日々草子 サブ・ローザ 16
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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サブ・ローザ 16






いくら愛想を尽かされ別れることになったとはいえ、琴子は直樹以外の男性とすぐに交際するようなことはできなかった。
だから理志にもちゃんと断ろうと思っているのだが、なかなかそのきっかけが出て来ない。
当の理志は琴子に考える時間を与えてくれているのか、顔を合わせてもその話は出て来なかった。
相手から出て来ないのに「無理です」と言うこともおかしい気がする。それに琴子が考えるべきことは理志との交際ではなくその父親が早く回復するための方法である。

交際のことには一切触れず、理志は今まで通り琴子を楽しませてくれるような話題を振って来る。
政治家の裏話や秘書の仕事を愉快に話してくれると、琴子もつい笑ってしまうのだった。

そしてその様子を今日も直樹はそっと見ていた――。



「相原さん、ちょっと。」
他の患者の所から出てきた琴子を、直樹が呼び止めた。思わず琴子の身に緊張が走る。
直樹は琴子を廊下の奥まったところへと連れて行く。

「あれ、出しておいたから。」
直樹に言われ琴子は足元が一瞬、ぐらついた。
「…そう…ですか。」
「ああ。」
これでもう終わった――。

「あのマンションは、お前が今まで通り暮らして構わないから。」
「入江くんはどこに?」と訊ねようとした琴子だが、余計なお世話だと思われることが怖くて黙った。
「俺の荷物、とりあえず引き取りに行くから。」
直樹は淡々と、事務的に話す。
「お前の気を悪くしないよう、お前が留守の時に行くから。」
「そんな気を遣わなくても…。」
「じゃあな。」
直樹は余計なことは一切口にせず、去って行った。



翌日、琴子は更衣室にて一番会いたくなかった人物と顔を合わせることになった。
しかも、そこには琴子とその人物の二人きりという、最悪なタイミングであった。

「相原さん、VIP病棟はもう慣れた?」
相手が琴子に気付き話しかけてきたので、相手をしなくてはいけない。
「あ…うん。」
「そっかあ。」
これから勤務らしいのに、黒田は欠伸をしながら着替えをしている。そこで琴子は鏡越しに黒田の首筋についているものを見つけてしまった。

「ん?何かついている?」
琴子の視線に気付いたのか、黒田が振り返った。
「ああ、もしかして、ここ?」
全く悪びれることもなく、黒田は首に指をやって琴子に笑いかけた。
「もう…わざと付けるんだから。」
つけた相手は噂になっている直樹かと琴子は思った。しかし、もう自分たちは夫婦じゃないのだからそんなことを聞くことはできない。
「そうだ、相原さんは真面目だし口も固いから教えてあげようかな?」
「え?」
黒田はキャミソール姿でゴソゴソとバッグを探した。

「見て!」
黒田の手に乗っているのは、小さな箱だった。中で光っていたのは可愛いデザインの指輪だった。
「彼からもらったの。誰かに自慢したかったんだ。」
「そうなんだ…。」
琴子は顔が引きつっていないようにと祈りながら、笑顔を作った。
離婚したその足で直樹は黒田とそんなことをしていたのかと思うと、泣きたくなってくる。

黒田は制服に着替え更衣室を出て行った。琴子は着替えた後もそこに残ったままだった。
黒田は明るいし、あんなにプレゼントを喜んでくれる。そんな女性に惹かれるのも無理はない。

その日琴子はそれから数日分、夜勤を担当することにした。ちょうど家族のことなどで交代してほしい看護師がいたので喜ばれた。ハードな仕事をして忘れたい。その思いだった。それに夜勤だったら直樹とも顔を合わせずに済む。
夜勤が明けた後も琴子は病院の看護師用仮眠室に籠っていた。

と思ったが、直樹も夜勤だったのか何日目かの夜に顔を合わせる羽目になってしまった。

「あの…。」
無視して通り過ぎようとする直樹を、琴子は呼び止めた。
「…私、当分夜勤だし色々忙しいから…いつでも荷物…どうぞ。」
「…ご親切に。」
別れた男にまで思いやりがあることだと思いながら、直樹は答えた。



そんな日が続いた頃だった。
さすがにいい加減、家に戻って休息を取るようにと師長に言われ、琴子は渋々家に戻ることになった。
「丁度、入江先生もお休みを取られているようですしね。」
師長の言葉に「え?」と琴子は驚いた。
「あら、知らなかったの?」
数日休みを取っているという。

直樹が休暇を取っていると知り、琴子の胸はざわつき始めた。
「もしかしたら…。」
黒田も休みを取っているのではないだろうか。琴子は更衣室で黒田のロッカーを見る。
二人で休みを合わせて旅行にでも行ったのかもしれない。指輪を手にはしゃぐ黒田を思い出し、琴子は苦しくなった。

新婚気分で暮らしていたマンションが見えてくる。琴子は心が重くなった。
もうあの部屋で直樹と顔を合わせることはない。
直樹はそのまま暮らしていいと言っていたが、琴子にはそんなことは耐えられなかった。
直樹が荷物を出したら、自分も休みを使って新しい部屋を探そうかと思う。だが、すぐにその考えをやめた。
直樹と別れようがどうしようが、琴子は看護師を辞める決意をしていた。辞めたら東京に戻ることになる。
「戻っても、あの家には…。」
いや、そもそも親たちに何と話せばいいのか。その辺りについて直樹はもう話しているのだろうか。
重い気持ちのまま、琴子は玄関のドアを開けた。
するとそこに、琴子が目を疑う物があった。見慣れた男物の靴が乱暴に脱ぎ捨てられている。直樹の靴だった。

「そんな…。」
荷物を引き取る時に顔を合わせないようにとお互い気遣っていたのに、まさかここに来て鉢合わせするとは。
そのままドアを開けて外へ出ようかとも思ったが思いとどまり、琴子も家へ上がった。
黒田と旅行に行ったのではないだろうか。いや、行くつもりだから必要なものを取りに来ているのかもしれない。

琴子は深呼吸をするとリビングへと足を踏み入れた。
そこに直樹はいなかった。が、その向こうのベッドが置いてある部屋を見て琴子は口を押さえた。

「入江くん!?」
ベッドに寝ることもせず、半身をそこに突っ伏して直樹が倒れていた――。





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コメント

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キャー!入江君が大変な事になっています(≧∇≦)
どうなるのこの先・・・・
本当に出したのか・・・・
なぞだらけだからこの先が楽しみになる!
神に祈る!ハッピーエンドを!

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17は、今度いつかな?

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水玉さん、こんばんは。
更新ありがとうございます。

直樹は琴子が理志と一緒になれるようにと、離婚届けを出したと言う事を。
本当に提出したのかしら?
方や黒田さん、琴子に見せ付けるようにキスマークを。更に指輪まで披露。
ここ迄、確たる証を見せられたら、琴子も辛いよね。
直樹は本当に離婚届けを・・
そんな琴子、直樹と顔をあわせたくないから夜勤を。でも、その琴子が部屋に戻ると、黒田さんと旅行に行っているとばっかり思っていた琴子が、部屋の中で突っ伏してる直樹を
発見ですが。
琴子、もう驚きの声だよね。
一体、直樹の身に何が起こったのかしら?
気になります、17話お待ちしています。

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むもこさん、ありがとうございます。

読んで下さって、ありがとうございます。
本当に何かにとりつかれているかのような入江くんですよね(笑)

名無しさん、ありがとうございます。

本当に大変なことをしでかした入江くんですよね。
謎だらけと言ってもらえてとても嬉しかったです。
そして先を楽しみにして下さっているとのことも!
ぜひ、ハッピーエンドを引き続きお祈り下さい!

なおたんさん、ありがとうございます。

シリアスな場面はなかなか筆が進まず、お待たせして申し訳ありません。
17,18とアップしましたのでお楽しみ下さいね。

あやみくママさん、ありがとうございます。

うわ~祈られた!
しかも気になるって言って頂けて、嬉しいです!ありがとうございます!

hinaさん、ありがとうございます。

書き手の気持ちを考えて下さってありがとうございます。
催促は嬉しいものです。それだけ続きを楽しみにして下さっているんだなあという読み手の気持ちが伝わりますので♪
想像しながら読んで下さっているとのこと、とても嬉しいです。
ありがとうございます。

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