日々草子 入江法律事務所 9
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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青木の証言の甲斐あって、啓太の無実は見事に証明された。

「入江、今度こそ勝ってやる!!」
判決が言い渡された後、船津が直樹に叫んだ。
「今回はまぐれだ、まぐれだあ!!」
「はいはい、どうぞご自由に。」
相手にしない直樹に、船津の怒りは増すばかり。
「入江、その態度は何だあ!!」
と、直樹につかみかかろうとする船津。が、その頭がファイルでスコーンと殴られた。

「検事、さっさと次の仕事に戻ってもらえます?」
船津を殴ったのは、女性である。どうやら検察事務官らしい。
「検事の仕事が遅いから、こちらも困っているんですよね。」
「ま、真里奈さん…。」
「入江先生の勝ちは勝ちなんですから。」
「真里奈さん!僕に愛想を尽かしてしまったんでしょうかあ!!」
「尽かす愛想もありませんけれど。さっさと戻りますよ。」
真里奈と呼ばれた事務官が船津の首をつかまえ、ずるずると引っ張っていった。

こうして法曹界伝説の弁護士対(自称)東京地検のホープとの対決も、幕が下りることとなった。



「ありがとうございます、入江先生!」
無罪を言い渡された後、啓太は直樹に感謝の意を伝えた。
「本当に、本当に先生のおかげで!」
「一回目の公判の時はどうなるかと」と言いたいところを堪えつつ、何度も啓太は頭を下げる。
「俺のおかげというより、相原のおかげです。」
「琴子の?」
「ええ。あいつが体を張って、証言をさせることに成功したので。」
途端に啓太の顔が真っ青になった。
「鴨狩さん?」
「琴子が…琴子が体を張って?」
そして啓太は頭を抱え、長い髪を振り乱し始める。
「そんな!俺のために琴子があのオタクっぽい男に身を任せたなんて!!琴子、何てことを、すまない!!」
「いえ、体を張ったとは、そういう意味ではなく。」
「やはり琴子の知り合いだ」と思いつつ、直樹は啓太をなだめる。
「じゃあどういう意味で?」
「ちょっと笑顔を見せてもらっただけというか。」
「笑顔を見せる?え?」
「あまり深く考えないで下さい。とにかく相原とあの証人はそういう関係じゃありませんから。」
「ああ、そうですか。」
啓太は胸を撫で下ろした。そんな啓太を横目に直樹は、
「あいつがあのオタクにそんな目に遭ったら、証言なんてできる状態に今頃なってないでしょうから。」
「え?」
琴子に指一本触れたら、青木は裁判所に出廷することは不可能な状態に直樹はしていただろう。
――俺以外の男があいつに触れるなんて、絶対許せねえ。



そして裁判所の外では琴子が直樹を待ち構えていた。
「おめでとうございます、先生!」
クラッカーを鳴らす琴子に、直樹の顔は相変わらずである。
「さすが先生です!啓太くんも喜んでいたでしょう?」
「まあな。」
頭にかかったクラッカーの中身を払いながら、直樹は素っ気なく答える。
「これでクリスマスも楽しく迎えられますね!」
間もなくクリスマスである。
「クリスマスかあ…。」
琴子の妄想劇場が幕を上げる――。



**********

そこは、とあるホテルのバー。
カウンターに琴子と直樹が座っている。
「メリークリスマス、相原。」
「メリークリスマス、先生。」
グラスを合わせる二人。何ともムードあふれる曲が店内に流れている。

「お前にクリスマスプレゼントがあるんだ。」
「プレゼント?」
そして直樹はパチンと指を鳴らした。するとバーテンダーがシャカシャカとカクテルを作り、琴子の前に出す。
「素敵な色…。」
それは淡いピンク色の美しいカクテルだった。
「名前は“琴子・マイ・ラブ”だ。」
「まあ、何て素敵な名前!もしかして先生が?」
「そう、俺がお前のために考案したんだ。」
誇らしげな直樹に、琴子の目は完全ハート型になっている。
そしてお互いの腕をからませ、そのカクテルを飲み干す二人。

琴子が直樹にしなだれかかっても、直樹は拒まなかった。それどころか直樹が隣からスッとある物を滑らせてきた。それはキーである。ついているキーホルダーには『1505』の文字が記されている。
「…部屋は取ってある。」
「先生…。」
ああ、いよいよ自分は直樹とそういう関係に…バーの窓から広がる東京の夜景に琴子の心臓が高鳴り始めた――。


**********

「お前の頭の中は、“ザ・昭和”だな。」
「へ?」
直樹の呆れ果てた声で、琴子は現実に引き戻された。ここはホテルではない、味もそっけもない路上であった。
「何だよ、そのネーミングセンスの欠片もねえカクテル。」
「え?私、また口に出してました?」
真っ赤になって琴子は慌てふためく。
「“部屋は取っておいた”っていつの時代の男の台詞?それに今時キーホルダーのついたキーを使っているホテル、都心にあると思うか?」
「だって、そういうとこ、泊まったことないんだもん。」
左右の人差し指をツンツンと合わせ、琴子は口を尖らせる。

「鴨狩と泊まったりしたんじゃねえの?」
歩きながらつい、そんなセリフが直樹の口から飛び出した。
「啓太くんと?」
思わず琴子の足が止まった。直樹は少し先に歩いたところで、琴子を振り返った。
「何で啓太くんと?」
「だってお前、そういう関係なんじゃねえの?」
「そういう関係?」
ボケッとしている琴子に、直樹は苛立ちを募らせた。
「だって、俺が前に知り合いかって訊ねた時に顔を赤くしていたじゃねえか。」
「ああ、あれは…。」
またもや琴子は顔を赤らめた。
「バイトしていた時に、啓太くんに好きだって言われたことがあって。」
「それでお前は?」
「啓太くんは友達としか思えなかったから。」
つまり断ったということである。啓太には悪いが直樹は胸の中が晴れ晴れとしてきた。

「そりゃまた、鴨狩は可哀想なことで。」
「だって仕方ないでしょう?恋愛感情ないのに付き合うことなんてできませんよ。それに…。」
琴子は直樹を上目遣いで見る。
「何だよ?安月給の身じゃ男と付き合えないと苦情を言いたいと?」
「そんなこと言ってませんよ!」
「ふん、勝手にお前の妄想に出演させられていい迷惑だ。」
琴子が啓太を何とも思っていないことを知った嬉しさを隠すために、直樹はそんなことを言った。
「そんなあ!妄想は自由じゃないですか。」
「冗談じゃない。ギャラをもらいたいね、ったく。」
「ギャラって!」
琴子は頬を膨らませ、言った。

「私たちの関係はお金以外に何もないんですね。」

なぜかそのセリフの時だけ、周囲が一瞬静まり返った――。

「聞いた?今の子の台詞。」
「お金の関係だけだって。それっていわゆる売…。」
と、女性たちがささやき合ったかと思えば、
「何だよ、あれ。」
「あの男、あれだけのルックスなら金で女買う必要ねえじゃん。」
と、男性たちが直樹に軽蔑の眼差しを向ける。


「お前…何か俺に恨みでもあるのか。」
直樹はブルブルとこめかみを震わせる。
「え?とんでもない!」
琴子は頭をブンブンと振った。

「ああ、もう!飯食いに行く!」
「先生、私もご一緒に!」
琴子が直樹の後を追いかける。
「何だよ、今度は安い飯だぞ?」
「そんな、値段なんて関係ないですってば。」
直樹に一生懸命並ぼうと、琴子が息を弾ませながら歩く。
「どうだか。」
「私は、先生と一緒に食べられればそれが一番のご馳走ですから!」
「きゃ、言っちゃった!」と琴子は顔を真っ赤にして俯いた。

「お前って…。」
「いえ、そんなあ!」
「やっぱり、俺に恨みがあるんだな。」
「え?」
琴子は顔を上げた。直樹が大きな溜息をついている。

「先生が一番のご馳走って、お前って本気で俺を骨の髄までしゃぶりつくそうって魂胆なんだな。」
「え?な、何でそんなことに?」
直樹の耳には「先生が一番のご馳走」としか聞こえていなかったのである。
「この間は俺の家を乗っ取ろうとかほざいてるし。え?俺がお前に何をしたっていうんだ?給料が安いからか?」
「そんなこと!誤解です!」
直樹の中で自分は完全に悪女決定である。琴子は涙目で直樹を見つめる。

「おお怖い。お前に食われないうちにどっかへ入らねえと。」
わざとらしく体を震わせて、直樹が地下鉄の駅へと消えていく。
「先生、待って!私はそんなことは微塵も考えてないんですう!」
泣きながら後を追いかける琴子。


「やれやれ。せっかくサービスで調べてあげたけど必要なかったみたいね。」
騒がしい二人を笑いながら見ている人物がいた。幹である。
「自分で確認したなら、もういらないでしょうね。」
幹は啓太と琴子の関係を調べた調書をビリッと破いたのだった――。




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