日々草子 大蛇森の災難(後編)
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

「これでいいですか?」
入江先生から渡されたメモを俺は受け取った。
「わあ!ありがとうございます!助かります!」
「いいえ。」
よし、また瞳兄をこき使える材料ができた。
今、入江先生が俺の様子を見にくれている。ちなみにチンチクリンちゃんはいない。つまり、病室には俺と先生の二人きり。
俺は先生の姿を見ながら、つくづく惜しいなと思う。顔はばっちり俺の好み。あと、筋肉さえあればなあ…。俺の通っているスポーツジムに入る気はないかねえ。

「先生。」
「はい?」
俺は真顔で先生に尋ねた。これだけは絶対に確認しておかなければいけないからね。
「僕の足、元通りになりますよね?」
「もちろん。骨折ですから。リハビリすれば元通りですよ。」
先生は笑顔で答えてくれた。
「いえ、ただ歩けるだけではだめなんです。」
「え?」
「僕は一応、プロのモデルです。ただ歩けるというのではなく、きちんと元通りにショーでウォーキングができるのかが心配なんです。」
「大丈夫ですよ。きちんとプロのモデルとしてショーに出られます。」
先生は真顔で答えた。良かった。これでもモデルとして飯を食っている身だ。それだけが本当に心配だった。
「それにうちの病院には、頼れるリハビリ専門の看護師がいますから。彼の指示に従って、きちんとリハビリすれば大丈夫です。」
リハビリ専門の看護師…。彼って言った、今?
「その看護師さんって…体がっちりしていますか?」
「え?」
「いや、僕、体が大きいからちゃんと支えてもらえるかなと思って。」
危ない危ない。うっかり僕の好みを口にするところだった。
「大丈夫ですよ。彼もプロですから。」
先生はニッコリと笑った。

「プロと言えば…。」
入江先生が思い出したように言った。
「茜さんのお兄さん、大蛇森先生ですけど、プロ意識はかなり高いですよね。」
今の入江先生の言葉を聞いたら、瞳兄は泣いて喜ぶだろう。この場にいないのが気の毒だよ。
「そうですね。」
俺も先生に同意した。
「まだ兄が医者になったばかりのころ、僕は兄の部屋へ遊びに行ったことがあるんです。」
ちょっと、瞳兄を自慢してやるか。
「そしたら、部屋中、至る所の出っ張っている所に変な糸が結ばれているんです。」
「…縫合の練習?」
「兄に尋ねたら、そう答えが返ってきました。僕が遊びに来ているのに、お構いなしにその結び方ばっかり練習していて。」
これは嘘ではない。本当にあの頃の瞳兄は真剣に練習していた。俺のことなんて眼中になくて。
「大蛇森先生の手術は本当に息を呑む素晴らしさですからね。僕も何度か見学させて頂いたり、助手に付いたりしましたけれど、勉強させていただく点がたくさんあります。」
「そうだと思います。兄は見た目も、行動もあんなだけど、医者としては最高だと思います。」
そう、俺が見ていた瞳兄はいつも一生懸命勉強していた。
「素敵なお兄さんですね。」
すごい!今の俺と入江先生の会話を録音して、聞かせてやりたい!ごめんよ、瞳兄。俺が一人占めして聞いちゃって!
て、いうか瞳兄のモミアゲレーダーは、今こそ実力を発揮しなければいけないんじゃないかい?
何やってるんだ、モミアゲ!役に立たないなら、さっさと切っちまえ!

「入江くん、茜さんと何話していたの?」
茜さんの病室を出た俺に、琴子が話しかけてきた。
「別に。プロ意識の話かな?」
「プロ意識?」
「大蛇森兄弟のプロ意識の高さは、俺たちも見習わないとな。」
「えー!?茜さんはともかく、大蛇森も!?」
俺は琴子の頭を持っていたクリップボードで叩いた。
「お前も、脈ぐらい取れるようになれよ。プロならさ。」
そう言い残して、俺は医局へと戻った。

「瞳兄、明日休み?」
性懲りもなく、病室で入江先生待ちをしている瞳兄に俺は尋ねた。
「そうやけど。」
「なら、これ頼むばい。」
俺は一枚のチラシを瞳兄に渡した。
「“鳥羽○郎 ニューアルバム発売記念サイン会”!?誰が行くか!?」
「そげなこと言っていいね…?」
俺はまた枕の下から、先程入江先生からもらったメモを取り出した。
「さっき、入江先生に書いてもらったと。」
「入江先生に!?」
「瞳兄へ対する気持ちを一言で書いて下さいって頼んだとよ。」
俺の手からメモを奪おうとする瞳兄から、俺はメモを高く上げる。
「先生、自分のメモ帳に書いて、それを破ってくれたと。」
メモを持った手を、高く上げたまま、俺はヒラヒラさせた。
「先生の僕に対する気持ちなんて…!」
瞳兄、顔が真っ赤だ。もう少しだな!
「ほうら、どげんする?サイン会に行ってくれたらこれも瞳兄にあげるばい。」
「…分かった。明日行ってきてやる。その代り、先払いでそれをよこせ!」
しょうがないなあ。まあ、それくらいOKしてやるか。
「はい。大事にしいよ。」
俺はメモを瞳兄に渡した。
「うわ!先生の直筆!もう最高の宝物たい!」
「何て書いてあるか見ないと?」
「もったいない!あとでゆっくり見る!」
そう言って、瞳兄は大事そうにメモを手に病室を出て行った。

「入江先生、何て書いてくれたのだろう?“好き”?いやもっと知的な表現だろうか?」
待ちきれなくて、僕は医局に戻って大事にメモを広げてみた。
「!?」
そのメモに書かれていた言葉…。それは…。
“痴人の愛”

「いやあ、入江先生何でも知ってるんだなあ。」
瞳兄が出て行った後、俺はベッドに仰向けになって呟いた。
瞳兄に対する気持ちを、何て言っても、先生は書くわけがない。だけど、瞳兄を扱き使うネタが欲しい俺は何としてでもメモを手に入れる必要があった。

『先生、谷崎潤一郎の小説で、ナオミという女性が出てくる小説のタイトル、知っていますか?僕、度忘れしちゃって。』
そう尋ねてみると、先生はすぐに、
『ああ、“痴人の愛”ですね。』
と即答してくれた。何て物知りな先生なんだろう!
『…それ、どんな字でしたっけ?』
『こういう字です。』
先生は自分のメモ帳にスラスラと書いて見せてくれた。
『僕、兄に買ってきてもらいたいので、そのメモ戴けませんか?』
『構いませんよ、これでいいですか。』
そう言って先生はメモを破って俺にくれた。

これがメモの真相。そのタイトルは瞳兄にぴったりだから、俺が質問を考えたんだ。
今頃、あのメモを見て、瞳兄はどうしているだろう?クスクス…。
ああ、明日は尊敬する鳥羽○郎のサイン付CDが来るな。良かった。あれがないと俺は生きていられない。

でも、瞳兄。俺はモデルになると言った時、家族全員から猛反対されたじゃん?あの時、東京から飛んできてくれて、一人でみんなを説得してくれたよね?“茜は絶対に成功する!”って。その言葉は今も忘れてないよ。だから、瞳兄が困った時は、俺は世界のどこにいたって、どんな大物のデザイナーのショーがあったって、すぐに駆けつけるからね。

…でも、入江先生への愛はやっぱり協力しかねるけれど。話せば話すほど、あの先生がチンチクリンちゃんを大切に思っていることが伝わってくるんだよね。
だからせめて、入院中に瞳兄の入江コレクションにまともな品を増やせるように、努力だけはしてあげるよ。

あとがき
大蛇森兄弟にもいい所はあるだろうと…。
とことん、悪魔な弟に書こうかと最初は思ったんですけれど。
ただ、心配なのは、私が瞳と茜と入江くんの会話を区別して書けているかという点なのですが…。
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コメント

どうしよう?

大蛇森がかわいくみえてきた…

痴人の愛!なるほどそういうことか!最初見た時目が° °になっちゃいましたよ^^☆
モミアゲレーダー意味ねー!!笑
やばい…今回も大・爆・笑でしたよ♪

コメントありがとうございます。

かりんさん>かりんさんのコメントを読んだ時、「目を覚まして!」と叫びたくなりました(笑)

あャかさん>モミアゲレーダー、本当に意味なさすぎですよね(笑)

なんでこんなに水ちゃんのお話って盛りだくさんなのぉーー^^お腹がよじれっぱなしです♪
直樹のやきもちも(大好物)いれてくれてハッピー♪
と、いうか大蛇森君がもう愛着のあるキャラになって来てヘビ顔でも可愛くみえてきたぁ♪

さあやさん
そう、書いている私も大蛇森が愛しくなってきた(笑)
でも、さあやさんの書いてくれた大蛇森を見て、
「えっ!大蛇森ってこんなにいい顔だったんだ!」と思いました!私の頭の中の大蛇森、もっとひどい顔だったみたいです(笑)

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