日々草子 入江法律事務所 58
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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改めまして、10周年のご挨拶にたくさんのコメントと拍手をありがとうございました。
こんなにいただけてとても幸せです。
今後ともよろしくお願いいたします。

☆☆☆☆☆



「フン、フン、フン~」と鼻歌を歌いながら、せっせと琴子はファイリングをしていた。
事務所に帳簿の打ち合わせで来ていた裕樹は、その様子をじっと見つめていた。

「あのさ、お兄ちゃん。」
琴子が郵便を出しに行った隙に、裕樹が直樹に切り出した。
「その、僕が口を出すべきことじゃないと思うんだけど。」
「何だよ?」
「…琴子と結婚する気、あるんだよね?」
唐突な弟の言葉に、直樹は驚いた。
「どういう意味だよ。」
「いや、だってさ。何か僕…あいつが哀れになってきて。」
「どうして?」
「あいつのファイル、結構枚数増えたなって。」
そう言いながら裕樹は、先ほど琴子がファイリングしていたものを開いた。
「見てよ、これ。ピンクの婚姻届何枚あるの?」
「ああ…。」
確かに結婚を決めてから時間が経っていた。その間、琴子は結婚情報誌を買い集め付録の婚姻届を丁寧にファイリングしている。
「いくらあいつがおっちょこちょいで書き損じる可能性があるにしたって、これだけの枚数はいらないじゃん?何かさあ、さすがの僕でも同情せざるを得ないっていうか。」
弟にまでそこまで思われてしまったとは。確かに新居探しは始めたものの、他にも色々計画すべきことはある。


「あら、裕樹くんは帰ったんですか?」
「ああ。」
「1限が休講になったら、私だったら遊んじゃうけどこうやってお兄さんのためになることをしてくれるんだからありがたいですね。」
裕樹が置いていった帳簿をパラパラめくりながら、琴子は言った。
「あのさ、琴子。」
「はい?」
帳簿から琴子は顔を上げた。
「…ホテル、行くか。」
「へ?」
新居よりもまず、式を挙げる会場を探すことから始めるべきではないかと、直樹は思った。式の計画の方が時間がかかることは間違いない。
「ええと…その…。」
琴子はもじもじと身をよじらせた。
「何だよ?」
「いや…その…私、今日は3年もののぱんつなんですよね?」
「は?」
「いいですか…ね?先生も3年くらいパンツ、履きます?」
「…年数までは確認してないな。」
「そっか。なんといいますか、年を重ねるにつれぱんつも肌になじむといいますか、いい伸び具合といいますか。それで捨てにくくなって。」
「…そっか。」
「はい。」
何でここでぱんつの話をされねばならないのか。いや、そもそも結婚を控えた男女がすべき話題なのだろうか。
「それにこんな日が高いうちからホテルに行っていいものなのでしょうか。」
「…?」
ここでようやく、直樹は自分が目的を言わずにただホテルに行くとしか口にしていないことに気がついた。何てことだろう、琴子は完全に勘違いをしている!
それにしても、まだ清らかな交際だというのに琴子の口からぱんつの話が出るとは。いいのか、それで。
「あのさ、行くのは週末で。」
「え?そうなんですか?じゃあ、ぱんつも新しいものを…。」
「いや、お前のぱんつを見るのが目的ではなく。」
「え?じゃあ洋服を着たまま…?」
「いや、そんな趣味を持ち合わせていないし。」
何とか話を戻そうと直樹は努力を続ける。
「結婚式の会場の下見をしようかと。」
直樹は琴子が買っている結婚情報誌を掲げた。ブライダルフェアの文字が表紙に躍っている。
「ああ、下見!」
古典的に琴子はぽんと手を叩いた。
「そうか、そういうことですね。やだ、先生ったら!」
「それは俺の台詞だ!」
大丈夫なのだろうかと直樹は不安を覚えずにいられなかった。



ということで、週末がやって来て二人はとあるホテルにいた。
「はあ…ステキ。」
和装、洋装それぞれのウェディングショーが行われていた。どれを見ても琴子は溜息をついてうっとりと見とれていた。
「今のドレスもよかったなあ。あ、でも最初のドレスもいいなあ。」
ようやく結婚を控えた女性らしい発言が出て来て、直樹は胸を撫で下ろす。

「うわあ、おいしい!先生、これすごくおいしい!」
「そりゃよかったな。」
ショーの後は食事の試食会である。実際に式で出すことができるメニューの試食に、琴子は舌鼓を打つ。
「うーん、お肉柔らかい!」
肉を頬張る琴子を見て、リスが餌を頬張っているみたいだと直樹は思った。そう思うと自然とクスッと笑みがこぼれる。
「先生、ここにしましょうか!お料理おいしい!」
「ったく、まだ一軒目だぞ。」
「だってえ。本番もおいしいもの食べたいし!」
「本番、お前食うなのか?」
「へ?」
直樹の言葉に、琴子のナイフとフォークが止まった。
「ど、どういうことですか?」
「いや、俺たちは当日はほとんど食べられないと思うぜ。」
「何で!」
この世の終わりとばかりに悲痛な顔を琴子はした。
「何でって、花婿花嫁ってのは食わないもんだから。」
「それはルールですか?」
「いや、そういうわけじゃ。」
「じゃあ食べてもいいんでしょ?」
「悪くはないけど…でも緊張して喉を通らないって聞くし。」
「大丈夫です、私はそんなにやわじゃないんで!」
こいつはやはり花嫁の自覚はないのかもしれないと直樹はまた不安を覚えた。

「ねえ、先生。」
デザートに頬をゆるめながら、琴子が聞いてきた。
「先生は和洋、どちらがいいですか?」
「めし?」
「いや、衣裳ですよ!」
「ああ、そっちね。」
頭の中が食べ物でいっぱいなのかと思っていたが、少しは衣裳を考える余地が残っているらしい。
「そうだな…。」
と言いつつ、主役は花嫁であるのだからと直樹は考える。

**********
白無垢の琴子はきれいだった。
「先生。」
伏し目がちな琴子に直樹は見とれる。いつもの騒々しさはどこへやら、これなら大和撫子誰もが思うに違いない。
「では三三九度の盃を。」
琴子の持つ盃に御神酒が注がれる。ああ、持つ手が震えている。可愛いところがあるじゃないかと直樹が思った時だった。
ぐびーっ!!
一気に琴子は御神酒を飲み干した!!
「ふう!おかわり!」
「あるか!」
思わず直樹が声を上げてしまった。が、琴子はそんなこと聞いちゃいない。目が据わっている。
「何でこの盃一杯で?」
「ケチ!よこしなさいよ!」
琴子は巫女さんが持っているお銚子を奪うと、ダーッと口の中へ注いだ!
「うまい!」
「ああ…!!!」
緊張のあまり、酔いが早く回ってしまったのか…直樹は頭を抱えた。

**********

「先生、先生。」
「ん?」
琴子に呼ばれて、直樹は現実に戻ってきた。
「どうしました?デザート溶けちゃいますよ?」
「ああ…。」
デザートのアイスを直樹は一口食べた。
「和装はだめだな。洋装…ドレスにしよう。」

**********

ウェディングドレスの琴子もきれいだった。
「結局、何を着ても似合うんだな、こいつは。」
惚れているとはこのことを言うのかと、直樹はにやけそうになるのを堪える。
「それでは、誓いの口づけを。」
直樹はベールを上げた。琴子が恥ずかしそうに微笑んでいる。いよいよ夫婦になるのだと、直樹は顔を近づけた…。
「…あれ?」
なぜか唇が重ならない。
「どうしたんだ?」
琴子が顔を動かすのがぎこちないため、二人の唇が重ならないのである。
「あれ?もう一度…。」
直樹は顔を近づけた。が、やはり琴子がおかしな方向へ顔を動かすためキスができない。
「おい、ちょっと目を開けてくれ。」
「ええ、やだあ!」
「いや、そんなこと言ってる場合じゃ。」
何度も試みるが、キスができない。二人の息が合わない。
「はい、時間切れ~。」
神父が無情に宣告する。
「いや、まだ。」
「もういいです。形だけだし。」
「そういう言い方は。」
「はい、次の人が待ってるから式はおしまーい。」
「ちょっと待ってくれ!!」

**********

「先生、先生ったら。」
琴子は直樹の肩を叩いた。が、直樹は自分の世界に入って戻ってこない。そんな直樹の口から言葉が漏れた。
「いっそ…何も着ないってのが一番いいのか?」



試食会の後は、プランナーによるシミュレーションである。
「なるほど、これで料金はどれくらいとか分かるわけか。」
パンフレットを見ながらふむふむと琴子は頷いている。
「あ、エステもあるの?エステいいなあ。行ったことないからなあ。」
琴子が独り言を言っているところで、直樹の携帯が鳴った。
「悪い、先に話をしていてくれ。」
「はあい。」
直樹は一度外に出た。
「もしもし、お兄ちゃん?」
「何だ、おふくろか。」
「ちゃんと琴子ちゃんをエスコートしてる?」
「してるよ。」
「あのね、主役は琴子ちゃんなんですからね。琴子ちゃんの希望を優先するのよ。ドレスとか特に!」
「はいはい。」
何を当たり前のことを確認してきたのかと呆れながら、直樹は適当にあしらい母からの電話を切り、会場に戻った。
ところが、どうも琴子のブースに怪しい雰囲気が漂っているではないか。一体何事かと直樹は急いだ。

「何で?何でだめなんですか?」
琴子はプランナーに詰め寄っていた。
「何でって、だめなものはだめです!」
「だって、私の旦那様になる人の希望なんですもの!」
「旦那様の希望でも奥様の希望でもだめです!」
一体どんな無理難題を琴子は言っているのか。
「だから、ドレスも着物も着ないんです!何も着ないお式がいいんですってばあ!」

「…何で、そんなことに?」
琴子を止めようとした直樹の足が止まった。何も着ないってどういうことだ?
「そんなの無理です!全裸でお式を挙げるなんてことできません!」
「本人の希望なんです!」
「そのご希望は受け入れかねます!」
「…分かりました。」
一旦琴子は引き下がった。
「じゃあ、前貼りをします。譲歩して前貼りをさせますから!」
「それ、譲歩になってませんよね!」

「…俺が前貼りをするってことか?」
直樹は青ざめた。
「大丈夫です。剥がすのが痛いって心配しているのならば、うちの先生はそういう痛みに耐えられる人ですから!」
「普段からそんなことをやってるんですか!」
プランナーが信じられないと目を丸くしている。
「何なら紙コップで隠します。紙コップに糸を通して腰に結びます!」
「おい!!」
とんでもないことをさせられそうになって、直樹は止めに入った。するとプランナーが直樹を見た。その目には明らかに『変態新郎』と表示されていた。



「…このホテルで式を挙げるのは不可能になったな。」
「お二人のためのお式を全力で叶えますって書いてあるのに!」
ホテルを逃げ出した二人は、近くの公園のベンチに座っていた。
「嘘つき!」
琴子はパンフレットをゴミ箱へ放り投げた。
「お前が明らかにおかしいだろ。何だよ、全裸で結婚式って!」
「だって先生が言ったんですよ?」
「はあ?」
「さっき、いっそ何も着ないのがいいとか。」
「あっ!」
妄想に囚われて、そんなことを口走っていたのか。直樹は自分にも責任があることを知った。

「せっかく、先生が出した希望なのに…。」
「いや、それは言葉のあやってやつで。」
「どういう意味ですか?」
「その…。」
どう説明すればいいのか。琴子が失敗するのを想像していたなんて言ったら絶対気を悪くするだろう。
「あ、まさか!」
琴子は突然顔を真っ赤にした。
「やだ、先生ったら!結婚式すっ飛ばして夜のこと考えていたんでしょ!」
「え?」
「この間もホテルとか突然言い出すし!先生のえっち!」
「今?今なの?今、恥じらうのっておかしくないか?」
きゃーきゃー騒ぐ琴子に、直樹はついて行けない。
「とにかく、お前の全裸は俺以外に見せないでくれ。」
騒ぐ琴子の口を、直樹は強引に自分の口で塞いだ。勿論、無事に二つの唇は重なった。
―― これなら、本番もいけそうだ。

「まあ、俺としては普通の…。」
と言いかけて、直樹は口をつぐんだ。
「何です?」
「いや…。」
普通じゃなく、自分がしたい結婚式は。
「…お前が幸せな結婚式が一番いいよ。」
「じゃあ、それならば。」
琴子は直樹の腕に自分の腕を組ませて体をぴたっとつけた。
「先生が幸せな結婚式が、私の幸せな結婚式です。


「ったく…。」
この可愛らしさに直樹は全てを許してしまう。
「とりあえず、和装でも洋装でもいいから服は着ようぜ。」
「もう、先生ったら!」
さて、この調子で結婚式は挙げられるのか。だが、こういう準備もまた楽しいものだと二人は実感していた。



☆☆☆☆☆
とうとうこのシリーズも58話です…。
この二人はいつ結婚できるのでしょうか。
いっそ永遠の婚約者もありなのか?







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片平なぎささんの赤い霊柩車シリーズ、神田正輝さんといつまでもフィアンセ……笑
いい加減、結婚させてやれよと、思ったことがあります
イリコトは、ソロソロ結婚した後が読みたいかも⁉

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