日々草子 穴の向こうからメリークリスマス
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

だいぶ前になってしまいますが、ご質問の答えを。

Q1:フトン出張の本編はどこに?
A:このサイトのどこかに入り口があります。スマホでもパソコンでもいけるようにしています。お探しいただけるようお願いいたします。そりゃあもう、すぐに分かるようになっております(笑)

Q2:過去作の川Pのモデルは?
A:ご指摘のとおりの方で間違いありません。中身の人、密かにファンなんです。だから馬鹿にしようとかそういう気持ちは一切ありませんので!
そもそも、私は好きな芸能人しかモデルに出さないので(笑)

☆☆☆☆☆









「ほらほら、ママとお手々つなぎましょう。」
母親からトコトコと逃げる子供。うーむ、あれはいくつくらいだろうか。ぱっと見、まだおむつとれたばかりというところ。

「・・・赤ちゃんは大変だねえ。」
ぼそっとつぶやいているのは、親子を門扉の間から見ているまーくんだ。
「ママを困らせて。まーくんはもう5歳だからそんなことしないもん。」
「ね」と同意を求められ、子守犬のチビが大きくうなずいた。吾輩も慌ててうなずく。
「まーくんは5歳だから難しいことも考えられるんだよね。」
そう言って、まーくんは歩いて行く。たどり着いたのは入江家の庭の隅っこ。
「さて、と。いい子でお仕事しないと。」
まーくんはキリンの首を持ち手に作られたスコップ(幼児用)を握った。
「いい子にしないとサンタさんが来てくれないから。」
サンタさんの存在を信じているところは立派な子供。
「サンタさんはちゃんと見てるんだよ。だからまーくん、まじめに穴を掘るの。」
ここ数日、まーくんは暇を見つけてはせっせと穴を掘っている。といっても子供のすることだから大して深さは掘れていない。
「うーん、ブラジルまでどれくらいになったかなあ?」
しばらく掘った後、まーくんは首をかしげた。
「どれくらいになったと思う?結構近づいたかな?」
まーくんに問われた吾輩とチビは同時に首を縦に振った。

まーくんが穴を掘る目的は、地球の裏側にブラジルという国が存在するということを知ったことかららしい。
「じゃあ、庭に穴を掘れば、ブラジルまで行き来できる!」
そう考えたまーくん(この考え方はどこから見ても幼児そのもの)は早速掘り始めた。
「こうやって掘っていって、そのうちまーくんがストンってブラジルに行ったらチビとゴンザエモンはびっくりしちゃうね!」
吾輩とチビはまた首を縦に振った。
「大丈夫。そしたらまた、ブラジルの穴からストンって戻ってこられるから。」
ムフッとまーくんが笑った。
「かっこいいね。日本とブラジルを行き来するまーくん!」
字面だけ見ると遣り手のビジネスマンのような物言いだが、穴を通じて行き来するという考え方が五歳児だな。
「あ、でもブラジルって何語だっけ?まーくん、英語なら少しおしゃべりできるんだけど。」
キリンのスコップを握って「うーむ」と考えるまーくん。
「ハロー、サンキュー、グッバイ。ね、英語できるでしょ?」
吾輩とチビは一緒に「ニャー」「ワン」とまーくんを褒め称えた。
「これでブラジルでやっていけるかしら?」
うーん、たぶん難しいと思う。
「でもいっか。そのとき考えよう。」
あ、楽天的。こういうところはたぶん、ママに似たんだろう。
まーくん穴掘りを再開した。吾輩とチビも少しばかり手伝う。たぶん掘り続けてもブラジルへは届かないと思うが、やることが可愛くてたまらん。

「まーくん、そろそろお家に戻ってらっしゃーい。」
まーくんのママが家から呼んでいる。
「よし、だいぶ進んだ。じゃ、戻ろうか。おうちでおやつ食べよう。」
さして進んでいないのだが、ここはまーくん目線で進んだことにしておこう。最近は吾輩のおやつも用意してくれているのでありがたい。
「おうちでゴンザエモンがお誕生日にくれたご本を読もうね。」
そうそう、まーくんの誕生日パーティーが先日行われ、吾輩も下僕共々ご招待を受けたのである。その際、下僕が吾輩からという名目でプレゼントを用意した。
「飛び出すご本、何回読んでも面白い!」
特別に作られたまーくんお気に入りのくまちゃんシリーズの、飛び出す絵本をまーくんは非常に気に入ってくれている。おかげで吾輩も鼻が高い。下僕ながらいいセンスである。


この夜、吾輩は近所に引っ越してきた雌猫に早速挨拶に行った。向こうも吾輩にまんざらではないらしく、いい時間を過ごすことができた。
その帰り、まーくんの家の塀の上を歩いていた時である。

「入江くん、何をやってるの?」
昼間まーくんが穴を掘っていたところに、なんとあの悪魔がいた。そこにまーくんママがやってきたところに吾輩は遭遇した。
「ん?真樹のブラジルまでの道を手伝ってあげようかなって。」
悪魔はシャベルを動かしながら笑った。
「毎日頑張ってるらしいからさ。」
「そうなのよね。」
ママがフフと笑う。
「でもいいのかしら?お庭にこんな穴掘って。」
「ちゃんとどこに掘っていいか真樹がおふくろに聞いて、許可をもらったんだから平気さ。」
楽しそうに掘り続ける。
まあ、悪魔とママが楽しそうなのは結構なのだが、こうして夜に大の大人が庭の片隅に穴を掘っている光景は正直、シュールなものである。
まーくんのような幼児が昼間掘っているのは微笑ましいのだが、大人がよる掘っていると何かよからぬものを埋めようとしているのかと・・・。

「ねえ、入江くん?」
まーくんママが悪魔を見つめると、悪魔は手を止めた。
「ブラジルまでの穴は掘れないって、まーくんに教えなくていいのかしら?」
「へえ、琴子でも知ってたんだ。」
「失礼ね!」
いや、それくらいは知ってるだろうよ。悪魔って本当に失礼な男だな。
「いいんじゃない?自然に気づくまで。」
「そう?」
「ああ。俺は真樹が自分で考えて自分で行動を起こすことを尊重したいからさ。」
スコップの柄に顎を乗せて悪魔が微笑む。
「地球の裏側に興味を持つ、そこにブラジルという国があるということを知る、じゃあ、穴を掘ればブラジルへたどり着けるんじゃないか。その考え方は子供らしいし、素晴らしいと思う。そしてブラジルはどんな言葉を話しているのか、どんな暮らしをしているのか。それじゃあ他の国はどこにあって、どうなのかって興味はどんどん広がるだろ?」
「そうね。」
「真樹の成長に役に立つことばかりさ。」
「それでこうやって入江くんが穴を掘っていると。」
「そういうこと。」
まーくんママが、そこに置かれていたまーくんのキリンのスコップを手にとって掘ることを手伝い始めた。
「あんまり掘っちゃうと、まーくん気づくかもよ?」
「そうだな。ほどほどにしておくか。」
「入江くん、風邪引いたら大変だし。」
「それは琴子も同じだろ。」
「それに」と悪魔がまーくんママを軽く睨んだ。
「寒さに凍った体を、誰かが温めてくれるだろうし。」
「残念でした、今夜はサンタさんが来るから無理です。」
まーくんママが、やんわりと悪魔の矛先をかわした。ケケケ、悪魔よ、ざまーみろ。
「今年はサンタはどっちがやると揉めなくてすむな。」
「そうね。プレゼント二つだもの。」
なるほど、明日またおいでとまーくんに言われた吾輩である。プレゼントをご披露してくれるのだろう。



「ゴンザエモーン。」
翌日吾輩が入江家を訪れると、待ち構えていたまーくんが呼んでくれた。
「見て!サンタさんが届けてくれたよ!」
まーくんが見せてくれたのは地球儀だった。
「見てて。ここをこのペンでさわるとね。」
そう言いながらまーくんがペンで地球儀のブラジルの場所を突いた。
「ブラジル。」
おお!なかなかすごい品ではないか!
「すごいよ。英語もできる地球儀だよ!」
まーくんが日本を突くと「ジャパン」という声が聞こえた。
「あとね、ご本も!」
それは世界各国の主な挨拶が、その国の言語で説明された絵本だった。
「これによると、ブラジルはええと・・・ポル、ポルト・・・ポルトガル語だって!」
そしてまーくんは「ポルトガルはどこかな」と地球儀で探してペンで突いた。
「ここの言葉をどうしてブラジルの人たちはしゃべるのかなあ?」
いろいろ興味を持つまーくん。それをうれしそうに見ている大人たち。まーくんが今一番喜びそうなものを選んだ点は褒めてつかわそう。
なるほど、昨夜の悪魔の言っていたことはこういうことか。まーくんは好奇心旺盛で頭がいいしますます知識が増えることだろう。

「さて、と。ブラジルへの穴を掘りましょう。」
ひとしきり吾輩にサンタさんのプレゼントを見せてくれた後、日課の穴掘りを開始するまーくん。
「ん?」
キリンスコップを握ったまーくんが首を傾げた。
「なんか、穴が深くなってる?」
あーあ、気づいちゃった。あの二人、おしゃべりに夢中で結構掘っていたからな。まーくんはそこら辺の子供と違って聡いのに。
「何でだ?」
右に首を傾げた後、左に首を傾げるまーくん。その姿もかわいらしい。
「そっか!」
まーくんが声を上げた。
「サンタさんがこの穴を使ったんだ!」
え!?そこ?そこにサンタさん?
「昨日の夜、まーくんにプレゼントを届けるためこの穴から来たんだ!だから少し深くなってるんだ!」
じゃあサンタさんはブラジルから来たの?
「それで、まーくんにばれないようにって穴を埋めて行ったんだ。」
うわあ、サンタさん、律儀!
「でもサンタさんは大人だから体が大きいから穴が広がっちゃったんだね。うん、しょうがないよ。」
まーくんの中ですべては丸く収まったらしい。よかった、よかった。

「でもサンタさんはお空を飛んでくるはずだけど・・・。」
まーくんは空を見上げる。雲一つない青空がそこに広がっている。
「・・・近道したくなったのかもね。一晩で世界中に行くのは大変だものね。」
そうそう、そういうこと。
「まーくんの穴が役に立ったならうれしい。」
そう納得したまーくんは、今日もせっせと穴を掘る。吾輩とチビも手伝うのである。


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メリークリスマス手、一日過ぎちゃいましたが?私の大好きなマー君シリーズですね、マー君サンタさん来てよかったね。。。v-274

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