日々草子 ショーは再び…
FC2ブログ

プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

現在の御訪問者

現在の閲覧者数:

御訪問ありがとうございます

このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

ショーは再び…

ご無沙汰しております。
毎日暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
コメントのお返事も更新も滞ってしまい申し訳ありませんでした。
先月の某番組を見た!という方はピンとくる内容となっております。

☆☆☆☆☆


猛暑のとある日、俺と桔梗は琴子に呼ばれ病院のカンファレンス室にいた。

「…何で俺まで呼ばれるんだ?」
「まあまあ、第三者である入江くんの意見をぜひ聞きたいと思ってね。あ、モトちゃんはほら、お手伝いを今回もお願いしようと。」
「また、あれを出すのね…。」
桔梗は深い溜息をついた。そう、「あれ」がまた出番を迎えようとしている。

「では本題に入ります!」
琴子がパンと手を叩いた。
「ええと、8月ということで“とんにゃんくん”のイベントを小児病棟で行おうと思っております!」
そう、あの得体の知れない、猛暑の中の会議で参加者が頭が朦朧としている中に決定されてしまった「あれ」である。

「異議あり!」
俺はすかさず手を上げた。
「はい、入江先生。」
「医師としてこの猛暑の中、着ぐるみを着せることは許可できない!」
俺は桔梗を睨みながら言った。桔梗は琴子にばれぬよう首をすくめる。桔梗の口車に乗って、あの、頭がブタで体がネコという得体の知れない着ぐるみの中に入ってしまったのは俺なのだから!

「異議を却下します。」
「何だと?」
琴子は人差し指を左右に揺らしてニヤリと笑った。
「その件は私も看護師の端くれとして考えています。」
「何を?」
「着ぐるみの中に送風機を入れることになりました!」
「どこからその予算を!?」
俺と桔梗はそろって声を上げた。予算が足りないが口癖のこの病院の、どこにその予算が!?
「まず、このイベントのコンセプトを私がじっくりと説明したの。世間は夏休み、病院で夏を過ごす子供たちの気持ちが少しでも明るくなるイベントが必要だと!」
「まあ、それは同意するわね。」
桔梗が頷いた。確かに俺もそれに異論はない。
「で、そのためには斗南大病院のキャラクターである“とんにゃんくん”の出番だと!しかし、いくら冷房が利いている院内とはいえ着ぐるみは暑い、熱中症になる!でも子供は着ぐるみが大好き!着ぐるみに送風機を仕込みたいと主張したわけよ!」
言っていることに間違いはない。
「でもさ、病院のお偉方ってシブチンでねえ。着ぐるみを出さなければいいだろうとか、最近の子はそんなもんで誤魔化されないだろうとか、自分で動かないくせに文句ばかり。」
目に見えるようだぜ、その光景。
「着ぐるみの中の人が熱中症で倒れてもいいんですね!病院が熱中症患者を出したと!私は看護師として意見を言ったのに聞き入れられませんでしたとマスコミに暴露してやると言ったら、分かった、分かったって。」
ああ、こいつって人を脅すの得意だよな…。その昔、俺もそうやって脅されて…今がある。

「ということで、送風機をふんだんに仕込んだ着ぐるみ、十分な水分補給、短時間のパフォーマンスということでこのイベントが実施されることになりました!ということでモトちゃん、着ぐるみの中の人に連絡お願いね。」
琴子はビシッと桔梗を見た。
「え?あ、ああ…そっか。ええ、そうね。」
桔梗は横目で俺を見ながらうろたえる。
「もう、しっかりしてよ。モトちゃんが唯一の中の人との連絡係なんだから。」
「はあい。」
中の人、ここにいるけど?
「で、でも…この猛暑でしょ?中の人、大丈夫かしら…ね?」
俺に睨み返された桔梗がオドオドと聞く。
「大丈夫よ。」
「何でそう言えるんだ?」
「だって、すごい人なのよ?中の人!」
「は?」
いや、お前、中の人知らねえだろうが。
「だって、千葉と大阪の有名テーマパークのダンサー出身よ?」
「はあ!?」
またもや、俺と桔梗は同時に声を発した。いや、これが発せずにいられようか。
「千葉、大阪のテーマパークのダンサーを経て、何代目なんちゃらのオーディションで外見を理由に落とされちゃって、それでもめげずに頑張っているんだよ!」
何、その公式プロフィール!!
「傷ついた彼は、人間は外見じゃない、中身を磨くんだということで病院ボランティアをしてくれているのよね…。」
ディスってるのか褒めてるのか、どっちだ。

「私も見習って、いつか国際ボランティアをしようと思ってるんだ。もちろん、看護師としてね!」
「お前が海外に出て行ったらパンデミック間違いないな。」
「英語もスキルアップしないと。」
「お前、俺たちの日本語もリスニングできないくせに国際とかどの口がほざく!」
「まあまあ、とりあえずイベント内容に話を進めましょうよ!」
俺の怒りが爆発しないうちにと、桔梗が話を変えようとする。
「そうね。あ、ちょっと待ってて。小道具持ってくるから。」
琴子は部屋から出て行った。

「…何だよ、あの妄想は!」
「それだけ前回のとんにゃんくんのパフォーマンスが良かったってことですよ。」
「こないだも散々だったよな。変な所引っ張ろうとするし。」
「子供ってそんなもんですよ。それだけ元気があるというのは喜ばしいじゃありませんか。」
「まあ、そうとも言えるけど。それより、小道具って何だろう?」
「あれじゃないですか?ネズミの耳。」
「おいおい、ブタの耳があるのにネズミの耳つけて、体がネコってギャグすぎるだろ。」
「それつけて、ダンス踊るくらいでしょう。」
「だったら何とかなるか。」

そんな他愛もない会話をほのぼのとしていた俺たちだった。しかし――。

「お待たせ!」
戻った琴子が手にしていたものは…。
「…バチ?」
木製の棒を2本、琴子はテーブルに置いた。太鼓のバチだな。
「やっぱ祭りといったら、太鼓じゃない?」
「はあ。」
「そこで、とんにゃんくんには腹筋太鼓をしてもらおうと思います!」
「…!!」
俺は桔梗の顔を見た。桔梗は口をこれ以上開かんだろうとばかりにあんぐりと開けている。いや、俺もそうしたい。というか心の口はパックリと開いている。
―― ネズミの耳つけてダンスの方がましだった!!

「な、何だ、それ?」
何となく想像はつくが、一応聞いてみる。
「腹筋太鼓よ、腹筋太鼓。仰向けに寝て、腹筋しながら太鼓叩くの!」
琴子はバチを握って宙を打ち始める。
「あ、あれ…琴子…あんた、見たの?」
え!?桔梗、知ってるのか!!
「あ、やっぱりモトちゃんも見た?うん、うん。モトちゃんは見てると思ったのよねえ。若い男の子たちの裸体好きだものねえ。」
うん、うんと頷く琴子。まあ、桔梗の好みは想像つく。見たとか若い男の裸体とかから察するに、テレビでどこぞのアイドルがやってたのか。
「ただ太鼓叩くだけじゃ芸がないじゃない?」
「無理だろ、絶対に!!」
できるか、そんなもんが!!
「大丈夫よ、別に入江くんにしろって言ってるわけじゃないし。」
いや、俺にしろって言ってるんだよ!
「中身はさっきも言った通り、シルク・ドゥ・ソレイユから千葉、関西のテーマパークのダンサー、そして何代目のオーディション落選って経歴の人だもん!」
「何かプロフィールが一つ増えてるぞ。」
どんなマッチョをお前は想像してるんだ。
「とにかく却下だ。」
「えー。」
ブーブーと文句を言う琴子。
「琴子…やっぱ、ここは病院だから。」
現実に戻って来た桔梗がとりなしてくれる。
「病院で太鼓はまずいわよ。」
「ああ、そうだったわね。そっか、ここ病院だったか。」
お前は自分の職場も忘れているのか。
「じゃ、太鼓はあきらめるか…。」
動かしていたバチを琴子はそっとテーブルに置いた。

「じゃあ、ローラースケートにするか!」
ポンと琴子が古典的に手を叩いた。
「ローラースケート?」
「ローラースケートで坂…はこの辺ないから、1階から屋上まで駆け上がってもらおう!」
「却下!!」
俺は即座に叫んだ。
「そんなことできるか!」
「だから入江くんに頼むんじゃなくて、シルク…。」
「シルクだろうが木綿だろうが、真夏にそんなこと、着ぐるみ着てなくてもやらせられるか!!」
「そんなあ!それじゃあ勝てないじゃないの!!」
勝てない?何にだよ!
「先生、先生。」
桔梗が小声で俺に囁いた。
「分かりました、琴子、とんにゃんくんでゆるキャラグランプリ狙ってるんですよ!」
「そんなアホな。」
この得体の知れない代物で、グランプリ狙えるか!
「お前、ああいうコンテストはレベルが想像以上に高いんだ…。」
「タッ●―に勝てないじゃないの!!」
「…は?」
今、何て言った?
「腹筋太鼓も、ローラースケートもできなければ…●ッキーに勝てない!!」
「お前、誰と張り合ってるんだよ!!!」
「私もショー・マスト・ゴー・オンの精神を受け継ぐ者として…。」
「お前が受け継ぐのはナイチンゲールの精神だ!!」
「タッ●ーに笑われる…。」
「●ッキー、お前のことなんて1ミリも知らねえから大丈夫だ。」
誰と張り合ってるんだと思ったら!お前、どこの事務所の一員のつもりなんだ!

ということで、俺の説得が功を奏したのか、とんにゃんくんのショーは普通のものとなった。
まあ一応ダンスも少々練習してきたので、子供達にはそこそこ楽しんでもらえたようだ。



「あーあ、普通のショーだったなあ。」
シュパシュパと消臭スプレーをとんにゃんくんの頭の中に吹き付けながら、琴子は溜息をついていた。
「いいんだろ、普通で。」
桔梗の協力を経て、何とか今回もばれることなく俺はシャワーまで浴びることができた。
「入江くん…何だかシュッとしてない?」
「気のせいだろ。」
着ぐるみでダンスって本当に過酷だ。少し痩せたかもしれない。
「ふうん。」
そして琴子はスプレーを吹き付けた頭の中に顔を入れ、クンクンと鼻を動かした。
「何か…。」
もしかして「入江くんと同じ匂いがする」とか、色っぽいことを言うのか?「あの後の入江くんの匂いかも、きゃっ!」とか頬を赤らめるんじゃねえだろうな?ったく、こいつはしょうがねえ奴だな。
「…くさっ!!」
え?
「ちょっとスプレー足りなかったわね。」
顔をしかめながら、シュパシュパとスプレーを吹き付ける琴子。
「3ヶ月洗っていない枕カバーの匂いがする。もう、こびりついちゃったのね。」
いや、うちはそんなに枕カバーを放置してねえし!お前、そんな枕カバーの匂い知らねえだろ!…まさか、俺に加齢臭があるってことじゃないだろうな。
シュパシュパというスプレー音を聞きながら、俺は琴子との距離をかすかに感じたのだった。



関連記事

コメント

お待ちしておりました。
ありがとうございます🐵

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ちょ、くさっ!!って…(笑)!
入江くんも琴子にかかっては形無しね
でもこれが入江くんだったと気付いた途端に色っぽい汗の匂いに変換されるんだろうなとか思います。
そして、ちゃんと練習したんだ、と嫌がるばかりではない入江くんを見直したのでした。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP