日々草子 もう一/度キ/スしたか/った
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

「寒いな…。」
玄関を出て、あまりの寒さにコートを握る。
時計の指す時間は午前6時。寒いのも当たり前の時間。

いつもなら社用車が迎えに来てそれに乗って出勤するが、さすがにこんな早い時間には頼めない。
久しぶりに駅まで歩くか…と思いつつも面倒になり、右手を挙げタクシーを止め、乗り込む。

「パンダイ本社まで。」
運転手がかけているのか、車内にはラジオの音。流れているのは懐かしいラブソング…。
それは、かつて琴子が「好きな歌」と口ずさんでいた、まだ俺たちが何事もない関係の時に流行っていた曲…。

俺は外と車内の温度差で曇った窓に頭をぶつけるような姿勢を取った。
その様子を見て、バックミラー越しに運転手が、
「うるさいようでしたら止めますが。」
と気遣う。
「いえ…そのままで大丈夫です。」
俺はその曲を耳にしながら、夏の日を思い出していた…。

「好きだ。」
俺は琴子を抱きしめて、はっきりと言った。
それは、俺が琴子に偽りの言葉を投げつけて、泣かせた夏の日。
「お前も早く他の男見つけな。」
その言葉は琴子の心を突き刺したことは、百も承知だった。だけどそう言わないと俺自身が崩れ落ちそうだった。
泣きながら琴子が出て行った後、裕樹から俺の本心を言い当てられた。
俺はその場では自分の心を誤魔化したが、結局、耐え切れなくなり、逃げ去った琴子を追って、そして自分の気持ちを告げた…。

そのまま、何の関係を持つこともなく俺たちは一晩過ごした。
もし俺と琴子がそのまま結ばれたとしても、俺には幸せにはできない。…何の責任も取れない。
だから手だけを繋いで、一言も喋ることもなく、一晩を過ごした。
朝になり、琴子の顔を見つめた時…どちらからともなく口づけを交わして。…それが最後のキスのつもりで。

それから、夏が終わり、秋になっても俺と琴子はまるで何もなかったように過ごした。
時々、家の中ですれ違う時に見つめ合うことはあっても、何一つ言葉を口にすることはなかった。
言葉を交わすことがなくても、俺たちの心は間違いなく寄り添っていることは分かっていたから…。

そして琴子は明日、家を出る。
俺が違う相手と結婚することで、一緒に暮らしていけるわけにいかないから…。
これで本当のお別れになるんだな。
だからあいつの顔を見ているのが辛くて、今日はわざと早朝出勤したんだが。

タクシーを降り、会社に入る。
朝早いのでまだ誰も出社していない。
自分に与えられた部屋へ入り、飾られたアクアリウムを何となしに眺める。
空気ポンプが出す泡と共に、熱帯魚が気持ちよさそうに泳いでいる。
「まるで俺たちみたいだな。」
誰もいないことをいいことに、声に出して呟いた。
次々と作り出される泡…それはやがて水中に消えていく。儚く、脆い泡…。
短い時間しか残されていない、俺たち…。
やがてこの泡のように消えていく運命の俺たちの想い…。
俺はいつまでも、飽きることなくアクアリウムを眺めていた…。

その夜遅く、家族も寝静まった頃。
俺の部屋がノックされた。
ドアを開けると…そこに立っていたのは琴子。手には…日本酒!?
「…最後の夜だから、入江くんと二人で飲んでみたいなあと思って。」
それは久しぶりに耳にする琴子の声。
「入れば?」
俺は部屋に琴子を入れた。

「なぜ日本酒?」
普通、こういう夜にはワインじゃないかと思うが。
「だって、お父さんのお店からこっそり持ってきたから。お店には日本酒しかないんだもん。」
確かにふぐ料理店には日本酒だろうな。妙に琴子の言う理由に納得した。
「はい、どうぞ。」
色気のかけらもない普通のコップに、日本酒をなみなみと注いで琴子が俺に渡す。
「サンキュ。」
俺は素直に受け取る。…何とも不思議な夜だ。でも何もかも破天荒だった俺たちには相応しい夜。
「じゃ、入江くんの幸せを祈って。」
琴子がコップを掲げた。
「どうも。」
…俺の口からはお前の幸せを祈るなんて言えない。口が裂けても。お前が俺以外の男と幸せになることなど。
そんなことを思いつつ、俺たちは一杯目を空けた。

「大丈夫か?」
「…平気。」
酒に決して強いとはいえない琴子を俺は気遣う。琴子は少し顔を赤くさせてはいるがまだ正気らしい。
「はい、どうぞ。」
そして二杯目を俺に注いでくれた。
…いいか。今夜で最後だし。思う存分酔っても、俺が後で運んでおけばいい。

ところが、琴子は俺が二杯目を飲んだ後も、コップに口をつけようとしなかった。
「どうした?」
気分でも悪くなったかと思って、俺は琴子の顔を覗き込んだ。

「…あたしが一番早く入江くんに出会っていたのに。」
突然何を口にするのかと思っていると、琴子の大きな瞳からは涙が次々と出てくる。
「一番早く出会っても、入江くんと一緒にいられないんだね…。」
その言葉に胸を突かれ、俺は琴子を思わず抱きしめた。
「俺と会ったこと、後悔してるか?」
「…ううん。してないよ。後悔なんて。」
その言葉を耳にし、俺は安心した。もし俺との出逢いが琴子の中で悔やまれる想い出になってしまうのなら、こんなに辛いことはない。

「入江くん…。」
胸の中で琴子が囁き、俺は琴子の顔を覗いた。
穏やかな微笑を琴子は浮かべていた。
それはどうなろうとも、傷つくことを恐れない、堅い決意を秘めた瞳と共に…。

俺はその顔に唇を落とす。もうどうなってもいい。
そして琴子も同じ想いのはず…。

俺たちは、最初で最後の大切な夜を過ごした。
何度も、何度もキスをした。一つ一つが最後のつもりで。
朝が永遠に来なければいいと、お互い思いながら…。

無常にも朝はやってくる。
夜が明けきらないうちに、琴子は俺を起こさないよう、そっとベッドを抜け出し、自分の部屋と戻って行った。
俺は琴子がドアを閉める音を確認して、寝たふりをやめて目を開ける。
…これが本当の最後だと思いながら。

昼前、琴子たちの荷物を積んだトラックは出て行った。
そして、迎えのタクシーのクラクションを合図に、琴子は家を出る。
「さよなら。入江くん。」
門まで見送りに来た俺の前で、昨夜何度も合わせた唇から白い息と共に琴子が別れを告げた。
「元気で。」
俺の言葉に、琴子は昨夜と同じ穏やかな笑顔で頷いた。

タクシーへと歩く琴子の後姿を見ながら、俺は賭けた。
もしも琴子が振り返ったら…。振り返って俺を見たら…。
タクシーの扉が開き、中へ乗り込もうとした琴子の、長い髪の毛が動いた。
そこには振り返って、せつない表情を浮かべた琴子の顔があった。

それを見た俺は、一目散に駆け出す。
たとえ、明日がどうなってもいい。
俺を振り返ってくれた琴子を抱きしめて、再びキスするために、俺は琴子の手を取った…。



☆あとがき
脳内失恋祭り、第二弾(笑)。
…またもや歌を元に。しかもファンの多い、あのアーティスト…。
書きたい気持ちと、ファンの方に失礼かという気持ちをシーソーに乗せた結果、
書きたい気持ちが勝ってしまいました…。
ファンの方本当にごめんなさい。
せめてものお詫び?に今回も無題にさせて頂きます。
どちらにUPしようか迷ったんですが…。

もし、あの雨の日より前に入江くんが琴子に気持ちを告げていたら…
そして一夜を過ごしていたらという勝手な設定で書いちゃいました。

本当に、私は元気ですから!←こことても強調!
せつなくなるような話に挑戦したかっただけです。
…そして挑戦は無謀だということに気づかされるのでした、チャンチャン♪

【追記】
腹を決めて、タイトル明かします!
だってこの歌が好きで書かせて頂いたのだから!
いざ!
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コメント

どうなるこの二人!!!

水玉さん、更新ありがとうございます。
先ほどの話の続きですね。
タクシーの中で琴子の好きな曲が。
夏の日を思い出していたのですね。
琴子に好きだと言って、その後にお前も早くいい男を見つけろと言った夏の日を。
でも裕樹に本心を見抜かれて、本心をぶっつけたんだよね。
最後のキスだと。
明日琴子は家を出て行く。
そのよる琴子が二人でお酒を飲みたいと。
でも琴子は飲んでいない、そして誰よりも先に出会っているのに。
一緒にいられないんだねと。俺と会ったこと後悔しているのかと。
琴子は後悔はしていないと。
二人は最初で最後の大切な夜を過ごしたのですね。
そして琴子達は入江家をで行きます。
直樹はそこで賭けをしました。
琴子が振り返ったらと。琴子の長い髪の毛が動いたのです。
俺は一目散に駆け出し、琴子を抱きしめてキスするために。
琴子の手を取った。
もう直樹どうするの。琴子とのこと。

しかし連続素晴らしいお話ありがとうございます。
元気だという事がわかりました
ラブラブまでは行かないけど、熱い二人の話で。
まだこれ続きがありそうな気配ですね。




祭り続きだのう

むしろ元気じゃないと書けないんじゃないかしら?
本当に失恋してたり凹んでたりしてる真っ最中にこれ書いたら、しばらく立ち直れない気がするぜ、アタシなら・・・(←意外と繊細:笑)

振り向く琴子と駆け寄る入江くん・・・脳内スローモーション再生でしたわぁ。
水ちゃんにアタシの脳内映像を投影してお見せできたらいいのにぃっ!
これが、あなたがアタシにもたらしたものなのよ!!ってね♪

裏祭り→失恋祭り→お次は何かしら~ン??


NO TITLE

失礼なんかじゃないです。ぜんぜん!!せつなくて必死で胸キュンですよ。紙一重のぎりぎりセーフみたいな、こんなの大好きです。枝分かれストーリー思いつかれるままにお願いします。歌って、詩がもともと集約されていて感性爆発の上にそれをまた煽り立てるようなメロディーがついているのですものね。全く・・・

切なすぎ~

私もこの曲大好きです♪
もう何度入×琴で妄想していたことか!(笑)
ぎゅっと心臓つかまれたくらい切なくて、最後の一瞬に賭ける入江君の想いの強さとかにじ~んと来てしまいました。
そしてハッピーエンドに続きそうな予感がする終わり方!
頭の中で曲を再生しつつ、何度も読み返してしまいました。

パスワード請求

こんばんは!!パスワード請求します。イタキス大好きです。昨日 このブログを見つけてずっと読んでて、その時パスワードについて書いてあってその時に送信したんですけど、ちゃんと送信できてるのか不安なのでもう一度送信します。よろしくお願い致します!

コメントありがとうございます

tiemさん
続きという意識をしたわけではありませんが、つながっていますか?
tiemさんのコメントを拝見して、ちょっと驚きました^^
確かにそう読めないこともないかも…←調子のいい奴(笑)
続き…そうしたら失恋祭り閉会ですね(笑)

アリエルさん
うん。本当に失恋したらパソコン自体開かないね、私(笑)。
もうイヤホンで失恋ソング山ほど聞きまくって、自分の世界へ篭り、書店へ行き、手当たり次第本を買って、現実逃避すると思う(笑)。
私もアリエルと一対一で会って、「こうこうこういう感じで…」と話して、目の前でアリエルにスケッチブックを開いてもらって、脳内の画像を描いて欲しい気分だよ!
一度やってくれたら嬉しいな♪

Roseさん
そうですか?ありがとうございます!
歌って本当に歌詞だけではなくメロディーもあるからこそ、世界に浸れるんですよね。
いい歌はいいものです、はい^^

きょまちゃんさん
よかったーーー!この歌が大好きだという方に来ていただけて!
そしてコメント本当に嬉しいです!
もうこの記事だけは何を言われてもしょうがないなと覚悟してたくらいなので←だったら書くなって感じですね(笑)
本当にありがとうございます!

和美さん
お越しいただいてありがとうございます^^
申し訳ございません。現在こちらではパスワードが必要な記事は全て移動させていただいております。ですのでこちらでパスワードは配布しておりません。
せっかくコメントを頂いたのに、申し訳ございません。
そして、誤解を招くような表現等、大変申し訳ございませんでした。
よろしくご了承いただけますよう、お願い申し上げます。

水玉様
今更のコメですが、私はこの切ないお話が大好きで、今日もまた読み返しに来てしまいました。イリコトそれぞれの心情がほんとに切なくて苦しくて、そして愛しくて。最後の最後に直樹がタクシーに乗ろうとする琴子に駆け寄る場面がまるでドラマを観て居るようで、涙が止まりません。
水玉ワールド、最高です!有難うございました。

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