日々草子 万華鏡 21
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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万華鏡 21

「なぜそんな大事なことを一人で決めたの?」
重樹の寝室に呼ばれ、直樹は紀子に詰問されていた。
「…前からこの縁談はあったんでしょう?聞きましたよ。父上がずっと止めていたって。」
「断っても先方がなかなかあきらめなかったからな。」
重樹は溜息をついた。
「だからといって、なぜ突然受ける気に…。」
「お会いしたの?」
紀子が訊く。
「ええ。この間。噂以上の美人でしたよ。うちにとっても侯爵家と縁続きになるのは悪いことではないでしょう?」
直樹の説明はまるで何かセリフを読み上げているようで、重樹も紀子も口を挟む余裕がない。
「それで沙穂子さんというんですけど、見舞いに来たいと言っているんです。どうですか?体調は?気分が良ければ明日にでもどうかと思ってるのですが。母上だって未来の花嫁が気になるでしょう?」
「…勝手になさい。」
あまりの直樹の態度に紀子は怒って部屋を出て行ってしまった。そんな紀子を見ながら重樹は、
「…お前、学校はどうするんだ?」
と兼ねてより気になっていたことを直樹へ訊ねた。
「退学しますよ。会社も手伝わないといけないし、結婚したら学生なんて呑気なこと、やってられませんからね。」
表情一つ変えずに直樹は答える。
「わしだってもう少し療養すれば仕事へ戻れる。確かにお前に仕事を手伝ってもらうのは有難いが、好きでもない相手と結婚してまで、会社をどうこうしてもらう気はない。」
「そんなこと言ったって、倒れるまで無理したのはどこの誰ですか?しかもあんな状態になるまで…。」
「そりゃそうだが。」
そこを言われると、重樹も返す言葉がない。
「それじゃ、明日沙穂子さんをお連れしますから。」
直樹はそう言って、重樹の寝室を後にした。

翌日、沙穂子が祖父の大泉侯爵と共に入江家に現れた。
直樹の出迎えを受け、二人はまずは重樹の寝室へと見舞いに向かう。
その後、応接間にて紀子や裕樹を交え、お茶会を開くことになっていた。

琴子は、直樹の縁談を聞いてから落ち込む日々を送っており、直樹の顔を見ることもできなくなっている。
いつもなら紀子は、来客の際は琴子を堂々を知り合いのお嬢さんとして紹介し、同席させることもあるのだが、さすがに今回は琴子にも辛かろうと声をかけなかった。
琴子もとてもじゃないが、直樹と婚約者の仲睦まじい様子を見る気分にはなれず、かといって部屋に居ても一人であれこれと暗いことばかり考えてしまうので、女中たちに混じって台所にいた。
この家の使用人は女中たちを始め、運転手などの男性たちも皆、琴子の明るく、気さくな性格を気に入っており、「琴子お嬢さん」と呼んで慕っていたので、今度のことは皆、琴子に同情を寄せていた。だから琴子が台所を手伝うと言った時も、琴子の気持ちを汲んで断ったりはしなかった。

ある程度支度が終わり、さすがに台所に居ても何もやることがなくなってしまったので、琴子は仕方なく、こっそりと部屋へ戻ることにした。
部屋へ戻る際にはどうしても応接間の傍を通らねばならない。賑やかな様子を耳にするのはとても辛かったが、琴子は我慢してさっさと通ることにする。
「…この間、直樹さんに絵のお話をたくさんして頂きましたの。」
中からやや高めの、上品な女性の声がした。どうやら婚約者の声らしい。聞きたくないが、なぜか足を琴子は止めてしまう。
「今度、美術館にご一緒していただくお約束をしましたのよ。」
一度、直樹と一緒に美術館へ行ったことをつい思い出してしまう。
「それから…今度、私をモデルに描いて下さるって。ね?直樹さん。」
次の瞬間、琴子は耳を疑った。
「ええ。僕なんかでよければ。」
琴子は直樹の言葉を聞くなり、駆け出してしまった。
「直樹さん、あのお嬢様の絵は描くんだ…どんなに頼んでも、私の絵は描いてくれなかったのに。」
自室に戻るなり、琴子はベッドへ突っ伏して泣き出してしまった。

流すだけ涙を流した後、琴子は顔を上げた。
外から声が聞こえる。どうやら来客が帰るらしい。
見たくもなかったが、やはり気になるので窓からそっと覗いてみると、一目見て上等な仕立と分かる振袖を着た、美しい令嬢が直樹を向かい合って笑っていた。直樹も令嬢を見る目が見たことがないくらい優しい。
そんな二人を見て、琴子は自分とはやはり違う世界の住人なんだと思い知らされていた。

来客を乗せた車が出て行くのを見送った直樹は、ふと家の二階を見上げた。直樹を見ていた琴子と視線が合う。
お互い何となく気まずく逸らせてしまった。

それから数日経った日、琴子が居間へ入ると、珍しく直樹がいた。傍には裕樹もいる。
何か会話をと思い、つい琴子は話したくもないことを口にしてしまった。
「…綺麗な方ね。あのお嬢様。」
「そうだな。外見だけじゃなく、頭もいい。茶道や華道もたしなんでいるらしい。」
直樹が女性を誉める言葉を琴子は初めて聞き、ショックを受ける。
「直樹さんとお似合いよね。」
琴子の言葉に直樹は、
「そうだな。」
と返した。裕樹は二人の会話を緊張しながら見ている。

「やっぱりさ。」
直樹が言葉を続けた。
「…華族は華族同士が一番いいんだよな。住む世界が同じだし。…違う世界の人間と付き合うのは疲れる。」
その言葉を聞き、琴子は搾り出すように言った。
「違う世界の人間って…私のこと?私といるのが疲れるって言いたいの?」
直樹は更に琴子が絶句するような言葉を、投げつけた。
「…平民と一緒にいるのも、珍しくて面白い経験だったよ。」
その瞬間、琴子は着物の裾を翻して、居間を後にした。目に涙を溜めて。

「…兄様、どうしてそんなひどい嘘をつくの?」
二人を見ていた裕樹が、耐え切れないように口を開いた。
「嘘じゃないさ。」
「嘘だよ!…琴子がこの家に来る前の日、僕が“平民と一緒に暮らすなんてまっぴらだ”って言ったら、兄様、僕の頭を殴ったじゃないか!」
「…そうだっけ?」
「そうだよ!そして僕に言ったんだよ。“華族だ平民だって、絶対差別するな。人間は皆平等なんだ。身分の差なんて、この世で一番くだらないものだ”って。僕、兄様にあんなに叱られたのは初めてだから、今でも一字一句、覚えてる!」
裕樹が珍しく興奮しているのにも関わらず、直樹は冷静に言った。
「あの時と…事情が変わったってことだよ。」
そんな直樹を見て、裕樹は言った。
「いくらなんでも、琴子が可哀想だ。琴子は兄様を…。」
「それ以上言うな!」
直樹は大声で裕樹の口を止めた。
裕樹はまだ言い足りなさそうな顔をしたが、諦めて居間を出て行った。

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♪あとがき
今夜中に完結できるかと思ったけど、やっぱり無理でした←当たり前
現在、苦行スイッチがもう、ドレミファドン(知っている方、お友達に笑)のように
入りまくっています。
…苦行ではないんですけどね。楽しいから。ハードルが高ければ高いほど、
スイッチが入るのは、ブッダと似てるかも(笑)(あ、三巻買っちゃいました~)

しかし、私って何を書いても昼ドラ状態に…(汗)
せめて朝の連続テレビ小説状態になるよう頑張りますww
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コメント

あぁ・・・・

涙なにしには読めません
いいです!昼ドラでも!
もう~大好物です!!!

いつでもお友達になれるアリエルです(笑)

せつないよぅ・・・琴子も直樹さんも裕樹も・・・。蘇る原作のあのシーン。リビングから飛び出し、扉を思い切り閉めて大粒の涙を流す琴子。あのシーン読んでた時、どれほど胸が痛かったか。当事者の痛みは計り知れないよね。このお話の彼らの痛みも同じように伝わってくるわ。
直樹さんの隠されたセリフには感動したよ!!嬉しいセリフをありがとう!!
そして、今日はたくさんアップしてくれてありがとうねv-344

苦行スイッチ

出かける前に水ちゃん読み納め~って連続のアップに出かけるのが惜しくなってしまったよ~。

直樹さんと裕樹のやりとり、多田先生の絵で脳内漫画が読めてしまいましたよ!
一週間読まなかったら、どんだけ先に進んでしまうのか~。

リアルタイムに読めないのは悲しいですがーまとめて沢山読めるのも楽しみにしつつ、船に乗り込みたいと思います。

苦行スイッチ!
帰ってきたら、そっち方面の話もしたいです~。

あと、もうすぐ終わってしまいますが、今の朝の連続テレビ小説は娘たちが「イリコト」になってる!!!と大喜びで見ています。
母としては「イリコト+ちゅらさん」ってかんじなのですが~。

一気読みさせて頂きましたとうとうここまで来てしまったのね。このお話大好きだからもっと伸ばしてもらいたいくらいよん願い。琴子のいじらしさと直樹の切なさに目頭が熱くなってしまった。

つ・・・続きがきになりますっ

連続更新に朝の家事を放り投げ、春休みの子供らを無視して読みまくりました。
セツナイですねぇ。
うわぁ。続きが気になります。
楽しみです。

パンダの私。

お久しぶりです♪
相変わらず、PCの前で涙してパンダになっている私です。パンダの状態で仕事しています←バカな奴
けどこのけなげさ、切なさがイタキスなんですよね♪
水玉さんの作品って
心が温かくなったり、きゅーーんときたり、爆笑だったり、本当に大好きです♪
昼ドラもおおいに結構!!
これからもがんばってくださいね。
ps。ドレミファ・ド○、大好きでした。ぜひこのゆみのすけとお友達に~!!

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