日々草子 牛丼小町に捧げる愛
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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最新記事

受験まで数か月。街はクリスマスに彩られているけれど、受験生にはクリスマスも正月もない。
「へい、らっしゃい!」
うん?女の声?しかも、結構若い声だ。この店、こんな若い女の人、働いていたっけ?
俺は高校受験を控えた身だ。塾へ行く途中にある、この牛丼屋は早い安いうまいの三拍子が揃っており、よく来る。だから店員さんの顔も大体覚えているが、この声に聞き覚えはなかった。 「ご注文は?」
カウンターに座った俺の前に、水を出しながらその声の主が尋ねた。
「牛丼。つゆだく。大盛り。」
「はいよ!牛丼、つゆだく、大盛り一丁!」
元気のいい女だな。いくつくらいだろう?大学生?いや、高校生にも見えるな。
俺はそんなことを思いつつ、鞄から英単語集を取り出し、目を通しながら牛丼を待っていた。

「へい、らっしゃい!」
数日後、俺はまた牛丼屋にいた。来週からは冬期講習が始まるから、毎日塾だ。塾は夜なので始まる前に何か食べないと、とても持たない。当分、ここへ来ることになりそうだ。
…しかし、よく馴染んでいるな。彼女。あんな若いのにファストフードとか、ファミレスとかで働くということは、考えなかったのかな?ちょっと変わっているのかもしれない。

「よ!牛丼小町!」
「らっしゃい、おじさん!」
…牛丼小町?そんなニックネームで呼ばれているんだ。牛丼はともかく、うん、確かに小町って感じかも。小町と言えば、小野小町という言葉が頭に浮かぶんだけど。あれ?小野小町の和歌って、どんなだったっけ?ああ、だめだ、受験生なのにしっかりしないと!後で国語の教科書を見て確認しておこう。

「少年、受験生?」
突然話しかけられて、俺は英単語集から目を上げた。目の前には牛丼小町が立っていた。
「う、うん…。」
突然話しかけられてびっくりしたし、年上の女の人と話したことがあまりないので緊張している。
「大変だね。いつもここで英単語覚えているよね?」
えっ、見られてたんだ…。やだな。こいつっていつも同じページしか見ていないとか思ってないかな。
「英語、苦手だから…。」
「あー、私もそう!英語苦手!って、他の教科も全部苦手なんだけどね。」
そう言うと、牛丼小町は笑った。
「…お姉さん、高校生?」
俺は思い切って疑問をぶつけてみた。
「うん!と、言っても、もうすぐ卒業だけどね。」
「え!?なら受験勉強で大変なんじゃないの?」
「この間まで大変だったけど、何とかエスカレーターで上の大学へ行けることになったから。」
エスカレーター式の高校かあ…。俺が目指しているのは公立だから、今頑張って高校へ入っても、三年後にはまた受験勉強だなあ。
「ふーん。」
その時、客が入ってきたので、牛丼小町はまたいつものように、
「へい、らっしゃい!」
と水を片手に接客へ戻った。

「へい、らっしゃい!」
今日も来てしまった。塾の同級生は毎日牛丼食ってて飽きないかと呆れているが、全然飽きない。
…それに、俺は別の目的ができて牛丼屋に通っていることに気づいていたんだ。

「少年、頑張ってる?」
「その少年って呼び方、止めてよ。お姉さん。」
「だって、名前知らないんだもん。」
牛丼小町と俺は、顔を合わせると簡単な会話をするようになっていた。この会話が結構俺は気に入っているんだ。受験勉強の気分転換にもなるし、何より牛丼小町の明るい顔を見ることは、結構楽しい。

「少年は部活とか何かやってたの?」
「サッカー。」
俺は中学の三年間、サッカー部だった。一応、レギュラー。サッカーは好きだし、できれば高校へ行っても続けたいな。
「へえ。じゃあ、将来はサッカー選手?」
「そんなに簡単になれないよ。」
サッカー部だったから、将来はサッカー選手って、単純なんだね、牛丼小町。
「でも、高校でも続けようとは思うけど。あ、受かったらの話だけどね。」
「いいじゃない!よっ、青春!」
何が青春だよ。牛丼小町、何か面白いね。
「でもさあ…。」
俺はつい、悩みを牛丼小町に話してしまった。
「俺、高校行って、サッカー以外にやりたいことないんだよね。大学は行きたいけれど、何ていうか、将来の夢がないというか…。」
「将来…。」
馬鹿だな、俺。こんなこと他人に話したってどうしようもないのに。見ろよ、牛丼小町だって困ってるじゃん。
「あ、ごめん。何でもないんだ。忘れて。」
俺は慌てて牛丼小町へ手を振る。本当に忘れて、牛丼小町。

「似たことを言っている人がいたな。」
「えっ!?」
俺は牛丼小町の言葉に驚いた。
「将来やりたいことがないって言っていた人がいてね。まあ私から見たら、その人はその気になれば、何でもできると思うんだけど。」
「その気…。」
誰だろう?その人って。

「少年、この間、おばあさんの荷物を持って、駅まで一緒に歩いていたでしょう?」
「え?」
牛丼小町の言うとおり、俺はこの間、大きな荷物を持っていたおばあさんに、駅までの道のりを訊かれ、荷物を持ってあげて案内した。まさか、見られていたなんて…!
「少年、優しいよね。」
恥ずかしい。それに、優しいなんて、当然のことをしたまでだ。俺はおばあちゃんっ子だから、お年寄りが気になるだけなんだ。
「その優しさが役に立つこととか、できたらいいね。」
俺と牛丼小町の会話は、そこでストップした。客が来て、また牛丼小町は注文取りに戻ったからだ。
「役に立つ…。」
牛丼小町の意外なアドバイスに、俺は驚いていた。

クリスマス直前になり、気がついたら牛丼小町は店に姿を見せなくなった。どうやら、元々短期のアルバイトだったらしい。塾へ行く楽しみがなくなって、俺はちょっぴり寂しかった。

牛丼小町の姿を偶然見かけたのは、初雪が降った日のことだった。
クリスマスプレゼントを買う客で賑わう店の中に、牛丼小町はいた。牛丼屋で見た姿とは違う、髪の毛を下ろして、年相応の格好をしている。…小町、結構髪の毛が長かったんだな。
俺は牛丼小町の肩を後ろから叩いた。
「あ、少年!」
「お姉さん、何してるの?」
見ると、牛丼小町の手にはラッピングの順番待ちの札が握られている。クリスマスプレゼントを買いに来たのかな…。誰にかな?
「エヘヘ…。プレゼント。」
嬉しそうに牛丼小町が微笑んだ。その顔を見て、俺は牛丼小町へ自分が恋をしていたことに初めて気づいたんだ。そして、同時にその恋が終わったことも…。
「ふーん…。何を?」
別に何を贈るのかなんてどうでもいいのに、俺はつい尋ねてしまった。
「…低周波治療器。」
そりゃまた、じじくさいクリスマスプレゼントで…。

「あ、そうだ!少年!」
牛丼小町が声を上げた。
「少年、名前は何ていうの?」
「えっ…俺…?」
鴨狩啓太と言おうとした瞬間、
「番号札23番でお待ちの方!」
というアナウンスが流れた。
「あっ、私だ!少年、ちょっと待ってて。」
牛丼小町は急いでカウンターの方へ向かった。
俺は牛丼小町がカウンターへ到着するのを見届けた後、店を後にした…。

「それが、アンタの初恋?」
幹が涙ぐみながら、俺に尋ねた。
「そういうことになるのかな?」
俺は幹とポーカーで負けて、罰ゲームとして初恋話をさせられていた。
「そんなに泣くほど…?」
「だって、中学生の高校生への淡い初恋…。しかもお互い名前も知らず、実らなかったんでしょう?」
「初恋は実らないっていうじゃん。」
そう、初恋は実らないもの。
「それにしても…アンタ。」
幹がマラカスだっけ?が落ちていないか、手鏡で確認しながら言った。
「初恋も、現実の恋も、相手が年上で実らないなんて、何て可哀想なのかしら!」
ほっとけ…!
「あら、雪ね。」
幹が窓の外へ目を向けた。本当だ、雪が降ってきた。初雪だ。

今年も、牛丼小町に出逢った季節がやってくる…。

あとがき
こちらを尊敬する、イタキスフレンズ様へ捧げます♪
某絵チャットにて、そのイタキスフレンズ様がポロリと口にされた話を、私がちゃっかりお願いして書かせていただきました。許可を下さって、ありがとうございます!フレンズ様!ですので、原案はフレンズ様です!
フレンズ様の頭の中には、この話よりもっと素敵な話が浮かばれているようなので、拝見できる日も近いと思います♪
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コメント

啓太ぁ~

水玉さんのお話はいつも最後にちゃんと落ちがあって
面白いです。
しかも牛丼小町!!ネーミングが気にいっちゃた♪

素敵な啓太のお話をありがとうございました!
最後の幹との会話とか、雪が降ってくるところで締めて、なんだか脳内アニメを一話見終えた気分になりました。
実際、目をつぶるとそのアニメが再生できます!

私の啓太初恋バナはあらすじのままですから、こちらで沢山萌えさせていただきます!!!

ありがとうございました!

初恋切ないですね♪
実は初恋も現実の恋も相手が琴子だったとは。。。。
そして、お互い鈍感だから気付いていないってところがすばらしいわ~
モトちゃんのマスカラを気にしている姿なんてもう想像ができて。。ウフッって感じです。
斗南大病院の人々のエピこれからも楽しみにしています♪

さすがです!

結局、啓太って琴子に2度失恋しちゃってんですね・・・うっ、不憫v-409
終わり方とか、すごくきれいにまとまっていてさすがです!水玉先生!!

タイミングがばっちりで・・・。

水玉さま。こんにちわ。KEIKOといいます。
何書サイトさんの方からもずっと水玉さんの作品を拝読しています。
先週の金曜のキッズステーションのアニメ放送が5話目で、まさにこの牛丼小町の時期でした。
あまりにもタイミングがばっちりで、私も完全にアニメ化してお話を拝読してしまいました。
啓太って本当に琴子が好みのタイプなんですね・・・。
秋子ちゃんと幸せになって欲しいですね。ううっ(涙)
大蛇森シリーズも腹抱えて楽しんでいます。
これからも楽しみにしています。

こんにちは。
啓太って2度も琴子に失恋してしまうのね…それも入江くんによって!!
ゆみのすけさんも言ってましたが、啓太も琴子も鈍感だから気づいていないところがgoodです。
次のお話も楽しみにしています♪

感想ありがとうございます。

さあやさん>書いていても、「小町」って結構ゴロがいいなあと思っていました!琴子に牛丼小町と名付けたおじさん、good job!でも、啓太目線はやっぱり難しいです~。

えまさん>アニメなんて…。過分すぎるお言葉ありがとうございます!えまさんのイラストが私の脳内から離れません。

ゆみのすけさん>モトちゃんは、絶対泣いた後マスカラを気にすると思って書いてみました。そして、啓太は絶対マスカラという言葉をうろ覚えだろうと…。

かりんさん>先生とかやめてください(照)!最近、大蛇森ばかり書いていて、ラブストーリーが書けなくなったかもと心配していたので、ほめていただけて嬉しいです!

KEIKOさん>はじめまして!足を運んでいただいて、ありがとうございます。大蛇森シリーズまで目を通していただいて…。これからもよろしくお願いします。

chieさん>名前も何も聞かないところが2人らしいかなと思って。それに、高校から大学って女性ならメイクを始めたりして結構見た目も変わりますしね!

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