日々草子 Horse&Deer
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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イタズラなkiss期間2019


お祭りが始まりましたね。今年はテーマが難しく(いつも難しいのだけれど)、色々悩んでおります。
とりあえず、このようなお話ができたのでアップをば。


☆☆☆☆☆






斗南大病院にて病院案内に加え、採用案内として各診療部門、病棟別に動画が作成されることになった。
「少しでもいい人材に来てもらおうということよね。」
桔梗幹はカンファレンス室で一人頷いていた。彼、いや彼女は外科病棟の看護師を代表して企画演出撮影…要するに全てを担当することになっていた。
「あ、桔梗くんがパートナーかあ。」
カンファレンス室に入って来たのは西垣だった。
「ということは、医者代表は西垣先生ですね?」
「そういうこと。よろしくね。」
西垣は桔梗の前に腰を下ろした。この二人で外科病棟の動画を作成するということである。

「看護師の出演者は?全員で踊るとか?」
「まさか。そんなことやったら師長と清水主任に殺されますよ。くじ引きです、くじ引き。」
全員に密着する余裕などない。忙しい日常勤務の合間をぬっての撮影である。一人に朝から晩まで密着した方が入職試験の参考になると幹は思った。
「へえ、医者もくじ引きにしたんだよ。」
「え?そうなんですか?」
「うん。でもこっちは二人くらいにお願いするけど。ほら、外科といっても胸部外科とか消化器外科とか色々あるし。」
「ああ、確かに。いろいろな科の先生がでてくれた方が医大生の参考になりそうですよね。」
「そうそう。」
意外とちゃんと考えている二人であった。
「誰が当選するかですよね。入江先生とかがいいなあ。」
「ええ、つまらなくない?」
「そんなこと言って、西垣先生もちゃっかり出演する気なんでしょ?」
「画面に華を添える必要があるしさあ。」
と、話していると、この二人の声より大きな声が外から聞こえてきた。

「…な、なんか嫌な予感が…。」
「あの声は…。」
幹と西垣は顔を見合わせた。多分、お互いが考えていることは一緒だ。

「ちょっと!!勝手に先に入らないで下さいよ!」
「君が出て行きたまえ!」
「入江くん、なんとか言ってよ!」
「うるさい。」

カンファレンス室に登場した、選ばれし出演者の三人は入江琴子、入江直樹、大蛇森。

――この企画、もう終わった!!

幹と西垣は両手で顔を覆った。



一週間後、幹と西垣は再び顔を合わせていた。間にはパソコンが置かれている。

「…やばいですね、これ。」
「ちょっと完成度高すぎないかい?」
二人は動画を数本、見終えたばかりであった。

「救命はずるいよね。もう存在がドラマだもん。」
「普通にカメラ回しているだけで、ドキュメンタリーに仕上がるしさ。」
「密着ドクター24時って感じ。」
「小児病棟もいい出来ですよ。」
「困った時は子供と動物に頼れとはよく言ったもんだよ。」
「ハートフルな仕上がりであたし、涙出そう。」

すでに出来上がった科の動画を二人は参考になればと見ていた。が、参考どころか二人のやる気を奪うものであった。

「い、一応うちも見ようか。」
「そうですね…お互い頑張って撮って来たことですし。」
幹は震える指でパソコンを操作した。

『…朝は申し送りの後に担当の患者さんへ挨拶に行きます。』
パッと琴子の笑顔が画面に出てきた。
「お、いいじゃん。琴子ちゃん、可愛いね。いけてるじゃん。」
西垣が相好を崩す。
『バイタルチェックは大事な仕事です。これをきちんと…あれ?あれれ?』
画面の中の琴子はカートの中をあちこちかき回す。
『ああ、琴子。そんなにかき回したら…。』
幹の声がしたと思ったら、ガシャーンと派手な音と共に物品が落ちた。
『いけなーい、あれ?血圧計はどこに…あたしのボールペンは?』
『ボールペンならあたしの貸すわよ。』
『ありがと、モトちゃん…。』
『入江さん!今の音はなあに!?』
『清水主任、すみません!何でもありません!』
『何でもないわけないでしょう…。』
『今すぐ片付けます…ああっ!!』
片付けようとすると、ますます琴子の周りが散らかっていく。
『看護師さん、大丈夫?』
通りすがりの患者が数名、見かねて手伝い始める。
『ああ、皆さん、すみません。』
『なんか毎朝のことだから慣れちゃったよ。』
『すみません、本当にすみません…。』
『入江さん!あなたは患者さんに何をさせているの!!』
『ああ、主任!!』


「…琴子ちゃんらしいといえばらしいね。」
「ハハハ」と渇いた笑い声を西垣は立てた。
「西垣先生の方も見ますよ。」
幹は溜息をつきながら、クリックした。



『え?もうカメラ回ってるの?』
『大蛇森先生、自然にしていて良いですから。』
場所は医局らしい。大蛇森のアップに思わず二人はのけぞった。
『あ、西垣先生。こっち、こっちからお願い。』
『こっち?』
『僕は右から撮ってもらった方がいいんだ。そっちの方がいい顔だから。』
『はあ…。』

「素直に従うんですね、先生。」
「機嫌取っておかないとさあ。」

『さて、脳神経外科医の一日を紹介したいと思います。あ、早速スケジュールの確認ですね。』
西垣がそれらしくナレーションを入れているようである。カメラの中の大蛇森は、スケジュール表を広げた。

『今日は忙しいなあ。』
『そうなんですか?』
『とりあえず、山場は17時かな?』
『17時?』
『手術が終わるのそのくらいでしょ?』
『あれ?大蛇森先生も今日手術入ってますか?実は僕も…。』
『うん、入江先生と一緒でしょ?それを言ってるの。』
『それ?』
『んもう!だから、君と入江先生、手術が午後に入ってるでしょ?終わるの17時頃だよね?その頃にシャワータイムだよね?』
『予定通りでしたら…。』
『その頃に僕もシャワールームに行けば入江先生の裸体を拝め…。』

ブツッ!!とそこで撮影は強制終了となっていた。


「…これ公開したらまずいでしょ。」
「まずすぎでしょ。大炎上でしょ。」
西垣の判断は適切だったと幹は思った。

「い、入江先生ならこの二人よりずっとまともな…。」
幹は藁にもすがる思いでクリックした。


『入江、よろしく頼むね。はい、いい顔してねえ。』

「のっけから子供扱いですか。」
幹はギロリと西垣を睨んだ。

『アホらしい。』
画面の中の直樹はカメラから顔をそらした。それをしつこく追いかける西垣。完全に面白がっているとしか思えない。

『入江、なんかさ、医者らしいことしてよ。』
『くだらない。』
『そんなこと言わずにさあ。』
『医者らしい…ああ、そうだ。』
直樹は机の上にドサッと書類を置いた。
『これ、西垣先生に渡しておいてくれって頼まれた書類。』
『げっ!忘れてた!』
『これも、これも期限切れてるってナースも事務もカンカンでしたよ。』
『そうだった…やばい。ねえ、入江くん、ちょっとお手伝い…。』
『お断りします。』
『だってこれ一人じゃもうできない量…。』
『女と遊んでいる暇があったらできたでしょう。』
『そこをなんとか…。』
『失礼します、医事課ですけど西垣先生は…あ、いた!!』
『な、何!?』 
『西垣先生、お貸ししていた資料返却お願いします。あとこれとこれ、記入漏れです。』
『ちょ、ちょっと待って。僕そんなに…。』
『失礼します。西垣先生、手術室のマスミとも付き合ってるって本当?』
『君は検査室のシオリちゃん…って、何で今それを!?』
『失礼します。西垣先生、診断書まだですか!』
『西垣先生、資料返して!!』
『西垣先生、マスミと私、どっちと!』
『入江、助けてえ!!!』
『失礼します。』

冷酷な言葉を最後に、撮影は終了していた。


「…スタッフの協力体制バッチリってアピールできないね、これ。」
「西垣先生のふしだらな生活をアピールしてるだけじゃないですか。」
まだ大蛇森の裸体発言がマシではないかと幹は思った。
「これじゃ、笑ってはいけない外科病棟シリーズですよ。」
救命と小児科と何という違いだろうか。しかし、一週間かけてましだと思った撮影が、この三つだった。

「どうだろう。動画内の順番さ、うちの病棟を一番先にするってのは。」
「これを見た段階で全ての人は画面閉じますよ。」
「じゃあ、真ん中は?いい作品といい作品にサンドイッチ。」
「同じことでしょ。」
「ラストにしてもらったら…。」
「他の科から苦情が出るでしょうね。病院内大炎上。」
西垣の案はどうしようもないなと幹は呆れた。が、これ以上にいいものが果たして撮れるのだろうか。いや無理だろう。
やはりあの三人だから…じゃあどうするのか。締め切りも迫っている。

「そうだ!奥の手を使おうよ!」
古典的に西垣が手を叩いた。
「奥の手?看護師全員水着で廊下を闊歩するっていうのはナシですよ。」
「僕だってコンプライアンスというものは理解してるよ。」
「どうだか」と桔梗は冷めた目で西垣を見た。絶対ろくな奥の手ではない。
「あのさあ…。」
西垣が桔梗にその「奥の手」を話し始めた…。



「…まさか西垣先生がまともなアイディアを出すとは。」
完成作品を見終えた幹は信じられないとばかりに、何度も首を振った。
「失礼だな。僕だってやる時はやるんだよ。」
「今回はいいアイディアだったと認めます。」
「でしょ?でしょ?」
西垣が誇らしげに胸をそらす。

出来上がった動画はというと、それは登場人物が言葉を発しないものであった。いや、正確に言うと,声をすべてカットしたのである。そこにBGMを流しただけであった。

「しかし、すごいですね。米津●師。」
「米津流しておけば、何でも感動ドキュメンタリー風に仕上がるもんだよね。」

画面では琴子が早足で歩いている。その目は真剣そのもの。何か緊急のことが起きたのかと思わせる仕上がり。

「これって、琴子ちゃんどこに行ってるの?」
「忘れてきた薬を取りに向かっているんです。」

そこに流れる歌。

「大蛇森先生、真剣な顔でパソコン見てますね。出来上がった画像?」
「そう。入江の隠し撮り写真ね。粗いところとかブレがないかチェックしてる顔。」

患者の症状と向き合う(ように見える)、真剣な脳神経外科医がそこにいた。

そして歌のサビがバーンと入る。

「いやあ、入江先生が西垣先生と真剣に打ち合わせしてますよ。これ、本当は?」
「学会の資料作りを頼むことになって、細かいことを色々。」
「嘘でしょ。」
「ばれた?学会のおいしいお店リストを渡しているところ。」

声はまったく聞こえていないので、二人の医師が真剣な打ち合わせをしているようにしか見えない。

「あ、入江と琴子ちゃん、夫婦で仕事してる。」

切り替わった画面では夫婦が並んで歩いている。その顔も真剣である。ドクターとナースが患者について話し合っているようにしか見えない。

「これは増税前に琴子がワンピースをおねだりしているのを、入江先生が却下しているところです。」
「ワンピースくらい僕が買ってあげるのに。」
「そんなことしたら、入江先生から跳び蹴り食らいますよ。」


とにかく、声を全てカットすること、歌の力でドキュメンタリー風の動画が完成したのである。

「バラエティ番組で歌が流れると、くだらなくてもドキュメンタリーぽくなるんだなって気づいてさ。」
「くだらない先生の生活も役に立つんですねえ。」

とうことで、何とか外科病棟の動画は完成したのだった。


後日。

「…評判はいいんですけれど、イメージってあるんですね。」
幹が溜息をついていた。
「まあ、ね。」
西垣も溜息をつく。

二人の涙ぐましい努力の甲斐あって、外科病棟の動画は評判がよく感想も寄せられていた。

「『あのモミアゲの人は裏切るんですよね!』って、大蛇森先生のことだよね?」
「こっちは『あの看護師さんはボーッとしているようだけど、病院の重大な秘密を握っているんでしょ?それをイケメン医者に教えているんですよね?』って来てます。」
「『メガネはイケメンの唯一の味方だけど、僻地に飛ばされる気の毒な人でしょ?』って、余計なお世話だよ!!」

歌のためか、ドラマと勘違いされているようである…。

「『イケメン先生がこの病院を救ったんですね。すごいですね!!』何で入江がそうなるのさ!!」
「『斗南大病院がつぶれかけていたなんて知りませんでした!立ち直ってよかった!!』…つぶれかけてないってばあ!!」

他にも「原作を読みたいので教えて欲しい」「モミアゲはどこへ左遷されたのか」「あのイケメンは院長になったんでしょう」「実はあの看護師はでかい組織のスパイだった」とか、そういう感想が目立つ。

「この感想は二人の胸にしまっておこうよ。」
「…ですね。」

何はともあれ、イメージ降下もなく大炎上もなく、幹と西垣は胸をなで下ろしたのだった。



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りょうママさん、ありがとうございます。

イタキス月間ということで、色々考えているのですがまずこれをと。
そうそう、私も紀子ママの力を借りるということは考えたのですがたまには西垣先生にいいところを見せてもらおうかと。
私がこの歌が主題歌のドラマをずっと見ていたということもあるのですが。
でも実際にバラエティでこの歌が使われていて、するとすごいくだらない場面なのにドキュメンタリー風に仕上がって。
これを使おうと思った次第です!

マロンさん、ありがとうございます。

この三人がそろったらそりゃあ「終わった!」となるでしょう(笑)
ある意味強運を持った二人といいましょうか。
琴子ちゃんの動画は看護師志望の人に勇気をあたえそうな。診察を希望する人は避けるかもしれませんけれど(笑)
大蛇森は本当、セクハラとしかいいようがない。流したらYAHOOトピックスに間違いなく上がりそうな(笑)
米津とプロフェッショナルのテーマとどちらにしようか迷ったのですが、とりあえずこちらに。
本当、この二曲流すとたとえキャベツ炒めているだけでも自分がすごいプロジェクトを手がけているかのような気分になりますよ!

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