日々草子 入江法律事務所 10
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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最新記事

メリークリスマス♪
一応、クリスマスらしきお話をば…。









それはクリスマスイブのことだった。

「お前、どうせ今夜暇だろ?」
書棚の整理にいそしんでいた琴子は、その手を止めた。
「…そんなことありませんよ?」
重い六法全書を隙間にギューッと詰めてから、琴子は直樹を睨んだ。
「予定あるわけ?」
パソコンのキーボードに手を置いたまま、直樹が訊ねる。
「当然じゃありませんか!今日を何の日だと?クリスマスイブですよ?予定あるに決まっているでしょ!」
「…ふうん。」
直樹は長い指を組みあわせる。
「そうか、それならよかった。」
「へ?」
琴子は何が書いてあるのか分からない法律書を逆さまに置いたことにも気づかず、直樹をポカンと見ていた。
「いや、俺も今夜予定があるんだ。俺だけ楽しむのも悪いと思って。」
「予定…あるんですか?」
「何だ?俺に予定があっちゃ悪いのかよ?」
「いえ、めっそうもない。」
「ということで、今夜は早く上がるから。お前も予定あるんだから早く帰っていいぞ。」
しっしっと手を振る直樹であった。



「おめでとうございまあす!!」
カランカランと鳴り響く鐘の音に、琴子は顔をひきつらせた。
「三等です!景品はこちら!!ワインも一緒にどうぞ。メリークリスマス!」
「どうも。」
事務所近くに設置されていた福引きに気まぐれに参加したら、まさか当たるとは。

「…何であんなことを言っちゃったんだろ。」
琴子は応接用のソファに腰をおろし、盛大な溜息をついていた。時刻は21時。
直樹に初めから予定がないと決めつけられ、ついムキになってしまったのである。
当然、予定などなかった。残業でもいいから直樹と一緒に過ごせたらと思っていたのだから。
「それなのに、先生に予定があるなんて。」
一体イブにどんな予定があるというのか。
「まさか、デート…?」
一緒に働いているが、そんなそぶりを見せたこともない。プライベートな電話も受けている所を見たことがなかった。
「でも公私混同なんてしないもんね。」
今頃どんな美人と一緒にいるのだろうか。
それ以上考えることはやめよう。
琴子は窓から外を眺める。外は雪が降り出していた。
「ホワイトクリスマスか…。」
何てムードにあふれた夜。
琴子はもらったワインをマグカップに注いだ。
「メリークリスマス!!」
ひとりぼっちのクリスマス――。



「…何をやってるんだ、お前?」
ワインを一気にあおろうとした琴子は、その声に振り返った。
「何だ、その恰好?もしかして、お前の男の趣味か?」
「こ、これは福引で当たったんです!!」
琴子は女性用のサンタ衣装を身にまとっていた。
「せっかくもらったから着ないと勿体ないかなあと。」
どうせ一人だから何をしてもいいだろうと思い、半ば自棄気味の琴子であった。
「予定は?」
「…そんなのあったら、こんな恰好でこんな所にいませんよ。というか、それはこっちの台詞です!」
琴子は直樹を見た。直樹はフォーマルウェアである。
「先生、どうしてここに?」
「ちょっと書類を取りに寄ったんだ。そしたら明かりがついていたから驚いた。」
「デートとかじゃなかったんですか?」
恐る恐る尋ねるサンタ琴子。
「んなくだらないことするかよ。」
「くだらない…。」
「親父の会社関係のパーティーに顔を出せってうるさく言われてね。お袋がお前も一緒に連れてこいって言っていたけど、お前は予定があったみたいだから。」
「そうだったんですか。」
何だ、それなら早く言ってくれたらと悔やむ琴子であったが、直樹がデートじゃなかったことを知り安堵する。

「少しもらうぞ。」
そんな琴子の気持ちを知ることもなく、直樹は琴子が買ってきたチキンにかじりついた。
「お腹空いているんですか?」
「食おうと思ったら次々と話しかけられて、それどころじゃなかった。」
「へえ、そうなんですか。」
琴子も直樹の前に座り、チキンにかじりつく。
「俺のカップにもワイン。」
「はい。」
直樹が普段使っているコーヒーカップに、琴子はワインを注いだ。

――先生と二人のクリスマスになったな。

まさかこんな夜になるなんて。琴子はつい頬が緩んだ。


「何だよ、そんなに肉を食うことが嬉しいのか。」
「いえ、そんなこと。」
慌てて琴子は立ち上がり「ホワイトクリスマスになりましたね」と窓をのぞいた。
「嘘!!何、これ!!」
「え?」
何事かと直樹も琴子の傍に近寄った。
「何だ、これは!」
ホワイトクリスマスどころではなかった。辺り一面、大雪に覆われていたのである――。



『JR各線、私鉄各線とも現在運行を止めており…。』
「電車動いてないんだ。」
テレビの画面には、駅前で立ち往生している乗客がずっと映し出されている。普段雪が降らない東京は、大混乱に陥っている。

「どうしよう、帰れない。」
「…ここで夜明かしするしかねえか。」
「え?」
琴子の心臓が跳ね上がった。
――ここで、先生と一晩…。

その時、電話が鳴り響いた。直樹が受話器を取る。
「ああ、おふくろか。」
どうやら電話の主は紀子らしい。
「うん、そう、今事務所。そっちは?家?何で?」
どうやら紀子たちはパーティーを終え帰宅しているらしい。なぜ直樹はそれに驚いているのだろうか。
「親父が腰をひねって?何だ、そりゃ。で…ああ、いるよ。」
受話器を耳にあてたまま、直樹は琴子を見た。どうやら琴子が一緒かと確認されたらしい。
「え?部屋?ああ、そうか。予約してたもんな。え?俺らが?」
「俺ら?」
琴子は直樹の様子を見つめる。
「いや、確かにそうだけど…まあ…そうだな。」
琴子と窓を交互に見ながら、直樹は話し続ける。
「分かった。それじゃ。」
そして電話は終わった。

「おじさん、腰を痛めたんですか?」
電話の様子から琴子が心配すると、
「ああ。それで早めに切り上げて帰ったらしいけれど、それがよかったって。」
「ですよね。最後までいたら大変でしたよ。」
窓の外に降る雪は止む気配がない。
「その心配は必要なかったんだ。あの二人、元々パーティーが行われたホテルの部屋を取っていたから。」
「そうなんですか?」
「だけど、家でゆっくり腰を休ませたいとかで帰ってきたらしい。それでキャンセル料が勿体ないから俺たちに泊まって帰れって。」
「俺…たち?」
琴子は耳を疑った。
「今、俺たちって?」
「そう。お前も家に帰れないんだから泊まってけと。」
「それって…二部屋予約していたってことですか?」
「キャンセル料をケチるお袋が、んなことするか。スイートルーム一部屋だ。」
「スイートルーム!?」
そんな名称、テレビでしか聞いたことがない。
「ここから歩いて行けるホテルだから。」
「ここから歩いて行けるというと…。」
琴子は事務所近辺のホテルを思い浮かべた。
「ま、まさか、あそこ?」
「そう、あそこ。」
直樹は頷いた。
「ザ・パニンシュラ。」
「パニンシュラ!?」
お使いで前を通る時に「自分には縁がない」と思っていた高級ホテルに泊まる日が!?
琴子はサンタコスチュームのミニスカートを握りしめ、これは夢か幻かと何度も心の中で繰り返していた――。





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こちらの琴子ちゃんはかわいさ全開ですね♪
ミニスカサンタさんのコスチューム直樹さんは内心ドキドキでしょうね。
超ド高級ホテルにその格好で行くのかしら??
琴子ちゃんは何を着てもかわいいからな~
ドキドキが止まらないですね。
あ~~かわいい♪

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