日々草子 大蛇森の団欒(後編)
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

「瞳兄、すごかねえ。この写真というか、パネル。」
弟の茜が見上げているもの、それは特注で頼んだ入江先生の写真パネルだ。
「瞳、カセットコンロもIHもなかと?」
兄の遥がキッチンから尋ねる。
「あるわけなか!男の一人暮らしで鍋なんかせんわ!」
「もう!土鍋もないんやもん。」
「うわあ、俺、フライパンで水炊きを食べるの初めてたい!」
うるさい!突然来て、水炊きを食べたがるお前らが悪い! 「瞳、せめて鍋敷きはなかと?」
「遥兄、これでよかよ。」
茜が新聞をテーブルの上に置いた。…おい!
「これはダメ!」
僕は慌ててその新聞をひったくった。この新聞は、この間入江先生が医局で読み終わったものを持って帰ってきたものじゃないか!
「そげな古新聞、とっておいて、どないするん?」
兄が呆れた顔をして僕に尋ねる。
「瞳兄、この箱の中、何でゴミばっかなん?レシートだの、箸袋だの捨てた方がよか。」
「勝手に触るな!それはゴミなんかじゃなかと!」
全く突然やってきて、勝手に人の物を触らないでほしい。前もって来ることを連絡してくれれば、この入江コレクションを避難させておけたものを!

「…瞳。」
兄が俺の前にやってきて、話しかけた。
「医者のあんたにこげなことを言うのは、釈迦に説法みたいやけど…。」
「何ね?」
「年齢を重ねて、ちょっと物忘れとかが多くなった人がね…。」
「うん。」
「ゴミを宝物だと言って、大事に保管すること多いらしいんよ。」
「はい!?」
僕が、僕がボケているとでもこの兄は言っているのか?
「瞳兄、一度自分の脳を見てみ?」
茜までが兄に同調する。
「ボケてなんかなか!これは兄さんらにとってはゴミに見えるかもしれんけど、僕にとっては大事な大事な宝物たい!ちゃんと意味があるとよ!」
僕は大蛇森ボックスを寝室へと避難させた。

「それにしても、三人が顔をそろえるなんて、本当に久しぶりたい。」
「そやね。」
僕たちは三人揃って席についた。
僕のファンの皆さん、こんばんは。そして新しくお会いする皆さん、紹介が遅くなったけれど、僕の名前は大蛇森。下の名前は言いたくない。今、僕は兄(見た目は姉だけど)と弟と三人で僕のマンションにいる。
「あんたも入江先生に会うたとね?」
兄が鶏肉を取り皿に取りながら、茜に訊いた。
「会った。入江先生にも、奥さんにも。あと、遥兄の仲間にも。」
「仲間?」
「まあ、よかと。早よ食べるたい。」
しばし、僕らは水炊きに夢中になった。

「お前、入江先生に失礼なことせんかったやろな?」
こいつのことだ、何か失礼があっては困る。
「別に。遥兄から聞いていた通りの人やったわ。」
何を話したんだ、兄さん。
「入江先生、確かにええ男たい。」
何を今更。
「茜、お前、入江先生に変な気、起こさんとよ。」
僕は弟に釘を指すことを忘れない。

「ええ男なんやけど、肉が足りんね。」
またお前は…!いつも肉、肉、肉…!バカの一つ覚えみたいにに肉!
「男は一に筋肉、二に筋肉、三、四がなくて五に筋肉たい!」
「…あんたの好みは全く変わっとらんね。」
兄が溜息をついた。
「まだ例の人と付き合っとんね?えと、ボティービルダー?」
僕は茜に尋ねた。
「違うよ、瞳。茜の“彼氏”は今はトライアスロンのチャンピオンたい。」
「何ね?お前は本当に分かりやすい男や。前はマグロ漁船の漁師と付き合っとったやん。」
「漁師は遠距離恋愛は難しかったけん、別れてしまったわ。」
そう、この会話から分かるとおり、我が弟、茜はそういう趣味なのである。
「細い体は、ショーで見慣れとるけん、嫌や。」
「あんた、ファッションモデルなんてもん、やっとるのにねえ…。」
兄は茜を見て、溜息をついた。ちなみに茜の職業はファッションモデル。これでもあちこちのデザイナーからお呼びがかかる人気らしい。僕の目には入江先生の方が何十倍もカッコいいけれど。

「でも、入江先生…。」
「何ね?」
「…頬っぺたは柔らかかったばい。俺の好みやった。」
「…お前、何をした!入江先生に何をしたと!?」
僕は逆上して、茜の襟首を掴んだ。
「やめい!瞳も、茜もやめんか!」
兄が止めに入る。
「もう瞳も入江先生追っかけるのは程々にせい言うたやろ?」
「だって、こいつが、入江先生の…。」
あろうことか入江先生に…!僕だってまだ触れたことがないというのに!
「それから、茜。」
兄が茜へ顔を向ける。
「あんた、初対面の人に、男だろうが、女だろうが、誰彼構わずキスする癖、止めいと言うたやろ?」
「だって、この方法が一番どんな人か分かるんだもん。海外ではキスなんて挨拶や!」
ここは日本だ!
茜の癖は本当に困ったものだ!何でこいつはこんな男になってしまったのだろう!両親の育て方が完全に間違っていたんだな!兄共々!

「いつまで居座るつもりね?」
僕は茜に訊いた。
「うーん。次のコレクションまで間が空いているけんね…。」
どうやらしばらく居座る気らしい。こいつらを鍵をかけて閉じ込めておく部屋はないだろうか…。

「瞳兄、この部屋にはワインしかなかとー?」
茜が僕のワインセラーを覗きながら、叫んだ。
「なか!僕はワインしか飲まん!」
当たり前だ。僕はソムリエの資格も持っているんだからな。
「つまらんね…。大蛇森酒造の名が泣くたい。」
「茜!そのスーツケースの中、開けてみ。」
もしかして、兄さん…。
「おう!懐かしい我が家の酒たい!」
持ってきたのか、やっぱり。
「九州男児は焼酎やね、やっぱ。」
「私は九州女や!あんた、さっきから遥兄、遥兄って。姉ちゃんと呼ばんね!」
くだらないことを…。これだから僕は大学から東京に来たんだ。こいつらから早く離れたかった。
「瞳も!今度私のことを兄って呼んだら、そこの入江先生の写真に髭を書くけんね!」
「分かった!分かったからそれだけは、やめんね!」
冗談じゃない!この美しい顔にそんなもの書かれたら、僕は生きていられない!

「これ、兄さん、じゃない、姉さんがつけた名前?」
僕は焼酎の箱を見て溜息をついた。
「そうや!この名前にする言うたら、お父さんも賛成してくれたけんね。」
箱には“男殺し”…。これは中高と、兄につけられた渾名ではないか。なぜこんな名前をつけるんだ?どんなセンスだ?そして、なぜ親父も許可したのだ?
「遥兄、センスなかね。」
茜がさっさと焼酎を開封して、みんなに注ぎ始めた。
「どうせなら、“マッスル”にせんね?」
お前のセンスもひどいだろ!?まだ“男殺し”の方がマシだ!
「あんたは、本当に筋肉バカたい!」
僕から見たらバカ二人だ…。兄弟の縁を切りたい…。

「瞳、音楽かけてよかね?」
兄がほんのり酔った顔で僕に尋ねた。いいとも悪いとも言わないうちに、さっさとコンポの方へ行ってしまう。
「何ね!?あんた、クラシックばっかたい!」
当たり前だ。僕はクラシック以外の音楽など聴かない。
「キヨシはなかと?」
「キヨシ?」
キヨシって何だ?“きよしこの夜”のことか?クリスマスの時期ではない気がするが…。
「キヨシといったら、氷○きよしたい!そんなことも分からんと?福岡が生んだ大スターや!」
誰だ、それは?知るか!
「遥兄、そんなん嫌や!」
また酔っ払いが出てきた。
「かけるなら、鳥羽○郎にして!」
「誰…?」
「もう、瞳兄そげなことも知らんね?鳥羽○郎といえば、元漁師の演歌歌手たい!」
知るか!
「あんた、趣味悪か!」
「遥兄こそ!」
僕から見たら、お前ら、似た者同士だ!
「うちにはクラシックCDしかなか!嫌ならかけんな!茜、お前もファッションモデルで世界を飛び回っとるなら、洋楽の一つでも聴かんね!」
「えーっ!英語もフランス語もショーで聞き飽きとる。ここは日本たい。日本人は演歌たい!」
お前、もう日本の土踏むな!

こうして、僕たち三兄弟の夜は更けていった…。

あとがき
長すぎたので前・後編に分けました。
大蛇森家の長男と三男は、次男を超えるキャラにしたかったのですが、上手く書けているか心配です。
と、いうより、やり過ぎたでしょうか!?
こういうキャラにしないと、次男以上のキャラにならないかと思ったんです…。
ちなみに、三男は
1.オタク
2.瞳の双子の弟
3.超美形
という3パターンの案がありましたが、いろいろ考えた末、3にしました。
感想をいただけると嬉しいです。
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コメント

素晴らしいよぉ 2

水玉さん、何にも心配らいなくってですよぉ^^
どうしたら、こんなに面白くテンポよくかけるのでしょうか?
脳内を一度覗かせて欲しいですぅ^^
しばらく、大蛇森瞳の部屋にやっかいになっていただきたいと希望します^^
もう少し続けてっ☆ね、ねっ♪

今回も・・・

今回もおもしろかったです。弟君の筋肉フェチには笑えました^^
あ、リンクの件、こちらこそよろしくです^^
水玉さんのブログのリンクも貼らせていただいていいですか?

なんと

前編と感想、まとめさせてもらいますね。
一番びっくりしたのが大蛇森一家が美形揃いだったこと。
そんなこと誰が想像したでしょう?
そして3人の会話を聞いていると大蛇森(瞳)が一番まともに見えてしまう不思議。
今度はどんな親なのか気になっちゃうじゃないですか。

は…ハラが…

よじれてどうにかなりそうです~~!お・も・し・ろ・す・ぎ!!この会話のテンポ!
この回の大蛇森(次男)、高校生の頃琴子にキレまくってた入江くんみたいだ…と思ってしまったんだけど…(汗)

ヤバい!まじヤバいっすよ!!
大蛇森兄弟はんぱない!!!最近?気をぬくと大蛇森が頭に浮かんで来て…;;それに自分だけブサイクだなんて気の毒に……
まさか大蛇森なんかで1シリーズ出来るなんて夢にも思ってなかったですよ?笑
ホントいい意味で裏切られました!

コメントありがとうございます
さあやさん>奴ら、もうしばらく瞳の部屋に厄介になると思います(笑)。
みーたんさん>いや、もう書き出したら止まらなかったです、茜…。
かりんさん>私も書いていて瞳がまともに見えてきました(笑)。もう気持ち悪い大蛇森は書けないかも…。
アリエルさん>そっか!どうりでポンポン書けると思いました。下地があったか!
☆あャか★さん>私も「憂鬱」書いた時は、まさかここまで、しかも兄弟まで登場させることになろうとは…(笑)

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