日々草子 クラブ桔梗
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

クラブ桔梗

今年もよろしくお願いいたします。
年始らしく、少々バカバカしいお話を。

☆☆☆☆☆







銀座――それは一流のクラブが集う街。
「今日からよろしくね、リサちゃん。」
「はい、よろしくお願いします。」
私はリサ。今日から銀座でも一流の中の一流という評判である『クラブ桔梗』で働くことになった。
「緊張しなくて大丈夫よ。はじめはヘルプとして先輩たちの側にいることからね。」
和服姿のママが優しく微笑んでくれた。ママの名前は桔梗さん。そう、クラブの名前はそこから付けられている。

「うちのクラブのみんなを紹介していくわね。あそこにいるのが啓太。」
ラウンジの端にいるバーテンダーが自分の名前を呼ばれて私に頭を下げてくれた。なかなかの男前だ。
「啓太は一流のバーデンター兼用心棒よ。啓太、リサちゃん。いろいろ教えてあげてね。」
「おう。」
片手を上げて応じてくれる啓太さん。気さくな感じで私は安心する。

「おはよう、ママ。」
「ああ、おはよう。真里菜、今日からこのお店で働いてくれることになったリサちゃん。」
「よろしくお願いします。」
「よろしくね。早い所、お金持ちをゲットして寿退社するのが一番よ。」
真里菜さんはニコッと笑った。
「あの子、うちの№3なの。」
「そうなんですか!」
すごいなあ。何人もいるホステスたちの中の№3!
「№2はね…。」
「ママ、おはよう!」
ちょっとキュートな感じの女性がママに挨拶をしてきた。
「おはよう、智子。」
「あ、こちらが新しい私たちの仲間?」
「そうよ、リサちゃん。」
「リサちゃんね。よろしくね。」
真里菜さんが色気のあるタイプなら、智子さんは天使タイプだ。
「智子が№2よ。」
「そうなんですか。」
なるほど、色気より天使が上ということか。
№3、№2と分かったから次は№1が誰なのか知りたいところだけど…そろそろ営業時間だ。

「ママ、ごめんなさい!」
「ああ、もう。あんたはどうしていつもギリギリなのかしら?」
駆け込みセーフといった体でやって来たのは、美人ではなくスタイルもほどほど、平凡な女性だった。
「出かけようとしたらストッキングが伝線してて、あとマスカラが上手にできなくて…。」
よく見ると、その女性の顔は厚化粧である。
「ああ、もう。あんたはどうして自分でメイクしようとするの?あたしがやったげるから。」
「ひーん」という情けない声を上げながら、ママはその女性の手を引っ張って奥へ引っ込んだ。

「…あれがうちの№1だよ。」
クククと笑いながら啓太さんが言った。
「え!?」
私は彼女が消えた奥と啓太さんの顔を交互に見比べる。
「本当だよ。」
「嘘」と言いたいのをグッと私が堪えていると、ママと女性が戻って来た。来た時の厚化粧はどこへやら、ナチュラルメイクに戻っている。が、やはり顔は平凡だった。
うーん、銀座の№1がこの人か…。
「今日からうちで働いてくれるリサちゃんよ。」
「うわあ、よろしくね。」
「はい。ええと…。」
「琴子です。」
「はい、琴子さん。こちらこそよろしくお願いします。」


お店が開店すると、貫禄のあるお客様が続々とやって来られる。
「志賀様、こちら新しい子のリサちゃんです。」
「リサです、よろしくお願いいたします。」
「久保様、新しい子のリサちゃんです。」
「よろしくお願いします。」
おそらく大企業のお偉い方々なのだろう。着ている物から飲んでいる物が全て一流だ。そんな中をママが私を紹介してくれる。

「真里菜さーん!!」
「まあ、船津様。いらっしゃいませ。」
№3の真里菜さんを指名というか襲っているのは船津様というお客様だ。
「真里菜さん、今度一緒にお寿司でもいかがですか?」
「まあ、嬉しい。じゃあ同伴していただけるのね?」
「もちろんですとも!僕、もうすぐ教授となるのでその暁には…。」
「はいはい。船津様。ボトルは?」
「え?ボトル?ええと…。」
「新しいものをお入れしましょうね。啓太、船津様の新しいボトル!」

一通り常連のお客様に紹介が終わった私と、指名のない琴子さんは啓太さんのいるカウンターに座っていた。
「…真里菜もいいように扱っているよなあ。」
やれやれといった感じで啓太さんは船津様の新しいボトルを用意する。
「この前、お高いブランドのバッグも買ってもらってたけど。」
琴子さんがカウンターに頬杖をついて言った。
「あの、船津様がもうすぐ教授というのは…。」
「ない、ない。」
啓太さんと琴子さんが同時に手を左右に振った。
「船津様は大学病院勤務のお医者様なんだけど、出世は無理だってママが。」
「あの性格じゃ難しいだろ。」
「はあ…。」
私は船津様のテーブルを見た。真里菜さんに言われるがまま新しいボトルを淹れている船津さん…これを人は「カモ」と呼ぶのではなかろうか?


「智子ちゃーん。」
「まあ、井山様。」
「智子ちゃん、こんばんは!」
「千葉様も!」
№2の智子さんには複数のお客様の御指名だ。こちらのお客様もお医者様の集団らしい。
「聞いて。今日の俺の手術。」
「どこをどのように?出血はどれくらい?」
普通聞いたらゾッとするような、詳しい手術の様子を智子さんは目をキラキラ輝かせて聞いている。
「智子さんは聞き上手なんですね。」
それが№2の理由かと私は思った。
「違う、あれは純粋に“血”が好きなだけだよ。」
啓太さんがキュッキュッとグラスを磨きながら答えた。
「血が好き?」
「そう。」
琴子さんはピーナッツをつまみながら頷いた。
「見てみな。」
啓太さんが私に智子さんたちを見るよう示す。
「はい、ブラッディ・マリーをどうぞ。」
「わあ、智子ちゃんのブラッディ・マリー、大好き!」
真っ赤なその飲み物を、うっとりとした表情で作り上げる智子さん。ブラッディ・マリー…血まみれメアリーが由来だったっけ。とことん、血が好きなのね、智子さん…。

ところで№1の琴子さんはずっと私の隣で啓太さんと話をしている。御指名は一向にない。
何で彼女が№1なのかしら?話してみて、すごくいい人だと分かったけれど。
あ、もしかしてすごい知識豊富とか?経済に関する情報がすごくて、経営のアドバイスをして大人気なのかな?
一流ホステスは経済の知識もしっかりなければ務まらない。たくさんの本を読んで日々勉強することが必要だということは知っている。
「あの…琴子さん。」
「ん?なあに?」
「TPPが発効されましたが…お客様に何か聞かれたりしますか?」
「TPP…?え?あれってまだ流行ってるの?」
「流行ってる?」
「ピコ太郎でしょ?」
「ピコ太郎?」
「ペンパイナッポーアッポーペン。」
「んっ!」と琴子さんは両手を左右に広げた。
「ええと…それは多分PPAPじゃないかと。」
「あれ?それしか知らないや。」
アハハと笑いながら、琴子さんはピーナッツをポリポリと食べ続けた。
…ま、あれだよね。うん、こういう場所は現実を忘れる目的もあるから。何も知らない相手がいいということもあるし。

それからも琴子さんは一向に指名されなかった。何で№1なんだろう?ますます私の謎が広がる一方だ。
あれかしら?お尻で何とかルーペを踏むのが誰より上手とか?いや、あの踏み方に上手とか下手とかあるの?そもそも誰が審査するの?

「あれ?ママが大変そう。」
お尻で何とかルーペを10回踏んだところで、琴子さんの声に私は我に返った。
見ると、ママが一生懸命お客様に頭を下げている。
「あのお客様の担当は確かシホちゃんだったな。」
「シホちゃん、今日お休みだもんね。熱出しちゃって。」
「それでご機嫌斜めなわけだ。」
そういうこともあるか。大変だなあ…と思っていると琴子さんが立ち上がった。
「私、ヘルプに入ってくる!」
「え!?」
啓太さんが止めようとするのを聞かず、琴子さんはタタタとママのところへ駆け寄る。
「ええとリサちゃんだっけ?君も一緒に!」
「ええ!?」
突然のデビューに私は目を丸くする。が、早く早くと啓太さんにせかされたので私は訳が分からぬまま琴子さんの後を追いかけた。

「だって、あんた…。」
「だめよ、お客様に楽しんでいただくのがママのツヨシでしょ?」
「ツヨシ?」
ママが眉をひそめて意味を考える。
「あの…それ、信条では?」
私は恐る恐る琴子さんの言葉を訂正した。
「ああ、そう。それ、それ。」
「ツヨシ…シンジョウ…古っ!!」
いや、そこからツヨシが出てくる琴子さんがすごいです、ママ。
「でもね、あんたをヘルプにすると…。」
「大丈夫。大丈夫。リサちゃんも一緒に!」
「は、はあ…。」
大丈夫だよね。疑義はあるけど№1の琴子さんと一緒ならば。

「琴子です。今夜は申し訳ありませんが、私がお相手します。」
「ふうん?」
そのお客様は琴子さんを一瞥した。
「この子はリサちゃん。今日からの新人です。」
「リサです、よろしくお願いいたします。」
何となく少し機嫌が直ってきたかしら?ああ、大丈夫なのかしら?

「アハハハ!!ええと琴子ちゃんだっけ?面白いなあ!!」
「平田様だって!」
「違う、平野だよ!」
「ああ、そうでした!」
すごい、堂々とお客様の名前を間違える琴子さん…これが№1の余裕?いやいや、名前は間違えてはだめでしょう!
しかし、全然気を悪くしないところが琴子さんの魅力なのかしら?

その時、ラウンジの雰囲気が変わった。
「うわあ…。」
現れた一人のお客様が、雰囲気を一変させたのだ。そのお客様は長身でとても綺麗な顔立ちで、若くて…。
「まあ、まあ入江様。」
ママがすぐに挨拶に飛んできた。そして奥の席へ案内する。入江様というそのお客様はチラリと私たち、というか琴子さんを見たような気がした。

ほどなくして、ママが私たちの所へやって来た。
「平野様、申し訳ございません。琴子ちゃんをあちらのお客様が…。」
「何だと?琴子ちゃんは渡さんぞ!!」
平野様はすっかり琴子ちゃんを気に入ってしまわれたようだ。
「いくらだ?いくら払えば琴子ちゃんを側に置いておけるんだ?」
金ならあるとばかりの平野様。いいなあ、琴子さん。私もここまで行ってもらえるホステスになりたい。
「平野様…あちらのお客様はこれほどを。」
ママは手にしていたお盆にかかっていた布をヒラリと取った。
「えっ?」
平野様と私は同時に声を上げてしまった。そこには、一、二、三…。
「さ、三百万円!?」
「リサちゃん、お金のことを口にしちゃダメ。」
ママが軽く私を睨んだ。いや、だって…口にしちゃダメだけど、目にするのはありなんですか、ママ?

「入江様、ごめんなさい。」
琴子さんは入江様の側へぴょんぴょん跳ねて行った。
「ったく…俺のいない間に何をしているのかと思ったら。」
「ヘルプよ、ヘルプ。」
「入江様、今日から入ったリサちゃん。」
琴子さんが私を紹介してくれた。
「ああ、よろしく。」
「よろしくお願いします。」
入江様、全く私に興味がないことはすぐに分かった。
「さ、リサちゃん。平野様のところへ。」
琴子さんがいなくなった後はママと私で平野様のお相手をすることになった。
平野様のお相手をしながらチラチラと、入江様のお席を見たら…膝枕!!
入江様は琴子さんに膝枕をしてもらっている!!琴子さんは慣れた様子で耳かきを始めている。が、時折入江さんが顔をしかめているのは、どこか違うところを触ってしまっているのだろう。



「…あれが№1の理由さ。」
平野様を見送った後、バーカウンターに戻ったら啓太さんが教えてくれた。
「ま、琴子はお客様の心をつかむのもうまいけれど固定客はいない。その代わり、とびきりの上客を掴んでいる。」
「入江様ですね。」
「そう。入江様は琴子以外相手にしない。というか琴子しか眼中にない。」
「先ほどのお金は一月分…。」
「いやいや、今夜の琴子のキープ代。」
「一晩!?」
そりゃ№1になるわけだわ!

「ママ…。」
琴子さんがママのところへやって来た。
「入江様がね…。」
「ああ、分かってるわ。上がりなさい。お疲れ様。」
「お疲れ様!」
「入江様をお待たせしちゃだめよ。」
「はあい!」
パタパタと琴子さんは奥へ引っ込んだ。ママは入江様の帰り仕度を手伝っている。

「ええと、あれは?」
「同伴出勤ならぬお持ち帰り。」
啓太さんが教えてくれた。
「お持ち帰り…。」
「入江様が来た時はほぼそうなる。あの金額にはその分も含まれているってこと。」
「入江様、お待たせ!」
「行くぞ。」
「はあい。」
入江様が差し出した腕に琴子さんは慣れた様子で自分の腕をからめ、店を出て行った。

「リサちゃん、あれは特殊だからな。あれを目指そうというのは…。」
「分かっています。」
あんな上客、絶対に無理。でもいいなあ…。
「リサちゃん、あちらにもヘルプお願いできる?」
「はい。」
ママに連れられ、私は次のお客様のお席へ向かう。早く銀座に、このクラブ桔梗に慣れなければ!

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ご挨拶が遅くなってしまいましたが…

こんばんは。
先日はチャットで少しでしたがお話できてよかったです。
ご挨拶が遅くなってしまい、すみません。
これからちょこちょこ足跡を残せたら良いなと思っています。
これからよろしくお願いいたします。


入江くんの専属な琴子ちゃん。
お金の積みっぷりが豪快で流石です。
お持ち帰りしたあと、まぁ色々とあれでしょうねー。
想像するだけで、ニヤニヤしちゃいます。

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