日々草子 Daddy’s song
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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Daddy’s song



イタズラなkiss期間2019

まず始めに今回の台風で被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
私の住んでいる所も台風ルートでしたが幸いにも無事でした。
今回はニュース等で色々言われていて、事前の準備が必要なのはもちろんですが、煽られ過ぎて恐怖が増していく思いもしました。
穏やかな日常が少しでも戻ってきますように…。

☆☆☆☆☆








「…まさか、息子と孫の裸を覗こうって気色の悪いことをしているわけじゃないよね。」
バスルームに続く洗面所のドアを少し開けて耳を傾けている母親を見つけた裕樹は、冷めた目を向けた。
「やだ、人聞きの悪いことを…って、静かに。」
紀子は反論しかけたのを止め、唇に人差し指を当てた。そして、裕樹も耳を近づけるよう招く。
「何だよ…ん?」
「聞こえるでしょ?」
確かに聞こえる。

「かーえるのうーたがーきこえてくーるよ~。」
「かーえるのうーたがーきこえてくーるよ~。」
可愛い声に続いて、輪唱をしているその声ははっきりと二人の耳に聞こえてきた。
「…ケケケケケケケケ…クワクワクワ。」
「…ケケケケケケケケ…クワクワクワ。」
「パパもう一回歌う~。」
「じゃあ、次はパパからな。かーえるのうーたがー…。」

「お兄ちゃんがあんな子供の歌を歌うとは。」
「いやあ、お兄ちゃんも人間だったんだなあ。」
紀子と裕樹はしみじみと呟いた。
「子供ができると人は変わるとは聞くけれど、あんなに変わるものなのねえ。」
「親になるってすごいなあ。」
「あのう…。」
二人が感動しているところに、上がってくる真樹を迎えるためにバスタオルを手にした琴子が,困ったように声をかけた。

「初めてまーくんがこの家に来た時に、子守歌を歌っているのは聞いたのよね。」
「そうそう、それも驚いた。お兄ちゃん、子守歌なんて知ってるんだなって。」
一度リビングに引き上げた三人が、話をしていた。
「それ、まーくんに聞きました。入江くんが歌ってくれたことにすごく驚いて。」
その頃は真樹が自分の息子だなんて気づいていたのかと思う琴子だった。
「裕樹にも同じようにしたけれど、お兄ちゃんにも小さい頃は歌ってあげたのよ。覚えていてくれたのかしらねえ。」
「きっとそうです。今でも時々歌ってくれますよ。」
「えっ!?」
裕樹と紀子が琴子を驚いた目で見つめた。
「そ、そんなに驚くことですか…。」
「驚くわよ、そりゃあ。」
「そんな頻繁に歌ってるんだ?」
「頻繁というか…お風呂に入っている時とか、くつろいでいる時とか。まーくんが幼稚園で覚えた歌をまず披露してくれるんです。大体それは私たちも小さい頃習った歌だから歌えるので一緒に。」
「ほう…。」
腕を組み、裕樹が目を閉じた。
「あのお兄ちゃんがねえ。」
「ああ、琴子ちゃんとまーくんはお兄ちゃんを真人間にしてくれたのねえ。足を向けて寝られないわ。」
「いや、そんな人間ですよ、入江くんも。」
二人の口ぶりに、琴子はたじろぐ。

「ママー、まーくん上がったのにいなかった。」
「ああ、ごめんなさい!」
はだかんぼうの真樹がリビングに姿を見せると、琴子が慌ててバスタオルでその体を包んだのだった。



翌日。
真樹はおやつのプリンをおいしそうに頬張っていた。それを紀子と裕樹がまた目を細めて見つめる。ちなみに琴子は買物に出ていた。

「ねえ、まーくん。昨日パパとお風呂でお歌歌ってたわねえ。」
「うん。」
「他にどんなお歌歌うの?パパと一緒に。」
普段どんな父親の顔をしているのか、紀子も裕樹も興味津々なのである。
「ええとねえ。かえるの歌でしょ?チューリップでしょ?ぶんぶんぶんでしょ?」
「うん、うん。」
「あと…ドムドム。」
「ドムドム?」
「ドナドナじゃなくて?」
「ドムドム」とはどのような歌なのか。「ドナドナの間違いではなかろうか。」
「ドナドナドーナ…ってお歌?」
「子牛売るお歌じゃないのか?真樹?」
「子牛売るお歌なんて、まーくん知らない。子牛、売っちゃうの?」
たちまち真樹の目が悲しみに染まる。
「いや、売らないよ。」
慌てて裕樹が手を振って否定した。
「そもそも、幼稚園でそんな悲しい歌習わないか。」
「ドムドムってどんなお歌?」
「パパが教えてくれたの。」
プリンに乗ったホイップクリームの先をちょこんとスプーンですくってなめながら、真樹は答えた。
「ドムドムベーラ~ファイヤーファイヤー。」
真樹は一節を歌ってくれた。
「僕は知らないなあ。」
「私も知らないわねえ。」
自分たちは概して一般の子供時代を送ったと思っているが、一般じゃな子供時代を送った直樹しか知らない歌なのだろうか。
「ドムドムベーラ~。」
そこがどうやら真樹のお気に入りらしい。今度はホイップとプリンを一緒にすくってぱくっと真樹は頬張った。

「このお歌、ママも知ってるの。」
「ママも?」
一般の中の一般、入江家にまともな風を入れてくれたと思われる琴子も知っているとは。
「うん、ママ、このお歌ファックスしたってパパが言ってた。」
次はホイップを少々多めにすくって、真樹はスプーンを口に運ぶ。
「ママが歌をファックス…?」
紀子は首を傾げる。

「もしかして、お兄ちゃんの作詞作曲なのかなあ?」
裕樹が紀子に囁いた。
「子供ができると親って歌作ったりするじゃん?」
「まあ、するけれど。でもドムドムだのファイヤーだの、なんか意味不明よね。」
「それを琴子が聞き取って、ファックスしたんだよ。」
「どこに?」
「…レコード会社?」
「…それって、この歌でお兄ちゃんがデビューを目論んでいるってこと?」
ドムドムファイヤーで直樹が歌手デビューを?

「だったら録音したものを送るんじゃなくて?」
「まあ、そうだけど。お兄ちゃんは普通とは違う方法でデビュー計画を立てているんじゃない?」
「それがファックス?琴子ちゃんにやらせてるの?」
この変な歌を書かせられ、そしてファックスさせられている琴子の姿を想像すると紀子は気の毒になった。

「お医者さんっていう立派なお仕事があるのに?」
「いや、医者で歌手デビューしている人いるじゃん、GRee●eNとかメンバーが歯医者だって。」
「帰って来たヨッパライの人とかね。」
珍しいことじゃないような、珍しいような。しかし、そういう二足のわらじを履こうという人々は、ずっと音楽をやってきたものじゃないだろうか。
「お兄ちゃんがギター弾いてた記憶ないしね。」
「ピアノは少しやっていたけれど。」
「特定のアーティストを追いかけていた形跡もないし。」

と、そこまで話したところで二人は視線を感じた。
いつの間にかプリンを食べ終えた真樹が、じっとこちらを見つめている。
「…パパのお歌、何か変なの?」
「全然!!」
紀子はキッチンへ飛んでいき、そして飛んで帰ってきた。
「まーくん、おばあちゃんクッキーも焼いたんだったわ。食べるでしょ?」
「食べる!!」
たちまち真樹の意識はクッキーへ飛んだ。

「ねえ、まーくん。」
おやつをしっかりと食べ終え、チビに医学書を読み聞かせていた真樹の側に紀子と裕樹は座った。
「なあに?」
「さっきのパパのお歌なんだけど、他に覚えていることってある?」
直樹が本気で歌手をめざしているとは信じていないが、まさかということもある。親になってそんなに人生変わるものなのか。
「うーんとねえ。」
真樹は目を閉じて思い出そうとする。その様子をチビが心配そうに見つめる。紀子と裕樹もドキドキしながら見つめる。

「…おじいちゃんも知ってるみたい。」
「どっちの!?」
「おもちゃのおじいちゃん。」
「親父!?」
またもや顔を見合わせる紀子と裕樹であった。重樹が知っているとは!

「分かった。お兄ちゃんが琴子にファックスをさせていた先は親父だ。」
「どうしてパパが?」
「親父のコネでデビューしようとしてるんだよ。」
「はあ?パパ、そんなコネあるの?」
重樹が経営しているのはおもちゃの会社である。レコード会社ではない。
「パパにそんな流行の先端のような知り合いいないわよ。」
ある意味失礼なことを紀子は平気な顔で口にする。
「あれじゃん?パンダイがスポンサーをしているテレビ局のえらい人に紹介してくれってやつ。」
「ああ、そこから!」
しかし、直樹が最初からコネを使おうとするだろうか。それは二人も疑問だった。

「パパのお歌、聞かせてあげようか?」
ごにょごにょ話している祖母と叔父に、真樹が声をかけた。
「ぜひ!!」
どんな歌を直樹は作ったのか。

「あーあー。」
一人前に真樹は発声練習をした。
「こういうとこ、琴子そっくりだよな。」
形から入る所はしっかりと母親から受け継がれているらしい。
「チビごめんね。ちょっとお勉強待っててね。」
チビはチビで、臓器のリアルな写真を見せ続けられていたのでホッとした顔で「ワン!」と声を上げた。そのチビを真樹は撫で撫でした。
そして真樹は立ち上がるとペコリとお辞儀をした。顔を上げるとじっと二人を見つめる。
「あっ。」
気づいた二人はパチパチパチと盛大な拍手をした。満足してにっこりと笑った真樹は口を開いた。

「ゴッドレンジャ~ゴッドレンジャ~。」

「あれ?どこかで聞いたような?」
裕樹はそれに聞き覚えがあった。
「空に広がる黒い影~ドムドムベーラを倒すため~。」
「あら?なんか聞いたことあるわね。」
紀子も思い出しつつあった。
「ファイヤーファイヤ~ベガサスファイヤ~!」

真樹の張り上げる声、そしてその背後に裕樹は見つけた。
「あれか!!」
リビングに飾られているものを裕樹は手に取った。
「天空神ゴッドペガサス!!」
それは直樹と琴子がかつて、重樹の会社で企画したおもちゃだった。mそして歌は、その番組の主題歌だったのである。

「パパが歌うとママも一緒に歌うの。ママが歌うとパパが一緒に歌うの。パパとママの歌を何回も聞いたから、まーくん覚えちゃった!!」

なんてことはない。直樹が歌手をめざしたわけでもなく、コネを使おうとしていたわけではない。
直樹と琴子は二人の思い出の歌を歌っていただけだった(後日、直樹に確認したところ、琴子がパンダイでファックスやコピーをしながら歌っていたらしい)。



「ゴッドレンジャ~ゴッドレンジャ~。」
「空に広がる黒い影~。」

今日もバスルームから直樹と真樹の歌声が聞こえる。

「ドムドムベーラを倒すため~。」
バスタオルを持って真樹を待っている琴子も合わせる。
「ファイヤーファイヤ~ペガサスファイヤ~!」
三人の楽しそうに歌う声が、一体になった。
そして、それをこっそりとドアの側で聞いているのは紀子と裕樹、重樹と重雄も加わるのである。
「パパもう一回!」
「ようし。」
「そろそろ上がらないと、のぼせちゃうわよ。」
「もう一回歌ったら上がる~。」
「しょうがないんだから。」

そして歌い始める三人は幸せそのもの。それを見守る外の四人も三人に負けないほど、幸せな顔をしているのだった。



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私の、好きなマー君シリーズですね、入江君琴子ちゃん、いかにも幸せな感じが好きですv-10

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