FC2ブログ
2018年10月 / 09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

2009.04.07 (Tue)

天使と悪魔 3

ある日、琴子と薫は二人で病院の庭を散歩していた。

【More】

「寒くない?」
「大丈夫?琴子ちゃんは寒くない?」
「大丈夫よ。」
そんな会話をしつつ、琴子は「可愛いなあ」と薫を眺める。

あまり疲れさせても大変だと、琴子は薫をベンチに休ませた。
「ねえ。薫くん?」
琴子は今がチャンスかと思い、尋ねることにした。
「どうして、入江先生のことあんなに嫌いなの?」
「入江先生?」
薫が可愛らしく首をかしげた。
「…悪魔先生のことだけど。」
「ああ。そう言ってよ。」
「本当のお名前は入江先生っていうのよ。」
「入江悪魔っていうの?」
「…違うけど。」
どうしても悪魔にしたいんだな、これは手ごわいと琴子は思った。
「どうしてって…。嫌いなものは嫌いだから。」
薫は頬を膨らませて答えた。
「先生、薫くんに何かしたのかな?」
「…別に。」
何もしてないのかと琴子は内心安心した。
「じゃ、何で?先生、とっても腕が良くて、顔も良くて、頭も良くて、素敵でしょ?」
最後の方は琴子の主観が入っていることに、琴子は気づいていない。
「…琴子ちゃん。」
「なあに?」
「…人は見かけで決めてはいけないって、パパが言ってたよ。」
…5歳児にたしなめられる琴子。

「とにかく、嫌いなものは嫌いなの。あの先生も悪魔にしか僕は見えないの。もういい?」
「…うん。」
これ以上しつこくすると、薫の機嫌が悪くなりそうなので琴子は今は一時撤退することにした。
薫の様子を見ながら琴子は、
「もしかして、入江くんの後ろに悪魔の背後霊でも見えてるのかしら?」
と、心配になってきていた。

「と、いうわけで入江くん、一度お祓いしてもらった方がいいかも。」
その夜、琴子は自宅にて直樹に真剣な顔で話していた。
「馬鹿馬鹿しい。」
琴子の話を聞いた直樹が口にした言葉はその一言だった。
「何がお祓いだよ。すっげー非現実的。」
「だって、子供って大人に見えなかったものが見えたりするって言うでしょ?もしかしてそうなのかもよ?」
「5歳のガキの言葉を深読みしてどうすんだよ?」
「ガキガキって、だってそうでもなきゃあんなに毛嫌いする理由が…。」
「相性だろ?世の中には相性の悪い人間がいるんだよ。」
そう言い捨てて、直樹はベッドに入ってしまった。

真夜中。
琴子は隣に眠っている直樹を揺り起こした。
「入江くん…。」
気持ちよく眠っているところを起こされて、かなり不機嫌な声を直樹は出した。
「…何だよ?」
「…トイレついてきて。」
「はあ!?」
何を言い出すのかと、直樹は思った。
「怖いんだもん。」
「トイレはそこ出てすぐだろ?お前はいくつなんだ!?」
「だって、トイレのドアを開けて、悪魔がいっぱいいたらどうすればいいのよ?」
どうやら琴子は、自分で作り出した妄想に完全に怯えてしまったらしい。
「もしいっぱいいたら、みんなで手を繋いで、マイムマイムでも踊ってろ!朝まで!」
琴子の言葉に呆れて、直樹は叫んだ。
「…トイレから戻って、入江くんが悪魔になってたらどうすればいいの?」
琴子は泣きそうになっている。
直樹は呆れ果てて、起き上がった。そして琴子の体を引き寄せてキスをした。
「…?」
「あのガキが言うには、お前は天使なんだろ?天使のキスで俺から悪魔は追い出されたよ。」
直樹の言葉に、琴子は安心したらしい。
「そっか。」
「そう。」
琴子はベッドから飛び降りて、トイレに向かった。
その様子を見ながら直樹は、
「バーカ。」
と呟いた。

-------------------------------------------
☆あとがき
ラブラブな雰囲気、出てます?(←それだけが心配…)
あと、まだ先ですが3万HITがちょっと見えてきたので、キリ番リクもしありましたら…
前後賞ありで29999と30001の方と合わせて3名様…
もちろん無視してOKです!
関連記事
00:13  |  天使と悪魔  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |