日々草子 水面に映る蓮の花 15
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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続きを書きました~。待っていて下さった方、ありがとうございます。
いつも、こんな挨拶で始まって申し訳ありません。

☆☆☆☆☆





「何と、盗みまで!」
怒髪天を衝くとはこのことか。東宮妃の御殿から翡翠の髪飾りが発見されたと聞かされた欅宮の形相は荒ましいものだった。
「育ちがそこまで悪いとは思わなかった。まさか、まさかこの私から盗みをはたらくとは!」
「お怒りはごもっともでございます、宮様。」
柘榴は主人の怒りにおののきながらも、冷静に努めて言葉を発していた。
「して、王妃様にも伝わったのであろうな。」
「はい。ただちに王妃様にご報告いたしました。」
「さすがに此度のことは、王妃様も庇いきれまい。」
すぐに王妃の元へ欅宮は足を運んだ。

王妃の御殿には琴子もいた。
「私は同席しかねます、王妃様。」
琴子の姿を見た途端、欅宮が言った。
「泥棒まがいの者と同席することはできませぬぞ。」
その貫禄は、王妃をも凌ぐものであった。
「欅宮様、お待ち下され。」
王妃がすかさず止めた。
「東宮妃が泥棒などするはずがありませぬ。」
王妃が琴子を見る目は慈愛にみちたものであった。それが欅宮にはただただ、腹立たしい。
「しかし、現にこの者の御殿から私の髪飾りが見つかったではありませぬか。」
「何かの間違いでしょう。とにかくお座りを。」
欅宮は渋々といった体で、王妃の傍ら、琴子と向き合う形で座った。琴子は俯いたまま、真っ青な顔をしている。
「そのような被害者ぶった顔をしても、全ての罪は露見している。」
「宮様。」
王妃が欅宮の口を止めようとした。が、その口は止まらなかった。
「そもそも、この娘が先の東宮妃を追い出しまんまとその座へ居座ったことが最大の罪。」
「そのような言い方はおよしに。」
「王妃様も王妃様。いつまでこの者を庇い立てするのです。」
「…恐れながら、欅宮様。」
俯いていた琴子が顔を上げ、欅宮と視線を合わせた。
「何だ?」
「私の女官たちはそのようなことをする者ではございませぬ。」
「何だと?」
まさか、ここで琴子が反論をしてくるとは思っていなかった欅宮はカッと目を見開いた。
「そなた、何を口走っているか分かっているのか?」
「私に仕えてくれている女官たちの中に、そのようなことをする者は誰一人おりませぬ。」
琴子は怯むことなく、はっきりと欅宮に告げた。

「…ほう。」
欅宮は意外な琴子の反撃に驚いたがそれをおくびにも出さずに、言った。
「女官たちの仕業ではないと申すか。」
「左様でございます。」
「ならば、そなたが自分でしたことなのか?」
「えっ?」
「女官たちではない。しかし私の髪飾りはそなたの御殿から出て来た。そうなると残る犯人はそなた一人しかおらぬ。違うか?」


「…したたかな主だな、そなたの主は。」
王妃の部屋の外で控えている桔梗に、欅宮に従って来た柘榴が冷たく笑った。
「この期に及んで、まだしらを切るとは。」
「…東宮妃様の仰ることは真実でございますゆえ。」
ここで言い争いをしては琴子の恥になる。桔梗は山ほど言い返したいことを堪えた。そして心の内で琴子を応援した。


「宮様、お口が過ぎませぬか。」
たまらず王妃が割って入った。
「東宮妃がなぜそのようなことをするのです。」
「なぜ?それはこのような高価な品を見たことがなく、手にしたくなったのでしょう。」
欅宮は持参した翡翠の髪飾りを王妃に見せた。
「貧しき暮らしをしていたのであれば、このような物を見たことがないのは当たり前。女人ならば自分の髪に飾りたいと思うでありましょう。」
「だからといって盗みなど東宮妃がするわけありません。東宮妃は未来の、私の後を継いで王妃になる立場にいるのですよ。」
「ほう、この国は盗人が王妃になるのですか。世も末ですな。」
ホホホと欅宮が高笑いをする声が、部屋に響き渡った。

「東宮妃が自分の手を汚していない、そして女官たちもそのようなことをしてないとあくまで主張するというならば。」
笑いをおさめた欅宮が王妃を見据えた。
「雀殿の女官たちを全員罰しましょう。」
「何ですって?」
王妃、そして琴子の顔色が変わった。
「主に似て強情な女官たちの体に聞くのです。」
それはすなわち、拷問を意味していた。
「全ての者を後宮の中庭に集めましょう。他の女官たちの見せしめにもなるというもの。」
今すぐにその手配をさせようと、欅宮が立ち上がった。
「お待ち下さい、宮様!」
王妃が真っ青な顔で呼び止めた。
「何です?」
「宮様、後宮の女官たちの懲罰の権限は私、王妃にあります。」
いつもその権力を振りかざすことのない王妃がそこまで言うのは、珍しいことであった。それほど切羽詰まった状況ということをも意味していた。
「王妃として、いくら欅宮様のご命令でもそれを許すわけにはいきませぬ。」
とうとう、王妃が欅宮と対立した。
「私に楯突くおつもりで?」
「私は王妃です。」
王妃は一歩も引かない決意をしていた。
「王妃ならば、後宮の主として厳しいことをすることも必要でありましょう。」
「しかし、そのようなことはできませぬ。」
王妃と欅宮の間に火花が散った。

「お待ち下さい、王妃様!」
琴子が叫ぶように言った。
「東宮妃?」
「このような騒ぎになり、私の女官たちが疑われることになったのは私がしっかりとしていなかったからでございます。」
「おや、ようやく認めたか。」
ニヤリと欅宮が笑みを浮かべた。
「私の御殿の女官たちの責任は主である私が負うべきもの。」
「ほう、ならばそなたが罰を受けるというのか。外で?」
「宮様が…そうせよと仰るならば…。」
「そのようなこと、許さぬ!!」
王妃が怒鳴った。
「東宮妃をそのような目になど私が、この私の命をかけてもさせぬ!」
「王妃様…。」
琴子は王妃の気持ちが嬉しかった。が、自分を慈しんでくれるがゆえ、欅宮に王妃が憎まれていくことは辛かった。

「まあ、よい。」
欅宮の声の調子が少し落ち着いたものとなった。
「確かに、まだそなたは東宮妃だ。王妃しか認めておらずとも。」
「そのようなことはありませぬ。」
王妃が反論する。
それを無視して欅宮は言った。
「体に罰することはやめておこう。が、のうのうと東宮妃として贅沢な暮らしをさせるのも腹が立つ。」
「ですからそれは…。」
「…冷宮へ行ってもらおうか。」
「冷宮…。」
琴子は唇が震えた。以前、欅宮に連れられ行った、あの荒んだ場所。宮中から忘れ去られた場所。あそこへ行けというのか。
「おかしなことはあるまい。元々あそこは、王様や王妃様の怒りをかった後宮の者たちが行く場所だ。それとも、痛めつけられることのほうがいいのか?」
「どちらもさせませぬ、宮様。」
王妃が琴子を守るために言い返した。
「冷宮はもう存在しない場所です。」
「何を言います。ここ数代の王や王妃が使わなかっただけで、存在はしているのです。その証拠に取り壊されていないではありませぬか。」
「それは…。」
「不要ならば取り壊すはず。それをしていないということは、まだ制度は残っているという証拠では?」
欅宮の言い分は正論だった。あの場所が残っている以上、そう思われても仕方のないことである。

「ですが、東宮妃は冷宮に行かせませぬ。」
「この期に及んでまだそのようなことを?」
「犯人が東宮妃付きの女官であることも確定しておりませぬ。犯人が見つかっていないのに東宮妃を処分することは道理に反しましょう。」
「…とことん、私に刃向かうおつもりのご様子。」
欅宮は王妃を睨んだ。
「東宮妃は私の娘です。娘を守るのは母として当然のこと。」
ならば、どうしてその愛情を大泉の姫に、先の東宮妃に向けてくれなかったのかと欅宮は言い返したかったが、それは口にしなかった。それを口にすると、琴子に大泉の姫が負けたことを認めることになってしまう気がしたからである。
「とにかく、この話は私が預かります。」
王妃の威厳に、欅宮はそれ以上逆らわず下がった。



「義母上様…。」
琴子がいつもの呼び方で王妃を呼んだ。
「私のために、欅宮様と…。」
「いいのです、私は後悔しておりません。」
王妃は琴子を優しく抱きしめた。
「どうして姫ばかり、このような辛い目に…。」
「私が至らぬばかりに。」
「そんなことはありませんよ。姫は何も悪いことはしていないのですから。」
こんな時に琴子を慰めるのは自分より夫たる東宮ではないか。なぜこの場にいないのかと、その点も王妃は腹立たしい。
「姫、一つ約束して。」
「義母上様、何でしょう。」
「絶対に、絶対に早まったことをしてはなりませぬよ。」
「…義母上様。」
「いいですね。」
琴子は小さく頷いた。本当に琴子はこの約束を守ってくれるだろうか。王妃の胸からその不安が消えることはなく、なぜかますます広がる一方であった。



「冷宮に!?」
その晩、心配して身を潜めてやってきた鴨狩は桔梗に一部始終を聞かされ、こちらも青ざめた。
「なぜそのような話に?」
「欅宮様のお怒りは凄まじきものでした。」
鴨狩にもその想像はついた。
「鴨狩殿、東宮様…直樹様はこの件をご存知なのでしょう?」
「まあ、宮中で噂になっているから嫌でも。」
「ならば、どうして何も仰らないのです?」
「それは…公務や医学の件で忙しくされていて。」
鴨狩の言葉は嘘だった。確かに毎日直樹にはすべきことがあるが、琴子の身に及んでいる危機を解決することは可能である。
「…もう姫様への愛情はないということですね。」
鴨狩の嘘を分からない桔梗ではなかった。
「あれほど…あれほど仲睦まじくいらして…夜ごとお互いの御殿を行き来して…片時も姫様を離さないとされていた直樹様なのに。」
桔梗と鴨狩は、側の雀殿に目を向けた。ひっそりと静まり返ったそこは、まるで罪人の牢のごとき場所のように感じられた。
「私もそれとなく琴子様のことを直樹様に言おうとしているのだが。」
「お耳を貸されないのでしょう。」
既に直樹の中では琴子は過去の人となっているのだろうか。
「このままでは姫様はどうなるのか。」
最悪の「廃妃」という言葉が、二人の頭をかすめた。



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コメント

どーすんの?直樹(様)
欅宮の悪事を、陰で調べてるの?
それとも……
桔梗、琴子を連れて、里へ帰ろう
もう二度と、後宮なんかに行っちゃ駄目だよ
魑魅魍魎が、ウジャウジャ
貧乏でも、お父様の元が、幸せなんじゃない?
化け物の巣には、大泉こそが、相応しいんだよ、淀んだ人達こそが……
綺麗な琴子には、相応しくない、桔梗と逃げて!

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直樹はどうしてるの?このままでは、琴子1v-12ちゃん、桔梗と逃げるしかないんじゃ⁇頼りない、直樹だね

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