日々草子 永遠に君を愛す 33

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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パーティーの日は見事な快晴であった。昨日まで雨だったためどうなるかと不安な気持ちで見守っていた使用人たちはホッとして朝から準備を始めた。ぬかるんでいた庭も強い日差しであっという間に乾燥していった。
大泉家は屋敷も大きいが庭園も見事であった。強い日差しを避けるためにあちこちにパラソルを置き、その下に席をしつらえる。噴水の傍で談笑したゲストが休憩できるようにという配慮である。

厨房は目が回る忙しさであった。次から次へと出来上がる料理を琴子はせっせと庭へと運び込んだ。
「相原さん、そろそろ着替えて来て下さい。」
料理を並び終えたところでおつねに言われ、琴子はあらかじめ渡されていた衣装に着替えた。地味な和服に白いエプロンというのが女中の揃いの衣装であった。

招待客が来る時間が近づいた頃、美しい京友禅の振袖姿の沙穂子が満太郎に伴われやって来た。傍に控えるおつねの誇らしいことか。満太郎はこの日のために作った上等な背広である。
「何てお似合いなのでしょうか。」
二人を見慣れているはずの使用人たちから溜息がもれた。琴子はとても満太郎を見ていられず、そっと目を伏せた。

「おめでとうございます、沙穂子さん。」
「ありがとう。」
「まあ、さすが大泉家のご令嬢、何て素敵なお衣装。」
「そんな。」
沙穂子の女学校時代の友人たちが次々とやってきた。いずれも沙穂子に劣らない着飾りぶりである。
総勢二十人ほどであろうか。大泉と付き合いのある経済人たちへの披露ではないことから、本当に沙穂子の友人だけであった。
満太郎にエスコートされながら、沙穂子は客の間を行ったり来たりしていた。時間が経つにつれ、沙穂子の美貌もどんどん輝いて行く。結婚した友人は夫を同伴しており、その夫たちの口から「本当に美しい」「花婿が羨ましい」と漏れるのが、テーブルの間をお盆を持って行き来している琴子の耳に届いた。
その夫たちに満太郎は堂々と渡り合っていた。満太郎の知識はそれは素晴らしく、昨今の経済情勢から外交まで何でも話を合わせることができる。
「いや、満太郎くんはうちの会社にほしいくらいだ。」
「うちに来てほしい。」
「あら、それは諦めて下さらないと。」賞賛の言葉を聞き沙穂子がニッコリと笑った。「満太郎様がいなくなったら大泉が困ってしまいますもの。」
ドッと笑い声が起きた。
幸せに溢れた二人を見るにつれ、琴子は自分との距離がいかに遠いかを思い知らされた。もう満太郎は手の届かない所へ行ってしまった。自分が簡単に近寄れない人になってしまった。
そんなことを考えている琴子に、招かれた令嬢の一人がぶつかった。琴子の真っ白なエプロンに令嬢が持っていたワインがかかり、色が染まった。
「あら、そんな所に立っているから。」
謝ることもなく、令嬢は冷たい視線を琴子に浴びせた。
「申し訳ございません。」
確かにぼうっと立っていた自分が悪い。謝る琴子に令嬢は「フン」と鼻を鳴らし行ってしまった。

「相原さん。」
いつの間にいたのか、おつねが琴子の傍に立った。
「みっともないので、着替えてきて下さい。」
白いエプロンには大きな紫色の染みができていた。琴子は「はい」と答えて屋敷に走った。
裏口にもうすぐ到達するという所で、突然空が暗くなった。まだ昼だというのに?と琴子が空を見上げるとまっ黒な雲が屋敷の上を覆っていた。するとたちまち大粒の雨が落ちて来た。
「皆様、どうぞ中へ!」
突然の雨に騒ぐ招待客たちをおつねが屋敷の中へと誘導している。晴れ着を濡らされるまいと令嬢たちが騒ぎながら屋敷の中へと駆けこんで行くのが見えた。
琴子はこの状態ではエプロンの汚れなど誰も気付くまいと後片付けを手伝いに庭へと戻った。戻る途中で満太郎とその手に引かれた沙穂子が走るところに遭遇した。満太郎と琴子の視線が一瞬だけ、合った。

男の使用人はパラソルをたたみ、女たちはテーブルに並んだ料理を片付ける。琴子も急いで手伝い始めた。



「これはとんだことで。」
所用から戻った大泉がサンルームに集まった客人たちを慰めた。おつねや女中たちが客人にタオルを配っている。幸いびしょぬれにならなかった者はいなかった。
「すぐに温かいものをお持ちしてちょうだい。」
沙穂子がおつねに命じる。せっかくの婚約パーティーが天気で台無しになってしまったことが悔しい。そんな沙穂子を友人が気遣った。
「結婚式の雨は縁起がいいと聞いたことがありますわ。」
「ええ、私も。」
「あら、だってまだ結婚式じゃありませんのに。」
笑いながら沙穂子が満太郎を見上げた。満太郎も合わせて微笑んだ。
幸い、料理はふんだんに用意されていたので、サンルームでパーティーは何の問題もなく続行されることになった。間もなく楽しげな歓声がサンルームに響いた。

和やかなパーティー会場とは裏腹に、庭は嵐そのものであった。
「それを早く持って来て!」
「そっちも早く片付けないと!」
使用人たちが声を張り上げる。琴子はコマネズミのように走り回っていた。そして結果として最後まで庭に残ることになった。もう大丈夫だろうと屋敷へ戻ろうとした琴子の足がズルッと滑った。そのまま前のめりでぐしゃぐしゃになっている地面に倒れてしまった。その背中に容赦なく、大雨が降り注ぐ。

「あっ!」と満太郎が小声で悲鳴を上げた。庭で動きまわる琴子が気になって沙穂子や客たちにばれないよう、視線を送っていたのだった。最後まで働き続けていた琴子が転んだのを見て、思わず手にしていたグラスを握りつぶしそうになった。許されるならば今すぐ庭に飛びだし、倒れている琴子を抱き上げたかった。しかしあれほど酷いことをした自分に助けられたって琴子は嬉しくも何ともないだろう。触られることすら毛嫌いするに違いない――。
「満太郎さん、おじい様が。」
「え?ああ…。」
沙穂子に言われ、満太郎は後ろ髪を引かれる思いで大泉の元へ行った。


一体、自分はこんな所で何をやっているんだろうか。何とか起き上がった琴子は自分に問いかけた。もはやワインの染みなど問題にもならないくらい、泥だらけになったエプロンが無残であった。いやエプロンだけでなく着物も泥だらけだろう。美しい振袖の沙穂子と何という大きな違いか。これでは満太郎が愛想を尽かすことも無理はない。
満太郎のために今日まで頑張って来た。それがもう意味をなくしかけている。この家にいる必要があるのだろうか…。
座り込んだまま動けずにいる自分をその満太郎が心配そうに見ていることなど気付くことなく、琴子は雨に打たれ続けていた――。



「え?」
婚約パーティーから二週間ほど経った頃、診察日に姿を見せた満太郎と沙穂子に西垣は驚いた。付き添うのは琴子のはずでは?
「私たち、正式に婚約したのです。」
恥ずかしそうに沙穂子が告げた。確かにいずれそうなると聞いていたが、こんなに早くその日が来るとは思っていなかった西垣であった。
「それは…おめでとうございます。」
動揺が伝わって二人に怪しまれてはいけないと、西垣は祝いの言葉を搾り出した。これからは沙穂子が病院に付き添うのだという。
「では、診察を始めますので。」
西垣の言葉に察した沙穂子が、「それではまた」と素直に診察室を出て行った。

「…満太郎くん、大丈夫かい?」
「…頭も痛くありませんし、気分も落ち着いていますけれど?」
「あ、いや。そういうことじゃなくて。」と西垣は迷った。琴子と一緒にこの病院に来る時の満太郎は本当にいい顔をしていた。心からくつろいでいる、そんな笑顔を見せていた。それから見ても満太郎が琴子をどう想っているかは分かっていたつもりだったが、沙穂子と婚約をしてしまった。一体どういう心境の変化なのかと西垣は不思議でならない。
「…沙穂子さんは何者か分からない俺にあんなに尽くしてくれたんです。恩は返さないと。」
「恩のために結婚していいのか」と言いかけた西垣は寸でのところでそれを止めた。そのようなことを言っても満太郎を苦しめることになるだけである。医者として患者を苦しめることは避けねばならない。



満太郎と沙穂子が進の前を素通りしていくのを西垣は窓から見ていた。琴子と一緒の時は靴を磨いてもらい、楽しく喋っていた。それを進も楽しみにしていたのに。進が寂しそうに満太郎を見送っているのが西垣は可哀想であった。

「僕の調査も無駄になるのか…。」
入江という名前かもしれないと分かっても、その妻が琴子である証拠まで掴みたいと西垣は考えていた。再び大学や病院関係者にそれとなく当たってみたが、知っているという人間は現れなかった。
そのような中、京城帝大を出て軍医になっていた男が近々戻ってくるという話を西垣は聞きつけた。その男は南方に出征していたのだという。苦労して帰国した後、両親の元で過ごしてから東京にやってくるとのことだった。年齢がどれくらいか分からないが、入江という男について何か知っているかもしれない。彼が帰国する日を待ちわびていた西垣であったが、今日の満太郎を見てそれも無駄なことかもと思っていた。
いや、それでも最後まで調べてみようと西垣は思った。結果がどうであれ最後までやり遂げないと自分も気持ち悪い。



やがて梅雨が明け、8月を迎えたある日、いよいよ京城帝大卒の元軍医が東京に戻ってくることになった。帝大病院で落ち合う手筈を整えた。

「西垣先生ですね?宮島です。」
宮島と名乗った男は精悍な顔つきをして白い歯を見せて笑った。
「忙しい所をすみません。」
「いいえ。漸く医学に邁進できることになり嬉しさでいっぱいです。せっかく助かった命ですから、僕でお役に立てるならば何でもしたいと思っています。」
かつての西垣同様、この宮島も戦地で悲惨な光景を目にしてきたのだろう。死んでいった仲間の分までという思いに溢れているのが見てとれた。

帝大病院の食堂で食事を御馳走しながら、西垣は似顔絵を取り出した。
「ああ、これ入江じゃないですか。」
一目見るなり宮島が声を上げた。
「京城帝大で同級生でした。入江がどうかしましたか?」
「入江くん…で間違いないんだね?」
「ええ、入江直樹です。」
「入江直樹」という名前を西垣は何度も心の中で繰り返した。やっと名前が判明した。だが念には念を入れようと思った。
「この入江くんだけど。この顔そっくりの男が何人かいると思う?」
「まさか!」と宮島が笑った。「冗談はやめて下さいよ。こんないい男が何人もいたら、僕のような普通の男に女は永遠に回ってこないじゃないですか。」
どうやら入江直樹で決定していいらしい。
「入江はこの顔で運動神経もすごくて、更に頭がいい!京城帝大始まって以来の秀才、いや天才と言われてました。六年間ずっと首席で卒業式の総代を務めたんです。」
そんなにすごい男だったのかと西垣は似顔絵を見た。そんな男が記憶を失い、自分が医者であったことも忘れているとは何と辛いことだろうか。医者仲間として惜しいことこの上ない。
西垣が入江直樹を探していたことにさして疑問を持つことなく、宮島は直樹の無事を心配していた。

「入江くんが結婚してたって知ってる?」
「卒業の時にそんな噂が流れてましたけど、本当だったんですか?」
「うーん、誰だろう」と宮島は考え始めた。やがて「ああ、彼女かな」とポンと手を叩いた。「お下げちゃんか!」
「お下げちゃん?」琴子は三つ編みをクルクルと後ろにまとめた髪形をしていたと、女性の観察力に自信のある西垣はすぐに思い出した。
「入江の家で暮らしていて、時々弁当を届けに来てたんです。その後看護学校に入って実習でうちの病院にも来てました。可愛くてクラスの何人かが入江に紹介してもらおうと頑張ってましたけどね。でもあいつ、さりげなく遠ざけてました。浜崎の奴は本人に振られていたし。うん、きっとそうだ。」
琴子に間違いないと、西垣は苦労が報われる思いだった。そして宮島は相手の女性の名前を思い出そうと考え始めた。
「何て名前だったっけ?ええと…鈴子?違うか。タイコ?違うな。」
「鈴子?タイコ?」
「楽器の名前だった覚えが…うーん、ピアノ子でもないし。」
「…琴子?」
「それだ!」宮島が手を叩いた。「琴子ちゃんだ。可愛い名前で彼女にぴったりだったんですよ!」宮島ははっきりと自信たっぷりに言った。
「入江が結婚する相手は琴子ちゃんしかいません!」







☆☆☆
今朝某アイドルグループが絶叫マシンに乗ってるとこを見まして。ああ、うちの琴子ちゃんのコースターはまだまだ絶叫度が足りないなと思いました(笑)
・・・高飛車か_φ(・_・








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入江君の話し

今晩は~連日の更新ご苦労様ですo(^-^)o
琴子ちゃん…看護婦さんなのに使用人みたく働かせて可哀想です(;O;),キ~あの嫌な女おつねほどほど嫌になります。アホ子と満太郎の幸せな所を見せ付けられ、可哀想で可哀想で…パーティーの途中で雨に降られたけど、二人の婚約に神様が怒ってるんだよねきっと(`o´)そんな時に入江君を知っている人が登場しました。あのボクチャンより良い情報を西垣先生に与えてくれましたね。西垣先生~早く琴子ちゃんを助けてあげてよ~

おばちゃんがっくりだよorz※パート2※

婚約パーチーしちゃったんですね~(T_T)
何がお似合いだ!!ばかやろ~!!飲まなきゃやってらんねぇよって気分ですよ。
途中でガーデンパーティがおじゃんになってザマーミロって思ったけど、最後まで琴子ちゃんが庭に残ってて、グチャグチャになっちゃうなんて可愛そうすぎる。。。
もう、入江家に帰りなって言ってあげたい。
今の時代なら、DNA鑑定で入江パパとの親子関係を証明して、ほーら直樹だったじゃん。ってことでハイ、さよーならってできるのに。科捜研のマリコさん、戦後の東京まで出張してくれないかしら?
と、脳みそはすでに泥酔状態に陥ってます(笑)(お酒は一滴も飲んでません)

婚約したことでチョーシづいたアホ子お嬢が病院の付き添まで!
でも、満太郎はガッキーに言ってるんですよね。「恩は返さないと」って。
それってつまり、愛情はないけどって言ってるようなもんですもんね?
ガッキー!!今は君だけが頼りだ!!
頼む早く何とかしてくれ~。:゜(;´∩`;)゜:。
若い二人と読んでるわたしたちにどーか幸せを!!

次の更新も楽しみにしてますね!!

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絶叫足りてます・・・

いや~絶叫度合いはもう充分足りてます~
パーティーに直樹坊ちゃんのご学友が来るかも
という私の希望も空しく・・・
早く逆走に入って~
不幸のジェットコースター(いや高飛車?)を降りて
二人楽しくメリーゴーランドにでも乗ってるところに
行き着きたいです!!

ガッキーもうひとおせっかい頼むよーーー!

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ガッキ-がんばれ・直樹、琴子ちゃんの、力になってあげてね、ガンバ、ガッキ=

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ばーばもじゃさん、ありがとうございます。

絶叫、足りてます?大丈夫ですか?
パーティーに直樹坊ちゃんの友人が来るかもと考えていらしたんですね。私、そんなこと思いつきもしませんでした!
早くコースター、ゴールに到着するといいですけど。
あはは、二人楽しくメリーゴーランドですか!そんな日が来るといいですね♪

ちあきさん、ありがとうございます。

いえいえ、コメントありがとうございます。
このお話が一番辛いですか?私は書いている中でまだまだって感じなのですが(笑)
本当、琴子ちゃんは頑張りましたよね!他の方ももう入江家に帰っていいって言っている方がいらっしゃいましたよ。
琴子ちゃんを失った後に記憶が戻ったら、それはそれは後悔しそうですよね~。

佑さん、ありがとうございます。

32からの連続コメントありがとうございます。
おお!佑さんも見てました?そうそう、「直角、直角~!!」の叫びが面白くて!!
でもあれは叫ばずにいられないでしょう(笑)
そんでもってスタッフと一緒に写真におさめられた彼が気の毒でした(笑)

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