日々草子 水面に映る蓮の花 13
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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更新が遅れて申し訳ありません!
この先の展開をあれこれ考えていたら時間が経ってしまいました。
ここは丁寧に考えないと、後から辻褄が合わなくなって大変なことになるとか色々考えてしまって。
でも書いているうちに変わっていくので、どうなることやら…。
☆☆☆☆☆





「やはり身分の差というものは埋められなかったのでしょう。」
「東宮妃、将来の王妃になられるお方は幼い頃よりそれなりの教育を受けてきた方でないと務まらないのです。」
女官二人が噂をしていた。その声は潜めているつもりなのか、いやもはや聞こえても構わない。他の者も同様のことを噂しているのだからといったところか。
「オホン」と、桔梗は咳払いをした。噂をしていた女官は一瞬口をつぐみ咳払いの聞こえた方向を見た。が、その主が東宮女官長と分かっても特に慌てる素振りはなかった。
宮中に仕える女官たちの中に琴子と自分、いや雀殿に仕える全ての者たちを軽んじている者がいることは知っていた。が、この度の直樹と琴子の不仲でそれに拍車をかけていることは明らかであった。
「…。」
後ろに連れている女官たちが悔しそうにしていることは分かっていたが、相手にしてもどうしようもないと桔梗は無視して通り過ぎようとした。

「そなたたち、その手はどうしている。」
威厳のある声が桔梗の足を止めた。
「口を動かす暇があるところを見ると、よほど余裕があると見える。」
「女官長様!」
声の主は王妃に仕える女官長、宮中の女官の頂点に立つ者である。長年培ったその威厳は下っ端の女官たちを震え上がらせるのに十分であった。
「女官長様、この者たちに何か不手際がございましたでしょうか。」
噂をしていた女官たちの上司にあたる女官が飛び出して来た。
「そなたの監督不行き届きぞ。」
桔梗が連れている女官より多い女官を背後に控えさせ、女官長が叱りつけた。皆頭を下げているばかりであった。

「東宮女官長、雀殿に参るのか。」
言葉少ないが、きっちりと叱り終えた後に女官長が桔梗を見た。
「はい、左様でございます。」
「そうか。私も王妃様のお使いで東宮妃様の元へ伺うところだ。共に参ろう。」
「はい。」
二人は共に歩き始めた。
「桔梗。」
人の目がなくなって、女官長は東宮女官長ではなく桔梗の名前を呼んだ。
「はい、女官長様。」
「先ほどのようなことは、多々あるのか?」
「…。」
「正直に申せ。」
「…左様でございます。」
「そうか。」
女官長の声色は先ほどとは違い、気遣いを含むものだった。
「目を配っていたつもりだが、苦労をさせる。」
「とんでもございませぬ。」
「そなたも、東宮女官長として私に次ぐ地位にいる。堂々と注意して構わぬのだぞ。」
「…分かってはおりますが、私の行動で東宮妃様にご迷惑をかけることになってはと。」
「気を遣う者よ。」
「東宮妃様も、私がそうすることを望まれないのでございます。」
「あのお方はそういうお方であろうな。」
そのような話をしているうちに、雀殿が見えて来た。


「義母上様にお気を遣わせて申し訳ありません。」
王妃の気遣いの言葉を女官長が伝えた後、琴子はそう返答した。
「私はこの通り、元気で過ごしているとお伝えを。」
「かしこまりました、東宮妃様。」
女官長はそっと琴子の様子を伺った。やつれたことは一目瞭然であった。
一方、琴子は自分と直樹の関係のどの辺りまで宮中に流れているのだろうかと思っていた。まさか、寝所での出来事までとは思いたいが。
「女官長直々、苦労をかけました。」
「とんでもございません、東宮妃様。」
女官長は恐縮しながらも「恐れながら」と続けた。
「どうしましたか?」
「東宮妃様、私たち女官への言葉遣いに敬語は不要にございます。」
「あっ…。」
気づいた琴子に、女官長は笑みを浮かべた。
「そうでした…いや、そうだった。宮中に入ったばかりの頃、そのように教わりました…いや、教わった。」
懸命に言葉を直そうとする琴子に、女官長の頬はますます緩む。
「桔梗やこの雀殿に仕えてくれる者たちへはそのように話せるのですが。」
「いずれ東宮妃様は王妃になられるお方。王妃はこの宮中の女性の頂点に立たれるお方です。今から少しずつ慣れていらっしゃれば。」
「…王妃、ですか。」
すっかり元の話し方に戻った琴子の表情に陰りが走った。
「…ふさわしいかどうか。」
「東宮妃様…。」
それきり、琴子は言葉を発しなかった。



「そうか。姫はそのように過ごしているのか。」
戻った女官長から報告を受けた王妃は溜息をついた。
「私が参ったら余計に気を遣わせるだけだろうと思い、そなたを遣わしましたが。」
「私が言葉遣いのことを申し上げたことが余計でございました。申し訳ございませぬ。」
「いや、威厳をもたせることは必要なことです。といっても、私とて全ての言葉が敬語なしというわけではないけれど。」
王妃はホホホと笑った。
「口さがない女官たちにあれこれ言われているお姿があまりにお気の毒で。」
「分かっております。そなたの気遣いを姫も分かっているはず。」
それにしてもと王妃は再び溜息をついた。
「欅宮様がいらしてから、本当にろくなことがない。あのままでは東宮との仲がこじれる一方ではないか。」
「左様でございます、王妃様。」
「そなた、女官たちの監督に更に気をつけておくれ。」
「かしこまりました。」
欅宮が何を次に仕掛けてくるのか、王妃はそれが心配だった。
そして、その心配は残念ながら当たってしまう…。



翌日のことだった。
「欅宮様がお越しでございます。」
「欅宮様が?」
王妃は驚いて女官長と顔を見合わせた。昨日噂をしていたところではないか。
「私たちの話が聞こえたわけではないでしょうね?」
「まあ、王妃様。」
笑った女官長ではあったが、すぐに表情を引き締めた。
「お通しせよ。」
王妃は取次の女官に命じた。

「ごきげんよう、王妃様。」
欅宮はにこやかに王妃の居間へやって来た。
「ごきげんうるわしゅう、欅宮様。」
王の叔母とはいえ、一応王妃が上座である。が、その居心地の悪さを王妃は感じずにいられない。
「どうなされましたか?」
「いえ、今日は老婆心ながらお話したいことがありまして。」
欅宮は側に控えた柘榴に頷いた。すると柘榴は巻物を女官長へ渡す。女官長はそれを王妃へ渡した。王妃は広げた。
「これは…。」
そこに書かれていたのは、数々の高官の名前及びその息女の名前であった。
「もしや、これは?」
「二の宮様のお妃候補の名前でございます。」
「二の宮の…。」
王妃は少しだけ安堵した。もしかしたら東宮の側室候補の名前ではと思ったのである。が、二の宮と聞いて別の危惧を覚えた。
「宮様、二の宮はまだ子供でございます。妃など早いことですわ。」
「まあ、王妃様。何を仰います。」
ホホホと欅宮が笑った。その笑い声が不気味だと王妃と女官長は思った。
「東宮様と東宮妃様…ああ、もちろん前の東宮妃様ですけれど。お二人が婚礼を挙げられたのは今の二の宮様よりほんの少し年齢が上の時でしたでしょう。」
「もちろん前の東宮妃」という部分に王妃は腹が立った。が、堪えた。
「王室の一員となるお妃は早くから宮中に入りしきりに慣れていただく必要があります。今からでも遅いくらいですわ。」
「ですが、二の宮自身がまだ…。」
「お妃を迎えられれば大人の自覚が芽生えていらっしゃいましょう。」
とりあえず、王妃はそこに書き連ねられている名前に目を落とした。
「この姫君たちはもしや…。」
「はい、大泉家に縁のある家の姫君たちでございます。」
「やはり」と王妃は思った。
「きちんとした家柄の姫君をお迎えになった方が、王室の将来の安泰につながりましょう。」
「家柄より、性格を私は重視したいと思っております。」
王妃が反論した。
「いくら家柄がよくても、二の宮と気が合わなければ当事者には不幸でございましょう。二の宮と気が合う姫でなければ。」
話をしながら、王妃の心には好美の顔が浮かんでいた。二の宮と上手にやってくれている、あの姫なら妃にふさわしい気がする。

「家柄が一番大事でございますよ、王妃様。」
欅宮が眉をひそめた。
「育ちが違い過ぎることが一番の不幸でございます。まあ…誰とは申しませぬが。」
「申されなくとも分かります。」
不機嫌さを隠すことなく、王妃が言った。東宮と琴子のことを言っていることは明らかである。
「とにかく、二の宮の妃選びはまだ早いと考えております。この点は王様も同じお考えでございますわ。」
王妃はこれ以上は受け付けないと、きっぱりと欅宮に告げたのだった。



「まったく、本当にろくなことを言わない。」
置いて行かれた巻物を乱暴に丸めると、王妃は行儀悪く放り投げた。
「二の宮の妃に大泉家の息のかかった者をということなのでしょう。それに姫を軽んじているところが腹が立つ!」
怒っているところに「東宮妃様のお越しでございます」という女官の声が聞こえた。
「ああ、大変。辺りを片付けておくれ。」
慌てて片付けさせた後、東宮妃が居間にやって来た。
「昨日はお見舞いのお言葉、ありがとうございました。」
琴子はお礼にやって来たのだった。
「この度はご心配をおかけして申し訳ございません。」
「とんでもない。無理はしていませんか。ちゃんとお食事は取っていますか。」
実の娘、いやそれ以上に王妃にとって琴子は大事な存在である。欅宮にいじめられているところにその気遣いの拍車がかかる。
「大丈夫でございます。」
「そうですか。ああ、そうだわ、今日は一緒に夕のお食事をとりましょうか。」
「よろしいのでございますか。」
「もちろんですとも。女同士で楽しく過ごしましょう。」
あえて東宮とのことは聞かない王妃であった。その優しさが琴子の中にゆっくりと沁み渡る。
「女官長、東宮妃の好物を用意させるように。」
「はい、王妃様。」
「全てですよ、全て用意させるように。」
「義母上様、お気遣いなく。」
「いいえ、素敵な夜にしたいのです。ここは私の言うとおりに。」
「はい、義母上様。」
琴子の笑顔に、桔梗は胸を撫で下ろした。久しぶりに見る心からの笑顔であった。

その時、いそいそとする王妃の膝が何かに当たった。それが転がり琴子の所へやって来た。
「これは…。」
「あっ。」
琴子が拾った途端、それは広がった。
「名簿…でございますか?」
思わず見てしまった琴子であるが、それは姫君と思しき名前ばかりである。
「…東宮様の御側室の候補者でございましょうか。」
「まあ、そんなことは!」
王妃は慌てて否定した。
「二の宮の妃の候補だと、欅宮様が置いて行かれたのです。」
自分が乱暴に放り投げたばかりに、琴子の目に触れてしまうことになったことを王妃は後悔した。
「欅宮様が…。」
いずれも名家の姫君ばかりだと琴子にも分かった。
「私は、そのような姫君たちよりも、もっとふさわしい姫君がいると思っております。」
「義母上様のお心にどなたかがいらっしゃるのですか?」
「ええ。姫もよく知っている姫ですとも。」
「もしや…。」
「ええ、あの姫ですよ。」
王妃が好美のことを言っていることに気付いた琴子の心に陰りが帯び始めた。が、それに気付く者は誰もいなかったのである。



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琴子ちゃんと、入江君元に戻るのかな?心配v-12

更新ありがとうございます❤

水玉さま ご無沙汰しております(*^_^*)

いや~、琴子は相変わらず素晴らしいジェットコースターに

乗車されてますね~。

欅宮、マジムカつく~(-"-)

しかも直樹だけでなく、裕樹まで大泉の毒牙にかけようとは。。。

誰でもいい、早くこのオババを退治してくれ~!!

水玉さま これからも更新楽しみにしてますね~。

んで、表の琴子ちゃんが虐げられてるときは、チラシ裏の

まーくん+❤ラブラブ❤フトン夫婦を愛でて、気持ちを落ち着け

ながらこちらも楽しませていただきます(笑)

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