日々草子 吾輩は猫である 5

吾輩は猫である 5

あけましておめでとうございます。
今年も水玉&このブログをよろしくお願いいたします♪

新年はこのお話からスタートいたしますね!












新しい年の幕開けである。
吾輩もあちこちに年始回りをせねばならない。吾輩ほどになると、そういう礼儀は欠かせないのだ。

吾輩が顔を出すと、町内の雌猫たちが皆歓迎してくれた。フッ、今年もまたモテモテで困ったものだ。二枚目の渋い顔を持つと苦労する。

さて、ラストはあの家に行かねば。

吾輩がその家の塀に到着したら、ガーデンチェアにちょこんと座っている姿が見えた。

「ニャー。」
「ゴンザエモン!」
ガーデンチェアから首を伸ばし吾輩を見る大きな目。
吾輩はヒラリと塀から飛び降り、その傍へと寄った。

「ゴンザエモン、あけましておめでとう!」
「ニャー。」
この家のアイドルまーくんがニコニコと挨拶をしてきた。忠実な子守犬、チビも一緒である。

まーくんは温かそうな毛糸の帽子にダウンジャケットをしっかりと着こんでいた。
「このお帽子ね、おばあちゃんが作ってくれたんだよ。」
「ニャー。」
似あっとる、似あっとる。
「セーターも、ほら。」
まーくんがダウンジャケットを開けて見せた中には、なかなかいい色合いのセーターがのぞいていた。うんうん、可愛い可愛い。

さて、まーくんはここで何をしていたのだろうか?
ガーデンテーブルの上には可愛い袋が並べられていた。知っている、これは確か「お年玉」というものだ。吾輩にも下僕が「お年玉」と称して、可愛い首輪をつけてくれたばかりだ。

すると、
「ゴンザエモンも新しい首飾り、可愛いね。」
と、まーくんが褒めてくれた。
「チビもお兄ちゃんが新しいものをくれたんだよね?」
「ワン!」
ほうほう、おぬしもおニューか。お互い気分がいいものだ。

「まーくんね、いっぱいお年玉もらったんだよ。」
テーブルの上からまーくんが袋を見せてくれた。どれも可愛い動物の絵が描かれている。
これはまーくんが大の動物好きだということを家族が分かってのことに違いない。
「くまちゃんはパパとママ、ゾウさんはおもちゃのおじいちゃんたち、パンダちゃんはふぐのおじいちゃんで、シカさんは裕樹お兄ちゃん!」
ひとつひとつ教えてくれるまーくん。

「すごいでしょ!まーくん、すごくお金持ちになっちゃったの!」
幼児だからさほどお金は入っていないだろう。それでお金持ちだなんて微笑ましいことだ。
「ゴンザエモンもそう思う?」
「ニャー。」
うんうん。計画的に使うんだぞ。

「まーくんね、使い道もう決めてるんだ。」
「ニャー。」
ほう?それはしっかりとしたことだ。おもちゃか、まーくんの好きなプリンでも買うのか?

「あのね…ろうごのためにとっておくの!」
「…ニャ?」
今、何と言った?ろ、ろうご?「ろうご」って?あの「ろうご」?
「ろうごはね、すごくお金がかかるんだって!裕樹お兄ちゃんが言ってた!」
…間違いない、「ろうご」とは「老後」のことらしい。
「だからね、まーくんもろうごのためにこのお金、とっておくの!」
…五歳児が老後の心配を。一体、この国はどうなってるんだ!_
と、言いたくなったが落ち着け、吾輩。まーくんが「老後」の意味を知っているわけがない。大人が口にしていることを真似して使いたがるお年頃なのだ、うん。
しかし、正月早々老後とは…まーくん、渋いな。

「そうだ、まーくんね、おせち料理のお手伝いしたんだよ!」
「ニャー。」
それは感心なことだ。
「あのね、お豆とか食べて甘いとか、しょっぱいとか言ったの!そしたらね、おじいちゃんたちがまーくんがお手伝いしたから、すごくおいしいって言ってくれた!」
「ニャー。」
それはお手伝いじゃなく、味見というわけで。まあお手伝いと言えばお手伝いか?

「ふぐのおじいちゃんがね、お店でもお料理がおいしいとかしょっぱいとかいうお仕事しようって言ってくれた!」
…ふぐ料理店でちょこんと座るまーくんを想像してみる。そんなおいしい仕事、吾輩も是非してみたいものだ。

どうやら今年もこの家ではまーくんはチヤホヤされること、決定だな。



「そうだ、ゴンザエモン。」
「ニャー。」
まーくんが吾輩をじっと見る。
「…太った?」
「ニャ!」
ギクッ!じ、実は正月ということで下僕が吾輩用の正月料理を献上して来たもので…ちょっと体が重くなった気はしていたのだが。
いやいや、まーくんはいつも吾輩を見ては太ったと口にする。まーくんの「太った?」は「こんにちは」と同義語なのだ、そうだ、そうに違いない。

「ママもね、太ったって気にしてる。」
ほう、まーくんママがか。下僕も同じようなことを言っていたが。うんうん、正月はそんなものだ、よかった。
「それでね、パパがね「太ったら“だきがい”があっていい」って言ったの。まーくん、“だきがい”の意味がよく分からなかったんだけど、それを聞いたママは“めっ”ってパパを睨んでた。ゴンザエモン、“だきがい”ってママが嫌いな言葉なのかなあ?知ってる?」

澄んだ瞳で吾輩を見つめるまーくん。
…知っているが、まだまーくんには早いだろう。

「ニャー…?」
とりあえずとぼける吾輩。
「何だろうねえ?」
首を傾げるまーくん。いつか知る日も来るさ。

「あら、ヒコザエモン!」
と、ここでそのまーくんママが登場した。今年も初っ端から吾輩の名前を間違えている。
「あけましておめでとう。今年もまーくんと仲良くしてあげてね。」
「ニャー。」
「ママ、ゴンザエモンだよ。」
「そっか。ごめんね。」
「ニャー。」
今年は一体、どれだけの名前が出てくることやら。

「真樹とチビに年始の挨拶に来てくれたのか。」

…出た、悪魔の手先。

「今年はパパとも仲良くなってね、ゴンザエモン。」
いくらまーくんの頼みでもそればかりは…悪魔の手先が足を洗えばいくらでも仲良くしてやるが。
今年こそ、まーくんに悪魔の手先になることをあきらめさせねば!うん!

「クチュン!」
まーくんが可愛いくしゃみをした。
「あらあら、ずっと外にいたから冷えちゃったんだわ。」
まーくんママがまーくんの背中を擦る。
「外にいた方がゴンザエモンが来やすいだろうって、真樹は待っていたからなあ。」
なぬ!まーくんは吾輩をずっと外で待っていてくれたのか!
それは悪いことをした!吾輩としたことが、何てことを!
こうしちゃいられない。まーくんを早く家の中へ戻さねば。

「ニャー。」
吾輩はヒラリと塀の上に飛び乗った。
まーくん、吾輩は今日はここで帰る。だからまーくんも家に入るがいい。

「ゴンザエモン、またね!」
「ワン!」
まーくんがニコニコと手を振った。チビは尻尾を振っている。まーくんママと悪魔の手先も手を振っている(吾輩に手を振るのならば足を洗う日もそう遠くないかもしれない)。
「ニャー。」

今年もよろしくな、まーくん。






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まあくんに会えて嬉しい♥

 まあくんとゴンエモンのやり取り、今年も楽しみです。父親の直樹と母親の琴子に、なっても昔の二人のほのぼのした感じが描かれて、良かったです。

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佑さん、ありがとうございます。

今年もよろしくお願いします♪

ゴンザエモン、太ったり痩せたりと…人間と同じです(笑)
まーくんに負けないくらい、家族に愛されている猫ちゃんです。

sayuさん、ありがとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。
そしてお仕事、お疲れさまでした!!
お疲れのところ、来て下さりありがとうございます。
このようなところでよければ、どんどん遠慮なさらずに来て下さいね!

私もsayuさん同様、今年も入江くんは悪魔の手先であり続けてほしいです。
永遠にゴンザエモンとは親しくなれないと思いますが(笑)

ナイトさん、ありがとうございます。

こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

ゴンザエモンの名前、どれだけ増えていくんでしょうね~?
それを嫌と思わないゴンザエモン…いやいやもう諦めの境地でしょうか?
法律事務所、続きをボチボチと書いております。
ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

たまちさん、ありがとうございます。

こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

ゴンザエモン、本当に律義ですよね。挨拶回りして、まーくんのところにも。
なんだかんだとまーくんが大好きなんですよね。
そして渋い五歳児の道を今年も突っ走るまーくん。
琴子ママへの愛情を思う存分出す直樹パパ。
颯爽と去っていく…(笑)ゴンザエモン自身はそう思っているのでしょうが周りから見たら「べチャッ」という感じなんでしょう。
そうそう、足を洗うことは絶対ありません。
むしろどんどん、まーくんを悪の道に誘いこんでいくことでしょう!

emaさん、ありがとうございます。

こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
そして素敵なイラストを今年の堪能させて下さいね~!!

カスガノツボネさん、ありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。

いえいえ、まだママで通用しますよ~!!
私も書きながらすっかりまーくんのママ気分でした(笑)

私も今年もまたカスガノツボネさんの面白いコメント楽しみにしているでありんす~♪

ゆこりんさん、ありがとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。
はい、私も今年もゴンザエモンとまーくんを書きたいと思っています^^
イリコトは親になってもラブラブなところも気に入っているので、ゆこりんさんにもそう思っていただけているようで嬉しかったです。

よしぴぃさん、ありがとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

いやいや、今回のコメントも最高でした!
特に最後の「誰!?まーくんの前で「ろうご」という言葉を口にしたのは!!」という一文!!
ここで〆るというところによしぴぃさんのコメント力が出ている気がします!

タイトルからして凝っている~!!猫と書いてヒトと読ませるなんて!!
よしぴぃさんの推察通り、ゴンザエモンは猫生(ここも笑えた!)経験豊富だけにそれがにじみでているんでしょう。御意見番もでき、妙なフェロモンも出しているに違いないです。
まーくんが外でわざわざ待つだけのことはありますね。
まーくん、本当にすくすく育っているようで。老後の備えもばっちりだし!
プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

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二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

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