日々草子 水面に映る蓮の花 20
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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☆☆☆☆☆










外が騒がしくなったと気づいたと同時に「東宮様、王妃様のお越しでございます」という声が聞こえた。
「やれやれ。」
直樹は半ばうんざりしつつ、これを予想していた。それを鴨狩が複雑な顔で眺めていた。
「お通しせよ。」
直樹が声をかけると、すぐに王妃がやって来た。
「どういうことですか、東宮。」
王妃はわなわなと震えていた。
「どういうことと、突然おっしゃられても。」
東宮が何を一体という顔を母に向ける。
「とにかくお座りを…。」
「座ってなどいられるか!」
声を荒げる王妃に、後ろに控えている女官長や鴨狩が恐怖に慄いた。ここまで王妃が声を荒げることは滅多にない。
「側室を…側室を探しているという話は真なのですか!」
「ああ、もう母上にまで伝わりましたか。」
興奮している母とは正反対に、直樹は悠々と机に例の名簿を広げた。
「まったく、女官たちは口が軽い。」
「あのように振舞えば噂になるのは当たり前です。」
王妃はチラリと名簿に目をやると、深い溜息をついた。
「正気なのですか、東宮。」
「正気です、母上。もう目星もつけております。」
「なん…ですって!?」
座った母が身を乗り出した。
「何を申しましたか、今一度、この母に申してみよ!」
「もう目星もつけたと申し上げました。」
「何ということを!!」
「王妃様!!」
今にも直樹に掴みかからんばかりの王妃を、女官長が必死で止める。
「王妃様、お静まり下さいませ!」
「これが落ち着いていられようか!」
「側室を迎えることに、何の問題がありますか?」
直樹は冷静なまま、母に聞き返した。
「そもそも、前にも側室を迎えようとしたではありませんか。それなのに、なぜ此度は許されないのですか?女官の中から選ぼうとしていることが母上の勘気に触れているのでしょうか?」
「ええ、そうですとも!」
王妃は直樹を睨んだ。
「この時に、なぜそのような…。」
「おかしな話です。これまでの王や東宮も女官から側室を迎えた例は数多くあるはず。その側室から生まれた男子が王になった例もありましょう。」
「だからといって!」
「母上は女官では身分が低いと仰られるのですか?」
「東宮!」
直樹はニヤリと意地悪く笑って言った。
「そのようなことは仰るはずありませんね。何せ、琴子を妃に迎えることに大賛成されたのは母上ご自身です。母上は身分で人を選ばれるようなことはされないお方。」
「それとこれとは話が別です。」
「母上。」
興奮のあまり肩で息をしている王妃に、直樹は笑みを引っ込めて言った。
「私とて男です。妻帯した男が長い間、一人で夜を過ごすことがどれほど辛いことかお分かりではありませぬか?」
「まっ!」
露骨な物言いに、王妃は顔を赤らめた。王妃だけではなく女官長も、鴨狩も同様に顔を赤らめた。
「子ができた方が周りも喜ぶでしょうしね。」
直樹は名簿を目で追いながら、言い捨てる。それ以上は何も話をしたくないといわんばかりの態度であった。
これにあきらめた王妃は立ち上がった。
「…私は、姫を…東宮妃を悲しませたくないだけです。」
「もう東宮妃は宮中におりません。」
「そこへ追いやる真似をしたのはあなたではありませぬか?」
「…。」
直樹はそれには答えなかった。
「とにかく、そなたがどのような女官を選ぼうと私は正式な側室として認めるつもりはありませぬ。」
それを最後に言い残し、王妃は出て行った。



「…王妃様がお怒りになるのはもっともでございます、直樹様。」
真剣な顔で鴨狩が直樹に声をかけた。
「母上は琴子に入れ込み過ぎなのだ。放っておけ。」
「王妃様の許可が得られなければ、直樹様に選ばれた女官も不幸でございます。」
王妃の許可がなければ、どれほど直樹が寵愛を授けても女官の地位のままである。それがいかに辛い立場であることか。知らない直樹ではあるまいと鴨狩は思った。
「…一人にしてくれ。」
直樹が静かに命じた。鴨狩は一礼し、部屋から退出した。



桔梗は閉ざされた冷宮の門まで足を運んでいた。古ぼけた、だがしっかりと錠が下ろされた門扉に耳を近づけ、外の音を懸命に聞こうとした。

もうこれを何度繰り返していることか。欅宮の来訪以来、琴子は塞ぎこんで外に出ることは皆無だった。
―― どうやら、誰も来る気配はないようね。
今日も使いはこないようで、胸をなで下ろした。直樹が側室を探していると聞かされ、とうとう廃妃になる日も近いのではと不安でたまらない桔梗なのである。その命令を持参した使いが今日来るのでは、明日来るのではと、こうして門まで足を運んでは気配をうかがう日々だった。
琴子の元へ戻ろうと桔梗が向きを変えた時だった。堅く閉ざされた門の鍵が開けられる音が聞こえた。
一体誰がこの冷宮へ入ろうとしているのか。日に三度の食事を運ぶ女官が来る刻限ではない。
「そなたは…。」
鍵を開けて姿を見せたのは、桔梗も顔に見覚えのある、王妃付きの女官であった。
「桔梗様、お久しゅうございます。」
まさか門のそばに桔梗がいたと思わなかったからか驚きながらも女官は礼儀正しく挨拶をした。
「なぜここに?」
「王妃様のご命令により、今日よりこの刻限に伺うことになりました。東宮妃様に何かお困りのことがないかという王妃様のご配慮でございます。」
「王妃様が…。」
琴子のことをまだ王妃は気にかけてくれていた。それは嬉しいことであるが、なぜ突然そのようなことを考えたのか。それはやはり欅宮が言ったとおり、直樹が側室を迎えようとしていることからではないかと、桔梗は察した。
「桔梗様?」
「あ、いえ。大丈夫よ。」
桔梗は答えた。女官は琴子に目通りを願った。きっと様子を報告するようにと王妃に命じられているのだろう。

「東宮妃様、王妃様付きの女官が参っております。」
「王妃様付きの?」
粗末な建物でも琴子はまだ東宮妃である。桔梗はきちんとその体裁を保った。
「通して。」
「はい。」
桔梗について、女官が琴子の前にやって来た。
「東宮妃様…おいたわしいことでございます。」
王妃付きの女官は琴子に心を寄せていた。その粗末ななりを見て女官の目に涙が浮かぶ。
「何かお困りのことはございませぬか。」
「ありがとう。大丈夫だと王妃様にお伝えして。」
琴子は弱弱しくも微笑んだ。それが痛々しいばかりである。
「罪人のようなものだもの。多くを望まないわ。」
「東宮妃様、罪人などと仰せになりませんよう。」
女官の慰めにも、琴子は笑うだけであった。

「あっ…。」
琴子が不意に何かを言おうとした。女官はその続きを待った。
「…何でもないわ。王妃様にお体を大切にと。」
「申し上げます。」
女官は静かに礼をすると、部屋を出て行った。

「ねえ。」
外まで見送りに出た桔梗は女官を呼び止めた。
「あの…。」
「何でございましょうか。」
桔梗は直樹の側室のことについて真偽を確かめたいと思った。きっと先ほど琴子が言いかけたこともそうだろう。が、その続きを口にすることは桔梗にはできなかった。
「…失礼いたします。」
女官の態度から、おそらくそれは紛れもない事実であろうということが桔梗に分かった。そして琴子も同様に違いない。



「何といたわしいこと…明日からは何か差し入れを持って行っておくれ。ばれぬよう、こっそりとな。」
女官から報告を受けた王妃は琴子の様子に涙ぐまずにいられなかった。
「かしこまりました、王妃様。」
「ご苦労だった。」
王妃が労った後、女官は退出するかと思った。が、何かまだ言いたそうにしている。
「いかがしました?」
王妃は尋ねた。
「恐れながら、私の考えを申し上げてよろしいでしょうか。」
王妃は女官長と顔を見合わせた。この女官は機転の利く者であった。
「構わぬ。」
「東宮妃様は、東宮様がご側室を選ぼうとされていることをご存知のような気がします。」
「何ですって!?」
「私の勘でしかございませぬが。何か私に確かめたいと思われているご様子でした。桔梗様も同様でございました。」
「誰が…誰が姫にそのようなむごい仕打ちをできると…もしや!」
王妃の脳裏に浮かんだのは、欅宮であった。
「宮様であれば、係に融通を利かせることは雑作もないこと。どこまで姫を苦しめればいいのか!」
今にでも欅宮の御殿へ王妃は乗り込まんばかりの勢いである。が、その証拠はない。
「我が息子も我が息子。正妃のいない間に他の女人を引き入れようとするなど。もうあのような息子を見捨てて姫には自分の幸せを見つけてもらうようにするべきなのでしょうか。」
それは廃妃を意味することであった。が、それが自分にはできないことも王妃は分かっていた。琴子のいない宮中など、王妃にはもう考えられないことだったのである。



直樹はここしばらく、診療所へ出向くことはなかった。公務が忙しかったこともあるが、暇があれば鴨狩を追い払い部屋で一人で過ごしていた。
―― どれだけ側室選びに夢中なのか。
もう琴子のことは忘れてしまったのか。ならばさっさと琴子を実家へ返せばいいのにと鴨狩は思ってしまう。その方が琴子にとって幸せなのではないだろうか。
「裕樹様もすっかりご無沙汰でいらっしゃるし。」
直樹の側室選びが耳に入っているのだろう。こちらへ姿を見せない。裕樹付きの侍従に様子を尋ねると、絵の勉強もせず部屋に籠っているらしい。
「裕樹様は琴子様のことを本当に慕っておいでだったからなあ。」
「はあ」とすっかり癖になりつつある溜息をついていると、直樹が呼んでいると使いがやって来た。

「お呼びでございますか。」
「入れ。」
直樹の返事を聞き、鴨狩は部屋に入った。やはり今日も名簿を広げている。
「ご側室はお決まりですか?」
半ば自棄になって鴨狩は聞いた。
「ああ、決まった。」
「え!?」
まさかそう来るとは思っていなかった鴨狩は仰け反った。
「な、直樹様?」
「さすが琴子のために澄子殿が選んだ女官たち。いずれも身元がしっかりとしている。そういえば性格もいい者がそろっていたな?」
「…さあ、そうでしたでしょうか。」
直樹の言う通りだったが、同調したくない鴨狩はそう答えた。
「澄子殿の面目も立てられる。」
「しかし王妃様はお許しになりませんよ。」
「構うものか。男子が生まれたらわからない。世継ぎの母としてきちんとした位を与えるしかないのだから。」
「世継ぎの母…。」
それはできれば琴子であってほしかったと思わずにいられない鴨狩であった。
「何だ?ああ、そうか。琴子に子が欲しかったと思っているのだろう。」
鴨狩の考えを直樹は見透かした。
「ならば、その折は琴子を冷宮から戻し、養母として育てさせるのも一つの方法だな。」
「残酷なことを!!」
もう直樹は変わってしまったのだ。鴨狩は心底悲しくなった。



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コメント

東宮の…バカー!!!(キョエちゃん風)

水玉さん、続きありがとうございます(^-^)
そろそろ東宮直樹が改心してるかなぁってとこ思ったら、まだみたいですね〜(T-T)
もう、何やってんすか、東宮さんよ。
しかも側室に産ませた子供の養母にとか。
ふざけんじゃないよ、東宮さんよ。
早く、一日でも早く幸せな琴子ちゃんを見たいよ〜(ノ`△´)ノ

それでは最後に… 東宮直樹様。
欅宮の陰謀にも気付けないなんて、もうホントにマジで。
ボーッと生きてんじゃねーよ!!バカー(*`Д´)ノ!!!

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