日々草子 万華鏡 15
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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万華鏡 15

古書店での仕事だけでは到底お金が足りないらしく、直樹は家庭教師の仕事も見つけてきたらしい。
そして同時に絵の勉強にも通う毎日で、さすがの直樹も疲れているようだった。
そんな直樹の様子を見ながら琴子は、自分にも何かできないかと考え始めた。
とりあえず、少しでも絵の勉強の時間を作って欲しい。そのためには仕事を少し減らす必要がある。そこで琴子は、自分も働いて直樹のためにお金を稼ぐことを決意した。

かといって、仕立物を引き受けるような仕事をするには琴子の腕には到底無理だった。しかも紀子にもばれてはまずい。そうなると外で体を使って働くことしかないことに琴子は気がついた。
そこで琴子は以前、直樹と立ち寄ったあんみつ屋で働かせてもらうことにした。
紀子には女学校時代の友人の家で皆が集まり、結婚する友人のために皆で集まり祝いの品の着物を縫うことになったと誤魔化した。
勿論、直樹には内緒である。それに甘い物を全く食べない直樹は絶対に来ることはない。琴子は張り切って働いた。

二人がそれぞれ働き、間もなく年末が来ようとした日。
琴子は直樹の部屋をノックした。が、いないようだった。もしかしてと思い、琴子は絵が置かれている部屋を今度はノックした。案の定、直樹がいた。
「…何だよ。」
どうやら絵を描いていたらしい。絵の具の匂いがしてくる。
「あのね、直樹さん…。」
琴子はどう切り出そうか迷っていた。
「はっきり言えよ。」
イライラしている直樹を前に、琴子は大事な時間を取っては悪いと思い、おもいきって差し出した。
「…何だよ?これ。」
琴子の手に置かれた巾着を見ながら直樹は訊いた。
「あのね、直樹さんの…その絵の具の代金の足しにでもと。」
「はあ?」
「あ、ちゃんと働いて稼いだお金だから。私のお金だから遠慮せずに使って大丈夫よ?」
「働くって、何をして…。」
「えーと…あんみつ屋さん。」
琴子はつい白状してしまった。
直樹は琴子の手をふと見た。水仕事のせいか、以前見たときよりかなり荒れている。
「こんなの使えねえよ。」
そんな苦労をして稼いだ大事な金を直樹は自分のために使うことなど考えられない。

「そんな、遠慮しないで…。これは、出資だと思って!」
「出資?」
琴子の口から出た意外な言葉に、直樹は少し驚いた。
「そう、出資!だから直樹さんが画家になって、有名になったら返してもらうから!」
琴子はこういう理由なら直樹も受け取りやすいのではないかと考え、口にしたのだった。
「だって、私は直樹さんのパトロンになりたいんだもの!」

まじめな顔をしてパトロンと言う琴子が、直樹はおかしくてたまらなかった。琴子の気持ちが痛いほど伝わってくる。ここまで言われて断るのは、琴子に悪いだろう。
「…分かった。出資ね。じゃ、お前の気持ちは有難く受け取るよ。」
琴子は安心したような笑顔を見せ、巾着を直樹へと渡した。
「いつ元が取れるかわからないぞ。」
直樹の言葉に、
「いいの。いつか私の顔を描いてくれたら。」
と琴子は笑って答えた。
「それは無理。」
相変わらず直樹は即答する。
「じゃ、勉強の邪魔しちゃってごめんなさい。おやすみなさい。」
そう言って自室へと戻ろうとした琴子の背中に、
「ありがとう。」
と直樹が言った。琴子は振り返り、黙って笑うと廊下を歩いていった。

「…こんな大事な金、使えるかよ。」
直樹は微笑みながら、巾着を暫く眺めていた。

そしてまた年が明けた。
直樹の美術学校受験の日を明日に控えた夜のこと。
琴子が直樹の部屋を訪れた。
「明日試験でしょう?これ作ってみたの。」
琴子が差し出した物は、ちょっと豪華な縫い取りが施されている守り袋だった。直樹がしげしげと見ていると、
「これね、お母様が遺して下さった帯で縫ったの。着物を一枚仕立てたらお裁縫、自信もっちゃった。」
琴子は笑顔で説明した。
「きっと天国にいる私のお母様も直樹さんのこと、見守ってくれていると思う。」
「…ありがとう。」
最近の直樹は琴子の前では素直にお礼を述べるようになっていた。琴子はその言葉に満足して、試験当日も笑顔で門まで直樹を見送った。

その日、琴子は一日中、近くの神社でお百度参りをしていた。

やがて合格発表。
嫌がる直樹に琴子は無理矢理付いてきた。
「受かっているかしら?でもダメでも…努力はしたのだから胸を張っていて大丈夫よ?」
不吉なことを言う琴子を一睨みして、直樹は掲示板へと目を走らせる。
琴子は直樹の服の裾を掴み、目を堅く閉じている。これではどちらが受験者なのか分からない。
「あった…?」
琴子はそっと訊ねた。
「…。」
直樹からは何も返事がない。
「やっぱり…準備期間が短かったから…。」
慰めようとした琴子の頭を、直樹が軽く小突いた。
「自分で見ろよ。」
その言葉に琴子は漸く顔を上げ、掲示板を見た。
「あ、あった…!あったわ!」
あまりの大声に直樹も周りも驚いた。
「やった!おめでとう!直樹さん!」
琴子は勢い余って、直樹の首に抱きついた。
「お、おい…。」
何とか離そうとするが、琴子の耳には何も聞こえていない。
「やっぱり、絶対合格すると思ったわ!」
「…現金な奴。」
直樹は呆れながら、琴子が騒ぐのを見ていた。

琴子が落ち着くのを待って直樹は言った。
「行くぞ。」
琴子は慌てて直樹の後をついていく。が、家へ帰る道とはどうも違う。どこへ行くのかと訊ねる琴子に直樹は言った。
「合格祝いに付き合えよ。」
きょとんとした琴子にそれ以上説明せず、直樹はどんどん歩いていった。

「好きなだけ食べていいぞ。」
連れて行かれた場所は、団子屋だった。
「お前はあんみつだの団子だの、大福だの甘い物が好きなんだろう?」
琴子は喜んで、団子を注文する。その食べっぷりを直樹は黙って見ている。これが直樹の琴子へのお礼だということは口にせずに。

「本当におじ様たちに言わないの?合格したこと。」
団子を頬張りながら、琴子は再度訊ねた。
「言わない。」
「絶対ばれると思うけど。」
「お前と違って俺は賢いから、そこはうまくやる。」
その言葉に琴子は少し拗ねた様子を見せたが、次の団子が運ばれてくると途端に笑顔を取り戻した。

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♪あとがき
とうとう15…
ちなみに、20過ぎるとかなり焦り始めます(^^ゞ
目標、25前後で…
ごめんなさい。長くなって。飽きてしまわれた方もいるでしょうね(ーー;)
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コメント

Why?

何故?なぜ?なぜなのーーーーー???
なぜに目に浮かぶの?コマ割り画像!?
本当に水ちゃんて魔術師だわ。毎度毎度、おんなじようなことばっかり言ってごめんねぇ。でも本当に不思議な現象で・・・。

あ、それから回数だけど、水ちゃんなら余裕であと15回とかありなんじゃない?こちらは全然OK。どこまででもついていく態勢はできてますのでv-221

長期連載希望です!

しかもあの絵のイメージで描いてくれていたなんて…嬉しくて眠れないです!!!

アリエルさんに同意

本当に絵が浮びます。不思議です。パラレルな世界なのにちゃんとキャラクターが動いてる。水玉さんと多田先生の感性がシンクロしてるのかな?
「万華鏡」毎日楽しみです。

おはよう水ちゃん(*^_^*)朝から一気読みさせてもらって今日もいい一日になりそうだわ♪

本当皆様と同じ想いです(*^_^*)
多田先生そのもので頭の中で映像化されていくの

くどいようで100万回くらいいったけどご謙遜なしで思う存分書いて下さい楽しみにしてるんだもん

とんでもないです

飽きるなんて、とんでもないですっ!
更新されるたびにワクワクして拝読しておりますですよっ!
原作のエッセンスを微妙に使ってらっしゃるのがツボにはまっちゃってます。(嬉)
長くなっても大丈夫です!書きたいことを詰め込んで書きまくってくださいませ!
お供しますよ!どこまでも!
素敵な作品というきびだんごを日々もらい続けているお供の家来です。(イヌ?サル?キジ?笑)

気にしないで!!

こんにちは。
お話が長ーーーくなっても全然平気です!!気になさらずに、
水玉さんの思うように書いてくださいね。
琴子ちゃん、一段とけなげで可愛いです♪
直樹さんもとても良いです♪
本当にしっとりと、落ち着けるお話ですね。

ありがとうございます

読んでくださってありがとうございます^^

アリエルさん
ううん!いつもコメントうれしいよ!アリエルの気持ちが伝わってきてます^^
ちょっと…そんなこと言ってもらうと、すごい調子にのってエラい長さになりかねなくてよ(笑)

えまさん
最初書き始めた時は琴子の髪型や服装はあまり気にしてなかったのだけれど、えまに書いてもらった絵を見たらイメージが湧きました♪そのイメージで書いていったら、筆が進んだのよ♪

さくやさん
まだ原作のイメージ壊していないですか?よかったです!ありがとうございます。
そして今後壊れたら…ごめんなさい。今のうちに謝っておきます(笑)

さあやさん
ううん。私の方こそ、毎回同じ謝罪を繰り返して…くどいのは私だわ(^_^;)
というわけで、皆様の温かいコメントに図に乗りそうです。

KEIKOさん
原作のエッセンス、わかっていただけてますか!
それも安心しました!これでも原作ベースのつもりですので(笑)
こんな嬉しいコメント頂けるのなら、もうきびだんご、「いらない!」って泣かれるまで振舞いますよ(笑)

ゆみのすけさん
書いていて気づいたのですが、琴子が中心で書くのははじめてかも…。いつもなぜか直樹が主人公のようになりがちなので。
そういった意味では楽しいです、これを書くこと^^

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