日々草子 アタリ?それとも…? 9
FC2ブログ

プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

現在の御訪問者

現在の閲覧者数:

御訪問ありがとうございます

このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

カテゴリー+月別アーカイブ

 

最新記事

イタキス月間というのに、更新もコメントのお返事も滞って申し訳ありません。
初夏のあじさいハンターに続いて、秋のもみじハンターになっておりまして(汗)
そして洗濯物を干そうとベランダに出ようとして足を踏み外し、太ももの裏に20㎝ほどの内出血を作ったという…(汗)
最初擦り傷だけだと思って安心していたら…いやあ、びっくり!
「これが流行のインスタ映えってやつじゃないか!」と思いましたが(絶対違う)、見るのもおぞましいことに…。
おぞましいのに毎夜見てしまう太ももの裏…。
痛みはないが、現在はかゆくてたまらない太ももの裏…。
水着撮影を控えたグラビアモデルじゃなくてよかったと思う太ももの裏…。

☆☆☆☆☆




突然の怒鳴り声に病室は一瞬、静まり返った。
「…渡辺さん?」
駆血帯を握りしめ、琴子が何事かと天美を見た。天美は「しまった」という表情を見せたが、それもほんの僅かな間だった。
天美は息を吸って、覚悟を決めたようにその患者、中村のベッドに近寄った。
「…あんた、採血くらいで何びびってるのさ?」
てっきり謝るのかと思いきや、乱暴な言葉づかいはそのままである天美に、直樹と琴子は驚くばかりだった。
「取るのが下手だ?どの口がそんなこと言ってる?ああ?」
「わ、渡辺さん…。」
中村が怒って殴りかかるのではないかと思い、琴子は何かあったら間に入らねばと立った。が、直樹がその体をおさえた。もしもの時は自分が間に入るつもりだった。
しかし、二人が想像していたことと全く違うことが起きた。

「…やっぱり、天美さんだったんすね?」
殴りかかるどころか、中村はベッドの上に正座した。
「似た人がいるなと思ってはいたんです。でもまさか看護師になってるなんて思ってなくて…でもやっぱり天美さん!」
喜びのあまりに差しのばしてきた両手を天美はパンと叩いた。
「…その前に言うことがあるだろうが。」
「で、でも…この人下手くそで…。」
「ああ!?」
よく聞こえなかったなと言わんばかりに、天美がオーバーに耳を中村に近づけた。
「何て言った?」
「…あ、あまり上手じゃない…。」
「あんたみたいな奴が上手下手とか言ってるんじゃないよ。」
腕を組み、中村を見下ろす天美。
「あんたが協力しないからすぐに終わるもんも時間がかかってるんだ。それが分からないのか?」
「す、すみません。」
「大体、こんなもん刺す程度でギャーギャー痛いだとかわめくんじゃないよ。みっともない。」
天美は琴子から取った駆血帯をブンブン振り回した。
「西町のやつらにメリケンサックでやられた時を思い出しな。あんたはあれだって耐えただろうが。」
「西町…ああ、あれ!」
中村が何度も頷いた。
「あれっすよね。天美さんが10人倒した、伝説のバトル!」
「昔の話だよ。」

「10人…。」
「伝説のバトル…。」
何だろう、それはと直樹と琴子は聞きたい気持ちをぐっと堪えた。いや、聞かない方がいい気もする…。

「すみませんでした、入江さん。」
話を終えた天美がいつもの真面目な看護師に戻り、一歩下がった。
「こいつ、もう暴れないんで。やっちゃって下さい。」
「やっちゃって?」
また目を丸くした琴子に天美が言い直した。
「すみません、採血をお願いします。」
「は、はい。」
その後の採血は、成功した。



「…昔、荒れていた時があったんです。」
休憩時間、直樹と琴子は会議室で天美から全てを聞くことになった。
「荒れていた…。」
「はい。自分で言うのも何ですが、昔から成績は良かったんです。高校受験で、志望校も絶対合格間違いなしと周囲も自分も思っていて。ところがまさかの不合格で。」
「もしかして、初めての挫折ってこと?」
直樹が言うと天美は頷いた。
「今思うと本当にバカですよね。思い上がっていて。まさか落ちるなんて思ってもいなくて。その高校で三年間過ごすことしか考えていなかったから。滑り止めの高校に行く気が起きなくて。」
それなりに努力もしていたわけで、それが実らなかったということですっかりやる気をなくしたのだと天美は話した。
「それでまあ…ちょっとやんちゃになったといいますか。」
気づくと夜遊びして、集団行動していたという。
「想像つかないなあ。」
琴子がまじまじと天美を見た。
「あ、当時の私、見ます?」
「見ますって?」
「写真、あります。」
何でも当時のことを忘れぬよう、真面目に生きるようにと持ち歩いているのだという。
「これです。」
「ええと…?」
写真をのぞきこんだ直樹と琴子は、首をかしげた。皆カラフルな髪の毛の色で、なかなか個性的なファッション。
「渡辺さんはどちらに?」
「ここです、ここ。」
あろうことか、これだけは違うだろうと二人が思っていたど派手な人間がそこにいた。しかも中央で、股を広げた見事な座り方。
「あの、10人どうしたとかいうのは?」
「あれですか?今まで抑えてきたものが一気に爆発したんですかね?まあ、ちょっと体を動かしたら結構な成果が出まして。」
ちなみに、この時の後輩の一人があの患者だという。

「一応、カタギの人には迷惑をかけない、警察にお世話にならないという決まりはあったんで。」
「はあ…。」
新人で一番の優等生の隠された過去に、直樹と琴子はただただ、驚くばかりであった。


「それで、どうして足を洗おうと…。」
「看護師になったの?」
直樹の訊ね方を琴子は隠しながら言った。
「それは…。」
天美はちょっと照れたような顔をした。
「この頃、仲間がバイクで事故ったんです。」
やや当時の名残を見せる天美であった。
「それで病院に運ばれて。血がいっぱい出てあいつ、死ぬんじゃないかってみんなで心配してついて行って。」
「へえ。」
「夜中だったんで救命に運ばれたんです。そこであたしら、ギャーギャー騒いで。ま、どうなるか分からない不安があったんですけれど。そうしたら、そこの看護師さんがあたしらを一喝したんです。」
「一喝?」
「"ここは患者が生きるために戦うところだ。あなたたちが騒ぐ所じゃない!”ってね。普通だったら言い返すあたしらなんですけれど、その看護師さんの迫力に圧倒されちゃって、みんな黙ったんです。」
「すごい看護師さんねえ。」
「はい。それからすぐに戻ってテキパキと動いているところをずっと見ていました。自業自得なんですけれど、あたしらみたいな社会からはみ出した人間でもこんなに面倒見てくれるんだって。何より、こんな格好の集団に一喝できるその姿がステキで。」
「へえ、そうなんだ。」
「他のみんなは途中で寝ちゃったんですけど、私はずっと見ていました。ああ、何てすごい仕事なんだろうって。こんな夜中に動き回って。お医者さんの指示にすぐに答えて動いて。すごいな、それに比べて自分は何をしているんだろうって。」
「その看護師さんに憧れて、この道をめざすことになったのね?」
先ほどの怯えはどこへやら、すっかり目を輝かせた琴子が身を乗り出していた。
「恥ずかしくなったんです。だからやり直そうって思いました。それからすぐ集団を抜けました。もっとも高校は単位不足で留年決定だったので退学して、高卒認定受けました。」
エリート街道まっしぐらだと思っていたが、そうではなかったということである。

「高卒認定受かったら次は看護大の入試。今までで一番勉強が楽しかったです。」
元々出来がよかったからすぐに追いつくことができた天美だった。
「目標ができるってこんなに楽しいことだったのだと分かりました。」
「ああ、それ分かる。」
直樹が言葉を挟んだ。
「目標見つかると、勉強ってすごく楽しくなるんだよな。俺もそうだった。」
「…私、分からない。」
出来のいい人間同士の会話には入れず、琴子は少しいじけてしまった。

「無事に看護学部に合格しました。でもそこで…。」
「何かあったの?」
「いえ、大したことじゃないのですけれど。看護学部って女の子、多いですよね。」
「ああ、そうね。」
看護師をめざす男性も増えてはいるが、やはり少数派であることは変わりない。
「女の子ってやっぱり…キラキラしてるじゃないですか。」
「え?だって渡辺さんも一緒じゃ…。」
「いいえ。やっぱり私のように一度闇に落ちた人間には眩しすぎて。」
「そういうもの?」
「はい。だってさっきの私の言葉づかい、驚いたでしょう?ああいう世界に数年いたわけですから。」
「ああ…。」
まあ、あそこまで極端な言葉づかいには男女問わず中々、出会わないものだろうと琴子は納得した。
「私、過去の自分と決別するためにちょっと遠くの大学を選んだんです。自分のことを知っている人間に会わないためにも。でも口を開いたらあの頃の自分が出るようで。それに普通の女の子が知っているようなことも知らないし。ボロを出したら大変だと思って、学生時代は無口でした。」
「そうだったの。」
「実習でグループを組んでも、勉強以外は関わらないようにしていたので。それで殻に閉じこもって一人でずっと勉強ばかりしていました。だからでしょうかね。」
天美はクスッと笑った。
「頭でっかちの看護師になってしまいました。本ばかり読んで、患者さんはこうだって勝手に決めつけて。でも卒業する頃にはそれで問題ないと思い込んでいました。」
「そっかあ。」
欠点にも理由があったのかと琴子は理解した。

「ここに入ったばかりの自分を思い出すと、本当にバカだったなあって思います。入江さんに怒鳴られてもいいくらいでしたよね。」
「そんなことないよ。」
琴子は即否定した。
「今は自分で気づいたんだもん。渡辺さんはやっぱり出来がいいのよ。」
「そんなことないです。」
「あるってば。」
「でも入江さんは、学生時代から患者さんに親身になっていたんですよね。」
「へ?」
「この前、入江先生がそのようなことを仰っていませんでしたか?」
同意を求めるように、天美が直樹を見た。すると直樹は「あれか」とぷっと笑った。

「もしかして…トヨばあちゃんのこと?」
「入江さん?」
途端に琴子の顔が苦虫をつぶしたかのような顔になった。
「い、入江さん?」
「そうね…そんな時代も…あったわね…。」
「ど、どんな時代でしょうか?」
もしや、琴子にも黒歴史が存在するのかと天美はドキドキした。
「トヨばあちゃん…本当に…そりゃあ私だって迷惑かけたけれど…。」
その隣で直樹は突っ伏して笑っている。
「いやあ…とんでもない患者さんだったわ…。」
「どんな?」
「熱を出してね。ええ、付き添いました。だって心配だったから。ご家族もいらっしゃらないし。付き添いましたよ、ええ。」
「やっぱり入江さんは違う…。」
「でもね、熱が下がった途端、何て言ったと思う?」
ギロリと琴子は天美を睨んだ。10人倒した天美ですら思わずたじろいだ。
「…入江先生がチューしてくれたら全快とかほざいたのよっ!!あんたは森○子かって!!」
ドン!と琴子が拳で机を叩いた。直樹は相変わらず肩を震わせている。
「…したんですか?」
「させるわけないでしょうが!襟首つかんで止めたわよ!ええ、その後、師長に怒られました!」
ヒーヒーと直樹が笑っている。「こんな入江先生を見るなんて」と天美は対照的な二人を呆然とみていた。
「でも」と琴子が落ち着きを取り戻して言った。
「トヨばあちゃんのおかげで、看護師になる意味を考え直せたし。だから今ここにいるわけだし。感謝してるわ…一応ね。」
患者に対して優しい琴子でも、襟首つかむ時代があったのかと安心した天美であった。

「でも…よかったわね。」
表情を元に戻した琴子が、嬉しそうに天美を見た。
「こんなに立派になって…きっとご両親も草葉の陰で喜ばれているわ。」
「草場の陰?」
天美が怪訝な顔をした。
「あの、両親は健在ですが。」
「え?」
琴子は目を白黒させた。
「だって前に帰る家はないとか何とか。」
「ああ、それですか。」
「恥ずかしい話ですが」と天美が前置きをした。
「看護大に入る時に、両親に言われたんです。今までたくさんの人に迷惑をかけてきたのだから、一人前になるまで家に戻るなって。当たり前ですよね。」
学費は出してくれたが、大学は寮生活、そして就職した現在も寮生活だという。
「そういう意味で帰る家はないってことです。すみません、誤解させちゃって。」
「そうだったんだ。」
「早とちりしやがって。ばあか。」
笑いを引っ込めた直樹が琴子を睨むと「えへへ」と琴子は恥ずかしそうに笑ったのだった。



「ねえ、天美さん。」
あくる日、検温に訪れた天美を中村が迎えていた。
「やっぱり、あの看護師は腕悪いっすよ。」
「ああ?」
ギロリと天美が中村を睨んだ。
「だって、へたくそなんですよ?あれで看護師できるんですね。」
「ったく、あんたは…。」
すっかり黒歴史時代に戻っている天美が舌打ちをした。
「分かってないね。」
「何がです?」
「あの人はすごいんだよ。」
「どこがですか?」
天美は「わかってない」と首を何度も振った。
「入江さんはね、このあたしを泣かせたんだから。」
「…ええっ!?」
中村がのけぞった。
「…天美さんをすっか?」
「そう。このあたし、西町十人切りの渡辺天美を泣かせた唯一の人。」
「…どんな方法で?」
「これっすか」と中村がメリケンサックをつけたように手を動かした。
「違うね、そんな簡単なもんじゃない。」
「じゃあどうやって!」
「…内緒。」
天美は舌を出した。それを見て中村がゴクリと唾を飲み込んだ。

「失礼します。中村さん、いいでしょうか。」
その日、中村の個室には友人が複数、見舞いに訪れていた。まあ、見るからに天美の写真から抜け出してきたような面々である。
「ええと…また後にしましょうか?」
怖さと、見舞いの邪魔をすることに気を遣って退室しようとする琴子を、
「大丈夫です。」
と中村が声を飛ばしてきた。
「大丈夫っす。ほらあんたら、入江さんに場所を空けて。」
「はい!」
集団がサッと身を引いた。その中の一人は琴子に「どうぞ!」と椅子を勧めるほどであった。
「いえ、大丈夫ですよ。」
一体どうしたことかと戸惑いながら、琴子はベッド側によった。
「どうもすみませんでした、この間は。」
「いいえ。」
天美に怒鳴られた効果かと思いながら、琴子は体調を聞いていく。
「今日は血は?」
「ああ、今日は大丈夫ですよ。ごめんなさい、いつも時間がかかってしまって。」
「そんなことありません!自分、血の気が多いので好きなだけ採ってもらって大丈夫っす。」
この間とは正反対。それに加え、琴子を見る中村の目が明らかに違う。偉人でも見るかのような目なのが不思議であった。
「それじゃ、お邪魔しました。」
色々あったが協力的になってくれてよかったと安堵して、琴子は出て行った。

「…ああして見ると、やっぱりただ者じゃないですね。」
声をひそめて交わされる会話。
「中村さんの血圧を測る背中、隙がなかったような。」
「ありゃ、結構な人数をやってますね。」
「ああいう、可愛い顔をしている人が一番怖いっていいます。」
「5つのグループをつぶして統率した、あの天美さんを泣かせたくらいっすからね。」
「あの人、いくつのグループ束ねてたんでしょうかね。」
「中村さん、気をつけて。」
…本人の知らない間に、琴子は集団に崇め奉られる存在となってしまったのだった。




☆☆☆☆☆
イリコトの出番が少なくて申し訳ありません。
もう少しお付き合い下さると嬉しいです。



関連記事

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP