日々草子 君がため 16
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

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君がため 16

御所に参内した直樹はその足で実家へと戻った。そして乳母の細井を呼びつけた。
「いつ、俺が右大臣家の姫と婚約したんだ…?」
御所では既に噂になっており、直樹も他人から自分の噂を耳にしたのだった。
怒りの形相で詰め寄る直樹に対し、細井は平然と答えた。
「どんなにお怒りになられようと、このお話は絶対に進めますから。」
「俺は結婚しない。」
「…二条のお邸にお住まいの姫君のことでしょう?気になられるのは。」
細井には琴子の存在がばれているらしい。
「それが右大臣家は本当に御理解がおありで。沙穂子姫様とご結婚されても、あちらの姫君の元へ通うことは全然構わないと有難いお言葉を頂戴しております。ですので別に姫君とお別れしろとは申しません。」
「…琴子は愛人にしろってことか。」
直樹の言葉に細井は何も返事をしなかったが、それがイエスの意味だということは直樹に分かった。
「しばらくは右大臣家にお通いになられて、その後、あの二条のお邸に沙穂子姫をお迎えになられればよろしいでしょう。」
細井は既に先の計画までしているらしい。
「それじゃ琴子はどうするんだ?」
「どこか別にお住まいをお探し申し上げます。」
その言葉に直樹の怒りが爆発した。
「ふざけるなよ?それじゃ琴子は完全な愛人じゃないか。しかも追い出すような真似、絶対できるか!」
しかし直樹の怒りに細井はビクともしなかった。

「直樹様。よくお考えになって下さいませ。貴方様は太政大臣のご長男様なのですよ?しかも今後ますますのご出世を期待されているお方。しっかりとした御実家のおありになる姫君をご正室にお迎えにならないと今後差し障りがございます。」
「俺は妻の実家の力で出世する気なんて、全くないね。」
「確かに直樹様でしたら実力で御出世できるでしょうが。でもそれでもしっかりとした後ろ盾があるに越したことはございません。右大臣家との間では吉日を選んで御婚儀をとお話が進んでおりますから。まずはお文を沙穂子姫様に…。」
「誰が出すか!!」
そう言って直樹は細井の前から腹を立てて立ち去った。

細井はかなり強気な態度で出ていた。
「…これじゃ軟禁状態だな。」
直樹は鴨狩に呟いた。あれから直樹は実家から出られなかった。右大臣家に文を出すまでは、琴子へ文を出すこともだめだと細井に言われており、使いも立てることができなかった。
「相手が右大臣家じゃ…無碍にもできないしな。一応身分があるし。」
下手に無視すると、却って話をどんどん進められ後戻りができなくなる恐れがあった。
「参ったな…。琴子の耳に入ってなければいいが。」
直樹は琴子を心配して溜息をついた。

「アナタたち、何をお喋りしているの?」
桔梗が若い女房たちを注意していた。
「だって桔梗様…。」
女房の話に桔梗は愕然とした。
「そんな…直樹様に御縁談が?」
「乳母様が大層乗り気なんですって。」
こんなことを琴子の耳に入れるわけにはいかない。桔梗は女房たちに口止めすると、琴子の元へと急いだ。

が、遅かった。
琴子は琴を前に茫然と座っていた。
「直樹様の御縁談でしょう?」
桔梗が口を開く前に、琴子が口を開いた。
「最近…こちらにお戻りじゃないものね。そういうことだったのね…。」
「何かの間違いでしょう。直樹様に限って。」
琴子は桔梗の話に首を振った。
「いつかはそうなるかなって思っていたけど…。やっぱり幸せって消えちゃうのね。」
琴子のあまりに悲しげな様子に桔梗は胸が痛くなった。
「お相手…帝のお妃になられるはずの方だったんでしょう?とてもお似合いよね。お二人が並んだら、きっと皆がうっとりとみとれちゃうくらい。」
「そんな…。」
桔梗はなぜ直樹が琴子に文の一つもよこさないのだろうと、心配になった。まるで噂が事実だと認めているようなものだと思いながら。
せめて鴨狩に確認したいところだが、どうも文を送っても届いていないようで、結局琴子たちには不安な日々が続くことになった。

「どうやら…乳母殿が文を止めているらしくて。」
鴨狩が直樹に困ったように告げた。
「それくらいするってことは、細井もかなり本気ってことだな。」
「右大臣家の使者は通しているのに。」
「でも俺は会っていないけどな。細井が勝手に返事してるみたいだが。」
直樹と桔梗はどうにもならない苛立ちを感じている。
「こうなったら…こうするしかないか。」
直樹に考えがあるらしい。
「ただ…一つ間違えると俺の身も危ないが。」
そんな危険な方法とは一体何だろうと鴨狩は少し怖くなった。
「あと、お前の力も借りるぞ。」
いくらでも協力は惜しまないつもりだったので、そこは鴨狩は気にはならなかった。
そして直樹は鴨狩に打ち明けた…。

琴子は一生懸命、道具類を磨いていた。桔梗が理由を尋ねると、
「新しい御主人さまに気持ち良く使っていただけるように。」
との答えが返ってきた。どうやら琴子はここをいつでも出ていけるように準備をしているらしい。
「その御道具は直樹様が姫様のために誂えになられた物ですのに。」
桔梗の言うとおりだった。
「そうね…。それにそんな高貴な姫君なら、きっとご自分でご立派な御道具をお持ちになるわね。」
そう言いながらも、琴子は道具を磨き続けていた。

「それに…直樹様ご自身からは何もお話しがございませんでしょう?」
桔梗はまだ望みを捨てるのは早いと言わんばかりに琴子に言う。が、
「でも…このお話はもしかしたら、直樹様の母上様も強く御希望になっているのかも。」
と琴子は言った。
「母上様の御希望なら…直樹様だって逆らえないでしょうし、だからこちらへいらっしゃらないのかも。」
桔梗はそれはないと思った。琴子と直樹の母は何度か文をやり取りしているし、母が琴子を気に入っていることも贈り物をしてくることから分かっていた。だから琴子にそう言ってみたが、琴子の返事は桔梗の想像を超える現実的なものだった。
「でも、直樹様の今後を考えれば、今回のお話は悪いお話じゃないと母上様だってお考えでしょう?」
そう言う琴子に、これ以上桔梗は何も言えなかった。

琴子は傍らに置かれた琴を弾いた。
「…せめて。この曲を直樹様に聴かせることができるまで、ここにいることができるといいのだけど。」
寂しそうに呟く琴子を見て桔梗はせつなくなる。
「…十人目くらいにはしてもらえるといいな。」
「十人目?」
何のことだろうと桔梗は思った。
「十人目の女性にしてもらえれば…十日に一度は私の元へ足を運んでくれるかもしれないでしょう?そうすると…一か月に一度は会えるじゃない。」
「姫様…。」
何で女性の人数がそんなに増えるのかは分からなかったが、琴子の気持ちを思うと、桔梗は泣きそうになる。そして琴子も必死で涙を堪えていた。


☆あとがき
ようやく明らかになった、直樹の父の官位(笑)。

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コメント

うわ~~~ん!!

私も泣いちゃいそうです~。十人目でいいなんて…琴子姫の想いを早く直樹様に知って欲しい!! この次、作戦決行ですよね!?直樹様、頑張って~~!!!

今回のお話・・切ないです。。
私も涙がこぼれる寸前で今回のお話がおわりました・・

でもこの切ない16話もとても好きです・・

涙くんポロリ

あうあうあうあうあう・・・涙で前がみえない
琴子~なんて健気なの!!しかし・・・10人目って
あぁ・・直樹様!早く琴子姫を安心させてあげて!!

こっちも大物!?

イリちゃん(かどうかは分からないけど)、太政大臣でおわしたとは・・・ドびっくり。そりゃ、右大臣家との縁談も来るでしょうね。だけど、この縁談は当人たちを誰一人幸福にしないのにね・・・。身分というものはいつの時代も因果なものね。
調度品を磨く琴子姫の気持ちはいかばかりか?!それを思うと、胸が締め付けられるよう。10人目だなんて・・・そんな・・・直樹様の愛を信じてあげて、琴子姫!でも、愛すればこそ不安なんだよね?桔梗!紀子ママ!琴子姫をどうか助けて!!!

直樹さまの作戦と、琴子の練習している曲がとっても気になるよ~~!

そうかぁ・・太政大臣様の御曹司だったのね。
それにしても細井・・・ちょっと強硬じゃありませんか!(怒)
御文も来ない、姿も見えないなんて不安になりますよね、琴子。
直樹の作戦に期待します。

うわぁ~~!!

コラッ細井め!!!!プンプン!!怒っているのよ!!私は!!

それにしても、けなげな琴子ちゃん。もうウルウルです♪
10番目だなんて、そんな切ない・・・
直樹様も琴子のこと愛しているのになかなかうまく事が進まない。
がんばれ!!
直樹様の作戦、琴子ちゃんのお琴、どちらも大成功になりますように!!

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