日々草子 吾輩は猫である

吾輩は猫である

話はなかなかうまく書けない、コメントのお返事は滞ったままと何とも申し訳ないことばかりで。
それなのに足を運んで下さる方がまだいらっしゃるということは本当にありがたいです。
皆様にとってあまり面白くない話ばかり続いていたので、少しは人気のあるシリーズをと…あちらから出張させてみます。
でもどうだろうか?内容はやはりイマイチかも…><











吾輩は猫である。名前は…まあいい。
最近この町に越してきたばかりなので、色々と見回る日々を送っている。

ん?なかなか立派な家があるな。庭も相当広そうだ。
吾輩は塀の上に飛び上がった。
フッ、まだまだ吾輩もいけるな。こう見えても若い頃は美猫たちが放っておかなかったくらいだ。

塀の中は思った通り、広い庭が広がっていた。
ほう、東京にこんな邸宅を構えられるとはなかなかのもんとみた。
吾輩の下僕(主人ともいう)の家もなかなかの広さではあるが、この家ほどではない。

こんな家を構えるとは、主はまともな人間なのだろうか?
何か悪どいことをして財を成したに違いない。
近所にこんな家があるとは、これは厳しくチェックをしておかねば、吾輩の下僕に害が及ぶかもしれんな。

「一…二…三…あ、引っ掛かった。」

ん?ずいぶん幼い声が聞こえるな。
見ると幼児が庭で遊んでいる。

「あーあ、二重跳び三回しかできなかったよ。」

あれは見たことがあるな。確か縄跳びとかいう人間の遊びだ。

「チビ、もう一回やってみるからね。」
「ワン!」
幼児は男の子である。そして傍にいるのはこれまた図体のでかい犬だ。

「一…二…三…四…五!!」
どうやら先程より回数を多く跳べたらしい。フッ、無邪気なものだ。
子供というのはいいもんだ。あんなことに一生懸命なれるのだから。
吾輩くらいの年齢になると色々悩むことも多いというのに。

「跳べた!まーくん、五回跳べた!」
自分のことを「まーくん」と呼ぶなど、まだまだ幼い奴だ。
まあ、これからも健やかに成長したまえ。
吾輩は人生の先輩らしくこのまーくんとやらの成長を願いつつ、次の家へと回ることにした。
さて、またもや華麗な跳躍を…と、おおっ!!!

「ニャーッ!」

「ニャンコちゃんの声が聞こえた?」
「ワン!」

…やめろ、その呼び方は。
くそっ、吾輩としたことが足を滑らせるとは。

「ニャンコちゃん、いた!」
幼児が吾輩を見下ろしていた。
「どうしたの?どこから来たの?」

お前に言う筋合いはない。さっさとあちらへ行け。

「あれ?怪我してる?」

かすり傷だ、構うことはない。舐めれば治る。

「大変だあ!」

幼児は吾輩を抱き上げた。やめろ!子供に抱き上げられるほどまだ年老いてない!

「んしょ、んしょ。重いなあ。」

重くなどない!なぜ人間はこうも大げさに猫を扱うのだ。
吾輩の下僕も「最近太り気味」とか言いながら、勝手に吾輩の食事をダイエット用とやらに変えたのだ。頭にくる!

「ねえねえ、ニャンコちゃんが怪我しちゃったの!」
半分引きずられながら、吾輩は家の前まで連れて来られた。

「まあまあ、大変。」
最初に顔を出したのはこの幼児の母親だった。なぜ母親だと分かったかというと、幼児と顔がそっくりである。
「とりあえず、お家の中に入れてあげましょう。」
次に来たのは祖母か。
吾輩は家の中へと入る羽目になった。

家の中もなかなかのものであった。やはりこの家の主はまともな職業に就いていないとみえる。そうでもないとこんなに財は築けまい。

「怪我をしてるな。」
まだ人間がいたのか?吾輩の足に勝手に触っているのは男であった。
「パパ、大怪我しちゃってる?」
パパ?この幼児の父親か。
なかなか端正な顔立ちをしているが、今日は確か人間がいうところの「平日」とやらじゃなかっただろうか。
なぜ「平日」にこんな若い父親が家にいるのだろうか?
わかったぞ。この男は「ドラ息子」とやらに違いない。
きっと仕事もせず、父親が稼いだ金を食いつぶして暮らしているのだろう。なんという奴なんだ。

「いや、大丈夫だ。すりむいているだけだから。」
「よかったあ。」
フン、こんなドラ息子に大丈夫と言われて信頼できるものか。

「よかったね、ニャンコちゃん。パパはお医者さんだから。」
この父親は医者か。成程、まともな職業についているわけか。
ドラ息子とか財産食いつぶしているとか言って悪かったな。

「お手当してあげないと。」
「そうだな。」
「それじゃ、お薬を持ってくるわね。」
幼児の母親が薬を運んできた。

「真樹、やってみるか?」
「え?」
なぬ?
この幼児に吾輩の大事な足を手当させるとな!
この父親、正気か?

「でも…。」
「大丈夫、パパがちゃんと教えてあげるから。」
「…まーくん、できるかなあ?」
「大丈夫だよ。」

いやいや、なぜ吾輩を無視して決めようとしているんだ?
そこは吾輩に確認を取るべきだろうが。

「ニャ~。」

「ニャンコちゃんも、まーくんなら大丈夫って言ってるわよ。」

おいおい、この婆さんは何を勝手に解釈しているんだ。
吾輩はそんなつもりで鳴いたわけではない。

「分かった。まーくん、やってみる。」

ほうら、すっかり調子に乗ってしまった。

「まず、コットンにお薬をつけてごらん。」
「こう?」
「そうそう。」

ふん、もう好きにするがいい。

「で、そっと傷を押さえるように。」
「そっと…。」

痛いっ!!!

「ニャーッ!!」

「あ、ごめん。痛かったよね、ニャンコちゃん。」

痛くわない。ただ薬がしみただけだ。

「ごめんね、もうちょっと我慢してね。」

吾輩が訴えているにもかかわらず、幼児はまだそれを続ける。
ああ、やっぱり子供には大人の言い分は通用しないのだ。

「ニャーッ!!」
「ごめんね、お薬つけるの終わったよ。」
幼児は吾輩の足にフーフーと息を吹きかけ始めた。
「こうしたら、大丈夫かな?」
フーフーと息を吹きかけ続ける幼児。
その顔は真っ赤になってきている。まったく幼児は限界というものを知らないから困ったものだ。
「真樹、大丈夫だよ。」
「でもニャンコちゃん、きっと痛いんだよ。」
父親に止められてもまだ続ける幼児。
仕方がない奴だな。

「ニャー。」
「もう大丈夫?」
「ニャー。」
「よかった。」

やれやれ、このままではお前が酸欠になるところだったわい。

「それじゃ、今度は包帯巻いてあげようか。」
「はあい。」

父親に教えられながら、おぼつかない手で吾輩の足に包帯を巻く幼児。
ふん、幼児にしたらまあまあの腕だ。

「できたあ!!」
幼児は吾輩の顔を見て、ニコッと笑った。
「ニャンコちゃん、我慢いっぱいさせちゃってごめんね。でも頑張ったね、偉い偉い。」
何を子供扱いしているんだ。吾輩はお前よりずっと大人だ。

「まーくん、動物のお医者さんへの第一歩ね。」
なぬ!?
この、動物のお医者さんとは、あの仕事か?
風邪で弱っている吾輩の腕に笑いながら注射をしたり、太り気味と勝手に決めつけ下僕に余計な知恵をつける、あの悪魔のような仕事をこの幼児は希望しているというのか!!
何ていうことだ、悪魔に魂を売り渡していたなど!
ああ、吾輩はなんという輩に体を触らせてしまったのだろう。

「ニャー、ニャー。」

「ニャンコちゃんもまーくんにありがとうって。」
だからこの母親はなぜゆえ、勝手に吾輩の言葉を解釈するのだ。
悪魔への道を進ませないようにするのが、親の役目じゃないのか!吾輩がこの幼児が悪魔の道を進もうとしていることを教えているのに、何を呑気なことをヘラヘラと。

「それにしても、どこのニャンコちゃんかしら?」
「首輪がついてる。」
フン、下僕が勝手につけたのだ。
「ニャンコちゃん、どこから来たの?」
幼児が吾輩を見る。
「大丈夫よ、お写真を撮ってこの家の門の所に貼っておきましょう。」
幼児の祖母がいい考えとばかりに言いだす。そんなことをせんでも、吾輩は一匹で帰れるわ。
「きっと探している飼い主さんが見つけてくれるから。」



**********
やがて、吾輩の下僕がこの家のチャイムを鳴らした。

「すみませんでした、お世話になりまして。」
吾輩の下僕は最近越してきたばかりだからな。色々さまよったに違いない。しょうのない奴だ。やはり吾輩がいないとダメなんだ。
「怪我の手当てまでしていただいて。何とお礼を申し上げたらいいか。」
「ニャンコちゃん、我慢して頑張ったよ。」
幼児が下僕に余計なことを教える。
「まあ、僕がやってくれたの?ありがとう。」
「でも応急手当ですから、念のために獣医に診せて下さいね。」
幼児の父親が更に余計なことを言いやがった。全く親子共々口の減らない奴ら。
「そうだ、ニャンコちゃん、お名前何て言うの?」
何!?なぜ今更そんなことを知りたがる?
「ニャー!」
「分かってるわ、ちゃんと教えますよ。」
下僕が吾輩の主張を誤解している。教える必要はないということを吾輩は言っているんだ。

「あのね、お名前はね。」

「ニャー!」
言わんでいい!!

「ゴンザエモンっていうの。」

ああっ!

「ゴンザエモンかあ。お大事にね、ゴンザエモン。」
そんなに名前を連発するな、この悪魔志望の幼児が!
吾輩はこの名前が嫌なんだ。どうして吾輩の見た目に合った名前(たとえばロバートとか)をつけてくれなかったのか!



**********
「ニャー。」

「あ!ゴンザエモンだ!」
フン、今日も変わらず縄跳びか。

「元気になったんだね、ゴンザエモン。」
お前の父親のせいで吾輩はあれから悪魔の所へ連れて行かれた。
まあ、お前のおかげでそれほど痛い目には遭わなかった。
一応礼くらいは言いに来てやったんだ。

「ゴンザエモン、ゴンザエモン。」
だからその名前を連呼するでない。

「まーくんね、あれから包帯を巻く練習いっぱいしてるんだよ。」
あ、そ。
「上手になったから、また怪我したら巻いてあげるね。」
なぜまた怪我をすると決めつける?
どこまでも悪魔の所業が好きな幼児だ。
お前があの悪魔の職業に就いても、おそらく診てほしいという動物はおるまい。
だから仕方ないから吾輩がお前の犠牲になってやろう。
せいぜい精進することだ。

「ニャー。」
「あ、喜んでくれたんだ。よかった。」
しょうがない奴だと言ったんだが、勝手に解釈するところは母親譲りだな。


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佑さん、ありがとうございます。

出張させてみました。
佑さんにほっこりしてもらえてうれしいです。忘れないでいてくださってありがとうございます。
ゴンザエモン、三毛猫設定なんですよ。自分で自分がわかっていない、ちょっととぼけたところのある猫ちゃんです。

marimariさん、ありがとうございます。

ゴンザエモン、まーくんをかなり気に入った様子で。
ひねくれているところがちょっとかわいい気がします。
お元気そうで何よりです、marimariさん♪

たまちさん、ありがとうございます。

へ~そうなんですか!!
実は動物苦手で(汗)当然飼ったこともないんですよね。
じゃあまーくんにおとなしく治療されていたのは奇跡みたいなものですね!
会話がかみあってないまーくんと琴子ちゃんです♪

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みゆっちさん、ありがとうございます。

風邪、流行ってますもんね。
治りかけたかと思うとぶり返す、よくあることです。
お大事になさってくださいね!!
それにしても、某ぴくもんさん(笑)某は一体…(笑)
なんかストーカーみたいなことをしているみたいで、申し訳ありません。
いつも楽しませていただいているんですよ~。
私はとりあえずくいだおれ太郎のポーズの練習をする必要があるんですね(笑)
ゴンザエモン、気に入っていただけてよかったです。
渋いネーミングにするつもりだったので♪

のんびりははさん、ありがとうございます。

おお、のんびりははさんも風邪を!!
流行ってますよね~お大事に!
そんな大変な時に来て下さりありがとうございます。
カボチャの世界も続けられるよう頑張りますね。

さんざしさん、ありがとうございます。

はじめまして、コメントありがとうございます!

ウフフ、デーモン閣下…わかりますとも!吾輩ときたら彼ですよね♪
でもあんな感じの話し方を想像して書いていたので嬉しいです。
ぜひ、また遊びに来て下さいね!コメントもお気軽に残してくださると嬉しいです。

紀子ママさん、ありがとうございます。

わーん、紀子ママさん、すみません!!
何度も紀子ママさんに甘えてしまっているみたいで情けないです!!
そうなんですよね、これ以上ぶつぶつ言っていると、本当に紀子ママさんやみなさんに見放されそう><
そうなる前に頑張らないと!
紀子ママさんのコメント読んでいたら、二次を書き始めた頃の気持ちを思い出しました。
「どうせ誰も読まないだろうから、好き勝手なことを書いちゃえ」という何ともすごい気持ちで書き始めたんだった。
今もその気持ちで続ければいいんですよね、きっと。

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ぴくもんさん、ありがとうございます。

ゴンザエモンにそんな熱いラブコールを!
ありがとうございます!!
そうなんです、ゴンザエモンは飼い主が大好きなんですよ。そして獣医を毛嫌いしていると(笑)
とにかくふてぶてしい猫を描こうと、頑張ってました。
まーくんが好き勝手にしてもおとなしいですしね。普通引っかかれてますよね(笑)
人間が嫌いじゃないんでしょうね~。
ぜひまた、ゴンザエモンを出したいです!
コメレスのタイミングは気にしないでください。珍しく早くコメレスしてたからですよね!

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プロフィール

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

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