日々草子 入江法律事務所 15

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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三月初めにはドーンと場所を構えていた花粉症コーナーが、4月になるころにはUVカットコーナーに場所を奪われている…それなのに私は相変わらず…。
いえ、少しはましになってきた気もするのですが。

更新していないのに足を運んで下さる皆様、ありがとうございます。
ちょっとだけお話を書きました。
よろしければ、どうぞ。









「くしゅんっ!」
入江法律事務所の自称秘書である相原琴子は、くしゃみが止まらなかった。
「馬鹿は風邪引かないって、嘘だったか。」
パソコンに目を向けたまま、琴子に声をかけたのはこの事務所の所長である入江直樹であった。
「違います、風邪なんかじゃ…くしゅんっ。」
琴子はチーンと鼻をかんだ。
「馬鹿のくせに風邪なんて引いてるんじゃねえよ。」
「だから違います。もしかしたら花粉症かも。」
「花粉症?」
「はい。」
またもや琴子はチーンと鼻をかむ。
「あーあ、とうとう花粉症かあ。」
「お前みたいな奴に纏わりつくのは、花粉くらいなもんか。」
「ひどい!」
「よかったじゃん。花粉にモテモテで。」
「先生!」
抗議しようとする琴子であるが、鼻をかむ方が先であった。

「あーあ、鼻の下が真っ赤だ。」
仕事そっちのけで、琴子は鏡に映る自分の顔を見て溜息をついていた。
「かといって、肌に優しいティッシュはお高いし。」
「お前が無駄遣いしなければ買えるんじゃねえの?」
直樹はプリントアウトした書類を取るついでに、琴子の机の傍に立った。
「こんな、ただで配っているティッシュで鼻をかんでいるから、荒れていくんだろうが。」
琴子の机の上には、同じ店と思しきところのものと思われるポケットティッシュが十個ほど重ねられていた。
「これ、あの人からもらったんです。」
「あの人?」
「ほら、啓太くんの裁判の時に証言に立ってもらった…。」
「あのオタクか。」
直樹が眉をひそめたことに気づかず、琴子は話を始めた――。

**********
裁判所へ書類を提出した帰り、琴子は「くしゅん」とくしゃみを連発していた。
「あ、コトリンだ。」
その声に琴子は思わず「ゲッ」と唸ってしまった。
「コトリン、奇遇だねえ。」
そこに立っていたのは裁判を通じて知り合ったオタク、青木たちであった。
「どうしたの、花粉症?」
「さあ?」
あまり関わりたくないと思う琴子は適当に流した。
「僕たち、何してると思う?」
しかし青木たちは琴子にしつこくまとわりついてきた。
「立っているんでしょ。」
「違うよ、ちゃんと働いているんだよ。ほら!」
青木が差し出してきたのはポケットティッシュであった。どうやら彼らはティッシュ配りのアルバイトをしているらしい。
「コトリンにはサービスしてあげるよ。」
と、青木は琴子の手に山のようにティッシュを置いたのだった。

**********

「どうりで、変な店名だと思ったぜ。」
ポケットティッシュにはいかにもオタク好みの様な絵柄と店の名前が大きく書かれていた。
「あの人たちもたまには役に立つことをしてくれるんですよね。」
琴子は直樹からティッシュを奪うと、そこから数枚取り出して鼻を押さえた。
「役に立つ?」
「助かります。もうこれも空になりかけていたので。」
と、琴子は家から持って来たボックスティッシュを振った。

「あーあ、鼻の下がカピカピだ。」
更に真っ赤になってしまった鼻の下に、琴子はまた溜息をついた。
「美人が台無し。」
「大丈夫だ、いつもと変わらない。」
自分の席に戻った直樹が冷たく返してくる。
「…あの、先生?」
鏡を机に置きながら、琴子は直樹を見た。
「沙穂子さんは…花粉症ですか?」
「沙穂子さん?」
沙穂子とは直樹の父親の会社の顧問弁護士の孫娘である。
「そんなこと知らない。」
「そうですか…。」
美人の沙穂子が鼻の下を真っ赤にしているなんて、想像できない。
「本当の美人はこんなことにならないんだろうなあ。」
それに比べて自分の顔は何とひどいことかと、琴子は鼻をすすった。
「何を言ってるんだか。」
直樹は支度をして、顧問先へと出かけて行った――。



「ほら。」
「先生、これって…。」
戻ってきた直樹が自分の机の上に置いた物を見て、琴子は目を見張った。
「これは…“鼻リッチ”じゃないですか!」
“鼻リッチ”、それは柔らかい素材の高級ティッシュペーパーであった。

「もしかして先生…。」
「何だ?」
「…今月のお給料、このティッシュですか?」
「…何?」
「とうとうお給料、現物支給になったとか?」
ワナワナと震える手で琴子は“鼻リッチ”5箱を指さす。
「…ティッシュ5箱だけしか給料払わねえって、どんだけ強欲経営者に俺を見ているんだ?」
「それじゃあ、これはなぜ?鼻リッチってティッシュで一番高いんですよ?」
「こんなサンドペーパーみたいなもんで鼻をかんで、お前の低い低い鼻がその丸い顔の中に埋没しないようにという、俺の優しい心遣いだ。」
「サンドペーパー…低い鼻…埋没…。」
机の上に散乱している青木のポケットティッシュを見ながら、琴子は鼻をツンツンと突いた。
「俺は鼻なしお化けを見ながら仕事するなんて、まっぴらごめんだからな。」
「お化けにまでなりますか、私…。」
あまりの言われようにトホホと肩を落とす琴子であるが、ふと気づいた。

「ということは、このティッシュは先生からのプレゼント?」
「そういうことだ。」
「嘘…夢みたい…。」
と、琴子は鼻リッチ5箱をギュッと抱きしめた。
「ティッシュくらいでオーバーな。」
「いいえ。先生からのファーストプレゼントです。もったいなくて使えない…。」
「使え!!」
「だってえ。」
「トナカイの赤い鼻はサンタの役に立つけれど、お前の赤い鼻は俺の役に全然立たないんだから。」
「ひ、ひどい。」
「フン、本当のことだ。」
と、直樹は自分の席に座る。
「ほら、コーヒー。」
「あ、はあい。」
琴子は慌ててコーヒーの準備をしに飛んで行く。
鼻なしお化けだの、役に立たない赤い鼻だのという言われようからして、直樹が自分を女性として意識していないことは明らかであった。
「沙穂子さんにはこんなこと、絶対言わないんだろうな。」
複雑な女心を少しでも直樹が分かってくれないかなと思いつつ、琴子はコーヒーをカップにと注いだ。



「ったく、あんなオタクがあいつの役に立ってたまるか。」
青木からティッシュをもらった時の琴子は、どこか嬉しそうだった(と、直樹にはそう見えた)。
「あの人も役に立つ」と言っていた琴子の台詞が直樹の耳には、「あの人は頼りになる」という風に聞こえたのである。
それがとても悔しくてたまらなかった。自分以外の男に感謝する琴子なんて見たくない。
そこで直樹は顧問先から戻る途中、ドラッグストアへと足を運んだ。

シーズンだけに、ティッシュは店頭に山となって積まれていた。色々な種類があるようだった。
「すみません。」
「はい。」
直樹が声をかけると傍で品出しをしていた男性店員が近寄ってきた。
「この中で一番肌に優しいティッシュはどれですか?」
「そうですね…やはりこちらになりますね。」
と出されたのが“鼻リッチ”。
「お値段が他の物より高いのですが、その分使い心地は最高…。」
と、そこまで説明したところで、男性店員が突然直樹の目の前から姿を消した。
「お客様、花粉症でいらっしゃいますか?」
と、代わりに現れたのはにこやかな女性薬剤師であった。直樹の格好よさに慌てて飛んできたのである。
「花粉症でいらっしゃるならばお薬の方もよろしければご説明いたしますが?」
「いや、俺は花粉症ではないので。」
「あら、そうですか?」
「…まあ、近くに花粉症の疑いのある奴がいるもんで、そいつのために買っていこうかと。」

――ったく、何で俺があんなオタクに対抗しなければならないんだ?
と思いながらも、これならば無料のポケットティッシュに勝てるに違いないと、直樹は高級ティッシュを5箱購入したのであった。



「お前、何をしてるんだ!」
「何って?」
「そんなことしたら、使えねえだろうが!」
直樹は琴子の机の上の物を指さして怒鳴っていた。そこには直樹が先程琴子に贈った“鼻リッチ”がビニール袋に入れられ、可愛いリボンでしっかりとラッピングされている。
「だって、先生からのプレゼントですもん。汚したくないし…。」
「使わねえと意味ないだろ!」
「ええ、やだあ。使わないもん。」
「使え!」
直樹は琴子がラッピングしたばかりのそれを勢いよく引きちぎった。そして相変わらず琴子の机の上で散乱している青木のティッシュを回収した。
「それ持って行ったら、ティッシュが足りなくなる。」
悲痛な声を上げる琴子に、
「だから俺の買ってきたやつを使えばいいだろうが。」
と、直樹は呆れている。
「ああ、もういいよ。勝手にしろ。お前なんてずっと真っ赤な鼻で泣いてろ。鼻なしお化けでピーピーわめいてろ。」
「ひどい。」
「ふん。」
琴子に使ってもらわないと青木に対抗して買ってきた意味がないではないか。
「先生はもうちょっと言葉を…くしゅん!」
「ほら、言わんこっちゃない。」
ティッシュはもう“鼻セレブ”だけしかない。琴子はおずおずと一枚を引っ張り出した。そして静かに鼻をかんだ。
「うわ…全然違う!」
その柔らかさに琴子の目が大きく見開かれた。
「どうだ?あのサンドペーパーみたいなやつよりいいだろ?」
「はい!比べ物にならない!」
喜ぶ琴子を見て直樹は満足げに笑みを浮かべた。

だがそれでも琴子は一箱だけは家に持ち帰るつもりであった。
「大事な大事な宝物にするんだもん。」
直樹が自分を気遣ってくれたことは間違いない。琴子はそれだけで十分嬉しかった。
…たとえ恋人候補には入れなくても。



**********

「残念でしたね。」
レジに立っている男性店員が力なく突っ伏している女性薬剤師に声をかけた。
「本当。あんなこと言われちゃったらね。」
男性店員と女性薬剤師は思い出す。

「鼻を赤くしていじけている姿も可愛いから悪くないんだけど、本人は気にしているみたいだから。」
と、鼻リッチを5箱買っていた先程の男性客。そのセリフを口にしていた時の顔の何と優しかったことか。

「絶対恋人ですよね。」
「間違いないわよ。恋人でもなければあんな風に思わないもの。」
あんなイケメンにあそこまで想われている女性は一体どんな人なんだろうと、男性店員と女性薬剤師は揃って「はあ」と溜息をついたのだった。










私は松○がCMしているティッシュを思い切って買ってみました…。
しっとりしていていいけれど、なんかもったいなくて鼻がかめない…。



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