日々草子 水面に映る蓮の花 14
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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最新記事

更新が月一になり申し訳ありません。
今回ほど、プロット(というほど大した物ではない)を書いておいてよかったと思ったことはありませなんだ。
楽しみにして下さっている方をお待たせして申し訳ありません。

☆☆☆☆☆



どんどん琴子の表情が翳っていくのが、桔梗には気がかりであった。何もできずにいるのが心苦しいばかりである。
「琴子はいるか。」
直樹の訪れも皆無の雀殿に、いつもの無邪気な声が響くことがせめてもの救いとなっていた。
「裕樹様、ご機嫌麗しく。」
「何だ、相変わらずボケッとしているなあ。」
口は悪いがその中には琴子を気遣う心がきちんと見えていた。裕樹の気遣いのほんの僅かな部分でも直樹にあればと桔梗は思わずにいられない。
「昨日は鳥の絵を教えていただいたのだ。」
相変わらず絵の勉強が楽しくてたまらないらしい。裕樹はいそいそと絵を広げて見せた。
「まあ、きれいな色使いですね。」
琴子は心から感嘆の声を上げた。確かに、今までの裕樹の絵から成長が僅かながら見られた。
「そうだろう。色と色の組み合わせや混ぜ方などは好美から教わったのだ。」
「好美殿から…。」
その名前を聞いた途端、琴子の顔が曇った。それを見た桔梗は先日の王妃とのやり取りをすぐに思い出した。
「あの時も姫様の表情が変わった…」と桔梗はすぐさま、話題を絵へ向けさせる。
「裕樹様、こちらは何の鳥でございますか。」
「何だ、お前は分からないのか。」
そう言いつつ、裕樹の機嫌は悪くはならなかった。まさかニワトリだったらどうしようかと桔梗は汗を背中に垂らす。
「これはな、カワセミという鳥なのだ。」
「カワセミでございますか。」
ニワトリじゃなくてよかったと、桔梗は胸を撫で下ろした。
「そうだ、東の庭園の池のほとりにいるんだ。何日も通って、下書きをして色を塗ったのだ。」
「このように美しい鳥がいるとは知りませんでした。」
桔梗の本心だった。カワセミが裕樹が描いた通りの色をしている鳥ならば美しい。
「ぜひ一度、私も見てみたいものです。」
「そうか。ならば連れて行ってやろうか。」
桔梗に誉められた裕樹の機嫌は最高のものとなっていた。
「琴子もどうだ?お前は閉じこもりがちだから歩いた方がいいのではないか。」
先ほどからどこかうつろな顔をしている琴子を心配して、裕樹が言った。
「琴子。」
「え?ああ、そうですね。ぜひとも。」
笑顔を作り琴子は返事をした。
「何だ、調子が悪いのか?」
裕樹は琴子が心配になった。
「いえ、そのようなことは。ぜひとも裕樹様のお好きな場所にお連れ下さい。」
「うん、それならばそうしよう。そうだ、好美も一緒に連れて行こう。」
「え!?」
思わず桔梗が声を上げてしまった。せっかくその名前から話題を遠ざけというのに。
「何だ?」
「あ、いえ。」
「好美殿とは大分親しくされていらっしゃるようですね。」
桔梗の戸惑いをよそに、琴子がその話題を続けようとした。
「え?まあ、そうだな。親しくというか…あいつは絵に詳しい。」
裕樹は腕を組み「うん、うん」と頷いた。
「師の君の側で手伝いをしているからか、画材や色使いに詳しいのだ。勿論、師の君の方がずっと詳しいのだけれど。自分は描かないくせにおもしろい奴だ。」
「お気に召しておいでのご様子。」
「そうかなあ。僕は同じ年頃の女と話をしたことがないから分からないがあいつは話しやすいな。時々真っ赤になって水をこぼしたりするけれど。」
クククと裕樹は思い出し笑いをした。

単に微笑ましい話で終わるもののはずが、琴子にとってはそうではなかった。
「宮様。」
珍しく裕樹をそう琴子は呼んだ。
「何だよ、改まって。」
「ご身分をわきまえられることもお忘れなきよう。」
「…は?」
裕樹は眉をひそめた。
「どういう意味だ?」
「宮様にはご身分の釣り合った女性がいらっしゃるということです。」
琴子らしくない物言いに桔梗は青ざめた。やはり、そこを気にしていたのか。
「姫様、今は…。」
「はっきり言えよ。」
桔梗が止める間を与えず、裕樹は琴子に詰め寄った。
「お前、好美が僕と釣り合わないと?あいつが貧乏貴族の出だからか?」
「…。」
琴子の無言はそれを肯定していた。
「何だ、それ?何早まったこと考えてるんだよ!」
今まで上機嫌だった裕樹が、顔を真っ赤にして怒り出した。
「好美は師の君の娘なだけだ。僕に色々教えてくれ、絵のことを語り合う友だ。それ以上ではない!」
「ですが…周りはそうは見ません。」
「はあ!?」
「宮中には様々な視線があることを宮様もご存知のはず。」
「知ってるよ!ああ、知ってるよ!それが何だというのだ!」
「宮様…。」
「お前だって貧乏貴族の出だろうが!!」
それを口にした途端裕樹はハッとなった。自分の失言に気づいた。
「…左様でございます。」
琴子は静かに頷いた。その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「…帰る!」
どうしていいか分からず裕樹はドタドタと走って出て行ってしまった。

「姫様…。」
琴子の気持ちが分かる桔梗は叱ることはしなかった。
「…好美殿のことは私も好きよ。」
「存じております。」
「でも…だから私と同じ辛い目に遭わせたくはない。」
「姫様。」
「私のように東宮様のお心だけを頼りに宮中に入り、苦労して、そのお心を失いこうして惨めな思いをさせたくはない。」
「…お気の毒な。」
声を殺して泣く琴子の手を取り、桔梗の目にもまた涙が浮かぶのだった。



「そのようなことを琴子様が!」
「そうです。そこまで追い詰められているのです。」
桔梗は定期的に鴨狩と話をする場を設けていた。裕樹との一件もきちんと鴨狩の耳に入れておく必要があると思い、緊急の立ち話をしていた。
「琴子様がそのようなことを口にされるということは余程のことでしょう。」
「はい。姫様は直樹様が頼りでいらしたのです。それを失った今…。」
「自業自得だろ。」
突然背後から聞こえた声に、桔梗は飛び上がらんばかりに驚いた。
「な、直樹様。」
直樹が外へ医師として出かける格好でそこにいた。
「お戻りだったのですか。」
「執務があるから早めに戻ると告げたのを忘れていたのか。」
直樹は鴨狩を睨んだ。
「俺がいない方がよさそうだけど。」
「とんでもございません。直樹様、今、琴子様が大変なことに…。」
「だから自業自得だろ。俺に頼れなくなった?は?自分から手を離したのはどっちだ?」
「直樹様、そんな仰りようは!」
見かねて鴨狩が抗議をする。
「あいつは変わったんだよ。とうとう裕樹の妃選びまで口を出すようになったか。」
「それは恐れながら、欅宮様が…。」
「欅宮がどう言おうがあいつは東宮妃なんだ。全て突っぱねて堂々としてればいいだけだろ?」
「その強さは姫様にはとても…。」
「身につけてもらわないと困る。」
きっぱりと直樹は桔梗に告げた。
「俺はお飾りの妃を迎えたつもりはない。ましてや自分の立場をひけらかす妃も迎えたつもりはない。が、どうも違っていたらしいな。」
「直樹様、琴子様が余にお気の毒です。」
「自分が蒔いた種だろうが。」
直樹は冷たく言い放つと、自分の御殿へと戻ってしまったのだった。



「そうか。孤立したか。」
裕樹との出来事を聞いた欅宮はそう呟いた。
「後一押しでございましょう、宮様。」
柘榴が嬉しそうに報告する。
「まあ、これで自分の立場が分かることになるだろう。」
「左様でございます。」
琴子が宮中を出て行くまで間もなくだろう。そう思うと楽しくてならない欅宮であった。
「あとは東宮にきちんとした正妃を迎えさせることになる。」
「前の東宮妃様を再度お迎えということもできますね。」
「そうだな。」
可愛がっていた前の東宮妃が再びその座に返り咲く。それを想像しただけで嬉しくなる。
「やはり人にはふさわしい立場というものが存在するのだ。あの娘も自覚したことだろう。」
「はい、宮様。」
欅宮と柘榴は笑いが止まらなかった。



それから数日後、更なる騒ぎが起きた。
「欅宮様の髪飾りがない?」
王妃は後宮で起きた事件に対応する部署の長である女官から報告を受けていた。
「どういうこと?ちゃんと探したのか?」
「はい。ですがどこにもなく…。」
後宮を束ねるのは王妃である。そこに話が持ち込まれたということは事態の深刻さを意味していた。
「王妃様…。」
「女官長、そなた女官たちの長としてどう考える?」
「欅宮様は後宮中を探させると息巻いておいでとか。」
王妃は溜息をついた。欅宮が騒いでいる様子が目に浮かぶ。
「ならば、まずは王妃殿であるここを探すがよかろう。」
「いえ、とんでもございませぬ。」
女官が止めた。
「こちらにあるとは思っておられぬご様子。」
「しかし、後宮の全てを疑っておいでだろう。」
ならば自分の所からと、王妃は捜索を命じた。
勿論、王妃の御殿からは髪飾りは出てこなかった。



「義母上様がそのようになさったのならば、私も。」
話は琴子の元へやって来た。王妃が捜索させたならば、東宮妃である自分も従うのが当然であった。
「姫様、大丈夫でございましょうか。」
捜索を始める女官たちを前に、桔梗が小声で琴子に囁いた。
「どうも欅宮様が何かを企んでおいででは。」
「義母上様の所まで捜索させて?まさか、そのようなことは。」
いくら自分憎しといえ、王妃まで巻き込むことはしないだろう。
「本当に大切なものなのでしょう。」
と言った琴子の耳に、信じられない言葉が飛び込んできた。
「ありました!」
「…え?」
琴子と桔梗は顔を見合わせた。桔梗が急いで女官たちの元へ駆け寄った。
「どういうことです?」
「こちらが欅宮様の髪飾りでございます。」
それは確かに、琴子の髪飾りではなかった。見慣れぬものが琴子の寝室の、小さな飾り箪笥から発見されたのである。
「何かの間違いでは?どうしてそれがあるのです?」
「それはこちらが聞きたいところだ。」
いつの間にか柘榴が女官たちを引き連れ現れた。
「柘榴様、こちらで間違いありませぬか?」
捜索担当の女官が柘榴に髪飾りを渡した。
「左様。これこそ欅宮様のもの。」
それは翡翠を使った豪華な代物であった。
「まあ、このような高価なものは貧しきお育ちの方には喉から手が出るほど欲しくなるものでしょう。」
「柘榴殿、失礼でしょう!」
桔梗が憤慨する。
「しかし、ここから発見された事は事実。」
柘榴は一歩も譲らなかった。
「この件は直ちに、欅宮様へお伝えいたします。勿論、王妃様にも。」
柘榴は髪飾りを手に、足早に立ち去った。

「私は…盗みなどしてないわ。」
唇をかみしめ、琴子は呟いた。
「もちろんでございますとも。」
桔梗が頷く。
「東宮妃様…桔梗様…どうなるのでございましょうか。」
雀殿に使える女官たちが一斉に顔を青ざめ、中には泣き出す者たちもいる。
「皆、しっかりとしなさい。私たちは何もしていないのだから。」
桔梗が励ますが、泣き声が増えていく一方である。
「この中に、罪を犯す者などいないわ。絶対に。」
琴子は自分に仕えてくれる女官たちを信じていた。が、自分の立場が馬鹿にされるゆえ、この者たちに辛い思いをさせていることが何より心苦しかった。



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直樹サイテー
琴子には、もっといい人いるよ
こんな事になってるのに、自業自得とか
順調な時に、円満なのは当然
ギクシャクし始めたときに、しっかり守れないで、琴子の自業自得と言い放つ
お前の存在価値が無いじゃないか!
琴子、もう出ていこう

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直樹本当に琴子の事好きだったの⁉️
琴子直樹をギャフンと言わないと、そして
直樹が後悔して、最後はハッピーエンド
で二人の子どもが出来ての生活みたいです。
あとあの方もいじめが、バレて、琴子に、頭をさげるとこもみたいです。

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