日々草子 発射する後輩 
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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発射する後輩 

これはそもそも、「下町ロケット」について検索しようとしていたら、公式サイトが出てこなくて「何だ、もうすぐドラマも始まるってのに」と不思議に思っていたら、「半分ロケット」と検索していた私の間抜けさからのお話です。朝ドラについてああだこうだと考えながら別のことしていたせいで。
そんなこんなでお祭りだからこれくらいのおふざけは許されるだろうと(笑)

イタキス期間2018


☆☆☆☆☆






「わざわざ来てもらって悪かったですね。」
「いえいえ、とんでもない!」
驚くべきことに、僕が今いるのはパンダイ本社の社長室だ。もちろん、話す相手は社長。
「僕でよければ何でも仰って下さい。」
思えばあの後輩の側について幾年。出会う人出会う人に存在を無視されてきても、僕は負けずに生きてきた。後輩の生き様を、時代の証言者として残す目的、ただそれのみを胸に抱えて。
そんな日陰の身である僕にとうとうスポットライトが当たる日がやって来たんだ!

「西垣先生、今度我が社は新規プロジェクトを手がけることになりました。」
「新規プロジェクト…ですか。」
ゴクリと僕は唾を飲み込んだ。何で医者である僕に相談するのか分からないけれど。
「はい。プロジェクト名は"半分ロケット”。」
「半分…ロケット!?」
僕の脳裏に右半分がロケット、左半分が何かでできている物体が浮かんだ。それにどっかで聞いたことがあるような名前。
「…下町ロケットじゃなくて?」
「それじゃパクリじゃないですか。」
ガハハと笑う社長。いやいや、このシリーズがそもそもパクリでしょうが。
「まんまパクったらまずいんで。」
「いや、パクリ元が一つ増えているような気がしますけど。」
某放送協会ドラマと、民放ドラマを足してますよね?

「我が社もおもちゃ一筋でやってきましたが、そろそろ他のものに着手する時期が来たかと思いました。」
「はあ…。」
「それで宇宙事業に着手してみようかと。」
「そりゃまた壮大なスケールで!」
いきなりおもちゃから宇宙って?
いや待て。これは実は宇宙のおもちゃを作ろうってことを言っているのではないか?そうだよね、そういう意味だよ。

「それで、どんなロケットを?」
僕も社長の話に乗っかることにした。
「上半分はロケット。下半分は扇風機。」
「…はい?」
やっぱパクリ?
「こんな感じです。」
社長は設計図を広げた。本当に上半分ロケット、下半分扇風機。
「そよ風の扇風機です。」
絶対飛ばねえ!!
「言いにくいことを言っていいですか?」
「どうぞ、どうぞ。忌憚なきご意見を。」
「これだと、ドローンより飛ばないかと。」
「は?」
「まあ河川敷で飛ばして遊ぶには楽しいかもしれませんね。きっとお値段もお手頃価格で。」
「…そんなところで飛ばしませんよ。」
社長が笑った。
「ちゃんと現地まで運びます。やだなあ、西垣先生はジョークばかり。」
「現地?」
「種子島宇宙センターに決まってるでしょうが。」
「…はい?」
いやいや待って。何、これ。おもちゃサイズじゃないの?え?あれ?結構大きい…って本物のロケットのサイズ知らないけど。だってこれ、ドローンどころか一般住宅の二階まで届くかどうかって力しかないよね。そよ風扇風機だよ?
「ライバルは東都重工です!」
「はい!?」
何言ってるんだ、この社長?
「それって本物の宇宙事業ってことですか!」
「当たり前でしょうが!!」
何を今更という顔をする社長。
「だってここ、おもちゃ会社ですよね?」
「だから言ったでしょ!おもちゃの他にも手がける時期だって!」
「いや、重工とおもちゃと同じ土俵で戦うってことが無理があるでしょう!」
「不可能に挑戦することの何が悪い!」
「だからジャンルが違うんだってば!」
ていうか、何で僕がこの話に呼ばれたか意味も分からないよ。
まあいい。よその会社のことだし、僕の勤務先がするわけじゃないし、僕の給料が減るわけでもないし。好きにどうぞって感じ。

「ただ、問題が一つあって。」
「はあ。」
ていうか、一つだけじゃないだろ。問題だらけ、問題しかないじゃん。
「…資金面です。」
「おいくらほど?」
「100億。」
「100億!?」
こんなおもちゃ飛ばすためにそんなお金が!?
「まあ頑張れば出せないことはないんですけれど。」
チラリと僕を見る社長。
ま、まさか?僕を呼んだ理由って?
「僕だってそんな100億なんて預金ありませんよ!!」
あったら勤務医なんてしてないわ!仕事やめて南国リゾートで女の子侍らせて遊んでるっての。
「そんなこと見れば分かりますよ。」
フンと社長が言った。それも悲しい。
「西垣先生にお金を出してもらおうなんてこと、考えてませんから。」
「じゃあ、何で僕を呼んだんです…。」
「おおっ!来てくれたか!」
僕の言葉を遮り、社長が立ち上がった。
「直樹!待っていたぞ!」

いつの間にか社長室の壁を背にぴったりとつけて、あの後輩が腕を組んで立っていた。今日も偉そうだな、おい。
「話は全て聞いた。用件を言ってくれ。」
こいつが呼ばれたってことは…。
「直樹、金を出して欲しい。」
「断る。金貸しは俺の仕事ではない。」
うわあ、親に対してなんていう態度。でも親だろうが子だろうが金の貸し借りはシビアにいかないとね。
「だめか…。」
まあ、腹が立つけれどこいつなら100億でも200億でもポンと出せると思う。でもシブチンだから絶対出さないよね。
「一部でいいんだがなあ…。」
「断る。」
一部でもだめかよ。お前、そんなに貯めた金どこへ使うつもりなんだか。琴子ちゃんにだってあんまり使ってないくせに。それに社長はいつだってお前の無理な要求で何だか訳わからんもんを作ってるじゃないか。
「あれはきちんと正規の報酬を支払っているから。」
また後輩が僕の心を読みやがった。へーへー、そうですか。

「だが、これは渡しておく。」
おや?後輩が社長の前にアタッシュケースを置いた。
「先日の依頼は遂行されなかった。これはその時受け取った報酬だ。」
「えっ!!」
お前、そんな律儀な奴だったっけ?
「ああ、あの依頼か。確かにお前が実行する前にあの男は…まあいい。」
何?あの男はどうなったの?って、社長、あんたは息子に何を依頼してるの?
「これだけでも助かる。ありがとう、直樹。」
「ところでさっさとそこにいる人に用件を話した方がいいのでは?」
後輩が俺を顎でしゃくった。まったく敬うって言葉を知らないんだな!
「ああそうだった。」
「じゃ。」
後輩はあっという間に姿を消した。

「で、僕は何のために?」
やっと用件を聞ける。
「実はこういう開発には意外とかかる費用があるんです。」
「はあ。」
「人件費です。」
「はあ。」
「特に、この新しい半分ロケットに搭乗してくれる人がいなくて。」
「はあ…って、もしかして!?」
社長がにんまりと、この日一番の笑顔を見せた。
「よろしく、西垣先生!」
「嫌ですよ!絶対嫌だ!」
「そこを何とか。」
「だってロケットって宇宙飛行士が乗るんじゃないの?宇宙飛行士にお願いして!」
「それが費用がかかるし!正規の宇宙飛行士にこんな危険な事頼めないし!」
「言った!危険って言った!そんなの僕だってやだ!」
「ちょいちょいと訓練すればいいですから。」
「やだあ!!」



と、とりあえず保留になった。すごい安い報酬で半分ロケットなる代物に乗せられるところだった。
「…あいつに頼んでNASAで訓練受けさせるとか言いやがってさ。」
ここで息子のコネを使おうとするところがすごいよ。でもコネでも何でも使えるもんは使わないとあんな大企業を率いることはできないんだろうな。
「NASA?」
天ぷらうどんを乗せたお盆を持った琴子ちゃんが僕の前に座った。
「西垣先生、NASAに行くんですか?」
「うん?いや、まだ未定…ていうか、行きたくないけど。」
何でNASAにっていう疑問は君にないんだね、琴子ちゃん。
「そうですよね。分かります。」
ちゅるちゅるとうどんをすする琴子ちゃん。ああ、その唇が可愛らしい。
「だって西垣先生、英語できないって有名ですもんね!」
「おいおい。」
そこかよ!
「NASAに行きたいと騒いで英会話スクール追い出されたんでしょ?まだ懲りずにやってるんですか?英検2級なのに?」
「いや、琴子ちゃんに言われたくないよ!」
君は英検自体受けてないだろうが!
「私は別にNASAに行きたくないし、英語が必要なら入江くんに通訳してもらえるし!」
ちゅるんとうどんをすする琴子ちゃん。
「そもそも、お医者さんって英語必要ですよね?論文、英語じゃありませんか?」
うっ!!琴子ちゃん、ぽやんとした顔で痛いところを突いてきた!
「そ、それは…。」
「論文読んでいないとか?」
すごく冷たい、呆れた目を僕に向ける琴子ちゃん。
「ぼ、僕は英語が苦手で…受験の時は理系中心の科目だからという理由で医学部選んだというか。」
「…最低。」
「だけど、論文はちゃんと読んでるよ!」
「どうやって?」
「フフン。」
僕は胸を張った。
「製薬会社のMRに英語ペラペラの女の子がいてね。彼女に寝物語に読んでもらってるんだ!」

「…西垣先生、君は真っ昼間から何を声高に言ってるのかね?」
こ、この声は…。僕はそっと振り返る。
「製薬会社のMRと?寝物語?君、ここが職場だってこと分かってるかね?」
ヘルシー定食のお盆を持った外科部長が、僕を冷たい目で見下ろしていた…。



部長から解放された僕が廊下を歩いていると、またもや聞きたくない声が。
「3、2、1…ああっ!!入江くんのロケットが発射したあ!!」
…どこに発射させてるんだ、あいつは!!
「だめ、入江くん!大気圏…大気圏で燃え尽きそう!!」
燃え尽きろ、勝手に!!
「ああっ!!あたしのブラックホールが!!もう、もうだめえ!!!」
琴子ちゃんのブラックホール!?な、何なのそれ!?
僕はドアを開けたい気持ちをぐっと堪えて(鍵がかかってるだろうし)、その場を立ち去る。
「無重力…これが無重力なのねえ!!」
…やっぱ、宇宙行こうかな?



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