日々草子 シンデレラ・コトリーナ 9

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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老若男女問わず、歩きやすいように城を改修したことまでコトリーナが気付いていたとは思わなかった。
それに自分に夢中で周囲が見えていないわけでもない。正しいことと間違っていることをきちんと判別する冷静さも持ち合わせている。

―― あの子、王妃の器ですよ。

その言葉が鮮やかに心に蘇った時だった。
「王子様。」
目の前に現れたのは、魔女モトであった。

「いかがです?なかなかあの子、面白いと思いません?」
ナオキヴィッチの執務室へ移動した二人。
「変わってはいるみたいだがな。」
「あの博士もあの子には一目置いたみたいですし。」
「目ざとい奴だけどな。」
「ウフフ。そろそろ、あの子を見た目だけで判断するのはやめてもらえそうですね。」



その頃、コトリーナは「特別女官」らしく、ノーリー王妃の部屋にいた。
「最後にこちらのイヤリングをと。」
コトリーナはきれいなエメラルドのイヤリングを王妃の耳に優しくつけた。
「いかがでしょう、王妃様。」
「まあ、何て素敵なのかしら。」
鏡に映った自分の姿を見て、王妃は歓声を上げた。
「さすがコトリーナちゃん。ドレスからアクセサリー、ヘアスタイルまで素晴らしいわ。」
「おそれいります。」
「私、ずっと娘とこういうことをしたくてたまらなかったの。ああ、やっぱりコトリーナちゃんが来てくれてよかった!今度のパーティーで娘がコーディネートしてくれたのよってゲストに自慢するわ。」
「娘だなんて、そんな…。私こそとても幸せです。王妃様にこんなに優しくしていただけて。これからもどんどん御用を言いつけて下さいませ。」
「まあまあ。コトリーナちゃんは何て働き者なんでしょう。」
と、またもやコトリーナをギュッと王妃が抱きしめたところで、
「大変です!」
と飛び込んできたのはモトであった。

「まあ、どうしたの、あなたがそんなに慌てるなんて珍しいこと。」
「これが慌てずにいられますか。」
ハア、ハアと息を切らせてモトは王妃とその傍にいたコトリーナを見た。
「王子様が…王子様がコトリーナを呼んでいらっしゃいます!」
「王子様が?」
「何ですってえ!?」
コトリーナ以上に驚いたのは、王妃であった。今コトリーナにつけてもらったイヤリングも落ちる勢いである。
「まあ、ナオキヴィッチがコトリーナちゃんを…何てこと!」
「ええ、ええ。これは王子様の気が変わらないうちにと私も急いで参りましたの。」
コトリーナがこの城に来てから、そんなことは初めてである。
「これはコトリーナちゃんに感心を持ったってことかしら?」
「きっとそうですよ!」
王妃とモトはクルリとコトリーナを振り返った。
「こうしちゃいられないわ。」
王妃はつい先ほどまで自分が座っていた鏡台の前に、コトリーナを座らせた。
「さ、コトリーナちゃん。今度はあなたの番ですよ。」
と、パンパンと手を叩いてコトリーナのドレスを女官に準備させる。
「あ、あの王妃様…私はそんな…。」
「いいえ!ああ、お化粧もした方がいいわね。コトリーナちゃんのお肌はすべすべでさぞ、お化粧のノリもいいでしょうね。」
王妃は化粧品を手に取り始めた。
「ヘアスタイルもちょっと凝りましょうか?」
と、ブラシを手に取ったのはモトであった。

「ああ、どうしましょう。時間がいくらあっても足りないわ。」
「王子様の気が変わったら大変ですわね。」
「そうよ、あの子は本当にせっかちなんですもの。まったく誰に似たんだか…だめだわ。こんなことを言っている暇はないわ。でも時間が…モトちゃん、ほら、あれ。あのカマ~って、やってちょうだい!」
「ええ、その方が早いですわね!」
「あ、あの…二人とも…。」
「カマ、カマ、カマ~!」



ナオキヴィッチは図書室の前で待っていた。
「王子様!」
「遅い」と叱ろうとしたナオキヴィッチは、思わず黙り込んだ。
遠くから走ってくるコトリーナが、いつもと違っているからである。
「ごめんなさい…急にお呼びだなんて驚いちゃって、一生懸命走ってきたのですけれど。」
旨に手を当て、頬を真っ赤にして自分を見上げるコトリーナ。
ブルーと白のストライプのドレス、髪の毛は二つに分けられて耳の上にドレスに合わせたブルーのリボンが結ばれている。その下から出ている髪の毛は巻かれていてまるでクロワッサンを下げているようであった。
そして顔にはほんのりと化粧が施されており、ピンク色の唇が可愛らしい。
「王子様?」
「…解けてる。」
その髪のリボンが解けかけていることにナオキヴィッチは気が付いた。走ってきたせいだろう。
手を伸ばし、そのリボンをナオキヴィッチは結んだ。
「ありがとうございます。」
ニッコリと笑うコトリーナの笑顔がまたもや眩しい。ナオキヴィッチはそう感じていることを悟られないよう、態度を作った。
「入れ。」
「はい。」
二人は図書室へと入った。

図書室は誰もいなかった。
「座れ。」
コトリーナを座らせると、ナオキヴィッチは書棚へと歩いて行った。
そして本を数冊、コトリーナの前に置いた。
「お前、勉強したいんだろ?」
「え?はい。」
「じゃあ、教えてやる。」
ナオキヴィッチはコトリーナの前に座った。
「お前がこの間読んでいた本は、かなり難解なレベルだったからな。もう少し易しいところから始めた方がいいんだ。だが、これでもお前一人じゃ理解できないだろう。」
「はあ…。」
「だから俺が教えてやる。」
「…本当ですか?」
信じられないコトリーナはナオキヴィッチを大きな目で見つめた。その視線がなぜか今日はまぶしいナオキヴィッチは、目を逸らす。
「冗談を言っているような暇人じゃないんでね。」
「でも、どうして?」
コトリーナが理由を尋ねるのは当然であった。散々自分を邪魔者扱いしていたナオキヴィッチが突然面倒を見てくれるなんて。
「…俺が一番嫌いな人間は、自分に与えられた地位に甘んじて何の努力もしない奴だ。そういう奴ほど、努力する人間を笑う。俺はそれが許せない。それだけだ。」
自分でも答えになっていないと思いながらもナオキヴィッチは答えた。
「努力をしない人が嫌い…。」
コトリーナは眉を寄せて考え込んだ。その顔がおかしくてナオキヴィッチはこっそりと笑いをこぼしながら、先程のモトとの会話を思い出していた。



「あの子は玉の輿に乗るチャンスをラッキーと思わず、それを次へのステップにしようと考えています。そして誰からも教えられていなくても、色々な立場の人間の目線で物事を見ることのできる子ですよ。私はあの子が王妃になったら、このイーリエ王国は今より素晴らしい国になると確信しています。」



「ええと、それってつまり…。」
コトリーナはなぜか頬を赤くそめ、もじもじと体をよじっている。
「何だ?」
「“努力する君の姿はとても美しい”と仰って下さっているってことで…。」
「全然違う!俺は一言もそんなこと、口にしていない!」
コトリーナのとんでもない発言で、モトの台詞は一瞬でナオキヴィッチの頭から飛び去って行った。
「違うんですかあ?」
口を尖らせるコトリーナに、
「当たり前だ。ったく、お前はどうして自分に都合よく物事を考えるんだか。」
とナオキヴィッチは呆れる。
だが、何事もあきらめず全力で取り組むコトリーナの姿に、ほんの少し心を動かされたことは事実であった。

ナオキヴィッチは、本を読み始めたコトリーナの様子をじっと見つめた。
不思議なことに、初めて会った頃よりコトリーナが変わってきている気がする。いや、昨日よりも変わっている。会う日ごとにコトリーナが違って見える。それも可愛く――。

「そういえば、お城のお食事はとてもおいしいですね。」
ふと、コトリーナがそんなことを口にした。ああ、そういうことかとナオキヴィッチは気づいいた。
「そうか、いいもん食っているから毛並みが良くなってきたんだな。」
自分の目が悪くなったかと思ったが、どうやらそういうことだと納得する。
「毛並み?動物のお話ですか?」
ナオキヴィッチの独り言を聞きつけたコトリーナが、キョトンとした顔を向けてきた。
「ああ、そうだ。王室は牧場も持っているからな。そこで飼っている動物の繁殖とか色々考えていたんだ。」
誤魔化すナオキヴィッチに、
「すごい。王子様は動物のことまで考えていらっしゃるのですね。一度に色々なことを同時に考えることができるなんて、頭の中を見てみたいなあ。」
と素直にコトリーナは感心した。
「俺の頭の中?」
ナオキヴィッチは、コトリーナが自分の頭をパカッと開ける様子を想像した。なぜか頭の中から出てくるのはコトリーナの顔、顔、顔…。
「…人の頭の中を覗いている暇があったら、勉強しろ。」
「はあい。でも。」
既にコトリーナの頭の中は違うことで一杯であった。
「牧場かあ。王子様と一緒に…。」
うっとりとするコトリーナの目線の先には本ではなく、牧場が広がっていた。

「待てよ、コトリーナ。」
「王子様、こっちですよ。」
緑のきれいな中、追いかけっこをするコトリーナとナオキヴィッチ。そんな二人を長閑に見守る牛や馬たち。

「王子様、私の作ったサンドイッチはいかがですか。」
コトリーナの作ったサンドイッチを受け取りながらナオキヴィッチが、
「お弁当、ついてるぞ。」
と、その口元についたパンくずを取ってくれる。


「…くだらねえ妄想しやがって。」
「え?あ、ここ、図書室か。アハハ。」
妄想の世界から戻ってきたコトリーナが恥ずかしそうに笑うと、
「まあ、俺も同じようなことを想像していたけどな。」
と、なぜかナオキヴィッチが珍しいことを口にした。
「同じこと?てことは、王子様も私と一緒に牧場に?」
二人で追いかけっこ、二人でお弁当、これはもしかしてとうとうナオキヴィッチも自分をとコトリーナが期待に満ちた眼差しをナオキヴィッチに向けた。
「ああ、ただし俺の想像ではお前を追いかけているのは俺ではなく、牛だけどな。」
「う、牛?」
「そ。赤い服を着たお前が、怒り狂った牛に追いかけられ悲鳴を上げながら逃げ回る。それを見物する俺。ああ、楽しくてたまらない。」
クククと笑うナオキヴィッチに、
「んもう!絶対そんな服着てきません。」
と、コトリーナは頬をプーッと膨らませた。



「…なかなかいい雰囲気みたいね。」
二人をこっそりと覗いていたモトが、ニンマリと笑った。
「さて、あとは邪魔者が入らないようにしないとね。」
誰も入れないように、魔法をかけようとモトが杖を出そうとしたその時、図書室のドアがそっと開いた。中から出て来たのはあの人の良い司書であった。
司書はドアにかけられているプレートをそっと動かすと、ニコニコと一人頷いてその場を去った。

「どうやら、あの二人がうまくいってほしいのは王妃様と私以外にもいるようね。」
『閉館中』となったプレートを見て、モトはにんまりと笑ったのだった。








とりあえず、いったんここで止めることにします。『法律事務所』みたいな感じで時折続けて行けたらいいなと考えております。
ちょっとまた忙しくなるので、しばらく消えることになります。申し訳ありません。
コメント、拍手本当にありがとうございます。
過去作品も読み返しているよ~というコメント、とてもうれしいです。


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