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2013.01.16 (Wed)

シンデレラ・コトリーナ

紀子ママさーん、今夜のあの番組は永久保存版です!!ついでに来週後編放送です(笑)
教えてくださってありがとうございます!!






【More】



昔昔、あるところにコトリーナという女の子がおりました。
「コトリーナ、ドレスをまた焦がしたわね!」
「コトリーナ、バッグに染みを作ったでしょう!」

コトリーナを叱っているのは、ユーコとアヤコという姉妹です。この姉妹は何かとコトリーナをこき使っておりました。
コトリーナは家事が苦手なのに、それをやらされております。

「ああ、もう!今夜はお城で舞踏会なのに。」
「王子様をゲットするチャンスね。」
「アヤコ、ゲットするのは私ですからね。」
「ふん、若さが最後は勝つのよ。」

今夜開かれる舞踏会に、姉妹は意気込んでおりました。この姉妹、自分たちの美貌に自信があり王子様の妃になろうとしております。

「それじゃ、行ってくるわね。」
「…私も舞踏会、行きたいな。」
モップを手にしたコトリーナがポツリと呟くと、姉妹は顔を見合わせ大笑いしました。
「あんたなんか王子様に見向きもされないわよ。」
「そうよ、王子様は理想が高いらしくて相当の美女じゃないと興味を持たないんですって。」
そして姉妹は馬車に乗ってお城へと出かけて行ったのでした。

「はあ…。」
一人寂しくお留守番のコトリーナは、ゴシゴシとモップかけを始めました。
「王子様か、どんな方なのかしら?」
あの姉妹が夢中になっているくらいなのだから、それは素敵な人に違いありません。

「そんなに気になるなら、会いに行ってみる?」
「え?」
突然聞こえた声に、コトリーナはモップを落としてしまいました。
「だ、誰?」
辺りを見回すと、
「ウフフ。」
と妖艶な美女が現れました。
「誰?誰なの?」
コトリーナは拾ったモップを美女へと向けます。
「ちょっと、怪しいもんじゃないわよ。アタシは魔女。」
「魔女!?」
「そう、モトちゃんと呼んでよくってよ?」
「…怪しい。」
「怪しくないってば。そんなことより、あんたも舞踏会に行きたいんじゃないの?」
「それはそうだけど。」
ようやくコトリーナはモップを下ろしました。
「それじゃ、行きましょうよ。」
「どうやって?」
「まず、カボチャを持ってらっしゃい。」
コトリーナは半信半疑で台所からカボチャを抱えてきました。
「カマ、カマ、カマ~!」
モトちゃんがステッキを振ると、カボチャがたちまち立派な馬車に変わりました。
「すごい!」
「まだまだ。さ、次はハツカネズミを六匹連れていらっしゃい。」
コトリーナは言われた通り、ハツカネズミを連れてきました。
「カマ、カマ、カマ~!」
またモトちゃんがステッキを振ります。するとハツカネズミが六頭の立派な馬になりました。
「すごい、御者まで!」
カボチャの馬車には御者までいました。コトリーナは驚いて目をパチパチとさせることしかできません。

「あ、いけない。大事なことを忘れてたわ。」
「大事なこと?」
「あんたの格好。ドレスを用意しないとね。」
「ドレス?それならユーコとアヤコのがあるから、大丈夫。あの人たちいっぱい持っているから一着くらい拝借したって…。」
「いやいや、あの二人のドレスはあんたじゃ胸が余るって。」
「…何か言った?」
「いえ、何でも。」
コトリーナにギロリと睨まれた魔女モトちゃんはまたもや「オホホ」と笑いました。

「人のなんて借りなくたって、ちゃんとあんたに似合う物を用意してあげるわよ。」
そして魔女モトちゃんは、
「カマ、カマ、カマ~!」
と呪文を唱えながら手にしているステッキを振りました。

すると何ということでしょう。
コトリーナが着ていたオンボロ服があっという間に、綺麗なピンク色のシルクのドレスに変わったではありませんか。髪も綺麗に結い上げられ、アクセサリーが輝いています。

「うわ、すごい!」
コトリーナは鏡に向かってうっとりとなっております。

「さ、行ってらっしゃい。」
「行ってきます、本当にありがとう。」
「どういたしまして。楽しんでいらっしゃいね。」
こうしてコトリーナはお城へと出発したのです。



「ひゃあ…。」
お城へ入ったコトリーナは、その舞踏会の素晴らしさに圧倒されていました。
王子様を狙った女性たちが目をギラギラと輝かせております。
「あ、ユーコたちだわ。」
大広間の中央に、ユーコとアヤコの姿が見つかりました。
「だとすると、あれが王子様…。」
女性たちに囲まれている男性、それがこの国の王子ナオキヴィッチでした。
「何て素敵な王子様。」
コトリーナの目は王子の姿に釘付けです。それもそのはず、ナオキヴィッチ王子は背が高く美形だったのです。

「ああ、私なんてお傍に寄れないわ。」
コトリーナはバルコニーに出てしょんぼりとしておりました。そのコトリーナの頭をパコーンと叩く者がありました。
「あんた、何をやってるのよ!」
「魔女さん!」
魔女モトちゃんがコトリーナを睨んでおりました。
「何ぐずぐずしてるわけ?さっさと王子様にアタック、アタック!」
「そんなこと!だってみんなきれいだし。」
「あんた、何を言ってるの?」
モトちゃんはコトリーナのドレスをつまみました。
「このアタシがコーディネイトしてるのよ!いい?その辺の小娘たちに負けるわけないの!もっと自信を持ちなさいよ!」
「で、でも…。」
「あ、王子様がちょうど一人になったわ。ほら!」
モトちゃんはコトリーナの背中をドンと押しました。

トッ、トッ、トッ…。
コトリーナはバランスを崩したままつま先で歩き、前からやってきたナオキヴィッチにぶつかってしまいました。

「てめえ、何をしやがる!」
ナオキヴィッチはその顔に似合わない言葉遣いでした。
「ご、ごめんなさい。」
その言葉遣いに驚きながらも、コトリーナはきれいな王子の顔に見とれます。
「まあまあ!ちょうどよかったこと!」
そこへ登場したのはナオキヴィッチの母、ノーリー王妃でした。
「さ、ナオキヴィッチ。こちらのお嬢さんとダンスを踊りなさい。」
「何で?」
「何でって?舞踏会なんですから踊るもんでしょうが!」
ノーリー王妃に押し出されるようにして、二人は中央に出ました。

渋々ナオキヴィッチはコトリーナと踊り始めました。コトリーナは夢の中にいるようでふわふわしています。
「痛え!」
「ごめんなさい。」
…ふわふわし過ぎて、コトリーナはナオキヴィッチの足を踏んでしまいました。
一度だけではなく、コトリーナはそれから何度もナオキヴィッチの足を踏んでしまいました。

ゴーン…ゴーン…ゴーン…。

十二時を告げる時計の音が響きました。
途端にナオキヴィッチがコトリーナの手を離します。
「悪いが、俺が舞踏会に出るのは十二時までという約束なんだ。」
「へ?」
「十二時まで出ればあとは自由にしていいと両親に言われたんでね。」
そしてナオキヴィッチは足早に大広間を出て行ってしまいました。
「待って、待って下さい!」
コトリーナはナオキヴィッチの後を追いかけます。

「何だよ?」
「あの、待って。せめて今夜の思い出を。」
「は?」
「何か記念品など…。」
「広間に並んでいる飯を好きなもん、持って帰れ。」
「消え物じゃなくて!」
「じゃあ何を?」
コトリーナはナオキヴィッチを頭からつま先まで見ました。
「これを!!」
そしてコトリーナはナオキヴィッチの右足から靴を脱がせました。
「てめえ、返せ!!」
「私が踏みまくった王子様の靴を記念に下さい!」
「ざけんな!」
靴を手にコトリーナは階段を駆け下ります。あとを追いかけるナオキヴィッチ。

こうしてコトリーナは馬車に飛び乗り、お城を後にしたのでした。



「…あんた、何気にすごいことする子なのね。」
魔女モトちゃんはコトリーナの行動に呆気にとられてました。
「だって、もう会えないと思うと。」
ナオキヴィッチの靴は綺麗なクッションの上に置かれておりました。
「いいの。これさえあれば、いつでも今夜を思い出せるわ。私、それだけで幸せ。」
うっとりと靴を見つめるコトリーナ。そんなコトリーナがモトちゃんは不憫でなりません。
「欲のない子だこと。」
モトちゃんは困ったように笑いました。

「ここは魔女モトちゃんの腕の見せ所ね。」
モトちゃんは小高い丘に箒で飛んでいきました。そこからはお城が見えます。
「カマ、カマ、カマ、カマメシはトリカマ~!!」
お城に向かってモトちゃんはステッキを大きく振りました――。



翌朝、お城の侍従はナオキヴィッチの元へ飛んでいきました。
「お呼びでございますか?」
「俺の靴がない。」
ベッドの下にあるはずの、ナオキヴィッチの靴がないのです。
「他のを持ってくるように。」
「それが…。」
「何だ?」
「…王子様の靴は全て、このお城からなくなってしまいました。」
「何だと!?」
ナオキヴィッチはベッドの上から声を上げました。
「それじゃ、靴屋を呼べ!」
「それが靴屋は今朝、突然職人旅行に出発を。国中の靴屋が共に出かけてしまいました。」
「何だと!?」

それではと、ナオキヴィッチは侍従たち、はては王の靴まで持ってこさせました。しかしどれ一つ、サイズが合わないのです。

「残っているのは、これだけか。」
昨夜の舞踏会で履いていた靴、左足だけしか残っていません。
「そうだ。右はあいつが持っていたはず。」
そこでナオキヴィッチはコトリーナのことを思い出しました。



「王子の靴を奪った女に告ぐ~今すぐこちらに靴を差し出すように~。」
町を王子の使いが歩いております。
「私のこと?」
その声が聞こえたコトリーナは、靴を手に家から飛び出しました。
「あ、王子の靴だ!」
「これはだめえ!!」
侍従たちの手から、コトリーナは靴を庇って一歩も譲りません。
「仕方ない。」
侍従たちはコトリーナごと靴をお城へと運ぶことにしたのでした。

「まあまあ!昨夜の可愛いお嬢さんじゃありませんか!」
コトリーナの再登場に大喜びなのは王妃でした。
「私は一目見て、気に入ったのよ。ナオキヴィッチのお妃になってちょうだい。」
「はあ!?」
ナオキヴィッチが抗議の声を上げました。
「何で俺がこいつと?」
「おだまり!こうでもしないとあなたはずっと独身です!」
とりあえずコトリーナと共に暮らして相性をと、王妃によって話はトントン進んでしまいました。



それから三か月後――。

「かんぱーい。」
グラスを合わせてるのは、王妃と魔女モトちゃんでした。
「よかったわ、ナオキヴィッチが無事に結婚できて。」
三か月の間にどこがどうなったのか、ナオキヴィッチとコトリーナは結婚することになったのでした。
「モトちゃんに花嫁探しをお願いして正解だったわね。」
「あの子だったら、絶対王子様にぴったりだと思ったんです。」
モトちゃんの予想は見事に当たり、ナオキヴィッチはコトリーナを愛するようになったのでした。
「可愛くて優しくて明るい子、本当にコトリーナちゃんはその通り。」
可愛い娘ができて王妃は大満足です。
「これからもよろしくね、モトちゃん。」
「はい、王妃様。」
王妃とモトちゃんは再び乾杯したのでした。
明日は二人の結婚式です。

めでたし、めでたし。


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*Comment

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 |  2013.01.16(Wed) 23:36 |   |  【コメント編集】

★ちょ、何て強引な(爆笑

何気に王妃と魔女が結託してるなんて!
しかもナオキヴィッチの邪険振りがそれらしくて素敵です。しかもコトリーナが靴を脱がせるところがコトリーナらしくて最高です。
松本姉妹が出てきたり、どれもこれもぴったりすぎてブラボーです!!
今はうまく話が進んでいない私めに、モトちゃんにカマカマカマ~って魔法かけてもらいたい気分です。
ソウ |  2013.01.16(Wed) 23:57 |  URL |  【コメント編集】

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 |  2013.01.17(Thu) 00:05 |   |  【コメント編集】

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 |  2013.01.17(Thu) 00:22 |   |  【コメント編集】

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 |  2013.01.17(Thu) 06:05 |   |  【コメント編集】

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 |  2013.01.17(Thu) 13:02 |   |  【コメント編集】

★紀子ママさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。
私、釜めしは鳥釜が一番好きなんです♪
ゴルゴ、なかなか見応えありましたね~。
私もタバコでインクを乾かすというあのハードボイルドぶりにはうなりました(笑)
水玉 |  2013.01.24(Thu) 21:24 |  URL |  【コメント編集】

★ソウさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。

ナオキヴィッチがシンデレラコトリーナを追いかける状況が、どうしても想像つかなかったんです。
そもそも「なんて美しい姫」なんて絶対言うわけないし。
なのでコトリーナから追いかけられる理由を作るしかないかなと。
松本姉妹とか私も楽しく書けました♪
私も話がうまく進まなくて、魔女モトちゃんにお願いしたいです><
水玉 |  2013.01.24(Thu) 21:25 |  URL |  【コメント編集】

★ぴくもんさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。

そうそう、私もあの表紙をイメージしたんです!
あれって全員メイド姿ですけれど、なんかシンデレラっぽいような(笑)
カマカマカマは読んで下さった方のツボに入ったみたいで嬉しかったです。

本当にぴくもんさんが続けていられると「私も楽しもう」って思います。
同じことを考えていたような気がしてちょっと安心しました。
でも自分が楽しむのが一番ですよね!!
水玉 |  2013.01.24(Thu) 21:27 |  URL |  【コメント編集】

★まあちさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。
魔女と王妃の結託、なかなかでしょ?
でもナオキヴィッチがコトリーナを愛するのは魔法をかけられたからじゃないということで(笑)
きっかけを作ったのもコトリーナ自身でしたしね(一応)
水玉 |  2013.01.24(Thu) 21:28 |  URL |  【コメント編集】

★佑さん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。
そうですね、モトちゃんが主人公ですよね(笑)
コトリーナちゃんは…なんだ?
いえいえ、知らせてくださろうとしたそのお気持ちがとてもうれしかったですよ!!
コメント欄でも大丈夫ですので、何かございましたら(笑)
水玉 |  2013.01.24(Thu) 21:29 |  URL |  【コメント編集】

★吉キチさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。
お久しぶりです!!

靴を全部どうにかしちゃう、ついでに職人も国から追い出すとモトちゃんの魔法がすごいですよね(笑)
コトリーナちゃんがお城にいる間、色々と相談に乗っていたんだと思います。
靴の強奪、追いかけずにいられませんよね。

ぜひ、私もいつか三か月の間の話も書いてみたいと思います!
水玉 |  2013.01.24(Thu) 21:31 |  URL |  【コメント編集】

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