日々草子 リサイクルする後輩

リサイクルする後輩

ボソッとつぶやいたことで、ご心配おかけしてすみません。
…色々年末から考えてはいたんですよね。
『法律事務所』あたりから、「ああ、読者様たちをがっかりさせていることが増えてきたなあ」と気づき始めて。
年末の『法律事務所』は相当がっかりさせてしまったみたいで、本当に申し訳なさでいっぱいでした。
自分の書きたいものが、どうも読者様の好みとずれているという事実をどうしたものかと。
それでも続けていいのかとか、色々と。
それなのに、こんなの書いているし。ごめんなさい。
シリアスも好きですが、コメディも同じくらい好きなんです。









「…お目覚めかね、ドクター西垣。」
ん?ここはどこだ?
僕は確か当直を終えて、自宅へ戻るところだったはず。そこをガツンとやられて…。

「手荒な真似をして済まなかった。」
目を開けると、そこには外国人のオッサンたちがズラリと並んでいた。
うーん、ガツンとやられたショックからか、なんかまだ体が宙に浮いている気分…いや、本当に浮いている!!
僕は天井からつるされたロープでしばられ、ブランブランと体が文字通り宙に浮いていた。

「ちょ、ちょっと!!ここどこ?」
「それはお答えできない。だが、日本であることは間違いない。」
外国人というのにどういうわけか流暢な日本語だ。
「ああ、君は英会話学校を追い出されたと聞いているから日本語に堪能な人物がここには集まっている。」
「そりゃどうも。」
何で僕のトップシークレットをこいつらが知っているんだよっ!

「で、あなたたちはどなた?」
お言葉に甘えて僕もおもいきり日本語で訊ねる。
「それもお答えできない。世界各国から集まっているとだけ教えておこう。」
「あ、そうですか。」
僕はブラーンブラーンと揺れながら、彼らを見下ろす。

「君に来てもらったのは他でもない。彼のことについて教えてほしいんだ。」
「彼?」
「デューク入江、またの名をゴルゴ入江。彼とは行動を共にしているね?」
「ちなみに本名は入江直樹ですけれどね。」
くそっ!また入江絡みかよ!
「質問に答えたまえ、西垣。」
「はいはい、同僚ですからね。」
「入江について教えてほしい。」
「彼はどこの国の生まれなんだ?」
「どこって…ジャパンでしょうが。」
何を言ってるんだ、オッサン。
「日本とロシアのハーフという噂は事実かね?」
「はあ!?」
僕は目を剥いた。あいつが日本とロシアのハーフ?おいおい、冗談はよしてくれ。お袋さんは美人だが日本人。そしてあの親父さんはどっからどう見ても日本人だぜ?

「ゴルゴ入江については謎が多すぎる。少しでも我々は彼についての情報を得たいと思っているんだ。」
「だから僕を攫ったと?」
「そうだ。」
「ちょっと待って下さいよ。もしかしてあなたたち、僕を入江のマネージャーか何かと思ってません?」
僕は体を揺らしながら抗議する。
「僕はただの同僚!あいつから給料も何ももらってないし。大体、あいつについて情報を得たいって思うなら…。」
ブランブランと揺れながら、僕は告げた。
「琴子ちゃん…ゴルゴ入江の奥さんに聞くのが一番ですよっ!!」

すると辺りは静まり返った。
オッサンたちの顔が真っ青になり、こめかみがブルブルと震えているのが見えた。

「君は…何を自分が言ったか分かっているのかね?」
「はい?」
「今、何と言った?」
「だから、デュークだかバロンだか知りませんけれど、入江の奥さんに聞けと…。」
「このたわけが!!」
リーダー格とおぼしきオッサンがテーブルを叩いた。

「彼女に手を出したら、どうなるか分かっているのか!!」

「…はい?」

「彼女に指一本触れてみろ!あの男の銃弾で世界は滅びることは目に見えている!!」
「いいや、地球が滅亡だ!」
銃弾って、あの座薬の銃弾のことですか?

「君は彼の恐ろしさを全く分かっていない。」
オッサンたちが頭を振った。
すげえ、入江。もはや人間扱いされてねえじゃん。
ていうか、琴子ちゃんに指一本触れたら地球滅亡って、人類の行く末はあの一看護師に委ねられているってこと?

「それで僕をさらったと?」
「そうだ。君ならばゴルゴ入江は眉ひとつ動かさないからな。」

うわ…他人に言われるとすごいショック。

「それはないでしょう?僕に何かあったら…。」
「地球が滅びると?」
「いや、そこまでの影響力は残念ながらありませんけれど。でも、斗南大病院の外科は困りますよ!」
…何とスケールの小さい存在なんだろう、僕って。自分で言っていて悲しくなってきちゃったよ。

「それなら安心したまえ。」
「どういうことです?」
「君の病院は幸い都内だ。都内の大学病院など医師はどんどんやってくる。大丈夫、君の代わりはいくらでもいるから。」

…ますますショックだ。

「とにかく、入江のことなんて僕は知りませんから!帰して下さいよ!」
ブラーンブラーンと揺れながら、僕が叫んだ時だった。

「…俺の周りを探る奴は誰だ?」

「こ、この声は!!」

この倉庫のような場所の二階部分から、入江がアーマライトM16を構えている姿が、はっきりと僕の目に飛び込んできた。
入江、助けに来てくれたんだね!!

「俺は素性を探られることが一番嫌いなんだ。」

「しかしデューク入江!我々の話も聞いてくれ!」
「問答無用。」
「教えてほしいんだ、君の国籍はどこなんだ?」
「よほど、命が惜しくないと見えるな。」
「落ち着いてくれ。第一、その中の弾は座薬だろう?」

そうそう、座薬。だから大丈夫だろう。殺傷能力はないはず…多分。

「…残念ながらただの座薬ではない。」

え?何、それ?ジェネリック医薬品とか?
スイス銀行に預金があるわりには、薬代節約してるわけ?

「とある患者に処方しようとして入れかけたんだが、どうしても本人が嫌がったために中断した座薬だ。つまり使用済み。」

いやぁぁぁぁぁぁ!!!
何、それ!!!

「リサイクルってやつですよ。」
なぜかこんな状況で僕の頭をのぞく入江。
いやいや、薬のリサイクルなんて聞いたことない!しかも銃弾にするとかありえないし!
医療廃棄物で処分しなければだめじゃんっ!!!

「わ、悪かった!」
「もう二度と探らない、誓う!!」
さすがに使用済み(つまり尻に一度突っ込んだ)の座薬を撃たれるのは勘弁してほしいのか、必死の形相でオッサンたちは逃げて行った…。





「お前とかかわっていると、僕の命はいくつあっても足りないな。」
無事斗南大病院に戻った僕は、ブツブツと入江に文句を言っていた。
「別に頼んでませんけれどね。」
「大体、素性って何だ?お前が怪しいことばかりしているからこんな目に遭うんだ。」
「俺の代わりはいませんから。」
「ぼ、僕の代わりだって…。」
「世界で西垣先生の代わりはいくらでもいることがばれましたね。」
「そんなことない!」
僕はムキになって言い返す。
「大体、自分だけが秘密を持っているとかいい気になるなよ?僕の秘密だって、世界で探られていることが今回のことで判明したんだから。」
「秘密?」
「そうだよ。僕が英会話学校を追い出されたってやつだよ!!」
そこで僕は気づいた。
い、今…僕、何を言った?

「…西垣先生、そうなんですか。」
右を見ると、ちょうどそこはスタッフステーションだった。看護師たちが僕を気の毒そうな目で見ている。
「あ、いや…それはね…ええと…。」
「私だって追い出されることはないと思う。」
「琴子ちゃん!!」
地球の行く末を握る看護師、琴子ちゃんまで僕を白い目で見ている。

そして左は…。

「うそ、医者って英語とか勉強してきたんじゃないの?」
「追い出されたって、どんだけひどい出来なわけ?」
廊下を歩く患者さんたちが、僕に呆れた視線を送っている。
「ちょっと待ってください、これには事情があって。」
「看護師さん!僕の主治医、西垣先生から変えて下さい!」
「看護師さん!執刀医、私この先生じゃ不安です!」
次々とチェンジを求める僕の担当患者さんたち。

「はいはい、ちょっと待ってくださいね。」
そしてなぜか患者さんたちの言いなりの桔梗くんと琴子ちゃん。
「ああ、大蛇森先生しか空いてないわ。」
「船津先生でもいいですか?」
「西垣先生以外なら誰でも!」

…ひどい。本当に僕の代わりはいくらでもいる状態じゃないか!

「入江、お前のせいだぞ!!」
「俺が何を?」
入江はクスッと笑う。
「これで周知の事実となりましたね、英会話学校事件。」
「入江!!」
「ダスビダーニャ、ガスパージン西垣。」
入江が変な言葉を言い残し、病棟を出て行く。

ダスビダーニャ?ガスパージン?
後で辞書で調べたら、ロシア語で「さようなら」「ミスター」って意味だった。
…入江の奴、本当にハーフとか?
いやいや、まさかな!!

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光子さん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

ゴルゴと大蛇森とオタク部がお好きなんて告白してくださってありがとうございます!!
全体的に人気はないけれど、好きな方は結構濃厚なコメントを下さる方が多いお話でもあるんです(笑)
や~安心しました!!
そうなんですよね、自分が楽しまないとと思う反面、せっかく来て下さっているのに申し訳ないなあとも思ってしまって。
お優しい言葉をありがとうございました。

里りんさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

初めまして、コメントありがとうございます!
わ~一気読みに加え何度も読み返してくださったなんて嬉しいです。
拙いお話が里りんさんを幸せな気分にしているなんて、こちらこそ教えていただけて幸せです。
他のサイト様と違う世界なので、いつも心配しているのですが…ホッ。

これからも里りんさんに足を運んでいただけるよう頑張りますね!
法律事務所へのお気遣いもありがとうございます。

たまちさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

そうなんです、シリアスに笑いを入れずにいられないんです、私。
でもそれがたまちさんを安堵させているようで嬉しいです。
運まで吸い取られていく西垣先生(笑)
確かにおっしゃる通りですよね!
ここまで悲惨な目に遭いながら、どうしてつるもうとするのか。
いい加減気付けと言いたいところですが、そこが抜けているんだろうな~。

ふだんはROM専さん、ありがとうございます。

初めまして。
信念を曲げて(笑)コメント、ありがとうございます。

なんというか上品なギャグとかおっしゃっていただくのが、こんな話で申し訳ないです。
そんでもって、この話と次のゴルゴ入江シリーズも裏切ってしまったような…ああ、すみません!!
私もなるべく、読んだ方が眉を顰めないよう、下品になりすぎないようなギャグをと心がけておりますのでほめていただけてうれしかったです。
ギャグはどうもラブ度が少ないためにあまり受け入れられないのが最近の悩みで…でもこうしてギャグも楽しんでいただける方がいらっしゃるんですね。嬉しかったです。

のんびりははさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

ゴルゴ入江へのお言葉、ありがとうございます。
琴子ちゃんだけが何も知らないので、おとぼけになっちゃいますよね。
一途に入江くんを思うところは変わらないと思うのですが。
過去作品、読み返していただけてうれしいです。
これからも読み返していただけるような話を書きたいです。

cocoさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

ありがとうございます。
二人が結ばれるまでの過程が好きとおっしゃってくださって。
…問題は結ばれた後なんですよね(笑)
そこがイマイチだからか、どうも続編がうまくいかないのかも。
お優しい言葉をありがとうございます。

ようたいさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

後回しにされるのも無理はないシリーズですから気にしないで下さい(笑)
読まれたことがないのに、好きだなんて思っていただけてうれしいです。
読まれた方はきっと皆無だと思うので、それでもわかるようにと書いているのですがやっぱり一人よがりになりつつあるのかな?
でも楽しんでいただけてうれしいです。

紀子ママさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

そうそう、ロシア皇帝の子孫説ありましたよね。あの話って人気投票でも上位なんですよ。
でもシリーズ一貫して、ゴルゴは日本とロシアの血を引いている感じみたいです。
素性を調べたら命ないんですよね。本当にガッキーはよく生きているもんです。
法律事務所は、ムードをあそこまで盛り上げたらうまくいくかと期待された方が多かったみたいで…。
そういう期待に応えることも必要なのかなあと悩んだりしちゃいました。

綾香さん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。

コメントありがとうございます。拍手だけでもしていただけてうれしいですよ~。
法律事務所は最初からコメディ路線で行くことを決めていたので、楽しんでいただけて何よりです。
前のお話も読み返していただいてありがとうございます。
好きなものを好きなようにと…ありがとうございます!!
こちらこそぜひ、また遊びに来て下さいね!!
遠慮なさらずに!!

まりもさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ありません。

法律事務所、お互い想い合っているのにつながらないところが何ともですよね(笑)
楽しんでいただけてうれしいです。
何度も読み返していただけてうれしいです。
あ~こんなにたくさんの方が読み返してくださっているんですね!!

りんさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。

ありがとうございます。
リアルじゃなくても後からでも読んで拍手をいただけたら嬉しいです。
私もイタキス好きで、本当にいろいろ妄想しているのですが最近はそれが枯渇してしまって…。
そろそろ終わりかと落ち込んでおりました。
温かいお言葉、ありがとうございます。

まいすけさん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。

ありがとうございます。
がっかりしていないとうかがって安心しました。
楽しんでいただけているんですね、よかった。
ぜひこちらこそ、これからもよろしくお願いします。

みかちっち~な♪さん、ありがとうございます。

お返事遅くなり申し訳ございません。

ありがとうございます。
オタク部にまで優しいお言葉を…。
あの二人、いつくっつくんでしょうかね?時間をかけたいのですがなかなかネタが浮かばず…><
ゴルゴまで!!うれしーい!!
プロフィール

水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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御訪問ありがとうございます
このブログについてのお願い
当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

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