日々草子 大蛇森の舞踏 ― 一部、赤い ―
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

先日のチャットでお世話になった皆様、ありがとうございました!
たくさんの方が入室された上、見学も同じくらいいらして、すごいなあと思いました。
ということで、イタキス期間2018に突入です。
そして今年もemaさんが秋本を発行して下さることになり、私もちょっとしたお話を掲載していただいております。
何だか一人浮いている気がしないでもないのですが、私はともかく、他の豪華執筆陣の皆さまのお話はとても素敵ですのでご興味のある方はこちらへ!

そしてソウさんのイタキス期間2018会場はこちらのバナーから。

イタキス期間2018

私も一応、色にちなんだ(だいぶ強引ですが)お話を書いてみました。
クレームは一切受け付けません(笑)

☆☆☆☆☆






ギターの音に合わせて踏むステップ。小気味よいカスタネットのリズム。
「オーレ!」
掛け声と共に僕のテンションもマックスになる。

「大蛇森さん、一段と上達されましたね。」
一曲踊り終えた後、先生が僕に拍手をしながら近寄って来た。
「先生の御指導の賜物です。」
謙虚な僕はタオルで汗をふきながら答える。
「そんなことありません。大蛇森さんが真面目にレッスンを受けていたからですよ。」
「いやいや。」
「今度の発表会が楽しみですね。スケジュールは大丈夫ですか?」
「大丈夫です。その日はちゃんと空けておいたので。」
少し前から、僕は趣味の一つとしてフラメンコを習い始めた。まあ、本来の才能が開花したのかな?あれよあれよという間に上達してしまい、こうして先生に期待されるまでになり、今や上級コースだ。

「うーん、やっぱり発表会も赤いシャツがいいね。そうしよう。」
鏡に映った自分を見て僕は頷いた。今日のレッスン着も赤いシャツだ。惚れぼれしてしまうね。
え?何で赤いシャツにこだわるんだって?
そりゃ君、フラメンコだからだよ。フラメンコといえばスペイン、スペインといえば情熱、情熱といえば赤。
SMAP時代の木村くんにTOKIOの長瀬くん、NEWS時代の山PにJUMPの山田くん、彼らのメンバーカラーも赤。そこに僕が連なっても何の違和感もない。むしろ今から事務所に履歴書送ってもいいと思ってるくらいだ。
ということで、僕ほど赤が似合う男はいないってことだ。
やっぱりここはどっぷりとスペインに浸った方がいいな。今夜はパエリアにスペインワインといこうか。

「もうちょっと腰を伸ばしてみましょうか?そうそう、もうちょっと。」
僕が赤の余韻に浸っている頃、隣のレッスンルームから別の先生の声が聞こえて来た。おやおや、何をやっているんだろう。
「はい、はい、はい。」
先生の声に合わせて生徒がやっているのは…四股?あれ?四股踏んでる?
「ふん、ふん、ふん!」
四股を踏みながら手を耳の側で叩いている。何だろう、あれ。斬新なダンス?
ああ、思い出した。確か相撲をダイエットに取り入れるってことがあるとか。最近は相撲ファンの女子も増えているようだしな。これもダイエットの一環だろう。
いやいや、大変だね。色々なレッスンを開かないと生徒が集まらないんだから。
何だかパエリアからちゃんこ鍋と日本酒に変更したくなってきた。

「はい、休憩しましょうか!」
「はあい!」
女が四股を踏むのをやめた。…何だか聞いたことのある声だな。
「思った以上に難しいんですね、フラメンコ!」
…はい?今、何と言った?
僕はそのレッスンルームの入り口に掲げられているプレートに目を丸くした。
『フラメンコ 初心者体験(無料)教室』
…え?これ、フラメンコなの?え?僕の知っている、僕が習っているフラメンコ?え?本当?
そしてその声の主が振り返った。

「あーっ!!」
「おおーっ!!」
またもや、チンチクリンが僕の邪魔をしに現れた!!!



「…何で先生がここにいるんですか?」
よりによって大蛇森と同じスクールだったなんて。テンション急降下だわ。
「それはこちらのセリフだよ。」
ふん、何なのその赤いシャツ。全然似合ってないし!!腕の悪い結婚詐欺師って感じ。
「ここはフラメンコスクールだよ?君の目的には合致してないよ?」
「はあ?どういう意味ですか?」
相変わらず嫌みな男だわね。
「君が行くのはここじゃなくて両国だ。」
「両国?」
「そう。君が入門するのはフラメンコじゃなくて相撲部屋だ。」
「どういう意味ですか!」
レディに向かって何たる言い草!
「セクハラ!」
「セクハラじゃない。君に性的関心は何一つない!僕はアドバイスをしているだけだ!」
「遠まわしに太っているって言ってるでしょうが!」
「そういう意味じゃない。君が踏んでいたのは四股だろう?」
「はあ?何処を見てそんなことを?」
「誰がどう見てもあれは四股だ。」
「四股なんて踏んでません!」
「さっさと入門してこい。」
「しません!あんなゴタゴタしている世界に行く気ありません!」
「ああ、そうだ。いっそのこと君も退職届を書いたらどうかね?大丈夫、相撲協会と違って僕が代理で持って行っても受理されるから。」
「書かないです。」
「離婚届もセットでどうだい?」
「絶対書きませんから!」
何なの、こいつは。退職届だの離婚届だの。いつになったら入江くんを諦める気なのかしら?

「私はカメルーンをめざすんです。優雅なステップを踏んで!」
「カメルーン?」
「そうです。ま、大蛇森先生には理解できないでしょうけど。」
こいつがカメルーンの世界を知るわけがないわ。
「それは結構なことじゃないか。」
あら?大蛇森が噛みついてこない。え?私の魅力にようやく降参するってことかしら?
「そう思います?」
「ああ。さっさと目指したまえ。」
「いや、そうしたいところですけど、まだ初心者ですしね。」
「初心者もへったくれもないだろ。さっさと離婚届書いてパスポート持って成田へ向かえばいいだけ。」
「どういうことです?」
「さっさとカメルーンめざして日本から出て行けばいいだろ。」
「はあ!?そこまで本格的に目指していませんけどお!?」
やっぱりこいつはこういう男だったわ!あたしがカメルーンめざす間に入江くんを盗もうって魂胆なのよ!



「…ってことだったわけよ。あたしのいくとこいくとこ、全部あいつが来る。」
琴子がブーブー文句を言い続けている。
「どういうつもりなのかしら?」
「どうもこうもないだろ。お前らが興味を持つ対象が一緒なんだろうよ。」
「気持ち悪いこと言わないでよ。」
だってそうじゃないか。何だかお前ら、似た者同士だよな。
「分かった。あたしの行く手を阻んで入江くんを奪おうって魂胆なのよね。それともあたしを倒して入江くんを奪うつもりかしら?ほら、何とかをしたけりゃ何とかをしろって言うじゃない?」
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。」
「そう、それ、それよ。」
絶対意味分かってねえな、こいつ。
「大蛇森先生と対等に戦いたいなら、それくらいの知識は身につけておけよ。」
「あら、心外だわ。」
琴子が口を尖らせた。
「あいつ、そんなに知識ないわよ。カルメラ知らなかったし。」
「カルメラ?」
何でフラメンコにカルメラ?カルメラってあの、駄菓子?
「そう。カルメラをめざしてるって言ったらパスポート持って出て行けみたいなこと言ってた。意味分かってないわ。」
「カルメラをめざす?」
俺は腕を組み琴子の真意をはかろうとした。カルメラ…カルメラ…チャルメラ?
こいつ、屋台のラーメン屋をめざしてるんだっけ?俺は琴子がチャルメラを吹きながら屋台を引く姿を想像する。
いや、屋台だったらパスポート関係ねえか。悪いが琴子より大蛇森先生の方が知識はある。あの人がパスポート云々ってことは何か国に関係のあることが話題に上ったってことだよな?

「…カメルーン?」
「そう、それ。あれ?私そう言わなかった?」
「カルメラって連呼してたけど。」
「あらそうだった?そうなの、カメルーンを目指すって言いたかったの。」
「お前、フラメンコってどこの国が盛んか知ってる?」
「馬鹿にしないでよ!」
両手を腰に当て、ぷんぷんと湯気を出しながら琴子は怒った。
「スペインでしょ!」
「そう。スペインな。」
それは知ってたんだな。
「スペインにカメルーンがあるわけじゃないことも…知ってるよな?」
「やだ、入江くん。」
琴子が眉を寄せた。
「入江くんまで大蛇森と同じことを言わないでよ。スペインのカメルーンでしょうが!」
やばい、何を言いたいのか俺にも分からん。スペインのカメルーンって何?カメルーンはアフリカにある国だと思ってたが俺の知らないところで移動したとか?んな馬鹿な!
「あたし、カメルーンみたいにフラメンコを踊るんだから!」
「オレ」と連呼しながら琴子は足を踏みならす。ああ、フラメンコのつもりか。でもなんか違う。何だろう、どっかで見たような…あ、あれか!
「オレ、オレ。」
「どすこい、どすこい。」
「オレ、オレ。」
「はっけよーい。」
「のこった、のこった…って、入江くん、何をさせるのよ!!」
つい面白くて。こいつノリは相変わらずいいな。
「どう?カメルーンに見えたでしょ?」
もしかして?
「それはオペラか?」
「そう、それ。」
「それは…。」
俺は琴子の耳を引っ張り、声を上げた。
「カルメンだ!このボケ!!」
「ひーん!!」
ったく、目指したかったらちゃんと正確な名前を覚えてこい!

「大蛇森ってさ、もしかして。」
相変わらず四股…じゃない、フラメンコのステップを踏み続ける琴子が唐突に言った。
「あたしのこと好きなんじゃない?」
「はあ?」
「いや、だからあたしの行く先々に姿を見せるのよ。その、将をインして馬をアウト?しているうちに入江くんの側にいるあたしに心が移ったとか!」
「いや、職場に近い場所を選べば自然とお前と大蛇森先生は同じ所になるんじゃねえの?」
「そうかしら?でも大丈夫よ、心配しないで。あたし、入江くんを捨てて大蛇森に走ることは絶対ないから!」
「オレ、オレ」言いながら琴子が笑う。
…ていうか、俺、大蛇森に負けたら一生立ち直れねえ。



やれやれ。散々な一日だった。
だが出来上がったパエリアが最高の出来だったから忘れることにしよう。
「カルメンでも見るか。お前もどうだ?」
駄犬チンチクリンに声をかけたが、こいつは餌に夢中で僕を見ようともしない。まったく、本当に食い意地のはった奴め。人間チンチクリンと一緒だな。

『カルメン』それは悲恋の物語だ。ジプシーの女カルメンに魅せられたドン・ホセという男が、愛に狂っていく物語。
ああ…このドン・ホセという男はまるで僕のようだ。全てを捨てカルメンに迫る男。カルメンはもちろん、入江先生。
ああ、この物語だと僕は入江先生を刺してしまうじゃないか。でもそれだけ激しい愛情があるってことだ。僕にはドン・ホセの気持ちが痛いほど分かる。
カルメン…ん?カルメン、カルメン、カメルーン…まさか、あのチンチクリンが言っていたのはこのこと?え?あいつがカルメンを狙ってフラメンコ?
おいおい、へそが茶を沸かす!あの四股ダンスでカルメンとかおふざけじゃないわ!

その夜、僕は夢を見た。フラメンコの曲が流れる中、闘牛士になった入江先生が赤い布を振っている。そこに突進しているのは…何と牛になった僕!何度も突進して先生をつかまえようとするのだけれど、先生はヒラリとかわす。
そしてそんな僕らを四股を踏みながら笑うチンチクリン…クソッ!!



「入江くん、入江くん。」
琴子に揺さぶられて俺は目を覚ました。
「どうしたの?すごくうなされていたけれど。」
心配そうに俺の顔をのぞく琴子。
「いや、夢を…。」
「夢?怖い夢なの?」
「何か…俺、闘牛士になっていた。」
「と、闘牛士!?」
そうだ。フラメンコの曲が流れる中、闘牛士になった俺は赤い布をヒラヒラさせている。そこに突進してくるのは牛じゃなく、牛になった大蛇森だった。
「牛…大蛇森が牛!!お似合い!!アハハハ!!」
話を聞いた琴子は腹を抱えてげらげら笑い出した。が、すぐに真顔になって言った。
「牛になってまで、入江くんをゲットしようとしてるのね。しかも私の許可なしで入江くんの夢に出てくるなんて!」
いや、俺の夢にお前の許可は関係ないかと。
「私は?私は出てこないの?」
俺の体をゆさゆさと揺する琴子。
「まあ、出て来たといえば出て来た…。」
「どんな風に?」
「ええと…何か…赤いドレス着て…。」
「あら!カルメラ!」
「カルメン。」
「そう、カルメンね。」
「…踊ってた。」
「ああん、カルメン!情熱のカルメンね!!」
夜中にまたオレ、オレと言いそうになったので慌ててその口をキスで塞いだ。
「あら、キスまで情熱的。」
ポッと頬を染め、俺の首に抱きつく琴子。
何とか誤魔化せたな。俺はそのまま琴子を押し倒す。
…赤いドレスを着て四股を踏んでいたことは、黙っておこう。



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