽に読んでいただけると嬉しいです^^

tiemさん
ワールド(笑)そんな大したものはないです、ないです。
始まりが、なんかくらーいムードになってしまいましたね…(^^ゞ
明るく戻せるかしらとちょっと不安です。

くみくみママさん
ありがとうございます。
間もあいたし、そろそろいいかなあと思ったので。
話自体は前回の話書きながら、既に考えてはいたのですが←何て気の早い奴
また楽しんでいただけたらなあと思っています。

さあやさん
↓の話ね(笑)
うん。あの辺を書いてみようかなあと思って。
だって結婚した年って、絶対お墓参り行くでしょう!絶対直接報告に行くだろうなあって思って。
そういえば、ちょうどあの入籍を拒まれ帰宅しないというとんでもない騒動の時にかかるんじゃない?って思って。
よかった、さあやに気に入ってもらえて♪

大爆^^
いやいや、笑ってる場合じゃないです><
場所間違えて大変失礼いたしました(謝)
何せ、連日出っぱなしでPCを開けなくてぇ。
スキアラバ携帯から拝読していたものでと、
言いわけ満載です。
あ、例のものが無事に届いたのですわ♪

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