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2009.04.07 (Tue)

天使と悪魔 2

部屋の扉が開くと、薫は今まで読んでいた絵本から目を離した。

【More】


「琴子ちゃん?」
が、すぐにブスッとした表情になった。
「…悪魔先生か。」
大嫌いな直樹の登場に、明らかに肩を落とした。
「…琴子ちゃんは?」
「今日は夕方から。」
直樹も傍の椅子に腰を下ろす。
「チェッ…。」
薫はそれを聞くと、布団の中へ潜った。が、すぐに起き上がった。
「ちょっと、これを持ってみて。」
薫はゴソゴソと何かを取り出し、直樹へ渡した。それは笛だった。
吹けとか言うんじゃないだろうなと直樹は思いつつ、笛を手にした。
すると、
「悪魔が来たりて笛を吹く~!」
と薫がはしゃいで、ケラケラ笑った。
笛を叩き割ってやろうかと直樹は一瞬思ったが、そこは大人として我慢した。
それにしても、どこでそんな言葉を覚えたのやら。

「あ、これあげるよ。」
診察が終わり、薫が1枚の画用紙を直樹に差し出した。
「たまには悪魔先生の顔も描いてあげたから。しょうがないし。」
別に描いてほしいなんて一言も言ってないが、これももしかしたら歩み寄るサインかもしれないと、直樹は受け取った。
「そっくりに描けたと思うんだ。」
薫はご機嫌だ。
「ありがとう。」
一応、直樹はお礼を言った。

「…で、これがその絵?」
琴子はその絵を見た途端、噴き出した。
「…すごいね。どこを見たら、これが入江くんの顔になるのかしら?」
直樹が受け取った絵には、とても直樹とは似ても似つかない顔が描かれていた。
口からは長い牙が生え、頭からは立派な二本の角が出ている。そして顔は青色に塗られている。
要は、悪魔というより、鬼の顔が描かれていた。
「これは入江くんの内面を表しているのかもね。」
思わず呟く琴子の頭を直樹は叩いた。
「痛い…八つ当たり。」
琴子は頭を撫でながら口を尖らせた。

「で、何でお前はまた俺の寝込みを襲いにきたわけ?」
ここは人があまり来ない仮眠室。
「ち、違う!今日は私がいなかったから入江くんは薫くんと仲良くできたかなと心配してたんだもん!」
「すっごく仲良くしてもらえたよ。」
「そうやってツンツンしてるから、嫌われるんじゃないの?」
琴子の嫌味に直樹がまた琴子の頭を叩いた。
「すぐに手を出す!傷物になったらどうしてくれるのよ!」
「…もうあちこち疵つけちゃったし。今更。」
直樹の言葉に琴子が枕をぶつけることで返事した。
そして、琴子は部屋を出て行ってしまった。

「しかし何でこんなに嫌われてるんだ…?」
薫の描いた絵を見ながら、直樹はポツリと呟いた。

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♪あとがき
1にたくさんのコメントありがとうございます!
み、皆さんに楽しんでいただけるものを書けるか自信ありませんが、頑張りますね^^
それから…
私、子供いないし、周囲にもいないので5歳のお子様がどういった感じなのか分かりません。
だからその辺は「子供いないんだから分からなくてしょうがないか」といった感じで読んでいただけるとうれしいです。

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