日々草子 最初に選んだもの
FC2ブログ

プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

現在の御訪問者

現在の閲覧者数:

御訪問ありがとうございます

このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

最初に選んだもの

「ねえ、琴子ちゃん、どのベッドがいい?」
紀子がカタログを琴子に見せながら尋ねる。
「え、ベッド…?」
「そうよ!琴子ちゃんとお兄ちゃんが結婚して、一緒に寝るベッド!」
紀子の言葉を聞いて、琴子は耳まで真っ赤になった。想像するだけで心臓がバクバクしてくる。

「ただいま。」
丁度そこへ直樹が帰宅した。
「あ、お兄ちゃんも見てよ!」
着替えに部屋へ戻ろうとした直樹を、紀子がソファへ引っ張り込む。
「お兄ちゃんはどのベッドがいい?」
「ベッド…?」
「だから、お兄ちゃんが琴子ちゃんと一緒に寝るベッド!早く注文しないと、新婚旅行から帰ってくる日までに届かないのよ。」
「…別にわざわざ注文しなくても、今俺が使っているベッドと、琴子が使っているベッドを部屋へ運び込めばいいだろう。」
そう言って、部屋へ戻ろうとする直樹の腕を紀子が掴んだ。
「だめよ!二人の甘い生活がこれから始まるのよ!そんな使い古したベッドなんて、絶対だめ!」
そう言って、紀子は二人の前にカタログを広げた。

「私はこれがいいと思うんだけど。」
紀子が指差した写真は、外国の王女が寝るような、天蓋つきのベッドだった。
「こ、これは…。」
「部屋に入らないだろう…。」
ほぼ同時に、琴子と直樹は言葉を発した。
「大丈夫!ちゃんと寸法もバッチリよ!」
「あ、あたし、こっちの方がいいかなあ…なんて。」
琴子が指で示したベッドは、シンプルなもの。
「だめよ!琴子ちゃん!こんな地味なベッド!」
紀子が即座に却下した。
「これくらいロマンチックなベッドじゃないと、二人の赤ちゃんだっていつ顔を見られるか…!」
「あ、赤ちゃん…。」
「気、早すぎ。」
二人の気持ちなど、お構いなしに紀子は自分の世界に入っている。

「じゃ、この天蓋つきのベッドでいいわよね。明日、FAXで注文しておくから。」
結局、琴子と直樹が次々と選んだベッドは全て却下され、紀子の希望どおりのベッドを注文することとなった。
「楽しみねえ!」
紀子はそう言いながら、注文用紙に商品番号を記入し始めた。

深夜、直樹が一階へ降りていくと、リビングの明かりがついていた。
「?」
まだ誰かがいるのかと、リビングのドアを開けた。そこにいたのは琴子だった。
「あ、入江くん…。」
見ると、琴子の手には先程のベッドのカタログがあった。
「やっぱり、あのベッドはちょっと派手というか、豪華すぎるかなあと思って…。」
「考えていることは同じだったみたいだな。」
直樹はそう言うと、琴子の向かい側に座った。
「よし。一緒に選ぶぞ。」
「え?」
「俺とお前の意見が一致して、尚且つ、オフクロの気も済むベッドを探すんだ。」
直樹の言葉に最初はポカンとしていた琴子だったが、すぐに笑顔になり、カタログをテーブルの上に広げた。

「入江くん、これはどうかな?」
「これだと普通すぎて、オフクロはすぐに返品するな。」
「じゃ、これは?」
「やだよ。そんな金色の派手なの。」

「琴子、これどうだ?」
「うーん。ちょっとおばさんの趣味とは違うような…。」

「入江くん、これ低反発で肩こりと腰痛にいいって。」
「俺、肩こりも、腰痛もない。」

「これなんて、サイズもいいんじゃないかな?」
「そんな狭いの、お前なんて毎晩落っこちるよ。」

ああでもない、こうでもないと言いながら二人は夢中になってカタログを見ていった。
そして、二人は全く気がついていなかった。何もダブルベッドじゃなくてもいいということに…。それなのに、琴子と直樹が一生懸命探しているのは、ダブルベッドだった…。

「よし、これだ!」
「うん!」
数時間後、二人はようやく気に入ったベッドを見つけた。それは派手すぎず、シンプルすぎず、そして紀子の好みも入っているベッドだった。

「じゃ、早速注文用紙を書き直して、FAXしておこう。」
直樹が消しゴムで紀子の記入した商品番号を消した。
「え、待って。入江くん。」
琴子の言葉に直樹が手を止めた。
「何だよ?」
「一応、朝になったら、おばさんに了解取っておいて方がよくない?」
「…必要ないよ。」
琴子の言葉など気にも止めずに、直樹は新しい商品番号を記入していく。
「だって、寝るのは俺たちなんだから。俺たち二人が一緒に選んだって言えば、オフクロは文句を言わないだろう。」
「うん、そうだね、きっと。」
琴子はそう言うと、笑顔で直樹が記入している様子を見守っていた。

「これで、よし。」
FAXを送り終え、直樹と琴子は顔を見合わせた。そして二人で微笑んだ。

「わあ!すごい!」
ハワイから帰ってきた二人を迎えたのは、すっかり紀子の趣味に彩られた寝室だった。
そして、その部屋の中央には、二人が選んだベッドが主たちの到着を待っていた。

結局、琴子の希望で、ベッドを二人で選んだ後、紀子に事後承諾という形で納得してもらったのだった。ベッドを二人の希望通りにする代わりに、部屋の壁紙、カーテン、マクラ等、他のインテリアは全て紀子の好きにしていいということで納得してもらった。

「やっぱり、このベッドで正解だったな。」
「うん、最高!」
部屋の入り口に立ったまま、直樹と琴子は満足そうに微笑んだ。

あとがき
結婚記念日にちなんで、結婚前後のエピソードを。
原作で、なぜ入江くんは、自分の趣味と明らかに違う部屋とベッドでスヤスヤと眠れるのかが不思議だったものですから…。
ちなみに、入籍騒動の冒頭で琴子が入江くんの寝顔を「かわいいなあ」と覗き込むシーンが好きです♪
関連記事

 BLOG TOP