日々草子 入江法律事務所 47

入江法律事務所 47

長らくご無沙汰して申し訳ございませんでした。
ちょっと忙しくしておりまして、落ち着いてから更新したいなと思っていたら琴子ちゃんの誕生日になってしまいました。
そう、今日は琴子ちゃんの誕生日だもんね~!!琴子ちゃんの誕生日だもんね~!!(←強調!!)
琴子ちゃん、ハッピーバースデー!!

新しいお話も少しは浮かんでいるのですが、着地点が決まらないことと、中身が似通ったものになりそうなのと(まあこれは今更のことなんですが)いうことで、書く自信がなく…。
どうしたものかと悩んでいたら、いつも支えて下さっている素敵サイト様の方で二次創作が少なくて悲しい…というお言葉を目にして、これは申し訳ないと。
とりあえずこのシリーズの続きを置いておきますね!!

あ、漫勉のことを教えて下さった皆様ありがとうございます!!
知らなかったのでとても嬉しくてはりきって録画しちゃいました。
まだ途中までしか見てないけど、楽しみです~♪♪♪

☆☆☆







「結婚は考え直したい」
突然の重雄の言葉に直樹と琴子は呆然となった。
「理由は何でしょうか?」
直樹が何とか絞り出したのが、その言葉だった。すると重雄は立ち話も何だからと、二人を家に招き入れた。



「…単刀直入に言おう。」
居間に重雄と直樹が向かい合った。琴子は二人の間に不満そうにして座っている。
「琴子と付き合い始めてから、君はどうも信用ができなくなった。」
「どうして!?」
すかさず琴子が声を上げる。
「先生のどこが信用できないというの?先生は立派な弁護士よ!」
「それはわしも分かっている。」
「俺のどの点が信用できないのでしょうか、お義父さん。」
「お義父さん?」
直樹の一言に重雄の目がギロリと光った。
「…まだ君にお義父さんと呼ばれる覚えはない。」
ああ、まさかこんなドラマのような現実がやってこようとは。
「…失礼しました…おじさん。」
「謝らなくてもいいです、先生。こんな頑固親父、好きに呼んで下さい。」
琴子は口を尖らせて直樹の味方についている。

「そもそも、君の立派な肩書き、その見栄えのよさ。それを考えると本当にうちの琴子と結婚してくれるのかと。」
「もちろんです。」
「先生…。」
直樹のはっきりとした返答に琴子は目をキラキラとさせた。
「本当かね?」
しかし重雄の目はギラギラとなった。
「直樹くん、君くらいいい男だと、結構な女と付き合ったんじゃないかね?うちの琴子とはほんの気まぐれのつもりじゃないのかね?」
「いえ、付き合ったのは琴子が…。」
「琴子?」
またもやギロリと光る重雄の目。
「…琴子さんが初めてです。」
「嘘!」
素直に答えた直樹に、重雄が驚く。これには直樹も驚く。
「何だね、君は女に興味がなかったのかね?もしやなにか重大な性的欠陥が…?」
「あ、いえ。ええと…はい、付き合いました。ええ、それはもう沢山の女と。」
「嘘!」
今度は琴子が悲鳴を上げた。
「先生、そんなに沢山の人と?」
「最低な男だな、君は!どれだけ女遊びすれば気が済むんだ!」
「どっちの答えでもおじさんは気に入らないんじゃないですか!」
思わず直樹も声を上げた。琴子はシクシクと泣き始める始末。そして自分を睨む重雄。
これまで幾多の法廷で輝かしい弁論を放ってきた直樹が、初めて手こずった相手がまさか最愛の女性の父親だとは。
――これまでで一番難しい相手だ。
窮地に陥るとはまさにこのことかと直樹は感じていた。



「いいかね?琴子はわしの大事な一人娘だ。そりゃあ君みたいな男から見たら平凡そのものの娘だろうが、わしにとっては宝物だ。」
「分かっています。」
「わしは大事な大事な娘を託すならば、信頼出来る男出なければ嫌だ。」
「信頼していただけたらと思います。」
「…本当にそう言えるかね?」
重雄の目がどんどん光を増していく。
「本当に琴子を大事にしてくれるのかね?」
「誓います。琴子…さんを一生守ります。」
「先生…。」
泣き止んだ琴子がまたもやうっとりと直樹を見つめる。

「わしにはそうは思えんが。」
「どこがでしょうか?」
一体自分のどこが気に入らないというのか。直樹は重雄の返事を待った。
「いつだったか、君は琴子の…その…下着をポケットに入れて持ち歩いていた時があったよな?」
「え?」
直樹は急いで記憶をたぐり寄せた。琴子は顔をポッと赤くしている。
「あの時か」と直樹は思い出した。琴子の家でハンカチと思って拾ったら、それが琴子の下着だった。そしてハンカチと思って皆の前で広げたら…ということがあった。
「君はもしやその…琴子に何か変態的な趣味が?」
「いえ、あれは勘違いで…。」
「いいじゃないの!」
弁明しようとした直樹を琴子が遮った。
「付き合ってるんだもの!先生がそうしたいっていうならば!先生が望むなら私、ぱんつの一枚や二枚…ううん!ダンボール一箱分抱えたいって言われたら喜んで渡すわ!!」
「君はぱんつコレクターか!!」
「どんなコレクターですか!」
琴子が自分を庇おうと一生懸命になってくれているのはよく分かる.その気持ちは涙が出るほど嬉しい直樹であった。が、今はできれば黙っていてほしい。

「ぱんつコレクター以外にも、君へ抱いた疑惑はまだある。」
「まだあるのか」と直樹はげんなりした。今度は一体…。
「あれは確かクリスマスだっただろうか。」
それを聞いただけで直樹は頭を抱えたくなった。
「おじさん、それは…。」
「わしは琴子を親に隠し事をしない娘に育てた。琴子はその通りに育ってくれた。あの日も君を家に呼んでパーティーをすると言った。わしは君ならばと快諾した。それなのに!!」
苦悶の表情を浮かべる重雄。
「…いくら結婚を前提に付き合っているとはいえ、君ならば変な真似はしないと。清く正しい交際をしてくれると信じているからこそ、家で二人きりになるのを許したのに!それなのに!」
キッと重雄は直樹を睨んだ。
「若い二人の邪魔をしたくないと時間を考えてわしは帰宅した。ところが、君はまだいた!それだけならまだ許せた。が、あろうことか可愛い娘はオオカミの格好をして寝ている。そんな娘に君は何を…ああっ!!」
思い出した重雄が絶叫する。
「先生、あのクリスマス…え?一体何を?」
「いや、別に何も…。」
キスをしようとしたとはとても言える雰囲気ではない。

「しかもその格好は君の好みだと琴子はあの時、ハッキリと言った。」
「うん、そうよ。いいじゃない、可愛いもの。」
「頼むから黙ってくれ」と直樹は琴子に懇願する眼差しを向けた。が、それは無視された。
「それだけじゃない。琴子は君に…君に…男の…。」
重雄が顔を赤くした。
「男の?なあに?」
なぜそこで畳みかけるか?と直樹は琴子の口を今すぐホッチキスでバチンバチンと留めたくなった。
「…男の種を飲まされそうになったと!!でも飲まなくて済んだと!!え?これはどう説明してくれるんだ!?」
「男の種?な、何、それ!?」
琴子は目を丸くした直樹を見た。この親子はどうしてこうも記憶力がないのだろうかと直樹は泣きたくなった。買ったのは重雄だし、それを出したのは琴子ではないか。が、そう説明する雰囲気では到底ない。

「更に赤ちゃんが来年とか琴子は言っていた。まとめるとこうだ。君は変態趣味を琴子に押しつけ、男の種を無理矢理飲ませようとし、琴子に赤ん坊を作ろうとした。どうだ?何か反論はあるかね?」
相原家は今、立派な法廷と化していた。そして重雄は直樹が今まで対峙してきた相手方弁護士、または検察官の誰よりも手強い相手となって立ちはだかっていることは間違いなかった。今の重雄に比べたら自称東京地検のエース、船津など吹けば飛ぶ埃のようなものである。

「…誤解をさせていることはとにかく謝ります。」
いくら言い訳をしても重雄には勝てないだろうと直樹は判断した。
「では君は自分がぱんつコレクターで琴子に着ぐるみさせていやらしいことをする男だと認めると?」
「いえ、それはちょっと…。」
「もういい加減にしてよ、お父さん!!」
琴子が声を上げた。
「いいじゃないの、先生がどんな人だって!!私が大好きなんだから!!」
「だがな、琴子…。」
「私は先生が私を選んでくれただけで嬉しいの!それだけで満足なの!」
「琴子…。」
直樹が名を呟いた途端、またもや重雄に睨まれて「すみません」と小声で謝った。
「先生が私のぱんつまで愛してくれるならば嬉しいし、先生が何を着ろと言おうが何を飲めと言おうが、それで喜んでくれるならば私は喜んで従うわ!!お父さんはもう黙ってて!!」
「お前は黙ってろ!!」
良い方向へ行くかと思いきやまたもや誤解を招く琴子の発言に、耐えかねた直樹がとうとう声を荒げた。

「…黙ってろ?え?そう言ったのかい?」
静かな重雄の声が直樹の耳に届いた。
「結婚前からもう琴子をそうやって暴力で従わせると?君、もしかして…AV?」
「…DVですね、それを言うなら。」
つい訂正してしまった直樹はハッとなった。
「あ、いえ。そんなことは決して。」
「変態のDV男に大事な娘はやれん!!」
「お父さんのバカ!!」
重雄と琴子の怒声が家中に響いた…。



それから直樹は何とか釈明し、とりあえず交際の続行は認めてもらえることとなった。もちろん、直樹の腕がものをいったわけで普通の男であったら間違いなく破談となっただろう。
「だが結婚はまだ認めない。君がちゃんとした男であることをわしに納得させるまで認めることはできない。」
「…分かりました。」
それで折れるしかなかった。



「お帰りなさい、ねえ見て見て。」
失意の直樹が自宅に戻ると、紀子がウキウキした様子で出迎えた。
「ほら、ウェディングドレス!琴子ちゃんにどれが似合うかなって。ああ、でも何を着たって似合うに決まってるわ、可愛い可愛い琴子ちゃんだもの!」
「直樹、そろそろ式場を予約した方がいいんじゃないか?」
重樹もニコニコとしている。何も知らないとは何と幸せなことか。
この両親に衝撃の事実を伝えねばならない。直樹は気が重かったが口を開いた…。


「結婚を…延期?」
紀子の手から雑誌が落ちる。フラフラとソファに倒れ込む。
「あ、アイちゃんがそう言ったのか?」
「…ああ。」
重樹も顔が真っ青だった。が、両親の次の言葉に直樹は更に衝撃を受けることになった。
「お前…まさか琴子ちゃんに何かしようと!?」
「お兄ちゃん、結婚するまで待てなかったの?」
ああ、自分は両親からもそう思われる男なのだろうか…直樹は完全に自信を喪失することになった。





関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ドキドキワクワク(-.-;)

今晩は~久しぶりの更新嬉しいですo(^-^)o
重雄お父さんは琴子ちゃんの事が心配で仕方がない様子が凄く分かります。大事な1人娘だもんね。でも色々誤解してるお父さん、どうにか交際だけは許して貰えたみたいだけど、入江君は法廷より、お父さんが一番手こずるみたいですね(笑)入江家に帰って重雄お父さんに結婚を延期したいと言われた事を両親に話したけど、両親はかなりショックを隠せませんね。この後、二人はどうなるの?凄く心配です。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

葉月綾乃さん、ありがとうございます。

更新待っていて下さってありがとうございます!
裏も読んで下さって嬉しいです。
無敵かと思いきや、唯一の敵が現れましたね。しかもむげにできない…まあ難敵です!
本当に自分で買って、自分で出してきたのにこの親子は…(笑)ある意味入江くんも被害者ですよね。
更新待っていて下さると嬉しいです。

こっこ(*^^*) さん、ありがとうございます。

夜勤中に更新確認してくださってありがとうございます!
そうなんですよね、もはや婚約破棄も寸前といったところまで来ています。
そうなんですよね、基本コメディのこのシリーズです。
それにもし、この二人を別れさせるようだったらもうちょっと長い春を楽しませてから…と思ってますし!
一番好きだと仰って下さり、とても嬉しいです!
またのぞきに来て下さると嬉しいです♪

Yunさん、ありがとうございます。

アハハハハ!!!
紫陽花ハンターならぬ紅葉ハンター…でもちょっと季節が早いですよね!!
すみませんでした、ちょっとバタバタしておりまして。
サナトリウムで静養…そうなんです!!山を見ながら大きな帽子かぶってお散歩しておりました…なあんて!!
今思うと、ちっともバースデーらしからぬお話で申し訳ないのですが…。
イタキス期間も始まって、本当に私も喜んでおります!!
重雄さん、普通のお父さん(笑)そうです、ちょっと普通らしくしてみました。
可愛い娘を変態に託すわけにいきませんしね。
展開が似ても同じ話にならないと言っていただけて嬉しいです。展開はもうパターンが限られているから仕方ないよな!と開き直っております。

るんるんさん、ありがとうございます。

いえいえ、お会いできて嬉しいです!ありがとうございます。
まさかの琴子父の反対ですよ。たまには一般の父親らしく振舞っていただこうかと。
二人でこの難局を乗り切っていただけたらと思います^^
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたしますね!!
プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

現在の御訪問者
現在の閲覧者数:
御訪問ありがとうございます
このブログについてのお願い
当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

カテゴリー+月別アーカイブ
 
最新コメント
最新記事
カボチャの世界
Private
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
リンク