日々草子 大蛇森の災難(前編)
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

「ちょっと、今度骨折で入院してきた人!」
「モデルのAKANEでしょう?銀座の○×のショップの大看板の!」
「そうよ!それが何と…!」
「大蛇森先生の弟なんだって!」
ノンちゃんが入院して来た時と同じ光景がナースステーションで繰り広げられているわ。
そして…始まった。恒例の担当決めジャンケンが。あーあ。みんな熱心だなあ、いい男に。
「静かに!静かにしなさい!」
あ、清水主任だ。
「皆さん、落ち着きなさい!」
ほうら怒られた。
「今日から骨折で入院された大蛇森茜さんの担当ですが…。」
…何か嫌な予感。
「入江さん、あなたにお願いします。」
そこまでノンちゃんと同じ!?
「あなたなら落ち着いた看護ができるでしょうから。」
したくない!大蛇森の弟なんて嫌だー!

「…君が弟の担当?」
「はい。清水主任から命じられたもので…。」
何てこと!茜の担当がチンチクリンとは…!これでは茜の様子を見に行くと、チンチクリンと顔を合わせる可能性が高まるというわけではないか?
「大丈夫かね?」
「え?」
「いや君のことだから、今、骨折した足が治る頃に反対の足も折れてしまうとか…。」
「はい?」
「食事のトレーをぶちまけて、弟に別の怪我を負わせるとか…。」
「そこまでは…。」
「弟は一応、モデルなんだ。間違っても顔に傷つけることだけは止めてくれたまえ。」
あんな奴でも弟は弟だ。怪我をさせられては困る。僕はチンチクリンに厳しく言い渡した。
「それで、担当の先生はどなたになったのかね?」
「それが…。」

「ご夫婦で僕の担当なんですか!」
俺は入江先生と奥さんの顔を見比べて、笑った。うんざりする入院生活も楽しくなりそうな気がしてきた。
「よろしくお願いします!」
俺は二人に挨拶をした。
あ、兄である大蛇森瞳の数少ないファンの皆さん、初めまして。今日は兄の自己紹介でなくてごめんなさい。俺の名前は大蛇森茜。瞳の弟。職業はファッションモデル。生年月日は事務所命令で非公開。趣味は音楽鑑賞。お勧めは鳥羽○郎と、香○晋。好きなタイプは小川○也。後は事務所の公式サイトで確認して。
なぜ、俺が入院するはめになったかというと…。

「でも大変でしたね。」
入江先生の奥さんであるチンチクリンちゃん(だって瞳兄がそう呼べって)が気の毒そうに言ってくれる。
「バイクでぶつかったんですって?子猫を避けようとして。」
「ええ。まあ。僕の運転が未熟なんです。」
そう、バイク事故で骨折ということになっている。表向きはね…。
「お兄さんが担当じゃなくて、申し訳ないですね。」
入江先生が言った。
「いやいや。兄が担当だと、どこかいじられそうで怖いです。」
本当。瞳兄(うちは兄が二人いるのでこう呼んで区別している)が担当だったら、頭の中をいじくられて、退院する時には別人になっている恐れがある。想像しただけで背筋が寒くなるよ。

「あ、そう言えば、茜さん、この間フランス語喋っていましたよね?」
チンチクリンちゃんが思い出したように言った。そうそう、初対面の時、チンチクリンちゃんにフランス語で挨拶したんだったっけ。
「フランス語、ペラペラなんですか?」
「一応、英語、フランス語、イタリア語はできますよ。オーディションでデザイナーにアピールしたり、ショーの打ち合わせとかで必要ですから。」
「すごいなあ…。」
チンチクリンちゃんが感心してくれた。素直な子だなあ。瞳兄が毛嫌いする理由が分からない。

「Jeune dame, vous êtes très joli(お嬢さん、あなたはとても可愛いです)」
俺はフランス語でチンチクリンちゃんに話しかけた。
「え!?何て言ったんですか!?」
チンチクリンちゃんはびっくりして、俺へ尋ねた。
「ご主人に訊いてみてたら?」
「え!?何て言ったの?」
「…お前は小学生みたいだ、だってさ。」
そんなこと一言も言ってないぞ、俺。何だ、そのデタラメな和訳は。
そう思いながら、俺は入江先生の方をチラリと見た。
おーお、機嫌悪い!意味が分かったんだ。ふーん。瞳兄が言うには、天才だって話だもんな。フランス語も分かるってわけか。
それにしても、これくらいで機嫌悪くするなんて、この先生、やっぱりチンチクリンちゃんにゾッコンなんだな。こりゃ、面白い。

「じゃあ、何かありましたら、遠慮なく呼んで下さいね。」
検温とかいろいろ行った後、入江夫妻は病室を出て行った。退屈になった俺は病室の真っ白な天井を見ていた。しばらくして、ノックの音がした。
「茜。」
「瞳兄!」
入ってきたのは、瞳兄だった。入ってくるなり、キョロキョロしている。心なしか、ネクタイまでピンとなっているような…。
「入江先生なら、もうおらんよ。」
「そうか…。」
弟の具合より、愛しの入江先生に会う方が大事かい。
「具合はどげんね?」
「まあまあたい。」
動けないのが苦痛と言えば苦痛だけれど。
「お前もアホや。自転車に乗っていて、すれ違ったマッチョに見とれて、電柱にぶつかるなんて。」
「瞳兄、それはシークレットたい。表向きはバイク事故ってことになっとるんやから。」
俺としては事実を公表してもよかったのだけれど、事務所がNGを出したのだ。だから表向き、俺はバイク事故で骨折ということになっている。

「瞳兄、売店行って“相撲”って雑誌買ってきて。」
退屈をしている俺は瞳兄に頼んだ。
「何で僕が…!そんなもん、チンチクリンに頼めばよかね。担当やろう。」
「看護師さんに私用を頼んだらいかんやろ?チンチクリンちゃんも忙しそうやし。」
「なら、僕にも頼むな!」

「…瞳兄、これ見て。」
俺は瞳兄の方へ右腕を突き出し、ブラブラさせた。
「腕がどげんかしたね?」
「…さっき、チンチクリンちゃんが脈を測ろうとしたと。だけどうまく脈が取れんかったみたいで。」
「チンチクリン、何年この仕事をやってるんか!脈一つ取れんとは、本当に役立たずばい。」
「そしたら、入江先生が代わって、俺の脈を測ってくれたと。」
「何!?」
「入江先生の指、細くて綺麗だった…。優しくそっと俺の腕を…。」
最後まで言わないうちに、瞳兄が俺の右腕を掴んで、ペタペタと大事そうに触り始めた。
「ここを入江先生が…。」

「…もうよかね?」
あまりの気持ちの悪さに、俺は右腕を兄から振りほどいた。
「じゃ、“相撲”、買ってきてくれるね?」
「…しょうがない。」
よしよし。瞳兄を操るなど、お手のもんだ。
「茜。」
「何ね?」
「お前、これからずっと包帯交換も、脈も全て入江先生にやってもらえ。」
「えー!?そういうのって、チンチクリンちゃんの仕事やろ?」
「お前がチンチクリンじゃ心配だ、入江先生がいいと言い張れば、そうしてくれるやろ?」
「そんなこと、チンチクリンちゃんが可哀想で言えんよ。」
「チンチクリンに同情など必要ない!」
何でそこまでチンチクリンちゃんを嫌がるんだろう?
確かに脈も取れなくて大丈夫か、と思ったけれど、一生懸命だし、顔も結構可愛いと思うけどな。
最愛の入江先生の奥さんだから?しょうがないじゃん。入江先生がチンチクリンちゃんを好きなんだから。

「それから、これも買ってきてほしいんやけど。」
俺は瞳兄に一枚のメモを渡した。
「…顔のパック!?こげなもん、僕が普段使っているパックで我慢し!明日持ってきてやるから!」
「瞳兄。俺はモデルたい。いわば、この顔は大事な商売道具たい。商売道具を瞳兄が使っているような安物のパックでお手入れしたくなかよ。」
俺は自分の頬をさすりながら、瞳兄に言った。
「安物って…。僕が使っている物だって1万円はするんだぞ!」
「俺のは3万円たい。それ、銀座の○×デパートにしか置いてなかけん、頼むたい。」
「絶対嫌だ。」
しょうがないなあ。早くもこれの出番か。

俺は枕の下から、ある物を取り出し、それを指先に挟んで瞳兄の目の前でヒラヒラさせた。
「…今度は何ね?それ?」
「さっき、入江先生からもらった、入江先生のめ・い・し。」
「名刺!?」
ほうら、餌に食いついた。本当に入江先生のことを愛しているんだね、瞳兄。
「これあげるけん、頼むばい。」
「本当にくれるんだな?」
「九州男児に二言はなか。」
「分かった。今日、帰りに買ってくる。」
「代金も頼むね。」
「は!?」
「可愛い弟への見舞たい。」
とりあえず、入院中は瞳兄をパシリに使えそうだ…。
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コメント

水玉さん、いつもながら本当に面白いです!
入江君をえさに大蛇森先生をパシリに使うなんて茜君もなかなかやりますね^^
骨折理由にはかなり笑ってしまいました。
そしてやきもち入江君が見れてとても楽しいです♪どんな入院生活になるのか楽しみです!
入院生活編もありますよね?是非お願いします^^

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