日々草子 そういう気分なの
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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そういう気分なの




「…まあ、そちらも寒くなってきましたか。ええ、こちらはもうすっかり冬支度で。」
「やっぱり東京と札幌じゃ寒さが全然違うのねえ。みんな、風邪引かないように気をつけてね。」
「はい、ありがとうございます。」
「お兄ちゃんはどうしてる?琴子ちゃんを困らせていない?」
「入江くん、ここのところずっと病院に泊り込みで。昨日帰って来れて今日は休みなんですけれど、部屋で論文書いています。忙しくて大変そう。」
「まあまあ、無理しないといいわねえ。」
と、琴子が紀子と電話で会話をしていた時である。

てってけてー。

電話をしている琴子の前を、真樹が横切った。それ自体は不思議なことではないのだが。
「ん?両腕と両足がむき出しだった?」
琴子は目をこすった。ちゃんと朝、長袖と長ズボンを息子に着させたはず。
「琴子ちゃん、どうかした?」
「あ、いえ。なんか幻が見えたような。」
「幻?」
「すみません。ちょっと頭がボーッとしているみたいで。」
「まあ、風邪引いたんじゃないの?」
紀子の声色が変わった。
「あ、いえ。そんなことはないです。」
紀子を心配させまいと、琴子は慌てた。
「ちょっと夕べ寝てなくて…。」
「あら、寝不足…」と言いかけた紀子はピンと来た。
「そうねえ。お兄ちゃん、久しぶりに我が家に戻って来たってことは…ねえ?」
「え?あ、いや、その。」
紀子には琴子が顔を真っ赤にして慌てている様子が目に浮かぶ。

そんな慌てる琴子の前をまたもや。

てってけてー。

と、真樹が今度はにわとりのぬいぐるみ、こっこちゃんを抱えて通った。今度は琴子もしっかりと見た。
真樹はタンクトップにパンツだけという、薄着も薄着なのである。

「まーくん、何でそんな格好を!!」
「え?まーくんがどうしたの?」
「すみません、お義母さん。まーくんがタンクトップでチョロチョロしてるんです。ちょっと服を着せないと!」
「ああ、そうね。琴子ちゃん、それじゃあね。」
「はい、すみません。」
電話を切った後、紀子は「フフフ」と笑った。
「琴子ちゃんも大変ね。夜はお兄ちゃんのお守、昼はまーくんのお世話で。」



「まーくん、待ちなさい!」
部屋の中を歩き回っていた真樹を、琴子は捕まえた。
「なあに?」
「なあにじゃないでしょ。何でタンクトップで歩いてるの?ああ、ズボンも脱いじゃって。」
「今日はねえ、まーくんはこの格好でいたい気分なのよね。」
そう言いながら真樹は、両手を横に伸ばし両足を交差させてクネっとしたポーズを取った。
「この格好でいたい気分なのよねって、風邪引くわよ。」
くまのイラストが描かれたタンクトップと引っ張りながら、琴子は「めっ」と睨んだ。
「脱いだお洋服持ってらっしゃい。」
「やだ。」
「やだじゃないでしょ。」
「だからこういう気分なの、今日のまーくん。」
またもやクネっとしたポーズの真樹である。
「いけません。風邪引くって言ってるでしょ?お熱出てうーんうーんって苦しくなっちゃうわよ。」
「そうしたら、ママが可哀想ってお世話してくれるでしょ?」
「しないわよ。」
「え!」
真樹は衝撃の事実を告げられたかのように、大きな目を見開き、口を開けた。
「どして?まーくん、可哀想だよ?」
「可哀想じゃないでしょ。ママの言うこと聞かなかったんだから。」
「えー、お世話して。」
「嫌です。」
「まーくん、おこりんぼのママ嫌い。」
「ママもわからずやのまーくん嫌い。」
ムウッと頬を膨らませると真樹はタンクトップとパンツ姿でにこっこちゃんを抱えたまま、リビングを出て行った。
「まったく…すぐあっちへ逃げる!」
琴子は琴子で両手を腰に当て頬を膨らませる。その顔は息子とそっくりであった。



「…そろそろ来るな。」
さして広くないマンションの中。母子の騒ぐ声は直樹の所へ筒抜けであった。直樹はパソコンのキーボードを打つ手を止め、その時を待った。

コンコン。

ドアの下の方がノックされた。
「どうぞ。」
ドアがガチャリと開き、真樹がこっこちゃんと顔を覗かせた。
「ぱあぱ…。」
トコトコと部屋に入って来た真樹を見て、直樹は「これは琴子が叱るわけだ」と納得する。が、同時に笑いもこみ上げてくる。
「パパ…ママ、おこりんぼになっちゃた。」
「ん?真樹がこんな格好だからだろ。」
こっこちゃんごと真樹を抱き上げ、直樹は膝の上に座らせた。
「まーくん、今日はかいほうてきな気分なの。」
「開放的かあ。」
何処でそんな言葉を覚えて来たのやらと直樹は苦笑する。子供はすぐに大人が口にする言葉を覚えるものだ。
「でも、ママが心配するぞ。パパも真樹が風邪引いたら困るよ。」
「うーん、そしたらパパが治してくれるでしょ?」
真樹が直樹の顔を見上げた。
「治してあげるけど…でもお熱でうんうん苦しいよ?」
「ママがお世話してくれないからだよ。」
ブーと唇を尖らせる真樹である。と思ったら、「くしゅん」とくしゃみをした。
「ほうら、寒くなってきただろ?」
直樹は真樹の背中をさすりながら続けた。
「真樹がお熱出したら、パパは寂しいなあ。」
「どして?」
「だってママは真樹のお世話でいっぱいだし。その間、パパは一人ぼっちだよ?」
「パパがひとりぼっち…。」
こっこちゃんを撫でながら、真樹は考え始めた。

************

「ごめんね、入江くん。まーくんのお世話をするから出て行って。」
琴子は直樹に風呂敷包みを渡した。
「ここに身の回りのものを全て入れておいたから。」
「ママー、ママー。」
「ああ、まーくん。ごめんなさいね。すぐにいきますよ。」
無情にも琴子は直樹の前で家のドアをバタンと閉めた。
「俺はどこへ行けば…。」
大きな風呂敷包みを背中に背負い、直樹は途方に暮れた…。

************

「え?パパは追い出されちゃうの?」
息子の想像に直樹は驚いた。
「そんなにしなくても…。」
「大変だ!!パパがおうちにいられなくなっちゃうんだね!まーくん、風邪引いたら大変だ!」
真樹はパッと直樹の膝から飛び降りた。
「まーくん、お洋服着てくる!」
こっこちゃんを直樹へ押し付け、真樹は部屋を飛び出した。
「ママー!まーくん、お洋服着るよ!!」


「もう、しょうのないまーくん。」
呆れながらも琴子は真樹に服を着せてやった。
「あったかーい。」
「そうでしょ?」
ようやく長袖長ズボンになった真樹は笑顔を見せた。それにつられ琴子も笑顔になった。
「さ、温かいお茶を飲みましょ。まーくんには温かいミルク、パパにはコーヒーね。まーくん、パパにコーヒーはどこで飲みますかって聞いてきて。」
「はあい。」
真樹は弾んだ足取りでリビングを出て行った。

ノックをした後、真樹が「ぱあぱ」と入って来た。
「お、ちゃんと服を着たな。」
「うん。」
「よし、よし。」
「あのね、パパ。ママがコーヒー淹れるって。」
「そっか。じゃあ休憩にしようかな。」
直樹は伸びを一つした。
「それでね、パパ。ここで一人でコーヒー飲むのと、あっちのお部屋でまーくんを抱っこしてコーヒー飲むの、どっちにする?」
大きな目を輝かせて真樹は父の返事を待った。
「それは選択肢になってないなあ。」
「せんたく?」
「真樹抱っこして飲みたいなあ。」
直樹の返事を聞いて、真樹はムフッと笑った。
「真樹、こっこちゃん置いてきぼりだぞ。」
「あ、ごめんね。こっこちゃん。」
真樹はギュッとこっこちゃんを抱きしめ、直樹の手を引いてリビングへ向かった。


「そうだ、お義母さんが送ってくれたクッキー。」
コーヒーのカップを置いて、琴子がキッチンへ立ち上がった。
「ねえ、パパ。」
膝の上でミルクを飲みながら、真樹が直樹を見た。
「ん?」
「あのね、寝る時ご本読んでくれる?昨日はまーくんが寝た後にパパが帰ってきたからご本読めなかったでしょ?」
昨日は帰りが遅く、真樹はぐっすり眠った後だった。まあ、それゆえそのまま琴子と久しぶりの濃密な夜を過ごしたわけだが。
「そうだなあ。」
鼻歌を歌いながらクッキーをお皿に並べる琴子を見ながら、直樹はニヤッと笑った。
「じゃあ、パパが手に入れたばかりの新しいお医者さんのご本読もうか。」
「ほんと!」
医学書を読み聞かせると、真樹の寝つきはいいのである。
「…連続でもいっか。」
まだお互い若いわけだし、時間が取れる時は夫婦のコミュニケーションをたっぷり取らないと。
「なあに?」
「いや。明日はパパが朝ごはん作ることになるかなって。」
「ホットケーキ!くまさんの!」
「OK。」
「はい、おばあちゃんの手作りクッキーですよ!」
直樹がそのような目論見をしていると知ることなく、琴子は笑顔でクッキーを運んできたのだった。



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まー君シリーズ、勝手ながらそう呼ばせて貰っています、これ可愛くって、嫌みがなくって、ほのぼのして安心して読めます、これからも、まー君シリーズお願いいたします。v-222

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